酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
貴方の神…。
自分だけの神様を信じる…。
そういう手も、あるよね。
私の神様なら、きっと私のことを
良い方向に導いてくれるはずだもの。
この山、熊が出るっていうし…。
あの子なら大丈夫だとは思っているけど、やっぱり心配で…。
ん…。
(自分もつられてスマホの画面を見て時間を確認)
そっか…。もうこんな時間なんだね…。
時間がたつのは、早いなあ…。
また気が向いたら、ここに来て。
きっとここにいる天使も
貴女にまた会いたいって、思っている筈だから。
…私達だけじゃなく、この世界全てに
神の慈愛があるといいよね。
(天使像を見上げて微笑む
『山で放し飼い、ですか。それは私もなかったですね』
『色々と物騒な様子なんですけど…』(汗)
(持ってきた草に対し、もぐもぐとウサギは口を動かした)
(ふと、時計の時間を確認し)
『そろそろ戻らないと帰りに間に合いませんね』
『名残惜しいですが、私はそろそろお邪魔しますね』
『またお邪魔出来たら、訪れたいものです』
(最後に『お二人にも神の慈愛がありますように』と書き残し、無言でそっと手を振って後にした)
宗教を基点に捉えるナラそんな感じデス
タダ、信じる神は私の神のみナノデス
私の神は宗教とセットになっている訳ではナイデスガ
ソノ場ソノ時によって姿や性質を変える存在……
ンー、一言で纏めるなら
私ハ全ての宗教に通じる宗教の根底を信仰してオリ
全ての宗教にオケル神的存在を兼任する私の神を信仰シテイルノデス
……伝えるという事は本当にムズカシイデスネ
一つの宗教に縛られることなく
多数の神様を信じ、敬愛している
ってことであっている、のかな…?
一言で言えば私の神デス
未知であり既知であり、唯一であり複数でもアル
今生まれたばかりデ遠い過去に消え去ッタ
キリスト教のヤハウェである時もアレバ
仏教の薬師如来である時もアルシ
名もなき祈りの塊である時でもアル
固形であり無形
矛盾を含んだ論理の様な神デス
私は私の神を信じてイマス
………
(そっと近くに生えてた草をウサギの口元へ近づけてみたり)
…ありがとう。
貴方にも、神の慈愛があります様に。
あれ、そうなんだ…。
じゃあ、貴方はどんな神様を信じているの?
貴方達の愛が私に届いている様に
私の愛がこの子に届きます様に。
なんてね。
じゃあ、貴女のうさぎさんも貴女に似ているのかな。
世話が大変だと感じたことはあまりないかも…。
山で放し飼いにしているからかな。
山の中より家の中で飼った方が
あの子も安全だし、私も安心できるんだけど
あの子は自由が好きみたいだから…。
…今頃、他の動物に食べられていたりしないといいけれど…。
(目を伏せ、軽く溜息をつく
『願いを聞くことが務めなのでしょうし、冴来先輩の愛もきっと力になってくれると思います』
『きっと届いてくれるといいですね』
『ペットは飼い主に似る、という事はあることです』
『でもそれだけに信頼も強いのかもしれません』
『確かに猫が多い分、あまりに他の動物を飼われてる方は少ないですよね』
『可愛らしいですけど、その分お世話も大変だと思ってるのかも』
(抱えられたうさぎを鞄に入れ運び込むように)
(相手に習い一礼)>浅山さん
気を悪くスルかも知れまセンガ
多くの望みを聞く為に生まれた彼女らはあらゆる意味で強い存在デス
貴女が心を痛める事は無いデスヨ
とは言え貴女の彼女への愛は
必ずや彼女の元へ届くデショウネ
貴女の善行に神の慈愛があらん事ヲ
神父、デスカ…
一応キリシタンでは無いデスケドネ(ニヤッと笑い
私の言葉が少しでも貴女の道を照らせレバ幸いデス(深く礼
(ウサギを見て)
……可愛らしいデスヨネ
(流石にお腹がすいたとは言えなかった←)
えっと…。
私の教会というわけではないのだけれど…。
うん…。そうだね。
その人達が今幸せなら
この子にとっても、それは幸せなことなのかも。
でももし、その人達が
この子を忘れてしまっていたらって考えると
私はちょっと、悲しいかな…。
(淋しげに目を伏せた後、気を取り直す様に穏やかに笑み)
私は勿論、忘れないよ。
ずっとずっと、この命が燃え尽きるまで
この子とこの教会のことを覚えておくの。
…貴方ってまるで、神父様みたい。
多分、そうなんだよね。
あの子の性格は、私にちょっと似てる気がする。
うさぎ飼ってる人って少ないの?
可愛いのにねー…。
この島には猫が多いからかな?
(入ってきたアレハンドロさんを見て、挨拶代わりに頭を下げる)
『構ってほしさに甘えてる、という事もありますからね』
『兎を飼ってらっしゃる方も少ないですし』
『是非とも顔合わせしてみたいです』
オヤ、花風サン
ここはアナタノ教会デシタカ
改めてお邪魔シマス(一礼
ソーデスネー
マァその人が何処かで元気に暮らしているのナラ
どちらでもイイんじゃないデショウカ
カツテ救った人が彼女の事を覚えていて感謝しているならモチロン
忘れ去ったトシテモ此処を拠り所としなくとも良いようにナッタ事ヲ
きっと彼女も喜んでイルデショウ
何故なら救いヲ求める人とは苦しみを抱える人デスカラネ
苦しむ人が少なくなった事を嘆く神はイマセンヨ
ソレニもし彼女が忘れさられる事を悲しむ神であったとシテモ
少なくとも私は私の魂が消え去るまで覚えておくカラオールオッケーデス!
ソレニ、アナタもキット覚えておくのデショウ?(ニヤッと笑い
あ…。…こんにちは。
…かつてこの子に救われた人達は
一体何処に行ってしまったんだろうね…。
この子に救われた時があったことを
その人達は、覚えているのかな…。
それとも、救われた想い出すらも
捨てていって、しまったのかな…。
(中の様子を外から軽く覗き見て)
Hmm … お邪魔しマスヨー(小声)
(中に入って内装を見回し)
退廃の美に満ちた場所デスネー
神よ、導きに感謝イタシマス(手を合わせ)
そして忘れ去られつつある天の御使いヨ
かつてアナタに救われた人々に代わり
今アナタに敬意を示しマス(跪き)
『Ego ostendam quantum ad Actionis tuam』
そうなの。
我儘なんだけどね、そこが良いの。
可愛い子に振り回されるのなら悪い気はしないし。
今度くる時はあの子も連れてこようかなあ。
『あくまで私からすれば、というだけですから』
『邪魔立てする権利はありませんよね』
(同じように苦笑いを返し)
『うさぎは寂しがり屋とはよく言うものですからね』
『でも手がかかる子ほど、愛情は強まるものですよ』
『先輩のお友達も、一度お会いしてみたいですね』
まあ、そんな気がするというだけで
この子が本当に今のままでいることを
望んでいるかどうかは分からないけどね。
(苦笑して)
眠たがっているのを無理に起こすのも可哀想だもんね。
私にもうさぎの友達がいるんだけど、その子ったら酷いの。
自分が起こされるのは嫌がる癖に
私が眠っているとすぐ起こそうとするんだよ。
本当に我儘で、困っちゃう。
『確かに汚れを払えばさらに綺麗に見えるのでしょうね』
『でも何となく、この汚れも含めて存在を示しているような気もします』
『望んでないというのは、そういう事なのでしょうか』
(差し出された自分のペットを見て、そっと受け取りつつ)
『まだ散歩の途中だったのに、これでは抱えて帰らないといけませんね』(苦笑)
この子、汚れているけど綺麗だよね…。
汚れを取り払ってあげたいって思うけど
この子はそれを望んでいない様な気がする…。
…有難う。
立ち止まっていても何も変わらないし
少しずつでも前に進んで行きたいな。
貴女のうさぎさん、眠いみたい。
…眠るなら、大好きな人の腕の中がいいよね。
(眠たげな兎をみて愛おしそうに目を細め
兎をそっと小淋さんに差し出す)
『祈り事によっても、見え方が変わってくるのかもしれませんね』
『それでも、涙しているこの天使像は』
『ちょっとだけ綺麗にも見えますよ』
『後ろ向きのままじゃいつまでたっても明日は見えませんから』
『辛い時もありますけれど、この島の人は皆さん力を貸してくれます』
『後押ししてくれる 幸せな事です』
『どうか冴来先輩にも、その願いが近づけますように』
(冴来さんに抱えられた兎が眠たげに眼を細めている)
見る人の心によって見え方が変わるのかも。
私にはさっきまで悲しんでいる様に見えていたけど
今は、そうでもないかな。
何かに祈って、縋って
募った想いを解きほぐして…。
そうしてまた、前に進む力を得られるのなら
祈る事も悪いことじゃないよね。
…貴女の願いが叶います様に。