本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
…ん、これでいいかな…。
(水を半分ほど入れた青いバケツと乾いたタオルを運んできて、出入りする人がぶつかり難い位置を探して置き)
頑張る彼女と、お客さんの役に立てばいいのだけれど。
(バケツの水の中には吸収性ポリマーが使われたサマースカーフが幾つか浸けられ、水を吸ってぷっくりと膨らんでいる)
(以下書き置き)
お礼になるか分からないけれど、維都月とお客さんの分、ということで。
使う時は表面をタオルで拭いて、首に巻いて使ってね。
結び目以外の、ポリマーの入った部分を絞らない様に。乾いてきたらまた水に浸けてどうぞ。
弥逢 遊琳
…よし。(ちょっとだけ満足そうな顔をしてまた出て行った)