this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島は撮影されている ~ひめこの世界
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
11
つぎへ >>
【恐るべきもの】
「これも違う……か」
ざあと吹き抜けた冷たい風にさらされ、
御剣 刀
は、落胆と徒労の息を漏らします。
山の斜面に横たわる墓地は閑散として、ぽつり、ぽつりと並ぶ墓石、その合間には枯れた木々。ぎゃあとけたたましいカラスの鳴き声。相も変わらず立ち込めている、鬱陶しい黒霧。
「……本当にあるのか? 八十八旗君」
飛び石の上に突いた木刀の柄へ手をかけ、
矢萩 咲
がじろりと
八十八旗 信彦
を見据えると、
「あのレディはウソを付くような女性じゃない、顔が見えずとも俺には分かるんだ! ……ま、彼女も、実際に探したわけじゃないらしいけどね。あるっていう噂を友だちに聞いたって」
「伝言ゲームのようなものだな、まったく……」
刀と同じくして、咲も信彦も、そこらじゅうへ不規則に並ぶ墓石に刻まれた名前を確認しては、はあ、とため息。
「そもそも、『ひめこちゃん』とやらの墓がここにあったとして、そこに『胡乱路』と書かれているかどうかは分からないんだよね」
誰かの墓前に供えられた、かさかさに枯れた花をまじまじと眺めつつ、
晴海 飛鳥
がそうつぶやけば、彼らは揃って顔を見合わせます。
信彦が、道行く顔の無い女性から聞き出した話とはすなわち、こうです。ある日誘拐事件に巻き込まれてしまった少女『ひめこちゃん』は、犯人によって殺され、死体の隠蔽のためにバラバラに切断され、どこかへ埋められてしまった。未だそれらは見つかっておらず、両親は空っぽの墓だけをここへ建てたのだ、と。
「信憑性に欠けるのは、俺も承知の上さ。でも、確かめないわけにも行かないだろう? 何か、秘子ちゃんに繋がる手がかりが無いとも限らないしね!」
「まぁ、それには同意するが」
と、刀はスマートフォンを取り出し、咲の抱く黒猫、リンの視界を確認します。液晶画面の向こうは明るく晴れていて、暗がりも無く鮮明であるものの、カメラ・アイを通したところで、墓碑銘が変わって見えるわけでもなく。
「……なんじゃ、またかね」
代わりに彼らへかけられた、声がありました。
振り返ると、立っていたのは裸足にサンダル履き、手に小さな花と水桶を携えた、ジャージ姿の老人です。
「あんたたち、あれじゃろ。『ひめこちゃん』? とかなんとかいう子の墓ァ、探しに来たんと違うかね。そうじゃろ?」
「お。知ってるのかい? どのあたりにあるとか、教えてもらえたら助かるんだけど」
飛鳥がそう、尋ねれば。
老人は、これ見よがしに大きなため息を吐き、首を振って、
「知らんよ。私ゃァずいぶんと長いこと、ここに墓参りしとるがね。小せえ町にたったひとつっきりの墓場さ、誰がどこに入っとるかなんて、大体分かっとる……けど、誰が言い始めたのかね。殺されっちまった子の墓があるだの無いだの……ただの噂。無いよ、そんな墓ァここらにゃ、ね」
不機嫌そうに一方的に告げてから、老人は大股に彼らの間へ分け入って横切り、行ってしまいました。
ぽりぽりと頭をかき、信彦が、
「うーん。ハズレかな? でも、あのレディがウソをついてたわけじゃない。ご老人の口ぶりじゃ、ずいぶん前からそういう噂が立ってて、同じようにここを訪れる不躾な連中が……」
言いかけた、その時に。
「……!」
咲と刀が同時に身を翻し、木刀、刃引き刀を隙無く構え。飛鳥も懐からのど飴を取り出し口へと含んで、ろっこんの準備を。
おそるおそる、信彦が振り返る……までもなく。聞こえました。獣の唸りめいた、声が。
「こおいたあ にいげじゃえね そあぎいが」
如月 庚
のろっこんは極めて攻撃的であり、見えない鼻っ柱へと真正面から叩き込んでやれば……昏倒してしまわない程度に加減を加えながらではありつつも、
「でええ なああで おれあが んなあめえに」
確かな効力を発揮したことが見て取れました。数発も打ち込めば、よろけた『ひとさらい』は逃走に転じ、庚は今、その後を密かに尾行しているところです。
「悪いが、この手の輩にゃ慣れてんだ。ロハで帰れると思うなよ……きっちり、案内してもらうぜ」
物陰に隠れ、歪な背中から視線を外さず。
庚がそうするのには、泳がせて情報収集を……という目的もありながら、
勅使河原 悠
の安否を思ってのことでもありました。住人への聞き込みのさなか、同行していたはずの彼女の姿が突然見えなくなり、庚は行方を追っているのです。
「この調子じゃ、他にも捕まってる連中がいるな。まあいい、まとめて救助してやりゃ……お」
「あ。ぷちラッキー? 良いとこに出くわしたって感じかなー」
するりと隣へ入り込んできたのは、
桜庭 円
です。肩口に乗ったにゃーくんが、ふにゃふにゃと眠そうな瞳で、庚を見つめています。
同じように『ひとさらい』の後を追っていたらしい円は、
「こっちは見失っちゃってさー、尾行中?」
「ああ。あいつがどこへ向かってるのか突き止めりゃ、分かることもあるだろうよ」
ふたりを誘導していると知ってか知らずか、獣めいた男は荒い息をぜいはあと吐き、大股に坂を上っていきます。進む先には、墓地……そしてその向こうには、今にも崩れてしまいそうにぼろぼろな、コンクリートの廃屋が見えました。
「……ん?」
「あれ、何だろ?」
がき、がきん、と。固い金属同士がぶつかり合うような、幾度も聞こえる硬質な音に、ふたりは気付きます。どうやら、この先の墓地から届いてくるようです。
『ひとさらい』がふと道を外れ、獣道のような斜面を登っていきます……行き付くところには、山間に朽ちかけの廃墟があるばかり。
「目的地は、あそこか……で、こっちはこっちで、派手にやってんな」
視線をまばらな枯れ木の合間へ向ければ、見えました。
「ケダモノみたいな野郎にさらわれるなんてゴメンだからね、頼んだよみんなー!」
墓石の陰から仲間たちへのエールを叫ぶ、信彦。
もうひとりの、『ひとさらい』。ぎらつく刃をやみくもに、めったやたらに振り回し、けれどその破壊力は非現実的なまでに凄まじく……突けば枯れ木の幹を穿ち、かすれば墓石を欠き。
「分かったから大人しくしてろ、八十八旗……矢萩先輩、同時に!」
「ああ。こんなところで、立ち止まっていられない……加減は抜きだ……ッ!」
刀と咲が愛剣を振るい、恐るべき膂力を弾いていなし、鋭く反撃を打ち込み。後方からは飛鳥が、すう、と大きく空気を吸い込み、
「……『倒れろ』ーっ!!」
ろっこんによって形を成した叫びが胸元へぶち当たると、歪なシルエットは一瞬ぐらりと傾いたものの……退くそぶりは、まだ見えません。
「ていうこうしいてんねやえ おうとあなし つあまえ そあぎ」
じい。じじ、じいい。成り行きを見つめる、咲のレンズ・キャッツ。リン。
庚は山のほう、廃墟へと続く道へ消えていく『ひとさらい』をひとまず見送ると、
「……ま、野郎の行き先は分かった。まずはこっちのカタを着けるとするか」
彼が目の前の乱闘への加勢を決めれば、円もまた、
「意義なーし。実はボクって、ボクサーなんだよねぇ。たまにはそういうのも、ご披露しとかないとね!」
「頼もしいじゃねぇか。じゃ、行くか」
墓石と枯れ木の合間を駆け、飛び出し、円はステップ・イン。瞬時に懐へ潜り込み、流れるようにジャブ、ストレートのコンビネーションを。庚は額の傷跡をなぞり、煌々と蒼い光を宿した拳を、歪な肉体の真芯へと叩き込みました。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島は撮影されている ~ひめこの世界
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
寝子島は撮影されている ~レンズ・キャッツ捕獲要請
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
推理・サスペンス
ホラー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月23日
参加申し込みの期限
2015年09月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!