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寝子島は撮影されている ~ひめこの世界
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【謀】
「ああ……」
ロベルト・エメリヤノフ
は思わず目を細め、嘆息します。
「この部屋だ。あの時見たのと、変わらない……」
暗く沈んだ、荒れ果てた空き家の中。様々なものが散乱する八畳間。割れた豆電球。壊れてひっくり返った丸テーブル。空の木鉢に、欠けた湯のみ。くすんだ色の、ブラウン管テレビ。
「ここが昔の、あいつの家。ってわけか?」
「たぶん……そうみたい、ですね……」
共に情報を共有する仲間である、
如月 庚
。熱心に周囲の様子を生徒手帳へメモ書きしている
勅使河原 悠
や、
「……なーんか。寂しいところですね」
どこか複雑な表情を浮かべた
屋敷野 梢
の姿も、そこにはありました。
彼らを導いたのは、このふたり。
「あたしはここを探してたわけじゃなかったんだけどね……ま、偶然よ」
あっけらかんと言って肩をすくめた
神薙 焔
に、
「そしたらここでこんなの見つけたのだ、きっとみんなにも見せたほうが良いと思ったのだ~」
「……これは」
三毛猫がおーを頭に、黒猫福ちゃんを片手に抱えた
後木 真央
。ひょいとロベルトへ手渡したのは……崩れ落ちそうなほどに古びた、絵日記帳でした。
ぱら、と彼がページを開けば。クレヨンか何かで、子供らしい拙い線で奔放に描かれているのは、黒髪の女の子が部屋の中、丸テーブルを前に座っているところ……歪んだ四角い箱らしきものは、テレビのようです。画面に映っているのは、マイクらしきものを手にした……恐らくは流行りのアイドルか、歌手か。そんなところでしょう。
添えられているミミズがのたくったような文字を、ロベルトは読み上げます。
「……『今日もひとりでおるすばん。おとうさんもおかあさんも、おそくまでかえってきません。でも、テレビにあゆみちゃんが出てたので、それを見てたらさみしくなかったです。わたしもいつか、あゆみちゃんみたいなりっぱなかしゅになって、みんなにうたをきいてもらいたいです』……」
裏表紙には、持ち主の名前も。
「…………『3ねん4くみ にいで ひめこ』?」
新出府 譲。偽でんを下り、寝子島駅へと戻ってきた彼らを、男は両手を上げて出迎えました。
「やあ、やあ! お疲れさん、どうだったね? 楽しんでもらえたかな、あるいは……つまらなかった? そんなわけはないよな、うん。で何か、面白いものでも見つけられたかい……おっと! 悪いが、答え合わせには応じられないぜ? こういうのは自分たちの手で導き出してこその……」
「だとしても。これでは、足りませんね」
機嫌の良さそうな口上を遮ったのは、
八神 修
です。隣には、警戒した様子の
恵御納 夏朝
……腕にはレンズ・キャッツ。顔を彼女の胸にすり寄せる、黒猫のおはぎ。
「おやおや、猫くん。すっかりそちら側というわけか……まぁいいさ。何だい、八神先生?」
からかい混じりのおどけた眼差しと、修の真っ直ぐに挑むような瞳が、交錯し。
「こちらには、それなりに危険な目に遭った者もいる。今回の情報の価値はともかく、加えて、任意の報酬をいただきたい」
「ふむ。危険手当というわけか。で、つまるところ、何が聞きたい?」
「……『この企画について』」
ぴくり。かすかに男が片眉を動かしたのは、その場にいる仲間たちにも知れたでしょう。
「あなたは始め、依頼の要請という形で俺たちに接触してきた。さも第三者であるとの立場を装いながら……それが今回は、まるであなたが、全てを取り仕切っているかのように振舞っている」
それは、修自身による推理に加え、
志波 武道
。
呉井 陽太
、
芽守 健作
。そして仲間たち、彼らが集めた情報を積み重ね、導き出すに至った答え。それを確かめるための問いでした。
武道は考えたと言います。暗がりに覆われながらも人々の営みが確かに息づくあの場所は、『番組のために用意されたセットのようなものでは?』、と。
「いやぁ、猫ちゃんたちも付いてきてたからネー。ちゃっかりしてるゼィ!」
「そう……そこから、俺に推測できることは」
人差し指。立てたそれを、修は男の鼻先へと向け、彼なりの答えと共に、突き付けました。
「これは、『あなたの番組』なのでは? であれば、今回の番組……その意図は、どこにあるんです?」
修のみならず、男を見つめる多くの視線。彼らには、知る権利がありました。
しばし……思考を巡らせるように、腕を組み、黙り込んで。やがて彼は、ゆっくりと、口を開きます。
「……『この企画』、ときたか。いいね、お前さんたちはやっぱり……ミス・キャストは無かったわけだ。分かった、それじゃあ、考えてみてくれ」
ぱん、と両手を打ち、にっ。前歯の金色が、きらりときらめき。
「大勢の人間の興味を、どかんとこう、一度に惹こうと思ったなら……さて。彼らに、何を見せてやるのが良いと思う? 例えばだ、淡く切ない恋愛劇とか……
御剣 刀
くん、君ならスカッとくるような、激しいアクションが良いかね?
八十八旗 信彦
くんには、セクシーなヒロインが画面狭しと活躍する、お色気たっぷりのラブコメディなんてどうだ?
毒島 虹子
ちゃんはやっぱり、ホラーやサスペンスがお好みかな。もちろん、安っぽいハッピーエンドなんかじゃないやつさ……君はどう思う、綾花ちゃん?」
「……え?」
ふいに促された
綾辻 綾花
は、控えめに、
「ええと……私なら、猫ちゃんが出てくるものとか……」
「なるほど動物もの、定番だ。悪くない。オカルト探偵の飛鳥くん、君ならどうかね?」
「ん、僕かい?」
晴海 飛鳥
は、一瞬きょとんとした顔を浮かべたものの、
「うん。オカルト、怪奇、都市伝説! 確かにそういうものは、大好きさ」
「そうだろうとも、そして……ああ。君だ。
桃川 圭花
ちゃん、女優の卵」
ハットを取り上げ、男は芝居がかった調子で、圭花へ一礼を。
「お前さんには、そうだな。フランス映画なんてどうだ? 重く、哀しく、後を引く苦味……上質な悲劇さ」
「……あまり、見透かさないでもらいたいものね。嫌われるわよ? そういうの」
彼女の挑戦的で不敵な笑みに、ぱちり、ウィンクを返し……男は。
「そう。悲劇! 人の不幸は蜜の味なんて、良く言ったものさ。ことのほか敏感でね、人間ってやつは……他人の被る滑稽な悲劇、この手のネタときたら実に、食いつきが良いわけだ。分かるだろう? 『謎の深夜番組、そのストーリーテラーの知られざる過去』! 『密かに抱えた心の闇』! 気になるだろう。知りたいだろう? お前さんたちだってそう思った、だからこんなにもアヤシイ俺の話にだって、こうして乗ってくれたんだろう?」
「……違うッ!」
鋭い否定は、
矢萩 咲
。
「違う。咲は、咲たちは……彼女が何らかの事象に巻き込まれ、その現状が望まず、不本意なものであるなら……助け出したい。救いたい。それだけだ」
彼女が発した、心の叫び。
ぽつり、と。ぽつぽつと、不意に降り始めた小雨が、駅舎を打ち。彼らを濡らし。
男は、新出府は、曇った空を見上げ、
「……ふむン? そうかね。ま、それもいい。お前さんたちが望むなら……そんな筋書きだって、ああ、もちろん。そうさ、悪くはない」
乗降口をくぐった彼の背へ、
桜庭 円
は。
「ジョニーさんさー。辛くない?」
呆けたように口を開け、新出府はぽかんと見返した後に、
「……あー。何だって?」
「なんとなくだけどねー。ジョニーさんって……なんて言うのかな。自由でありたいように見えて、それが逆に、どこか抑圧されてるみたいで……」
円とて、彼の全てを理解できるわけもありません。けれど彼女の、
「とても、不自由に見えたから。ちょっと、心配だなーって思ってさ」
あるいは誰かの、そんな気遣いなど。彼にとっては、きっと、意外なことだったのでしょう。
「不自由……不自由ね。そうかもな」
同じく、見送り……というつもりでは無いにしろ、円の隣で探るような目線を投げかける、
朝鳥 さゆる
へも。男は、にかっ! と歯を見せ笑いかけ、
「だがね、お嬢さんがた。俺が真に自由な存在だったなら、俺はきっと、こうしてお前さんたちの前に立っちゃあいなかった。出会うことすら無かったろうさ」
発車を知らせるブザーがホームへ鳴り響くと、慌てたように寝子電……偽でんへと走り込む、レンズ・キャッツたち。
「これで、楽しんでるんだ。お前さんたちとも、この感覚を共有できたとしたら……」
甲高い空気音。扉の閉まる直前に、一言。
「そいつはもう。最高だね」
手を振る者、ぷいと顔をそむけた者。眉をひそめた者……全て、置き去りに。
彼の乗り込んだ電車は、凄まじいスピードで、レールの彼方へと消えていきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『寝子島は撮影されている ~ひめこの世界』のリアクションをお届けいたします。
墨谷の執筆のひとつスタンスとしまして、作中でもこういった場でも、『あんまり説明しすぎない』というのがありまして。言葉少なすぎて伝わらないのは本末転倒ながら、『ネタバラシだ! えいやっ』と語れば語った分、陳腐になってゆく気がしてしまうわけでして……。
なので今回は、こうして皆さまには思いのほか興味を持ってお付き合いいただけていることに、感謝を述べさせていただくに留めておきたく思います。いつもありがとうございますー!
あ、何だか気に入っていただけているようでありがたいレンズ・キャッツですが、今回もご希望の方は、気に入られて付いて来ちゃったとか何とかで、『MFS!』関連シナリオに限りということながら、お持ち帰りしたということにしていただいても構いませんので。可愛がっていただければ、私としましても嬉しい限りです。
それでは、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました!
また次の機会にもお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでしたー!
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墨谷幽
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寝子島は撮影されている ~レンズ・キャッツ捕獲要請
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月23日
参加申し込みの期限
2015年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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