本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
ぷはぁ~茉菜も飲むかい?なぁにここならいくら飲んでもいるのは二人だけだから
すごい酔っても恥ずかしくないぜ?
うぅ~そんなにわかりやすかったかなぁ?
一応そりゃこんな酔っ払いにも恥じらいの心ぐらいあるんだぜ?(指どうしをくっつけていじいじしてる)
うーん白紙かぁ・・・ありがとな茉菜、来た時は色々と混乱しちゃっててさ
勢いでこっちに来ちゃったけどおかげで少し落ち着いたぜ・・・。
どうなるかわからないけど・・・きっと後悔しない行き先を見つけてやるぜ!
・・・ところであたしだけ恋ばな的な事をしたんじゃ割に合わないよなぁ?
茉菜って凄い可愛いし・・・そんな話の一度や二度はあったんじゃないか?
(ニヤニヤと笑いながら聞いてみる)
あわわっ、お酒のがぶ飲みは…
…あ、あのお酒なら大丈夫なんだ……!(少し羨ましそう)
見てないよっ。質問内容で『ああ、朱蘭さんの事なんだな』って思った位でっ!(えっへんと無意味なドヤ顔)
ん~、もし私だったらかぁ。
私だったら……起こらない事は考えないようにしているから、現状白紙かなっ。
ただ、目的を夢と言うのなら……うん、それでもやっぱり白紙かな。お相手次第っ!
あっいやだからな・・あたしじゃなくてってうぅ~・・・。
(観念して首を振ると)
あぁもうそうだぜ!あたしだあたし!もう茉菜は意地悪だぜ!
こうなったら飲んでいくぜ!
(そう言いながら瓢箪を口にしてその後考える)
現状は結構当てはまってるというかすごいなぁ実はどこかで見てたんじゃないのかー?
知ってはいると思うんだけど・・・やっぱりなかなか相容れないのな・・・。
それにしても受ける受けないは色々と厳しいことを言われた感じがするぜ!
まぁなんとなくあたしも理解してた事ではあるんだけど・・・。
あはは・・・なぁもし茉菜ならどうすると思う?
(様子からきっと朱蘭さんの事なのだろうと思いながら)
現状と、告白を受けるか受けないか。この2点だねっ。
最近、占いだから思うんだ。現状把握さえ出来ていれば、とっても苦しいけれども未来は変える事は不可能ではないって。
【現状】
うん、『それは本当に突然な』って出来事だったんだね。
恋に対しては考えてもいなくて、むしろ恋に走ったら朱蘭さんの言葉通り、中途半端で何も出来ていない。ただでさえ、進路がどうしていいのか分からないのにって思ってる。
相手は朱蘭さんがお酒に慣れる為に酔っている事を知らないのかな。
いつか、どちらかを選ぶときが来るとカードに出ているよ。
将来の夢と相容れることは難しいかもしれないね。
【告白を受けるか受けないか】
現状は、意思がバラバラで、本当にどちらがいいのか分からない状態。
相手はいい人だから、お付き合いすれば、本当に夢のような幸せな恋人気分になれるって出ているよ。
告白を受けないのは、生活がマンネリ化して、最後には夢ごと、色んな物を止めるか止めないかまでの瀬戸際のラインが見えてくるよっ。
夢との両立は、どっちつかずになっちゃうから難しそう。夢を追いかけて気がついたら周りには誰も居なかった……とか、そんなカードが出ているかなっ。
今でしか出来ない憧れを目指すなら、お相手の告白は受けても損しないよっ。むしろ夢を追いかけても、進展が無いようなカードが出ているから……むつかしいよね(汗)
そんな感じになったよ~っ。ど、どうかな……?(どきどき)
それじゃあ、現状がどうなっているのか占ってみた方がいいのかな……うんっ、今の状況だけならきっと大丈夫っ。
『どちらか二択で』って占っちゃうと、占いが外れた時に本当に申し訳なくて土に埋まる程度じゃ済まないからねぇ(汗)
(※占いの結果のお返事、少しお時間を頂戴しちゃうかもだよ……っ(汗)申し訳ない限りなんだよ……っ(ぺたんこに平謝り))
「占ってくれてもよかったんだが・・・ってこれは、うん友人の話なんだぜ?
その友人はだな、あたしと似て将来の夢が全然うまくいってない奴で・・・。
そんな時にその告白されてだな・・・中途半端でなんのきっかけつかめてない時に
気軽に付き合ったらその告白してくれた奴にも悪い気がするんだぜ・・・。」
(指をもじもじさせて下を向いて喋っている)
(その様子をどきどきしながら見守る、というよりももうどうして良いのか分からず、おろおろしながら見つめつつ、クッションに座るまでを目にしながら)
うんっ、お話ならいくらでもっ!
(耳を傾け、最後の言葉にぱちぱちと瞬きをして相手を見て)
ああ……それは、確かに占いの分野じゃないねぇ。
占いでそれを決めてしまったら、後から絶対に後悔しちゃうからっ(汗)
……ちなみに、それは両立出来ない事なのかな?
(不思議そうに首を傾げつつ)
「大丈夫大丈夫、そんなに酔ってないぞー、これでも酔っぱらいの年季がちがうぜ!」
(そう言いながらも千鳥足で案内されたクッションの方へと向かっていき
途中危ない場面もありながらなんとかクッションへと座る)
「えへへ・・・いやぁさぁ~いろいろあってさぁ・・・うん本当に色々な・・・。」
(そんなことを言っているあいだに少しずつ酔いがさめて言っているようで)
「そ・・・そのだな茉菜!その・・・ちょっと話を聞いて欲しいんだ!
あ・・・あたしの事じゃなくてそのあたしの友人なんだけど・・・その・・・あの・・・。」
「将来の夢と恋ってどっちを取るべきなのかなって・・・・。」
(最後の方は消えそうな小さな声で尋ねる)
あっ、朱蘭さんっ! うんっ、今大丈夫だよ~っ!! ──え…っ?
(お相手をじっと見つめて)
そ、そんなに酔っていたら倒れちゃうよっ!大丈夫かなっ?! 気をつけて座ってなんだよっ!(汗)
(うろたえながら、立ち上がって相手を心配そうに周りをうろうろしながら、クッションに案内)
ど、どうしたのかなっ。いつも以上に酔っ払っていそうに見えるけれども……!!(ひたすらに右往左往)
「茉菜~♪今いいか~い?」
(以前あったより数倍酔っ払ったような状態で扉の前に立ってる)
(棒読みの発声に挙動不審にあわあわとうろたえつつ)
いっ、いえっ! 違うんですっ!!
私、7月の上旬に他の人に告白をしてお断りしてもらったんですっ。
だ、だから、灯くんをそのように思ってはきっとご迷惑だと思うんですっ!
お話は見た所感であって、嬉しそうに話しているのは実際に目にして嬉しいからで……!(言い訳にしては何かおかしい違和感を感じつつも慌てて言葉を並べ立てて)
向こうだってご迷惑ですっ。振られたばかりの人がそ、もしもそういう意味で告白したらきっとものっ凄くご迷惑です!!
灯くんにも選ぶ権利があるんです!!
(最後の言葉を、全身でテーブルで叩きつけるように置きながら。ちょっと息を切らしつつ)
(ただのフリーターという言葉にこくこくと必死に頷きながら)
ししじま、いちこ……ししじま、いちこ……では、市子お姉さんですねっ。(嬉しそうに笑い掛けて)
(相手のこちらを見る眼差しに心当たりが全く無いとばかりに不思議そうに首をかしげつつ)
はっ!もう夏が終わる!! 学校の夏休みの宿題は何とかするとして、市子お姉さんから出された宿題の方が大変そうです!
はいっ、夏休みの宿題を考えて是非……う~ん、30点は欲しいなぁ(汗)
はい!(去り行く背中に返事をつけた後で立ち去った後、声を小さくしつつも勢いはそのままに)
『無理はするけれども無茶はしませんっ!』……だって、来て下さる方がいるだけで、こんなに幸せなんですからっ。だから、当たらないかも知れないけれどももっと頑張りますっ!
(決意を堅く、元のだんぼーるはうすの方へ戻っていく)
(…気づいてねーのかこのコは。ここまで掴んでて。さもなきゃ分かっててやってんのか…?)
(「どーも」と差し出された水に口をつけつつ、その「たかが」に思いをはせつつ。
彼の話題になれば「平和ねえ」とにやつきながらも、きっとそうなんだろうと優しい気持ちになり。
主語を欠いた「告白」が思いのほか明後日の方角を向いていたことについては…)
ははっちげーって。「告白」したのはお嬢。つまりライバル関係にあんのは…そーゆーコト。
だってお嬢さっきゆったじゃんかあたしにさ。コンビニ行く前にさ。「月が綺麗ですね」って。
モシカシテアレハウソダッタノカシラーヒドイワーコレジャアタシノホウガピエロダワー(ウザく棒読み)
なんつってな。仮にあたしにソッチの気があったって。…イヤモチロンねーけど。
ンな嬉しそうにアイツのハナシされてる時点で敗北は必定\(^o^)/ってのがまー…「結果」?(くすりと)
い・つ・つ・き…まな。マナか(確かめるように、丁寧に発音)
…なんか。魔法みてーな名前。お嬢にぴったりだね。
あたしはイチコ。獅子島、市子。ただのフリーター。ただのフリーター(強調)
そしたら…マナ。今度遊びにきなよ。昼間置いてった「荷物」の中に住所(と連絡先)書いてあっし。
ソコでならゆっくり話せる。
猫と。鴉と。ソレに………「あんた」のコト(ようやく顔を。「中」を覗き見るような目を。向けて)
質問にはそのときに。っとそーだ。マナも忘れんなよ「夏休みの宿題」。…お互い答え合わせってワケだ。
じゃー…またね。(背中を向けて、「ムリすんなよ」と言い残して、静かに退出…)
(シュークリームの一個目を食べ終わりながらウェットティッシュで手と口を拭きつつ)
…今でも充分な位、好き勝手ですけどね。でもきっと、これから先、より過酷になりそうですから、大変です。
……それでも、私一人では出来る事はたかが知れていると、実感していたばかりですから(後悔の無い自業自得の出来事を小さく笑いながら)
ん? 『まるで……』? 何でしょうっ。
は…っ!! 喉にシュークリーム詰まりましたかっ!!
(慌てふためきながら、頂いたお水を紙コップに注いで差し出して)
ああっ、シュークリームの山が……! く、崩れてしまいますッ!(しかし見ているだけで何も出来ず、その様子を言葉とは裏腹に目を輝かせながら見守って)
はいっ、夜帰るのが遅いから、会ったことがあるんですっ。
──授業中、寝てばかりいるんです。だから授業中にお昼寝しているところを見ると『平和だなぁ』って、思えるんですっ。
(とても嬉しそうに語りつつ)
こ、「告白」っ!(目をぱちぱちとさせて)
……ま、前に恋愛運占った時があったんですっ!結果は『出来るだけ早く急げ』だったんですけど、本当にそういう人を探すなら急ぐなんて無茶じゃないかなって思ったんですっ。
だから凄い曖昧になってしまって……
お、お姉さん、その結果は……?!(告白が恋愛ごとだと疑っていない挙動不審)
(名前を問う声に、ここで嘘もつけるんだと思い至りながらも、改めて)
『維都月 茉菜(いつつき まな)』と。言います。
お姉さんのお名前も教えてもらって良いですか?
(こちらも、改めて改まった様子で尋ねて)
(相手が笑って誤魔化しながら2つ目をたいらげたあたりまで黙って聞き…自分も次のにかじりつく)
…っとに優等生だなお嬢は。そー。「仕方ない」。
「役割」でがんじがらめになってるヤツのコトを「神」っつーの(もくもく)
で連中がツイてねーのは自我があるコト。情って言い換えてもいーがヒトの情とは相容れない。
矛盾してるんよ。存在が。「役割」ってのは「機能」。だしマットーすんのに「情」は要らん。
…テメーでテメーの足引っ張ってんのさ。おかげで不確定要素だらけ(むしゃむしゃ)
だから間違うなんてしょっちゅーで…(ごくん)…そのたんびにヒトは振り回される。
ソレこそ。ソコらへんウロウロしてるクソナマイキな猫や鴉と変わんねーよあんなの。
けど…もし(水をぐびりとやって口をぬぐい、ふぃーっと長めに息を吐いて)
もしそーじゃなかったら。この世はもっとヤツらに好き勝手されてんだろーね。今ごろ。
しかしナンだな。お嬢はまるで………(口をつぐんで目をそらす)………イヤ。なんでもねーし。
…カネなら問題ねーよ食いたいだけ買ってきただけだし。食いたいだけ食いなって。
(積み木崩しならぬシュークリーム崩しに集中してお代のことは上の空。
せっかくなのでお嬢が辞した中腹の端っこをそーっと摘んでじわじわ引っ張り出そうと…)
…そーか来たか。
ってナニ?来た?(…したけどつい力んで)知り合い?もしかして同じクラスとか?ってあーあ…(ばさばさ崩壊)
ふーん…(けど、幸宿る顔をみて安堵の微笑を浮かべ)…ライバル登場ってワケだ。
こりゃー参ったなー。ついさっき「告白」されたばっかなのになー(ククっと笑い)
(…なんの因果だ。よりにもよって…ふん。めんどくさい性分だよなお互い。ナンギなこった…)
ヤツがなに言ってったのか知らんが…んん?(本館の声に気がついて、片眉を上げる)
…やれやれ。どーやら込み入ったハナシするにゃーちーとっぱかし日がワリーみてーだね。
(前のものと違う、でもやっぱりボロいズタ袋にシュークリームをいくつか放り込んで席を立つ)
――お嬢。名前…教えて (なぜか顔を背けて。相手を見ないで。でも、常日頃の粗野な声色ではない)
ええっ! お、お金が払えない……!
(衝撃を受けつつも、目の前に並べられたおにぎりとお水に目を輝かせて。お水を飲みながらおにぎりを一つ勢い良く大きく一口齧って飲み込みながら)
……(少し虚空を眺めつつ)神様も、間違うんでしょうか。
寝子島は不思議なところですから、神様だって見えるんです。
自分も少し見てきた世界では、カミサマの猫も鴉も方向性が違うだけで、同じでした。
自分の目的を、まっとうするだけのイキモノでした。
そこには、方向性が違うだけの、間違いようの無いレールが引かれていて、そこに沿って走っている。それだけのイキモノでした。
そこには、人の情も何もない。でも……そういうイキモノならば、仕方ないのかもと思います。
(手に持つおにぎりに目線を置いたまま、とつとつと呟くように言葉を零して)
あはは、鬱々しくなっちゃいましたね、すみません…!!
(慌てて誤魔化すように手を振ってもう片方の手で持っていたおにぎりをぱくりと)
……シュークリーム、中段から抜いたら崩れますかね……?
(シュークリームの山から敢えて下の方にあるものを敢えて抜きたいという誘惑に駆られつつ我慢。一番上にあるシュークリームを取って)
でも、お姉さん。いいんですか? こんなに沢山あるのに本当にお金……
(そう言いながらも、シュークリームの袋を開けて、もそもそと食し始め。
「お節介なピエロ」と聞いてその手を止めて、齧っていた分を飲み込みながら)
「お節介で、夜回りをして昼間に寝ているピエロさん」なら、既に来訪済みです。
心のどこかで絶対に来るだろうなと待ち焦がれていたから、本当に来てくれて嬉しく思いました」
(とても幸せなものを語るような瞳で、僅かに下方向に目線を落としながら)
そうだ、言われた事があったんでした!
お姉さんは、
「猫が『自分の世界だ!』と言いながら、ろくな説明もせずに、危険な場所に人を駒の様に戦場に送り込む無慈悲な世界」と
「鴉が『誰も彼もが自由な世界』と自由を謳って、皆の自由が重なってきっと混沌となりそうな世界」
……どちらが好きですか?
『ちなみに猫の世界は完成すると、今年の4月より前の世界と同じになります。鴉は未知数です』
(なぞなぞを出すような仕草で人差し指をぴっと立てて問い掛けてみて)
ははいふぁ(=ただいま/もぐもぐゴクンと飲み込んで、ヘッドホンを外す)
まーまーカラダ割るワケにもイカンし。コッチもすぐっつっといて遅くなったし。
…神サンですら間違うよーな世の中だかんね。そーゆーコトだってあんだろ。
って?お代?………。……………ワスレタ。そーいやレシート置いてけぼり。
まー今度でいーよ。ソレよりまずハラごしらえしよーぜ。もー1個食ったけど。
(袋からテキパキと安全なおにぎり3個と水を取り出しお嬢の前に。
やたら多いシュークリームは、とりあえず脇に積み上げて山にしてみる)
つーか…戻って来るなり心配したんよ。なんせこんな時間にヒト来てっからさ。
たとえばアレだ。「お節介なピエロ」にでも襲われてたらどーしよー…とかね。
(冗談のつもり。灯が来たこと、2人の繋がり。どちらも認識してはいない…)
あっ、お姉さんお帰りなさいっ!
……どうも、私、お客さんのご期待に沿えた結果が出せなかったみたいで……。お時間掛かってしまいました。お姉さんもお待たせしてしまってごめんなさい。(ロザリーさんにも獅子島さんの双方の方にしょんぼりと反省)
シュークリームとお水っ!買ってきて頂けたなら、お金お支払い致しますっ!!(あわあわと、お財布の用意)
(空腹に耐えかねて半額のイクラおにぎりをもそもそ食んでいる…)
(コンビニの袋をぶらぶらさせながら戻って来る)
タダイm…(母屋の話し声に気づいて。一旦口をつぐんでから小声で)…お客か。
(なるべく物音をたてないようにそろりそろりと中へ入り。…静かに着席。
占い客のプライバシーを考慮し、ヘッドホン装着。携帯音楽プレイヤー起動…)
(話を聞いていく度に潤みかける目を我慢して、駆け去った背中にやっと安心したように涙を一筋)
話を聞く、か……でも皆、前の私と同じように『自分の周りさえ良ければいい』と言うんだよ。
だから、ここで帰結するんだ。皆、『何事も無かったののこさんの世界に戻したい』のかなって。
(両目から涙を零して)あはは……当たり前だよね。皆、ののこさんの世界に不満が無かったらそうするに決まってる。
もれいびの特性と、ろっこんと併用して、治してくれるって案もあった。けど……そうしたら同遇の他の人に対して不平等になってしまうと、間違っていても思ってしまったんだよ。他の人の苦しみはどうなってしまうのだろうと思ってしまったんだよ。
世界はいつかののこさんの世界に戻ってしまうかも知れない。
そうしたら──
──でも、そうなる前に、『話をする』という選択肢をもらったよ。……ありがとう。もらった言葉は全部、全部忘れないから。
うひゃああ!だんぼーるはうすの中に虫さんがぁっ!!
(開け放した扉からか言ってきた模様。必死で追い出さんと格闘中)