酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
貴方の神…。
自分だけの神様を信じる…。
そういう手も、あるよね。
私の神様なら、きっと私のことを
良い方向に導いてくれるはずだもの。
この山、熊が出るっていうし…。
あの子なら大丈夫だとは思っているけど、やっぱり心配で…。
ん…。
(自分もつられてスマホの画面を見て時間を確認)
そっか…。もうこんな時間なんだね…。
時間がたつのは、早いなあ…。
また気が向いたら、ここに来て。
きっとここにいる天使も
貴女にまた会いたいって、思っている筈だから。
…私達だけじゃなく、この世界全てに
神の慈愛があるといいよね。
(天使像を見上げて微笑む