シーサイドタウンにある「私立寝子島高等学校」の通学路にあたる小さな公園の一角に、
いつ撤去されても本当に不思議でないような場違いなダンボールハウスが置かれている。
小さな立て看板『うらないます』と描かれた、人が3~4人位しか入れなさそうな小さな小屋に入ると、
そこには大きめのテーブルと、その上に乗った、星型のキャンディのカゴ。
そして、あやしげなカードと水晶球が一つずつに、へんな色のローブを被った寝子島の学生と思わしき生徒が一人ちょこんと座っていた。
「さあ、当たるも八卦・当たらぬも八卦!占いうります!」
──こんな出会い頭に『占い的中率はランダムです』と言われて信用できる占い師など、どこにいるだろう。
「ただで、恋とか、金運とかなんでも見ちゃうよっ。
あ、でもぴーえる様単位の『ろっこん』と『しなりお』については絶対占っちゃだめってことになっているからそれだけ気をつけてね」
口に人指し指を当てながら、ダンボールの家主はそんな事を言いました。
○現在、だんぼーるはうすの扉はこっそり開いている。
中を覗けば、外の気候を差し引いても、意外にも中は快適そうだ。