本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
行ってらっしゃい、浅山。(にこりと微笑み)
神速脱ぎ…?(少し首傾げ)
………あぁ、もしかしてトリエンナーレの最優秀賞とった子か。
大分噂になってたからその時名前が頭に残ったのかもしれない。
そう?ありがとう。
(快く勧めてくれた焼きチョコを幾つか摘まみ)
ん、美味し…僕焼きチョコ食べるのは初めてなんだけど、いいねこれ。
(暫くもぐもぐしていたがやがて満足そうに笑って)
うん、ごちそうさま。
…さて、僕は一度これで失礼するよ。ちょっと持ってくるものもあるのでね。
維都月と、運が良ければ志波もまた後程。
(軽く会釈してからだんぼーるはうすを後にした)