あらすじは一行で！　～ファンタジー編～｜リアクション

あらすじは一行で！　～ファンタジー編～

　やあやあ、驚かせてしまってすまない。私が今回物語を語って聞かせる……まあ巷では賢者と呼ばれている者だ。
　第一次人魔対戦から暫く平穏な暮らしを享受していたこの世界ニャンシーだったが、どうやら人の者も魔の者も動きがあったようだ。
　勇者の血筋と魔王の血筋は至る所に芽吹き、同時に力を付けた。
　この世界には、数多の勇者と数多の魔王が存在する事になったのだな。
　子孫繁栄すればこうなることは自ずと分かっておったのだが、まあ致し方なし。
　私は世を見守る傍観者。記録を付ける賢者だ。現世がどのように転ぼうが私の命尽きるまで見聞を続けるだけだよ。

　ふむ、詩人より流れてきた冒険譚や私の見識の眼で見ることができて、今書き留めてある話はおおよそ八つ。
　いまから話して聞かせるのは、各地方に伝わる喜劇、悲劇を含む様々な話だ。

　事実は伝聞される物語よりも奇想天外。
　さて、そこにあるのは笑いか涙か。怒りか憎しみか。血湧き肉躍る熱き戦いか権謀術数を張り巡らす冷たき思考か。
　判断は話を聞く君たちに任せるよ。

　さあ、どの話が聞きたいかね？

――目次――
１：目次

２：せいふくののろい
維都月茉菜　ナイト・レイヴン

３：さいきょうのもんばん
八十八旗信彦　握利平　八咫鏡

４：おそろしいこだいのまほう
秋風冥　尾鎌蛇那伊　落神拾

５：おれさまがゆうしゃ
神無月文貴　鳳翔皐月　骨削瓢　ライレエ・アーレンス

６：しゅうげき
菅波火蜂　菅波リナ　七峯亨　恵御納夏朝

７：まおうは……である
小山内海　桜庭円　ブリジット・アーチャー　御剣刀

８：どちらがただしいのか
桜井ラッセル　日暮ねむる　姫神絵梨菜　風雲児轟　八神修　パール・風色　双葉仄

９：こんとんのまじょ
北原みゆき　添木牡丹

１０：絵巻の終わり

語り部：旅鴉月詠

　本来の名前と聞き伝わっている名前に齟齬があるかもしれないが、それは仕方ないものと思ってくれ。民草により伝わりやすい名前になってしまっているのだよ。

　何？　かの者達の旅立ちはどうしたって？
　英雄譚というのはだね、英雄が英雄となった物語しか描かれないものだよ。
　脚色や誇張なんて言うのはあって当然。聞くものが楽しければそれで良いのさ。
　知らないのではないかと？　け、決して私が知らないというわけではないのだぞ！

　さあさ、私の絵巻を覗くが良い。
　ありとあらゆる秘呪を用いて作り出した、そのときを追体験できるものだ。
　追体験をしたくば、読みたい話に触れるとよいぞ。

　何？　人魔大戦がなぜ終息したのかと？
　まあ、それは、魔王が用意しておいた勇者封印のツボに誤って転落して自分が封印されてしまったからだよ。なんとも情けない話だろう。くっくっく。

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