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あらすじは一行で! ~ファンタジー編~
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――さいきょうのもんばん――
中央大陸のさらに中央。山岳地帯に囲われた窪地に中央大陸に勢力を置く魔王城がある。
攻め込むのは容易だが、魔王城の門を突破する事は敵わないとも言われている。
遠征に出た兵士は、かがみんかわいいよかがみん。もっとなぶって。もっと軽蔑した目で見下して。などという訳の分からないことをいうのだ。何か魅了やそれに類する魔法にかかっているのかと疑い、魔法的な診療を試みるがそういうわけでもなかったらしい。
征伐の成果も芳しくなく、魔王軍による侵略をことごとく許すことになった中央大陸。
そこに一つの希望が立ち上がった。
勇者の血を引く王子が立ち上がったのだ。
勇者の名前はノブヒコ。
王子然とした風貌は旅の途中でも曇ることはなく、旅装も派手であり、瞬く間に民衆に認知されることになった。
しかし、ノブヒコの思惑は違った。
「いやあ、旅をしてよかったなあ! 大陸各地の美少女美女! 出会い放題じゃないか! しかも魔王軍の幹部は素敵なレディの多いこと多いこと!」
もっと下衆な理由だった。それに遠征に出ていた兵士の言葉も気になっていた。
今まではその場その場でパーティを組んでなんとか制圧してきたが、魔王城へと向かうことを伝えたら誰一人ついてくる者は居なかった。
そりゃそうだとノブヒコは勝手に納得して、氷柱の洞窟と呼ばれる魔王城につながる唯一のダンジョンについた。
そこで、今まで旅路をともにしてきた愛馬も同行を嫌がってしまった。
「しょうが無い、か。ここから先は俺一人。うへへ、じゅるり」
妄想を抑えきれない様子で、洞窟へと向かった。
そして、洞窟に入ってすぐ。
「ああ、俺はもうダメだ、ダメなんだ……」
地面にのの字を書いて落ち込んでいる者が居た。
人間ではなく魔人のようだ。
こんな防寒具を着込まないと寒くて敵わない場所に薄着で体育座りをしている。
ノブヒコが耳をそばだてていると、
「最近めっきり人もこないし、今魔王城は夏真っ盛りで、カッチンは暑苦しいからどっかいけとかいわれるし……。
冬は冬で暖房代わりに使われるし。なんなんだろうな、俺。どうして……生きてるんだろうな?」
切実なぼやきだった。魔人も魔人で大変だなあとノブヒコは魔人をスルーして先に進もうとした。
しかし、小石を蹴ってしまい物音を立てる。
「だ、誰だ!?」
「う、うわあ!!」
誰何の声にノブヒコは一目散に逃げ出した。
そもそも彼は戦いには向いていないのだ。
腰に差した宝剣はお飾りで、元服で抜いて以来一度も抜剣したことはない。
大陸中を旅したときも、傭兵に全てを任せていた。勿論報酬は弾んだ。物資も潤沢に用意して不満を漏らさせないマネジメントをしっかりしていた。
「ふ、フフハハ! フワーッハッハッハ!! 久しぶりの客人よ!」
「うわあ! なんか燃え上がってる!!」
後ろを振り返ると、全力で追いかけて口上を述べようとする魔人がいた。暑苦しい。それにほんのり硫黄成分の香りがする。先ほどまでの鬱っぷりはどこへいった。
「我が声、我が香り、我が熱を感じるが良い!! 我が名は魔人カチカッチン! 灼熱を自在に操る魔人よ!」
背後に陽炎を従え、洞窟に発生している氷が一斉に溶け出し一挙に熱がこもる。
蒸発した水分で蒸し暑さを伴い始め、さらに不快指数を跳ね上げた。
「暑い! 暑苦しい! なんなんだよ!! 俺は魔王城に住むレディに用があるんだよ! 暑苦しい男なんて願い下げだ!!」
「あ、暑苦しいだと! 言うに事欠いてこのカチカッチン様になんていうことを!」
「だってそうだろ、夏はこんなクッソ寒い洞窟に追いやられて、冬場しか魔王城に登城できないような便利暖房器具が重用されるわけがないッ!! 夏場はお前は邪魔なんだよ!!」
「……」
急にカッチンが大人しくなった。
走ることをやめ、座り込んだ。溶けた氷の水分が地面を泥濘ませているのもお構いなく体育座りでのの字を書き始めた。どうやらカッチンの地雷だったらしい。
「そもそも俺だって、男が暑くて脱ぐところなんて見たくねーよ……。うん。というか、俺も分かってたさ。だけど、ほら、なんていうかそういうの、認めたくないじゃん……」
「躁鬱が激しすぎる! 魔王城のレディ達はさぞ美しいと聞き及んでいるよ。誠意を見せるために居座り根強く話しかければあるいは!」
そんなノブヒコの提案にカッチンが徐に立ち上がり、ノブヒコの肩を揺する。
「それはやろうとしたわ! 奴らは凶暴だ。居座りでもしたら、簡単に半身を消し飛ばされる!」
血涙を流すカッチンにノブヒコはぽんと手を打った。
「よしわかった。手を組もう」
「なにぃ?」
「俺はレディには紳士的に振る舞う。まあきっと、魔王を倒せば世界中のレディ達はメロメロになるに違いない!」
「ふむ。それで?」
カッチンがノブヒコに先を促す。
話に乗ってくれたことに内心ほっと胸をなで下ろしながら、ノブヒコの考える紳士的な提案を告げる。
「それでだ。俺が魔王をどうにかして倒す。ここを俺の居城にしてそしてあんたを登用する」
「人間と魔人だがそれは良いのだろうか」
「例外は作る物だよ。王になる者としては寛容であらねば!」
「なるほど。王たる器という物か」
「そうだそうだ。俺は世界中を旅しながら困っているレディに手を差し伸べて、この城に誘致する。レディ達に手を出さないと約束するならあんたの好きにしていいさ。でも俺がいるときは出てってもらうぜ?」
いると暑苦しいからと言う言葉飲み込んだ。
「おお! なんとすばらしい! なんとすばらしい提案か! 分かったその提案飲もう!」
こいつチョロいぞと、ノブヒコは内心ほくそ笑んだ。
わかりやすい餌をつり下げてやるだけで食いついた。
でも、ちょっとテンション上がったら熱を発するのか。近づいたら暑い。これは面倒だ。
「わかった。協力しよう。大陸征服の暁にはここに容易く来ることができるように山の一つや二つ溶かして見せよう! 暑くて脱ぐ様を見るためだ! それくらい容易い! フハハハハ!」
ゴウッと高らかな笑い声とともに周辺の水分が一気に蒸発した。むあっとした空気が辺りに立ちこめる。非常に不快だった。
「よし、それなら出口まで案内するのだ!」
「おうともさ!」
ぐっと二人は握手を交わした。カッチンの手は火傷するかと思うほど熱かった。勘弁して欲しい。
カッチンの案内で洞窟を抜ける。
暫く歩くと厳かな雰囲気を醸し出す城が見えてきた。
「おや、勇者と……カッチンじゃないですか。本日はどのような用件で?」
いかにも門番といった様相の小さな門番がいた。
カッチンがさっとノブヒコの後ろに隠れた。どうも目通りしたくないようだ。
「これは麗しいお嬢様。本日はお日柄もよく実にデート日和ですね」
ノブヒコは恭しく膝をつくと門番の少女の手を取った。
それをニコニコとした笑顔のまま、
「デートですか。こちらでは少し殺風景な気がしますね……。それより勇者。あなたは魔王を倒しに来たのではないのですか?」
「ふっ……別に武力で制圧するのだけが倒す事ではないんですよ。ここの魔王は美女と聞きましてね。寝屋で語らおうかと思って」
「はあ……そうですか」
キザったい台詞に反応を見せない事にノブヒコは内心焦りを隠せない。
今まではこのパターンで大体何とかなっていたのに。
「しかし、そうなると、この用意は無駄ですねえ……」
思案下に顎に手を置きどうしようかと門番が悩んでいる。
「ところでお嬢さん」
「はい、なんでしょう?」
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「門番Aです」
「いえいえ、ご冗談を。伺っておりますよ、とても腕の立つ門番がいると」
きらりと白い歯を見せるように笑みを浮かべてノブヒコは言った。
「そういえば、遠征の兵士には名乗りましたね。カガミです。気軽にかがみんって呼んで下さい」
天使のような笑みで返すカガミにノブヒコは一瞬たじろいだ。
今目の前にいるのが兵士を骨抜きにした最強の門番なのだ。
ちらりとカッチンに視線をやると、ぶんぶんと全力で首を振っていた。下手に喧嘩を売らない方が良さそうだ。そもそもこんな美少女相手に喧嘩を吹っかける気はさらさらないが。
「そういえばあなた。魔王に用があるとのことですが」
「ええ」
「それじゃあ、私のお願いを聞いてくれますか?」
「はい、死ねと言うこと以外でしたら何なりと申して下され!」
「お腹がすいているんです。とても。なので、人間のえーと……ニャルメンでしたっけ。そこで一日数個しか作っていない、限定のストロベリーケーキを買ってきて下さい」
勿論ノブヒコはお近づきになるために二つ返事で了承した。
しかし、ここからニャルメンまでは馬を走らせた行程でも往路で七日。復路も合わせれば半月はかかってしまう。それでは頼まれた品は傷んでしまうだろう。
転移の魔法は莫大な魔力を消費する。
「ああ、どうぞこれを。遠くの街に行ってもらうのです。お持ち下さい」
ノブヒコがどうしようかと悩んでいると、カガミは魔力結晶を取り出した。
魔法を使うときに触媒となる魔力が込められている石だ。
これがあれば、問題なく行き帰りができそうだ。
「ありがたく頂戴するよ、かがみん。それじゃあ、暫く待っておいておくれ。最高の品をお届けしよう!」
ここには魔法全般を阻害するマジックノイズの秘呪がかけられているため転移は行えなかった。
ノブヒコはウィンク一つすると、来た道を引き返していった。
そんな背中を見送ったカッチンがカガミに声をかける。
「魔王様、いいのですか?」
「何がですか。カッチン。暑いのでできれば洞窟に戻って欲しいんですが」
「いえ、魔王様が良いのなら、それでいいんですが。俺はまた道案内のために戻りますよ」
「そうして下さい。今暫く待つことにしましょう」
くすりと笑みを零し、甘いケーキにカガミは思いを馳せた。
中点にさしかかっていた陽光が暮れ始めた頃、やっと二人が戻ってきた。
ノブヒコはぜひゅーぜひゅーと肩で息をしながら、数時間の間に大分やつれたようだった。
何があったのかは想像に難くない。限定のケーキを手に入れるのだ、犠牲の一つや二つあるだろう。
「か、買ってきたぜ。辛い戦いだった……」
ひっかき傷やいたんだマント。ちらりと見えた背中には足跡。どうやらケーキ屋で戦争があったようだ。
それでも、死守したケーキ箱からはおいしそうな良い匂いが漂ってくる。
「わあ、ありがとうございますー。確かにこのケーキです! いやあ、こんな日に城を襲ってくる奴なんていないよなあ。どうせ鍵もかけてないしー」
ふんふんと鼻歌交じりにわざとらしくそんなことを言って門を開くカガミ。
突然の事にノブヒコは目を白黒させたが、少し考えを巡らせてカガミの意図に気づくと、すぐさま門の中に滑り込んだ。
「かがみん、この恩は一生忘れないぜ! ちょっくら魔王を押し倒してくる」
「城の中にいる人に門番はどうしたと聞かれたら、倒したと答えてくださいねー」
「了解した!」
ひゃっほー! と、先ほどまでのやつれ具合が嘘のように元気を取り戻し、ノブヒコは城の中へと消えていった。
「うーん、おいしい。せっかくなので、カッチンにも一つあげますよ」
「む、ありがたき幸せ!」
・ ・ ・
玉座に向かったノブヒコだったが、当の玉座には誰もいなかった。
ノブヒコに気づいてはいるが、誰も襲ってくる者はいなかった。
どうやら門を抜けて来るということはそれ相応の実力を示す行為のようだ。
「おかしい。美女の魔王が玉座にふんぞり返っていると、聞いたのだが……」
「ああ、言ってませんでしたね。私が魔王です」
「だ、誰だ!」
ノブヒコが振り返ると、口元にクリームを付けたカガミがいた。
「おいしいケーキが食べられればそれでいいので、私は倒されたことにしてください」
「まさか貴方が魔王だったなんて……!」
麗しき美少女が魔王。でもまさか、門番をやっているなんて思いもよらない。
「戦ったら勇者くらい一捻りですけどね」
「むむ、俺はこれから魔王を倒したとして喧伝すればいいのかな」
「そうですね。こちらの兵士は引かせるようカッチンに通達を命じました。暫くはこれで安泰でしょう」
あっさりと魔王退治は終わった。ノブヒコは一切剣を振るわなかった。
「あ、後ですね。勇者。寝屋で語らうといいましたが、私は歴とした男です。そこの所お間違いのないよう」
「な、なんだってええええええ!!!」
ノブヒコの絶叫が城内に響き渡った。
「あ、ああ、だから俺の必殺のナンパが効かなかったのか……」
カガミの微妙な反応がノブヒコの脳内を駆け巡る。やっと合点がいった。
そして血涙が毛足の高い絨毯を止めどなく濡らすのだった。
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グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年01月06日
参加申し込みの期限
2014年01月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年01月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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