本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
『確かに焼きチョコなら問題なさそうです』
『武道先輩、ぬかりがないですね』(クスリと笑い)
『暑い事には変わりはないですが、倒れこむようなら体調も注意してますので』(苦笑)
『そうですね。占う前に一杯頂いておこうと思います』
『占いの方も満足した結果で良かったですね、弥逢先輩』
『維都月さんもわざわざお迎え有難うございますよ』
『では、順番が回ってきたようなので私も行ってきますね』
(紙コップに一杯お茶を淹れて飲み終えた後、先輩方二人に小さく頭を下げて占いの方へ向かった)