前回のあらすじ:
クローネに囚われた捕虜たちを助け出すため、ループ世界に突入した救出班を待っていたのは、洗脳されてクローネの手駒になってしまった、変わり果てた仲間の姿だった。
苦戦を強いられる救出班だったが、94回のループの果てに彼らの洗脳を未然に防ぎ、スタジアムからクローネを退けることに成功。別働隊も、洗脳の原因であるコウモリの完全消滅に成功する。
一方、テオを追って九夜山に跳んだ宮祀智瑜は、展望台消失直後の過去へとループする。
そこで智瑜は、この世界のループ現象を起こしていたのが、テオだったことを知るのだった──。
【寝子暦1370年2月中旬:九夜山の展望台跡地】
(承前)
「テオ……あなただったんですね。この世界をループさせていたのは」
相手の求める願いを見るろっこん、【想い見る】をテオに使った
宮祀 智瑜が、目を見開いてそう言った。この世界をループさせていたのは誰か。思えばそれが、もっともシンプルで合理的な答えだった。
何故ならここは、テオのろっこんが暴走して生まれた世界なのだから。
『俺、が……だと?』
けれども、当のテオ本人が呆然とそう呻くのを聞いて、クローネが堪えきれずに爆笑する。
「アハハ! やっぱり自分でも分かってなかったのねぇ、テオちゃん」
「ええっ? ちょっとクローネちゃん、どういうことなのん?」
その後ろでやはりキョトンとしている、
ミッシェル・ナイスゲイの方を振り返り、クローネが答える。
「テオくんはねぇ、
やり直したかったのよ。自分のミスで気絶してこの私に囚われ、
のこのこ助けに来たお馬鹿ちゃん達を、さらに根こそぎ捕まえる罠に利用された。
それもこれもぜぇ〜んぶ、自分が弱っちいから。その屈辱に耐えられなかったのよねぇ〜?」
嘲り笑うクローネに対して、テオはじっと耐えるように無言。
「それはちがいます。屈辱なんかじゃなくって、きっと、テオは……」
そのテオに代わって、智瑜が抗議の声を上げる。事態のやり直しを望む、テオの強い思いが、この世界のループ現象を引き起こしていた──という所までは本当。けれども、テオの気持ちは多分、
「うるっさいわねぇ、どうでもいいのよぉ〜、テオくんの気持ちなんて」
煩わしそうにクローネが手を振り、そこで智瑜の声をさえぎった。
「肝心なのは、せっかくループしてまで、またこの時間軸に戻ってきたのに、
今回もテオくんは、自分のろっこんの暴走を防げなかった、ってコト」
「へっ……? ろっこんの暴走を防ぐ、って……?」
2人のやり取りにぽかんとしていたミッシェルの目が、そこでアッとまん丸に見開かれた。まさに先ほど、自分自身も体験した、あの気付き。
ループで戻って過去を改変すれば、現在の事実が変わる。
「そ、そうだわん。テオのろっこん暴走を止めれば……このループ世界も生まれず、
アタシたちはそもそも、この世界に取り込まれなかったコトになる……?」
「そういうことぉ〜」
クローネがぱちぱちと大袈裟な拍手を贈る。
「ループを終わらせるんじゃなくって、最初から始めさせなければいい。
そう考えたのよねぇ〜、テオちゃんは!
でも残念〜。勢い込んでやっては来たものの、
無力なテオちゃんは何ひとつ過去を変えられず、今回もこのざま!」
けらけら笑いながらクローネは、すでに首筋に黒い羽根の刺さっているテオと、周囲に荒涼と広がるクレーターを指さす。そのすり鉢状の底に、ぽつんと黒い球体が浮かんでいるのが、智瑜にも見えた。このループでもやはりテオは、またろっこんを暴走させられてしまったのだ。
「ま、あんたがこのループに割り込んで来た時には、ちょっぴり私も驚いたけどぉ〜。
でもちょ〜っと手遅れだったわねぇ〜、残念でした〜」
身を捩って笑うクローネに向き直って、けれども智瑜はきっぱりと言う。
「手遅れなんかじゃありません……何度だって、やり直しができるんです。
ループでまた過去へと戻って、今度こそテオのろっこん暴走を防げば……!」
「あら、そう? でも、そう簡単にはいかないわよぉ〜。
あんた、まだ気付いてないのぉ? 自分の身体の異常にぃ〜?」
余裕たっぷりで笑うそのクローネの声に、ハッと智瑜が自分の身体を見下ろせば……何ということだろう。智瑜の両足がつま先から順に、淡く透き通り始めているではないか。
「えっ? こ、これって……!?」
半透明の箇所は、みるみる智瑜の下半身に達し、感覚まで無くなっていく。まるで、自分の実体そのものが失われつつあるような異様な喪失感に、智瑜が思わず悲鳴を上げる。クローネが首を横に掻っ切るような仕草をして言った。
「ウフフ……あんた達が過去を改変して、
この私のすることに逆らおうって言うのなら……
私だって、同じ手を使わせてもらっても良いわよねぇ〜?」
「クローネちゃん、ま、まさか」
息を呑むミッシェルににっこり微笑み、あっけらかんとクローネが言う。
「もっと過去の時間軸にループした私が、
過去のあんた達を抹殺した。
だから今ここにいるこのコも、
存在が消えかけちゃってるってワケぇ〜」
たまらずミッシェルが金切り声を上げて、
「やめて! 過去のアタシは殺さないで!」
「こんなに可愛かった頃のアタシを殺すなんて、ヒドイわん!」
「……って、アラ? アタシの方は消えてないわねん」
パニクっていたミッシェルだったけど、智瑜とは違って自分の方は、姿も消えずにまだ無事だ。「アタシはお友達だから消されないのねん!」とはしゃぐミッシェルにクローネは、
「ま、そういうことでもいいけどぉ〜、
ミッシェルちゃんはあの日、あの学校には居なかったからねぇ」
「あの日? ってソレ、いつのこと?」
そのミッシェルの質問に、クローネはニタリと楽しげな笑みを浮かべて、
「決まってるじゃな〜い。
全てが始まった1年前のあの日。そう、寝子島高校とやらの入学式よ」
(そんな……私も、学校の皆も、あの日入学式に居た人が、全員死ぬ……!?)
智瑜は自分の身体が半透明になっていく恐怖と必死に戦いながら、大好きな先生のことを思い浮かべる。
(まさか、義弘先生まで? 1年前の入学式で、私達にいったい何が……?)
そして。異変はまだ、それだけでは済まなかったのだ。
「アラ? 今度は何だか、クローネちゃんの姿が……?」
そう言ってミッシェルが、ごしごし自分の目を擦る。目の前に立っている美女の姿が、2重にブレたような気がしたのだ。
いや、錯覚などではなかった。めりめりと皮膚を突き破るように、彼女の顔の右側から全く同じ顔が出現し、艷やかな黒髪をばさりと振って、それぞれ2つの首に分かれる。クローネの分裂はそれだけに留まらず、鏡写しのようにその身体が中心線から別れて、やがて2人の美女が双子のように並んだ。
そのツンと上を向いた乳房も、一糸纏わぬ豊満な肢体も、全てが寸分たがわぬ同じ存在──
「こっ、今度は
クローネちゃんが、2人に増えちゃったわん! 一体どういうことよん!?」
仰天するミッシェルの狼狽もどこ吹く風で、2人のクローネが代わりばんこに言う。
「ウッフフ……さっ、これで準備は万端、整ったわぁ〜」
「あんた達の顔を見るのも、いい加減そろそろ飽きてきたことだしぃ〜」
真っ赤な唇の端を同時にニタア、と釣り上げ、2人のクローネがユニゾンで唱和する。
「「この辺でケリを付けましょうか……本当の絶望ってやつを、今度こそ思い知らせてあげるわぁ〜♪」」
【寝子暦1369年4月初旬:寝子島高校の講堂】
もうまもなく、今年度の入学式が始まる。ステージの前にずらりと列を作って、並んでいる今年の新入生は、例年と比べてもひときわ落ち着きがなく、騒がしい。
教職員の席からそんな彼らを、鹿爪らしい顔で眺めていた
桐島 義弘は、そのパイプ椅子の合間をぴょこぴょこ動いて移動している、お団子頭に目を留めた。
「こら、早く席に戻りなさい。もうすぐ式が始まるぞ。どこのクラスの生徒だ」
近寄って声を掛けると、フロアに四つん這いになっていたその女子生徒が、びっくりしたように振り向き、それから元気よく立ち上がって、こう返事をした。
「先生なのか? 1年9組、李 小麗なのだ!」
くりくりの大きな瞳に、小動物みたいなぷくぷくほっぺ。桐島先生の脳裏にぽわわん!と、制服を着た子リスの絵面が思わずポップアップし、慌ててそのイメージを打ち消しながら、ここで何をしているのかと訊ねる。小麗と自己紹介したその生徒は、とたんにしょんぼりして、
「しゃおりー、リボンを落としちゃったみたいなのだ……
ちゃんと胸に付けたと思ったのに……」
受付代わりに新入生に渡される、赤いリボンのことだ。それなら、と桐島先生は講堂の入口の方を指さし、
「まだ予備があるだろう。あそこで貰ってきなさい」
「そうするのだ!」
どうも危なっかしいその新入生に、一緒に付いていきながら、桐島先生は受付の生徒に断って、箱から赤いリボンを貰う。「ありがとうなのだ、せんせ!」と笑顔で受け取った小麗が、けれども次の瞬間、ぽかんと口を開けて、そのリボンを取り落とした。「んあ……??」
「またか。いったい何をやって……」
屈んでリボンを拾おうとした先生の腕にしがみつき、小麗は必死に入口の方を指さして、こう叫び始める。
「たっ、たた大変なのだ! 外を見るのだ、せんせ!
空に!
校舎がお空に浮いてるのだーーーーーーー!!」
「何を馬鹿なことを言っている」
「ホントなのだ! どんどんどんどんお空に上がってくのだ!
しゃおりーの教室も見えなくなっちゃうのだ! ああっ! ああーーっ!」
深々とため息をつく桐島先生。どうも今年の新入生は、大変な問題児が多いらしい。馬鹿げた訴えには全く耳を貸さずに、桐島先生は彼女の襟首をつまみ上げ、凶悪な小動物のようにジタバタと暴れる小麗を、強引に元の席へと連れて行こうとする。
「新入生、起立!」
その向こう、会場の方ではガタガタっと新入生たちが一斉に立ち上がり、今しも入学式が始まるところだった。ステージに1人の先生が上がり、講堂中に朗々と響き渡る声で、式の始まりを宣言する。
「これより第61回私立寝子島高等学校入学式を挙行します」
こんにちは。本シナリオのマスターを務めます、鈴木二文字です。
お待たせいたしました。三羽烏シリーズの続き(2の3話)をお届けします。
先日公開のホワイトシナリオ7話ではクローネが無事消滅しましたが、こちらのループ世界ではまだ健在です。
どうぞご理解の上で、ご参加いただけましたら幸いです。
それでは説明をどうぞ。
かんたん状況まとめ
(1)PCさん達は前回から引き続き、まだループ世界の中に囚われています。
(2)テオのろっこんが暴走させられた過去へと戻り、ループ世界の出現自体を無かったことにすれば、
ループ現象は解除され、全員この世界から脱出することができます。
(3)けれども対するクローネ側も、1年前の別の過去を改変し、PCの存在そのものを抹消しようと試みます。
寝子島高校の入学式が行われている会場に、空から校舎を落とし、全生徒ごとPCを全滅させるつもりです。
(4)皆さんは2つの時間軸でそれぞれの問題を解決し、このループ世界からの脱出を果たして下さい。
シナリオ目的
(1)テオのろっこん暴走を防ぎ、ループ世界の発生を阻止しよう。
(2)クローネによる過去改変=寝子高の地上激突を食い止め、PCの存在が消えるのを防ごう。
※シナリオ目的を全て達成できなかった場合は、解決できるまでシリーズが続きます。
ループ世界について
・クローネが2の1話で、テオのろっこんを暴走させて生まれた世界です。クローネが仕切り直しでループをシャッフルしましたので、PCさんは前回(2の2話)とは異なる別の時間軸に、ループで跳ぶことができます。
・ループするたびに記憶がリセットされ、怪我や死亡などの肉体異常も元に戻る、などの基本的なルールは前回と変わりありませんので、前回マスターコメントをご参照下さい。
・ただし、大きな変更点が2つあります。1つめ。今回はループ中に壊れた建物や、物品に加えられた変化も、全てリセットされて元通りに戻ってしまいます。前回PCさんに不覚を取って負けた失態から、クローネが法則に干渉して修正したようです。メモ等の記録を取って次のループに備える方法が使えなくなりましたので、ご注意下さい。
・2つめ。寝子島高校と九夜山、2つの時間軸の両方でクローネがPCさんの全滅に成功すると、クローネはテオのろっこんを暴走させるのをやめ、このループ世界を解除します。
・ループが解除されると、その時点でPCさんの死亡が確定し、現実世界でも皆さんの不在が、歴史上の正しい事実となってしまいます。この1年間で皆さんが体験した出来事や解決した事件は、IF世界のありえたかもしれないお話となり、現実には全て無かったことになります。
アクションについて
・下記の選択肢の中からあなたが行動する時間軸と場所を選び、その番号をアクションにご明記下さい。
・選択肢は1〜2つまで選択可能です。【1】【2】両方に参加するのもOKです。
【1】寝子暦1369年4月初旬・寝子島高校の入学式
★イベント概要:オープニングストーリー&入学式イベントの再プレイ
【1-A】講堂……(☆新1年生スタート地点)
【1-B】南校舎……(☆2〜3年生スタート地点)
【1-C】中庭……(☆エネミー:クジャクのヒルズ)
【1-D】北校舎屋内……(☆エネミー:ペンギンのニヒル)
【1-E】北校舎屋上……(☆エネミー:ハチドリのハッチ、らっかみクローネ)
【1-F】その他の場所……(☆エネミー:カラス軍団)
【2】寝子暦1370年2月中旬・九夜山の対クローネ戦
★イベント概要:三羽烏の襲撃2の1話の再プレイ
【2-A】展望台広場……(☆エネミー:らっかみクローネL、らっかみクローネR)
【2-B】寝子島イリュージョンランド……(☆エネミー:らっかみクローネL、らっかみクローネR)
【追記】6月14日
選択肢は2つまで選択可能ですが、
初期位置(スタート地点)でも、選択肢を1つ「消費」するものとお考え下さい。
例えば、「1年前の4月に入学式に参加しており、講堂(1-A)からスタートするPCさん」の
組み合わせ可能な選択肢の例は、以下のようになります。
例1:【1-A】 (※【1】の中で1つ選択)
例2:【1-A】+【1-B】(※【1】の中で2つ選択。以下同様)
例3:【1-A】+【1-C】
例4:【1-A】+【1-D】
例5:【1-A】+【1-E】
例6:【1-A】+【1-F】
例7:【1-A】+【2-A】(※【1】の中で1つ選択、【2】の中で1つ選択。以下同様)
例8:【1-A】+【2-B】
※各場所から場所への「移動」につきましては、「選択肢外の小さな行動」として扱います。
例a:南校舎から「中庭を抜けて」北校舎でニヒルと対戦→【1-B】+【1-D】でOK
例b:講堂から脱出後「空を飛んで」中庭でヒルズと対戦→【1-A】+【1-C】でOK
【1】寝子暦1369年4月初旬・寝子島高校の入学式
★イベント概要:オープニングストーリー&入学式イベントの再プレイ
★PCの勝利条件:校舎落下による講堂の破壊を阻止し、1人の死者も出さないこと
☆クローネの勝利条件:PCを含む、寝子高全生徒の抹殺(部下PCは除く)
☆クローネの隠し勝利条件:誰かの◯◯を◯◯る◯◯◯の能力を◯◯させる
■状況
・三羽烏の1羽、ハチドリのハッチが引力ろっこんの暴走で、寝子島高校の2つの校舎を浮上させました。現在空に浮いているのは北校舎と南校舎と、その間の中庭部分です。
・ハッチは北校舎の屋上でろっこんを行使中で、シナリオスタート時点で校舎はすでに、地上から数十メートルの高さに上がっています。
・ハッチの側にはクローネがおり、充分な高度に達した段階でハッチのろっこんを止め、浮力を失った校舎を、地上の講堂めがけてぶつけます。
・講堂で入学式中の先生や、PCさん以外の生徒は、外の異変にはまだ気付いていません。
・以上の基本情報は、シナリオスタート時点でクローネがPCさんに、頭の声の通信でお知らせしてくれますので、皆さんは事件の概要を知っている前提で行動して構いません。
・ついでにクローネは、この入学式がx回目のループであり、皆さんはこの時間軸ですでに何度かループしていることも(嘲笑混じりに)教えてくれます。
■初期位置
・新1年生……1年前の4月当時、寝子島高校の新入生だったPCさんは、基本的に全員、入学式に参加しています。【1-A】の講堂からスタートして下さい。ステージ前の1階席に、クラスごとに分かれて座っています。
・2〜3年生……上級生は南校舎の各クラスで、登校初日でした。【1-B】の自分の教室からスタートして下さい。一部の上級生は入学式にも参加していましたので、【1-A】講堂の2階席に居たことにしても構いません。
・上記以外……小中学生や社会人のPCさん、寝子高生だけど2学期から転校してきた、などのPCさんは、好きな場所からスタートして下さい。いきなり【1-E】から行動を始めてもOKです。
■ループ起点
・シナリオがスタートするのは、入学式が始まる頃(開式の式辞のタイミング)で、皆さんがループして戻される起点も、この時間になります。戻される場所は、それぞれの初期位置になります。
【1-A】講堂……(☆参加NPC:桐島先生、吉田先生、海原生徒会長、雨宮校長など)
★状況:新1年生の入学式が、つつがなく(?)進行中。
・講堂内では現在、式次第のスケジュールに従って、入学式が進行中です。
・浮上した校舎へと向かうPCさんは、まずこの講堂内から外へと脱出して下さい。
ただし入学式からの脱走がバレると先生NPCに元の席へ連れ戻されますので、何らかの工夫が必要です。
・自分は講堂内に留まり、脱出するPCさんのアシストをするのも効果的です。
例えばステージに乱入してナニカをすれば、会場中の皆の注目が、あなたに集まることでしょう。
・外の状況は全く知らずに(あるいは承知の上であえて)、フツウに入学式に参加するのもOKです。
式の後半ではマイクを持ち、「新入生の誓い」を宣言することもできます。
(希望者は黄色いリボンを受け取っていたことにして構いません。詳しくはこちら)
・アクション結果で、外で起こっている異変が、先生や他の生徒に知られると、会場中がパニックになり、
フツウの入学式が中止になります。
【1-B】南校舎……(☆参加NPC:北風風紀委員長)
★状況:登校初日だった2〜3年生が、飛び始めた校舎に全員パニック状態。
・彼らのパニックをできるだけ抑え、安全な方法で安全な場所まで、無事に生徒たちを避難させて下さい。
・また、こちらの校舎と北校舎をつなぐ渡り廊下が破壊されると、南校舎側にはハッチの引力ろっこんの
効果が及ばなくなり、南校舎単体で地上へと落下を始めます。
・もういちどナニカで北校舎と繋ぎ直せば、南校舎も再び浮力を取り戻して落下が止まります。
【1-C】中庭……(★エネミー:孔雀のヒルズ)
★状況:ヒルズが敷地に陣取り、中庭や渡り廊下を横断しようとする者を、ろっこんで無差別に攻撃中。
・中庭に埋設された水道管が次々に破裂し、地面のあちこちから水が噴出中。一部の水道管は、敷地東側にある
噴水に繋がっています。ヒルズはこれらの水をろっこんで炎に変えて、攻撃手段に用います。
・この中庭の地面は戦闘中、熱によるヒビ割れや衝撃で、たやすく崩落して穴が空きます。
戦いが長引くにつれて崩落が進み、刻々と足場が狭くなっていくことでしょう。
・また、浮上中の校舎が雲の高さに達すると、ヒルズは暴走した能力で雲を炎に変えて攻撃してきます。
(低層にある雲は小さな水の粒の集まりです) この広範囲攻撃は中庭の周囲の他エリアにも及びます。
【1-D】北校舎屋内……(★エネミー:ペンギンのニヒル)
★状況:ニヒルのろっこんにより、校舎2F〜3Fの教室や廊下がすでに水没中。校舎1Fはまだ未水没。
・ニヒルは水没した校舎内を縦横無尽に泳ぎ、PCを見付けると突進して攻撃してきます。
また、空中にウォーターロードを敷設し、自由自在に空を飛ぶ技も確認されています。
・ヒルズがまだ戦闘可能な場合は、ヒルズとの連携攻撃をする可能性があります。詳細は不明。
・また、浮上中の校舎が一定の高度に達すると、ニヒルはさらに上層の空から、氷のブロックを降らせて
攻撃してきます(ニヒルが暴走能力で生成した水が、上空の零下数十度の気温で凍結したものです)。
・氷塊のブロックは最大で氷山サイズに達し、校舎落下が失敗した場合の代替手段にもなります。
【1-E】北校舎屋上……(★エネミー:ハチドリのハッチ、らっかみクローネ)
★状況:屋上でハッチが羽ばたき、北校舎と南校舎を引力ろっこんで浮上させている。
・校舎は直上方向に向かって、現在も浮上を続けています。ハッチが羽ばたきを止めたり、
クローネがハッチのろっこん暴走を止めたりすると、ろっこんの効果が切れ、
2つの校舎は地上の講堂めがけて、落下を始めます。
・ハッチを倒せば校舎の浮上も止まりますが、その場合も同様に、校舎は地上めがけて落下していきます。
校舎の落下を食い止めて、無事に元の場所に着地させる、何らかの方法が必要です。
・クローネは屋上に持ち込んだビーチチェアでくつろぎ、のんびり日光浴中。
ハッチが疲れ始めると容赦なくムチで引っぱたき、ご褒美を与え続けています。
【1-F】その他の場所……(★カラス軍団)
・上記以外の場所で行動するPCさんの選択肢。空メインで行動する方などは、こちらの選択肢をお選び下さい。
講堂からの脱出組が、浮上中の校舎まで行くには、飛行能力などを持つPCさんの支援が必要となるでしょう。
・また、浮上中の校舎から少し離れた西の空には、クローネの手下のカラスの群れが集まっています。
うち何羽かはその嘴に黒い羽根を咥えていますが、PCさんに対して積極的な攻撃はしてきません。
どうやら何かを待っている様子ですが……??
▼エネミー情報1a・孔雀のヒルズ:
▼エネミー情報1b・ペンギンのニヒル:
▼エネミー情報1c・ハチドリのハッチ:
・三羽烏の各キャラの設定、ろっこんなどは2の1話ガイドのデータをご参照下さい。全員ろっこん暴走状態です。
・新たなループに入ったため、三羽烏の3匹は死亡状態から復活し、負傷も完治しています。
・ループ世界突入前(2の1話)の記憶はありますが、突入以降(2の2話6ページ以後)の記憶はありません。
ループ中に90回ほどクローネに始末された彼らですが、そんな記憶は全く無いので、
3羽とも相変わらずクローネのことが大好きです。
・逆にクローネからは、「あんた達は騙されて94回もあの連中(PC)に殺されたのよ〜ん」と、
事実とは異なる嘘を聞かされ、3羽とも怒り心頭でぷんぷんです。
・ヒルズ「泣いて命乞いする僕を、よってたかって嬲り殺しにしただって? なんて非道い奴らなんだピーコ!」
・ニヒル「ハードボイルドの風上にも置けない連中だぜ。クローネ様のお助けが無かったら今頃どうなっていたか」
・ハッチ「ククク……拷問か? 拷問で我は死んだのだな? 思い出せんので続きをしてくれ(ハアハア)」
▼エネミー情報1d・らっかみクローネ:
・ののこやテオと敵対する、悪いカラスのらっかみ。カラスにも人の姿にもなれます。
・もれいびのろっこんを暴走させる能力が、過去幾度も確認されています。
気絶している人や死んだ人のろっこんは、暴走させられません。
・ループしても彼女の記憶はリセットされず、また別のループにいる自分とも記憶を共有しているようです。
※以下はPL情報です。PCさんは、事前には知り得ない情報です。
・クローネがシナリオ内で前掲の隠し勝利条件を達成すると、クローネが2人に増殖し、
選択肢【1】内に居る、全てのもれいびPCさんのろっこんが強制的に暴走する場合があります。
(詳細は【2】のクローネLとRのエネミー情報と同じですので、詳しくはそちらをご覧下さい)
・あなたはクローネの隠し勝利条件の内容を推理して、それを未然に阻止しても構いませんし、
暴走したろっこんを逆に利用して、生徒たちを救ったり、校舎落下を食い止めても構いません。
どちらを選択するのも、皆さんの自由です。
【2】寝子暦1370年2月中旬・九夜山の対クローネ戦
★イベント概要:三羽烏の襲撃2の1話の再プレイ
★PCの勝利条件:テオのろっこん暴走を防ぎ、ループ世界の発生を阻止する
☆クローネの勝利条件:PCの全滅(部下PCは除く)後、このループ世界を解除する
■状況
・テオのろっこんが暴走させられたあの時の過去に再びループして、対クローネ戦をやり直すことができます。ただし今回は、クローネが2人に増殖しております。
・また、【1】側の過去改変=講堂への校舎落下による全生徒の死亡が原因で、こちらの【2】の時間軸のPCさんは肉体が消えかけ、曖昧で不確定な存在になっています。
・具体的には、全身が半透明になって実体を失い、物理的な干渉や攻撃もできず、ろっこんも使えない状態です。会話は可能です。幽霊のように浮いて空を飛んだり、壁を通過したりもできます。
・【1】側で行動しているPCさんが【1】の勝利条件を満たすと、皆さんの死亡は回避され、元の肉体が復活し、通常通りにろっこんも使えるようになります。
・上記の「存在消滅の危機」に陥るのは、1年前の4月当時に寝子島高校に在籍していた生徒PCさんのみです。小中学生や社会人のPCさん、寝子高生だけど2学期から転校してきた、などのPCさんは、肉体は消えておりませんので、通常通り行動して問題ありません。ただし2人のクローネからは優先的に攻撃を受けます。
・以上の基本情報は、シナリオスタート時点でクローネ達がPCさんに口頭でお知らせしてくれますので、皆さんは事件の概要を知っている前提で行動して構いません。
・ついでにクローネは、この対クローネ戦がx回目のループであり、皆さんはこの時間軸ですでに何度かループしていることも教えてくれます(オリジナルの対クローネ戦はこちら、1回目のループはこちら)。
■初期位置
・オリジナルの対クローネ戦に参加していたPCさんは、広場の同じ位置からスタートします。
・今回初めてこの時間軸にループするPCさんは、好きな場所からスタートして下さい。
■ループ起点
・シナリオがスタートするのは、対クローネ戦の開始時(2の1話34ページ目)で、皆さんがループして戻される起点も、このタイミングになります。戻される場所は、それぞれの初期位置です。
【2-A】展望台広場……(☆エネミー:らっかみクローネL、らっかみクローネR)
★状況:オリジナルの対クローネ戦と基本的には同じ。しかし敵のクローネは2人に増えている。
・スタート時点ではまだテオは気絶中。クローネLの首に巻かれており、お腹には羽根が刺さっています。
・クローネLは人型で、その頭上をクローネRがカラスの姿で飛んでいます。
PCさんはまず、この2人のクローネからテオを奪還し、テオのろっこん暴走を未然に防いで下さい。
・ただし1回暴走を食い止めても、クローネ達は動ける限り執拗に、テオとPCさんを追ってきます。
テオの暴走を完全に防ぐには、クローネを倒すか無力化する必要があるでしょう。
【2-B】寝子島イリュージョンランド……(☆エネミー:らっかみクローネL、らっかみクローネR)
★状況:三夜湖のほとりにある遊園地。現在は廃墟となっている。
・展望台のすぐ近くにありますので、テオを連れて逃げ込んだり、テオを隠したりするには好都合な場所です。
・施設は野外音楽堂の他、ジェットコースター、観覧車、コーヒーカップ、メリーゴーランド、
ゴーカート広場、ミラーメイズ(鏡の迷路)、お化け屋敷などがありますが、
ホワイトシナリオ3話の時とは違って、アトラクションは全て壊れており、動きません。
▼エネミー情報2a・らっかみクローネL:
▼エネミー情報2b・らっかみクローネR:
・【1】側の過去のクローネが隠し勝利条件を達成したことで、2人に増殖したクローネです。
2人とも、エネミー情報1dのクローネと、全く同じ性格、同じ能力を持ちます。
・便宜上、左に立っている方をクローネL、右に立っている方をクローネRと呼びますが、どちらも違いは
ありません。片方が本体でもう片方がコピー、ということもなく、どちらもオリジナルのクローネです。
・【1】側で行動しているPCさんが、クローネの隠し勝利条件達成を阻止すると、
こちらにいる2人のクローネも、元の1体へと戻ります。
※以下はPL情報です。PCさんは、事前には知り得ない情報です。
・クローネLがクローネRに羽根を刺し、クローネRのろっこんを暴走させると(またはその逆でも可能)、
選択肢【2】内に居る、全てのもれいびPCさんのろっこんが強制的に暴走します。
・各PCさんに羽根が刺さっていなくても、能力の発動条件を満たしていなくても、暴走します。
・気絶している人や、実体を失っている人のろっこんは、暴走の対象外です。
・この「暴走能力の暴走」によるPCさんのろっこん暴走は、PCさんにも、
そしてクローネ自身にも、何が起こるのか予測が付きません。
(PCさんには予測が付きませんが、プレイヤーさんは能力の暴走内容の希望を書くことができます。
内容によってはマスターの調整が入ったり、どんな暴走かよく分からなかったり、描写されなかったり
することもありますので、ご了解下さい)
・あなたはクローネのろっこん暴走を未然に阻止しても構いませんし、
暴走したろっこんを逆に利用して、テオを助けたり、クローネを倒したりしても構いません。
どちらを選択するのも、皆さんの自由です。
NPC情報
▼NPC情報1・桐島先生:
▼NPC情報2・吉田先生:
・共に【1-A】に参加。講堂を抜け出そうとする生徒を見つけ次第、強引に元の席へと連れ戻します。
▼NPC情報3・海原生徒会長:
・【1-A】に参加。2階席から挙動不審な生徒を見張っています。式の半ばでステージに上がり祝辞を述べます。
▼NPC情報4・雨宮校長:
・【1-A】に参加。まるでループしているかのような長話で、会場内にいる生徒の正常な思考力を奪います。
※【1-A】の講堂では、入学式に参加しているその他のNPCも登場する可能性があります。
▼NPC情報5・北風風紀委員長:
・【1-B】に参加。パニック生徒を避難させようと必死ですが、安全な場所などどこにもなく半泣きです。
▼NPC情報6・らっかみテオ:
・【2-A】または【2-B】に参加。シナリオスタート時点では気絶中で、羽根が刺さっています。
消耗して自力で動くことも出来ないため、どこに行くかは連れていくPCさん次第です。
・まだののこが落ちてきていないので、【1】の時間軸には居ません。
▼NPC情報7・野々 ののこ:
・らっかみ。入学式の最中、講堂の時計台めがけて落ちてきます。詳しくはオープニングストーリーをどうぞ。
記憶とろっこんについて
■記憶について
・ループ世界の基本ルールで、ループ毎に記憶はリセットされますが、前話最終ループの記憶は、憶えている前提でアクションを掛けて構いません(例:スタジアムの捕虜&救出組ならこちらのループの記憶)。
・メモを取っていた、またはメモを取っていたPCさんに聞いたという前提で、それ以前のループ中の出来事を知ったことにしても大丈夫です。
・ループ世界のことなんて知らずに、当時の記憶しかない状態で行動するのもOKです(例えばガイド本文の李 小麗さんは、その1例です)。
■ろっこんについて
・まだののこが落ちてきていない【1】の時間軸にループしたPCさんも、ろっこんは現在のレベルや能力内容のまま、お使いになれます。
・まだもれいびになっていない「ひと」として、【1】で行動するのも、もちろんOKです。
その他
・前回2の2話の踏み絵イベントで、クローネの部下となったPCさんは、【1】【2】のどちらに参加されても殲滅の対象にはなりません(が、巻き込まれてしまうことはあるかもしれません)。
・ほしびとPCさんが本シナリオに参加された場合、姿はひとの姿になります。翼で空を飛べる等の特殊な能力、人間離れした能力は発揮できませんので、ご了解の上でご参加下さい。星の力(虹)は使えますが、互いの同意を必須とします。
・シナリオ内へのアイテム類の持ち込みにはマスタリングが入りますので、持ち込んだ物や道具を利用した作戦は基本的にお勧めしません(マスターが持ち込み不可と判断した場合、作戦そのものが瓦解するリスクがあります)。
特にシナリオ内への武器の持ち込みは、今回も一律で不可とさせて頂きますのでご了解下さい。
最後に宮祀 智瑜さん、ミッシェル・ナイスゲイさん、李 小麗さん、ガイドへのご出演どうもありがとうございました。もしもご参加いただける場合はガイドの内容にとらわれず、自由にアクションをお掛け下さいね。
それでは皆さんのアクションを(祈る思いで)お待ちしています。
長いガイドをここまでお読み頂き、有難うございました!