本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(空になった紙コップを思わず手の中で半分ほど握り潰しかけながら入って来て)
ごめん浅山、やっぱり遅くなったけど生きてる…!?
…って、あれ、もう1人来てたのか。
(とんだお恥ずかしい所を、とばかりに軽く咳払いして暑気を無理矢理一度深く吸い込んでは吐き出し)
こんにちは。2年かな?学校で見掛けたことがある気がするよ。
2年8組、弥逢遊琳。これも何かの縁かな。
(何処か慎重な物言いながら、記憶の中に探りを入れたわけではなく素で初対面と思った様で軽く自己紹介して)