本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
おお。邪魔して……………
(駆け寄る占い師に気がついて。すちゃっとヘッドホンを下げた途端、
ちょうど耳に飛び込んできた「月が綺麗ですね」に、「えっ」と目を丸くし)
…マジで?イヤその。そー来る?参ったな…。
(さる文豪の、ある英文の訳にまつわる逸話が思い起こされたらしく、
「そのように」受け止めたのか、照れたような困ったような顔を背けて。
あげく「そりゃーあたしもお嬢のコトはキライじゃねーし」だの
「キモチは嬉しいけど…しかしだな」だのとブツクサ。三つ編みいじいじ…)
今夜は~、ここで~、一段落だよっ!
(重たかったペットボトルも半分以上減り、それを抱えて別室にお客さんがいないか確認して、残った焼きチョコとクッキーを食べよう!などと企んでいたところ、)
あ、お姉さんっ!!
(その姿を見かけて、嬉しそうに狭いだんぼーるはうす内を小走りで近寄って)
『こんばんは、月が綺麗ですね』
(今日は雨も無かった。事実月は綺麗だったが、外に出ていない茉菜にそれを知る術はない。
しかし、気分的にはこれだったのか、幸せそうに満面の笑顔でお約束の慣用句を)
(だいぶ暗くなってから、こそっと戻ってきて。
でも気が向いて、わざと本館には行かないで、声もかけないで、こちらに)
……………まだ。居るみてーだな。
(ヘッドホンをしたまま静かに席について。チロチロとメモ書きに目を走らせ。
差し入れをざっと眺めて、即座に焼きチョコとクッキーを口に放り込んで。
あつかましくお茶をコップに注いで、タオルを手にとって、ひと息。
隣室の気配と、自分は嗅ぎ慣れた香りをうかがいつつ。目をつむっている…)
【現在、テーブルの上にあるもの】
・焼きチョコ (武道先輩から)
・サマータオル (弥逢先輩から)
・クッキー (小淋さんから)
・大きなお茶ペットボトル×2 (悠さんから。片方は向こうに運び済み)
(【ご自由にお取りください】という、紙を二つに折って立てた小さなメモにそんな文言を記して、置いておく。来て下さった方は自由に食べて頂いて問題無さそうだ)
(一息ついて、青いバケツ発見)
あっ!これ見たことあるっ!!
ひんやりするやつだよねっ、凄いっ、文明の利器!!
(頂いた方を確認すると、大喜びしながら手に取って、タオルで拭いて早速首へ)
うわっ、冷たいっ! ……気持ち良いなぁ……(驚きから幸せへ)
弥逢先輩にこんな有り難い物もらっちゃっていいのかなぁ……っ。
……ああ、冷たくて気持ち良いなぁ。(誘惑に負けた)
今度お会いしたら、弥逢先輩にお礼言わなきゃ! これで夏に勝つr、夏に勝つr…!!(これらはネットスラングであり、情操教育上宜しくない事から一部を伏せさせ(略))
(人心地ついてからテーブルを見て)
わあ、可愛らしいクッキー! 小淋さんのだねっ!
(置かれたメッセージカードを見て幸せそうに)
お腹減っていたんだっ、一枚だけもらっておこうっ! 後は残しておいてっと……
(有り難さをひしひし感じながら、美味しそうにクッキーを頬張って戻っていく)
…!
(だんぼーるはうすを後にする際、鞄からラッピングされたクッキーを取り出した後、メモ帳から紙を一枚抜き取り、書き置きを残す)
『維都月さん、今回は占い有難うございました。
これはせめてものお礼ということで、宜しければお客さんと一緒に食べてください
浅山 小淋より』
【とりあえずはこの辺りでいいでしょう】
(満足したような表情で、その場を後にした)
…ん、これでいいかな…。
(水を半分ほど入れた青いバケツと乾いたタオルを運んできて、出入りする人がぶつかり難い位置を探して置き)
頑張る彼女と、お客さんの役に立てばいいのだけれど。
(バケツの水の中には吸収性ポリマーが使われたサマースカーフが幾つか浸けられ、水を吸ってぷっくりと膨らんでいる)
(以下書き置き)
お礼になるか分からないけれど、維都月とお客さんの分、ということで。
使う時は表面をタオルで拭いて、首に巻いて使ってね。
結び目以外の、ポリマーの入った部分を絞らない様に。乾いてきたらまた水に浸けてどうぞ。
弥逢 遊琳
…よし。(ちょっとだけ満足そうな顔をしてまた出て行った)
っと、ハイハーイそれじゃ俺も行ってこようかな。
とりあえず焼きチョコ好評だから今持ってる分全部おいてっとこっと(ザラー
(焼きチョコを手に取り、もそもそさくさく食べてから)
美味しい……疲れたときにはやっぱり甘味だよね。
(幸せそうにしつつ、カードを触る手前ウェットティッシュで手を拭きつつ)
武道先輩お待たせしましたっ、こちらへどうぞーっ。少しだけですが、こちらより涼しいですよーっ。
(ご案内しつつ、向こう側へ)
(占いが終わったのかそっと顔をだし)
『私のほうは終わりましたのでお呼びに来ました』
『弥逢先輩はもう帰られたみたいでしょうか』
『武道先輩もお待たせして申し訳ありません』
『こちらは終わったので、次は先輩の番ですよ』
ハハハどんどん食べちゃってー!そのほうがうれしっ☆
おーうブドーでもマスカットでもおにーちゃんでも好きに呼んでねっ!!
そう!俺があの噂の神速脱ぎのブドーでっす!
焼きチョコは食感面白くて好きだな~っと、運が良ければまた!!
行ってらっしゃい、浅山。(にこりと微笑み)
神速脱ぎ…?(少し首傾げ)
………あぁ、もしかしてトリエンナーレの最優秀賞とった子か。
大分噂になってたからその時名前が頭に残ったのかもしれない。
そう?ありがとう。
(快く勧めてくれた焼きチョコを幾つか摘まみ)
ん、美味し…僕焼きチョコ食べるのは初めてなんだけど、いいねこれ。
(暫くもぐもぐしていたがやがて満足そうに笑って)
うん、ごちそうさま。
…さて、僕は一度これで失礼するよ。ちょっと持ってくるものもあるのでね。
維都月と、運が良ければ志波もまた後程。
(軽く会釈してからだんぼーるはうすを後にした)
あっ、ありがとうございますっ。
ブーメランブドー先輩!(感動を隠さない) ……じゃなかった!志波 武道先輩……志波先輩って1年に弟さんとかいらっしゃいますか? それなら、ブドー先輩とお呼びした方がいいのかな……っ?
あっ。ありがとうございますっ。
計算を間違えちゃって、自分の顔より高いところに窓を作っちゃったから、ときどき手が届かなくて……、わあっ、やっぱり男の人って凄いなぁっ。(感嘆の眼差し)
溶けないお菓子っ!
武道先輩!! 私も焼きチョコ頂いても大丈夫ですかっ!?(目が『飢えた狼のよう』)
そう、俺が神速脱ぎのブーメランブドーでぃす!
二年ならどっかであってそうだし深く考えたら負けだぜぃチョコくえもっと食えィ☆
ん?上を広げたらいいのか…段ボールこういうの加工しやすいんだな(ぐいっ
『確かに焼きチョコなら問題なさそうです』
『武道先輩、ぬかりがないですね』(クスリと笑い)
『暑い事には変わりはないですが、倒れこむようなら体調も注意してますので』(苦笑)
『そうですね。占う前に一杯頂いておこうと思います』
『占いの方も満足した結果で良かったですね、弥逢先輩』
『維都月さんもわざわざお迎え有難うございますよ』
『では、順番が回ってきたようなので私も行ってきますね』
(紙コップに一杯お茶を淹れて飲み終えた後、先輩方二人に小さく頭を下げて占いの方へ向かった)
良かった…。(ほっと胸を撫で下ろし)
うん、ちゃんと終わったよ。さっぱりした。憑き物落ちた感じ。
君も行っておいで。
あー、維都月、無理しないで。
これだけお客さん居るなら、君ももう暫くは此処に居るんでしょ?
お礼代わりになるか分かんないけどちょっと思いついたことがあるからそれ楽しみに生きててくれると嬉しい。
だって此処暑いんだもの…浅山、僕の番の間待たせちゃったから心配で。
君もお茶、ちゃんと飲んだ方がいいよ。
(うっかり握り潰しかけた紙コップを気恥ずかしそうに自分の背に隠し)
志波か。ん、やっぱり何処かで聞き覚えはあるな。2つ隣のクラスなら、そんなものかな。
(声は知ってる様な、と呟きつつもイメージが合致しなかったらしく、挙句暑さで思考をポイ)
…ところで、いい匂いがする。それ、僕もつまんでいい?
そう思って、チョコはチョコでも焼きチョコにしてみたぜぃ。
んじゃ―まったり待たせてもらおっかなーお茶もお菓子も至れり尽くせり!!
…って、おぉういきなりあわててどっしたのー!?
って、ん?………んー………ふむ…
ヤァ、俺2年10組志波武道ダヨー。ご縁って大事だよね!!
小淋さん長らくお待たせだよ~っ!
あっ!
(武道先輩の姿を拝見して)
『制服光速脱ぎブーメラン先輩!!』(何か大変な覚え方している!)
こちらへどうぞだよっ。
弥逢先輩も狭いですが、どうかゆっくりしていって下さいねっ。
も、もう少し風通しが良くなるといいんだけれども……
(背を伸ばして高窓の開いている面積を上げようとしつつ)
(別のお客さんの声が聞こえたので、振り向き)
『武道先輩、こんにちは』
『先輩もこちらの占いに来ていらしてたのですね』
『ここが待合室のようですから、ここで待てばいいかと思います』
『流石にこの暑さにチョコレートは…溶けないうちに頂かないとですね』(苦笑)
Σ!!(慌てて入ってきた遊琳さんを見て)
『大丈夫です弥逢先輩!まだ普通に待てるほどには生きてますので…!』(汗)
『先輩の方こそ占いの方は無事に終わりましたか?』
(空になった紙コップを思わず手の中で半分ほど握り潰しかけながら入って来て)
ごめん浅山、やっぱり遅くなったけど生きてる…!?
…って、あれ、もう1人来てたのか。
(とんだお恥ずかしい所を、とばかりに軽く咳払いして暑気を無理矢理一度深く吸い込んでは吐き出し)
こんにちは。2年かな?学校で見掛けたことがある気がするよ。
2年8組、弥逢遊琳。これも何かの縁かな。
(何処か慎重な物言いながら、記憶の中に探りを入れたわけではなく素で初対面と思った様で軽く自己紹介して)