本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
良かった…。(ほっと胸を撫で下ろし)
うん、ちゃんと終わったよ。さっぱりした。憑き物落ちた感じ。
君も行っておいで。
あー、維都月、無理しないで。
これだけお客さん居るなら、君ももう暫くは此処に居るんでしょ?
お礼代わりになるか分かんないけどちょっと思いついたことがあるからそれ楽しみに生きててくれると嬉しい。
だって此処暑いんだもの…浅山、僕の番の間待たせちゃったから心配で。
君もお茶、ちゃんと飲んだ方がいいよ。
(うっかり握り潰しかけた紙コップを気恥ずかしそうに自分の背に隠し)
志波か。ん、やっぱり何処かで聞き覚えはあるな。2つ隣のクラスなら、そんなものかな。
(声は知ってる様な、と呟きつつもイメージが合致しなかったらしく、挙句暑さで思考をポイ)
…ところで、いい匂いがする。それ、僕もつまんでいい?