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寝子島は撮影されている ~ひめこの世界
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【痕跡】
「うろんじ? はァん。最近じゃ、そんな名前になってんの」
顔の無い女性はそう言って、口元の黒もやをもごもごとさせ、笑います。ぷかりとふかした煙草の煙を顔に浴びて、けれど
恵御納 夏朝
は努めて、表情を抑え込みながらに。
「あの……そういう名前の生徒さんが、昔、この学校にいたとか……そういう話は、ありませんか?」
中学校での調査は空振り。次いで訪れた小学校でも、多くの学校関係者には邪険に追い払われるばかり……ただ、ここで『こくご』の先生をしているという、恐らくは三十そこそこくらいの気紛れそうな女性が、ふたりを校舎裏の人目につかない空間へと誘い、話に応じてくれました。
「ひめこ、ね。そんな名前の子は何人か受け持ったことあるけど、ま、きっとあの子のことよね」
教師とは思えないぞんざいな口ぶりに、
八神 修
は口を開き、
「……ご存じなんですか? この学校に、彼女が?」
「例の怪談話でしょ? ええいたわよ、あたし担任だったもの」
校舎の向こうのグラウンドから、サッカーに興じる生徒たちの声が届く中。気だるげな仕草で煙草を吸い、配慮も無く煙を吐き出して、夏朝が少しばかりせき込むのにも、女性は微塵も省みず。
「十年くらい前かなぁ、あたしはまだ新米でね。手探りでやってたけど、明るくてイイ子ちゃんばかりの仲良しこよしクラスで、そんなに手もかからなくて……その中に、あの子がいたわけよ」
「……それが、胡乱路先輩……?」
「いやだから、その名前は知らないけど。っつーかあの子、苗字はなんつったっけか……まぁいいか。そんでお探しのひめこちゃんだけど、まーこれが根暗でね」
言葉の端々に、どこか底意地の悪さか、もっと端的に言えば悪意のようなものが滲むことに、修も夏朝も、その時には気付いていたでしょう。
ボールを蹴る子供たちの甲高い声が響き、顔の無い女性はひとつ舌を鳴らしつつ、
「本ばーっか読んでたわ。あたしが授業でね、勧めてやったからってのもあるかも知れないけど。ほら、本好きな子って手がかからなくて、助かるじゃない? それにしたって度が過ぎてたけどね、友だちも作らないで、ひとりでずーっと。黙々と、本読んでたわね」
「友人が、いなかったんですか。彼女には」
「あたしが知ってる限りじゃ、ひとりも。といっても当時は、あの子に特別注目してたわけじゃなかったけど。根暗で静かで大人しくて、ぼんやりしてひとりぼっちで、目立たなくて、存在感の無い女の子。って印象だったわ……あの事件の日までは、ね」
楽しそうに弾んだ女性の声に、夏朝がどこか険しい表情を浮かべ、拳をぎゅうと握り締めているのに、修も気付いたものの。
「……抑えろ。恵御納」
「うん……」
土の上へ吸殻を捨て、つま先で踏み潰した女性へ。修が、
「それで。事件、とは? 聞かせていただけませんか」
尋ねれば。女性はますます面白がって、語り始めます。
毒島 虹子
の演技には真実味があり、迫真と言えました。
「友人とはぐれてしまって……探しているんです。
胡乱路 秘子
さんについて、知っていることがあれば、教えていただきたいんです……!」
けれど。こじんまりとした警察署から出てきたところに声をかけた警官は、そんな風に切り出すなり、
「あのね、君らね……別にオカルトだのなんだの、そういうのにのめり込むのが悪いとは言わないよ。けどね、警察をからかうもんじゃない。そういうのは君、感心しないね」
「……あら。同じような方が、他にも?」
「そりゃあもう、今までにわんさかとね」
手管としては二番煎じであったらしく、壮年であるらしい顔の見えない警官には、通用しなかったようです。
とはいえ。その上で、虹子の演技達者は、特筆すべき巧みさでした。
「失礼しました……ウソをついたことは、申し訳ありません。けれど……聞いていただけますか?」
日頃から自身の趣味や嗜好、本性を裏に隠しながら過ごしている彼女です。元よりその目的は、彼女もファンを自称する深夜番組のつつがない存続、それのみであり、進行を務める彼女の個人的な事情などには、さしたる興味もありません。それを暴こうと必死になっている他の面々など眺めても、失笑が漏れるばかりです。
そんな複雑な表裏を擁する虹子は、同じような手合いには慣れているという警察官を持ってしても、数段上手であったでしょう。
「私と彼女が友人同士であるというのは、本当です……」
必死な様子で、目端に涙すら浮かべて。自身を演出しながら、
「知りたいんです。私自身の欲求ではなく、彼女のために。お願いです、教えてはいただけませんか……? そうしていただくことが、きっと、彼女を救うことにも繋がるはずだから……」
あなただけが、頼りなんです。そう、力ない声色で添えながらに、懇願すれば。
警官はしばし逡巡してから、手近なコンクリートの縁に腰かけ、
「はあ……そう、かね。あの子の、友人……そうか。彼女のためかね。まぁ、そうまで言うんなら……」
やがて、重たげな口調で語り始めました。
「……ああ、もう十年になるか。小学校三年生の女の子が、ある日突然、失踪するってぇ事件があってね」
虹子が隣へふわりと座ると、男は、嫌な季節だったよ。そう言って、苦々しい笑みを浮かべます。
「梅雨時で、じめじめしとってね……私らもずいぶん探し回ったが、これが見つからない。おかげで当時は、話題になったもんだよ」
「話題に、ですか?」
「小さい町さ、噂はすぐに回る……色んな説が出回ったね。開けっ放しのマンホールに落ちたとか、山で迷って崖から滑落したとか……神隠しだの、宇宙人に連れ去られただの」
首を振った警察官は、顔は見えないながら、実直な人柄であるようです。当時の無力を思い出したのか、彼は肩を落として、
「そのうちに、あの子の両親がやってきてね。言うんだよ。あの子は、誘拐されたんだとね。身代金の要求があったと……」
今度は憤慨したように、かかとをコンクリートの地面へ打ち付け。
「あきれたもんだ。両親は共働きでえらく多忙で、普段から家にゃほとんどいなかったらしい……互いに任せっぱなし、ろくすっぽ目もかけてなかったもんで、娘がいないことに気付いたのは、事件発生から何日も経ってからだったとさ」
「……犯人は? 捕まったのですか?」
「ああ、それからすぐに。余所から来た二人組の男で、仕事を失くして食い詰めたあげくの犯行……奴らもまたいい加減でね、無計画も良いところさ。鍵っ子らしい適当な女の子に目を付けて、家に押し入って脅しつけ、まんまと拉致したはいいが。子供の扱いに困って、山間のホテル跡の廃墟に放り込んだら、後はほったらかしだ。菓子やら水やらしこたま与えてやったのが、せめてもの良心ってつもりだったそうだが……あの子はひとりぼっちで、一週間以上も、暗闇の中に放置された」
顔の無い顔を、もぞもぞと蠢かせながら。男は虹子を見返し、絞り出すように。重苦しく。
「……何て言ったと思う? 奴らが自供して、私らが山登って、あの廃墟に踏み込んだ時。あの子が、何て……」
「さあ、何とおっしゃったんですか? 彼女は?」
表に出てしまいそうな好奇心を、押し隠しながら。わくわくとして、虹子が聞き返せば。
男は、握り締めた拳を震わせながらに、
「…………ラジオとお話してたから、寂しくなかったよ。だとさ、あんな……あんな、小さな子がさ……」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月23日
参加申し込みの期限
2015年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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