酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
『山で放し飼い、ですか。それは私もなかったですね』
『色々と物騒な様子なんですけど…』(汗)
(持ってきた草に対し、もぐもぐとウサギは口を動かした)
(ふと、時計の時間を確認し)
『そろそろ戻らないと帰りに間に合いませんね』
『名残惜しいですが、私はそろそろお邪魔しますね』
『またお邪魔出来たら、訪れたいものです』
(最後に『お二人にも神の慈愛がありますように』と書き残し、無言でそっと手を振って後にした)