酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
…ありがとう。
貴方にも、神の慈愛があります様に。
あれ、そうなんだ…。
じゃあ、貴方はどんな神様を信じているの?
貴方達の愛が私に届いている様に
私の愛がこの子に届きます様に。
なんてね。
じゃあ、貴女のうさぎさんも貴女に似ているのかな。
世話が大変だと感じたことはあまりないかも…。
山で放し飼いにしているからかな。
山の中より家の中で飼った方が
あの子も安全だし、私も安心できるんだけど
あの子は自由が好きみたいだから…。
…今頃、他の動物に食べられていたりしないといいけれど…。
(目を伏せ、軽く溜息をつく