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＜三羽烏の襲撃２の２＞ループ世界に囚われ、無限ループ中です
●エピローグ（１）●
【九夜山：頂上展望台】
シーサイドタウン、旧市街、星ヶ丘の各エリアで、三羽烏がもれいび狩りを始めた頃。九夜山の頂上展望台からその様子を、優雅に眺めてくつろいでいる美女がいた。
この寒空の山の中で身に纏っているのは、濡羽色の豪奢な羽根マフラーと、首に巻き付けた気絶中のテオマフラーのみ。ＴＰＯとか全然わきまえない、人の姿になったクローネだ。
「ええっ！ ここの望遠鏡、百円入れないと見れないのぉ〜？
ちょっとミッシェルちゃん、百円ちょうだい？ ひゃくえん！」
「クローネちゃん、そんなお金も持ってないのん？」
「神様が小銭なんて持ち歩いてるワケないでしょ！」
イヤやっぱり、そんなに優雅でも寛いでもいなかった。頭に来て素足でげしげし望遠鏡に蹴りをかますそのヒステリックな姿は、とても神様のやることとは思えない……それでもループでこの過去へと再び戻ってきたミッシェル・ナイスゲイは、待ってましたとばかりに、彼女に百円玉を差し出した。
「それじゃコレ、お賽銭として捧げるわん」
「あら、気が利くわね？」
「勿論よん、なんたってクローネちゃんは最強の神様なんだから！
お賽銭ぐらい当然だわん。それにそのマフラーも似合ってるわん、
毛並みの良い素敵なマフラーね！」
と、この後登場する筈のライバル？の褒め台詞すら先取りして、とにかくミッシェルは彼女のご機嫌を取りまくる。その目的はただ１つ、
「クローネちゃんのチョコを取り戻すためだわん！」
なんと、そのためだけにミッシェルはループを利用して、後悔を残したこの過去へと再び舞い戻ってきたのである。何という執念。
そして褒められてちょろく機嫌を良くしたクローネから、「それじゃコレあんたにもあげるわ〜」とお手製のチョコレートを貰う。ここまでは元々の過去と、ほぼ同じ展開だ。
けれども、オリジナルの過去ではこの先、余計な提案をしてクローネの不興を買い、結果せっかく貰ったチョコを取り上げられてしまったのだった。
だから今回は、同じ失敗は２度と繰り返さない。提案も絶対口にしないし、チョコもべろべろと舐めまくって、誰にも奪われないよう、自分のブラジャーのカップに入れて隠そうとする……
「あらん？ でもこのチョコ……どっかで見たことある気がするわん」
表面にののことテオの絵が浮き彫りになっているその板チョコを見て、ミッシェルが思い出した。
「ああ……！ あの踏み絵と同じ絵なんだわん！」
忠誠を示すためにクローネの前で踏んでみせた、あの踏み絵と、大きさも寸分違わなかった。何だか妙にヘンな形をしたチョコだとは思っていたけど、つまりこの手作りチョコとやらは、あの踏み絵と同じ型から取られたものだったのだ。そう言えばこのチョコを味見した小山内海が、金属の味がするとも言っていたっけ。
もっともこれは、あの踏み絵をクローネが前から用意していたというだけの話で、それ以上の深い意味は、とくに何も無さそうだったけど。
「あら……？ ミッシェルちゃん、でもどうして踏み絵のことを知ってるの〜？」
けれどもクローネが、そのミッシェルの発言を耳ざとく聞き付けた。
「この出来事を体験するのは今回が初めてじゃない……
あんた、ループしてこの時間軸に来たのね！」
「いや〜ん、バレちゃったわ〜ん！」
でもよく考えたら、クローネになら別にバレてもよかった。ミッシェルはチョコが欲しかったことを正直に白状し、ついでにこのループ世界のカラクリについて彼女に聞いておく。
「クローネちゃんは凄い神様だから、
この世界から自由に出られるのよねん？
それともこのままループすることが目的なのん？」
「あら、私はもちろん出られるわよ。
テオくんのろっこんを暴走させて作ったのに、
自分までこの世界から脱出できなかったら、馬鹿みたいじゃない」
「そ、そうよね〜ん」
クローネもループしているということは、クローネ自身もこの時の牢獄に囚われているのではないか？、ともミッシェルは考えていたのだ。けれども今の口振りでは、どうやら違ったらしい。クローネの目的がループなら、別段阻止はしないとミッシェルは決める。
もう少し話を聞きたい所だったが、そのミッシェルから視線を外して、クローネが広場の入口の方を振り向いた。そして、ニヤニヤと楽しげな笑みを浮かべて言う。
「さ、今回も来たみたいよ……罠とも知らずにのこのこ
テオくんを取り戻しに来た、愚か者ちゃんたちがね〜♪
ミッシェルちゃんもヒマだったら、このループに付き合っていきなさ〜い？」
【九夜山：頂上展望台】
シーサイドタウン、旧市街、星ヶ丘の各エリアで、三羽烏がもれいび狩りを始めた頃。九夜山の頂上展望台からその様子を、優雅に眺めてくつろいでいる美女がいた。
この寒空の山の中で身に纏っているのは、濡羽色の豪奢な羽根マフラーと、首に巻き付けた気絶中のテオマフラーのみ。ＴＰＯとか全然わきまえない、人の姿になったクローネだ。
「ええっ！ ここの望遠鏡、百円入れないと見れないのぉ〜？
ちょっとミッシェルちゃん、百円ちょうだい？ ひゃくえん！」
「クローネちゃん、そんなお金も持ってないのん？」
「神様が小銭なんて持ち歩いてるワケないでしょ！」
イヤやっぱり、そんなに優雅でも寛いでもいなかった。頭に来て素足でげしげし望遠鏡に蹴りをかますそのヒステリックな姿は、とても神様のやることとは思えない……それでもループでこの過去へと再び戻ってきたミッシェル・ナイスゲイは、待ってましたとばかりに、彼女に百円玉を差し出した。
「それじゃコレ、お賽銭として捧げるわん」
「あら、気が利くわね？」
「勿論よん、なんたってクローネちゃんは最強の神様なんだから！
お賽銭ぐらい当然だわん。それにそのマフラーも似合ってるわん、
毛並みの良い素敵なマフラーね！」
と、この後登場する筈のライバル？の褒め台詞すら先取りして、とにかくミッシェルは彼女のご機嫌を取りまくる。その目的はただ１つ、
なんと、そのためだけにミッシェルはループを利用して、後悔を残したこの過去へと再び舞い戻ってきたのである。何という執念。
そして褒められてちょろく機嫌を良くしたクローネから、「それじゃコレあんたにもあげるわ〜」とお手製のチョコレートを貰う。ここまでは元々の過去と、ほぼ同じ展開だ。
けれども、オリジナルの過去ではこの先、余計な提案をしてクローネの不興を買い、結果せっかく貰ったチョコを取り上げられてしまったのだった。
だから今回は、同じ失敗は２度と繰り返さない。提案も絶対口にしないし、チョコもべろべろと舐めまくって、誰にも奪われないよう、自分のブラジャーのカップに入れて隠そうとする……
「あらん？ でもこのチョコ……どっかで見たことある気がするわん」
表面にののことテオの絵が浮き彫りになっているその板チョコを見て、ミッシェルが思い出した。
「ああ……！ あの踏み絵と同じ絵なんだわん！」
忠誠を示すためにクローネの前で踏んでみせた、あの踏み絵と、大きさも寸分違わなかった。何だか妙にヘンな形をしたチョコだとは思っていたけど、つまりこの手作りチョコとやらは、あの踏み絵と同じ型から取られたものだったのだ。そう言えばこのチョコを味見した小山内海が、金属の味がするとも言っていたっけ。
もっともこれは、あの踏み絵をクローネが前から用意していたというだけの話で、それ以上の深い意味は、とくに何も無さそうだったけど。
「あら……？ ミッシェルちゃん、でもどうして踏み絵のことを知ってるの〜？」
けれどもクローネが、そのミッシェルの発言を耳ざとく聞き付けた。
「この出来事を体験するのは今回が初めてじゃない……
あんた、ループしてこの時間軸に来たのね！」
「いや〜ん、バレちゃったわ〜ん！」
でもよく考えたら、クローネになら別にバレてもよかった。ミッシェルはチョコが欲しかったことを正直に白状し、ついでにこのループ世界のカラクリについて彼女に聞いておく。
「クローネちゃんは凄い神様だから、
この世界から自由に出られるのよねん？
それともこのままループすることが目的なのん？」
「あら、私はもちろん出られるわよ。
テオくんのろっこんを暴走させて作ったのに、
自分までこの世界から脱出できなかったら、馬鹿みたいじゃない」
「そ、そうよね〜ん」
クローネもループしているということは、クローネ自身もこの時の牢獄に囚われているのではないか？、ともミッシェルは考えていたのだ。けれども今の口振りでは、どうやら違ったらしい。クローネの目的がループなら、別段阻止はしないとミッシェルは決める。
もう少し話を聞きたい所だったが、そのミッシェルから視線を外して、クローネが広場の入口の方を振り向いた。そして、ニヤニヤと楽しげな笑みを浮かべて言う。
「さ、今回も来たみたいよ……罠とも知らずにのこのこ
テオくんを取り戻しに来た、愚か者ちゃんたちがね〜♪
ミッシェルちゃんもヒマだったら、このループに付き合っていきなさ〜い？」
シナリオ
シナリオデータ
- 担当ゲームマスター
- 前回シナリオ
- シナリオタイプ（らっポ）
-
- シルバーシナリオ（150）
- グループ参加
-
- 3人まで
- シナリオジャンル
-
- 推理・サスペンス
- バトル
- 動物・自然
- 定員
-
- 50人
- 参加キャラクター数
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年01月31日
- 参加申し込みの期限
-
- 2017年02月07日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年02月07日 11時00分
