本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
「大丈夫大丈夫、そんなに酔ってないぞー、これでも酔っぱらいの年季がちがうぜ!」
(そう言いながらも千鳥足で案内されたクッションの方へと向かっていき
途中危ない場面もありながらなんとかクッションへと座る)
「えへへ・・・いやぁさぁ~いろいろあってさぁ・・・うん本当に色々な・・・。」
(そんなことを言っているあいだに少しずつ酔いがさめて言っているようで)
「そ・・・そのだな茉菜!その・・・ちょっと話を聞いて欲しいんだ!
あ・・・あたしの事じゃなくてそのあたしの友人なんだけど・・・その・・・あの・・・。」
「将来の夢と恋ってどっちを取るべきなのかなって・・・・。」
(最後の方は消えそうな小さな声で尋ねる)