……ん。
人波が肌に合わない奴らの居場所って所か。
吹けば散る溜まり場。生徒会に目をつけられるような事はご法度な。
後は好きにすればいい。寝ぼけて風邪だけはひくなよ。
……? 【反対側で眠っていたところ、声が聞こえてぼんやりと目をあけて覗き見】
騒がしいな、誰かいるのか?(木陰と同化して昼寝してたら起きた
よかった。 ここには人がいない、ね。
ちょっと休んでこうかな?
『ここは優しい人が多いみたい。でも、人の心の中なんてわからない。
特にここは非現実的なことが多いし、理解できないことが多過ぎるの』
よしっ!ちょっとずつ外にも慣れていかないと、ずっと寮で閉じ籠ってるのも問題だし。
(………月日というものははやいものだな。
しかし、ここはこの季節になるとだいぶ涼しい…というか寒いな)
……ここに来てから、3ヶ月、か…早いな……
【木の幹に寄り添って、もふもふに向けて呟く】
学生が学校にいて用も糞もなかろうに
(目を腫らしたまま、ずかずかと瓢さんの方へ歩みより)
戯れ言をのたまうな骨削瓢……!
僕の質問の答えになっていない!
いいか、僕が言ったのは「いつから君はそこに居た?」だ。
君が訳のわからん精霊だか妖精だかだろうと、存在する事には変わりない。
……まあ、いい。
何の用だ……?
いいえワタシは屁の精です。
……待って……!
(と、声をかけようとするも、皇さんが、震えた声で立ち去るのを黙って見ている)
……。
(皇さんが立ち去った後、一人呟く)
ただの人には……荷が重すぎる……。
君は知ってか知らずか……呟いた言葉……
Heart of Gold
思慮深く、無欲で高潔なものを意味する言葉だ……。
君は鉛の心臓だけになっても、砕けようとも、溶ける事はない……。
いいだろう……いつか報復してやる。
僕はやられた事はやり返す。
倍にして返してやる。
名も知らない幸福の王子……。
(と、瓢さんの気配にやっと気付き、振りかえる)
……!?
いたのかっ……!?
いつからいた……?
(めっちゃ涙目で不安げにじーと見る)
>皆口
慰める?……そうか、考えた事もなかったな……
いや、もしかして無意識にそう思ってた…か
(そう言われるとはっとしたように手を離し、自分の手に目を遣る)
っ……
俺はツバメに出会えなかった王子…いや、ただの像だ
童話になるような高尚な存在でもなんでもない
ただの、人間だ
少し喋りすぎた。…またな
(話の途中で口を開きかけるが最後までちゃんと聞き終えると顔色を変え。ハンカチを取り出して相手に押し付けるように渡すと少し震えた声でそれだけ言い、立ち上がってその場から立ち去る)
>瓢
(次会ったらパロスペシャルだな…と去り際に心のなかでひとりごちる)
(瓢さんには、気付いてない様子)
(握手されつつ)
勘違いしないで欲しいな。
僕は君に何か与えたい訳じゃない。
寧ろ君から奪おうとした。
今も君の貴重な時間を奪い続けているし、「君の隣を占有する権利」も僕のものだ。僕はやりたくない事はやらない。君にどうしようが僕の自由だ。
……だからそうやって、「誰かを慰めるために人に触れる」のはよして欲しい。
僕を怒らせたくないのであれば。
……言い過ぎた。
(冴来さんと話していて楽しいと言うのを聞いて微妙な顔で聞いています)
……まあ、君は……そう思うのか……(わざとらく)
(その話は知っていると聞いて、少し息を吐き、落ち着いた顔を維持するように務め)
自分が何も出来ない事を悲しんだ王子の像は、出会った一羽のツバメに頼んだ。
「ぼくの剣のルビーを、あそこへ運んでおくれ」とね。
両目のサファイアを失って目の見えなくなった王子に心を打たれ、ツバメは王子の目となる事を誓った。そして王子の望みを叶えるために、王子の体じゅうの金箔を全て剥がした。
冬が来て、ツバメは力尽きた。その時悲しみのあまり王子の心臓は割れた。
町の人は王子のした事など露知らず、「美しくない王子は溶かしてしまおう」と、王子を溶鉱炉にくべた。
だが鉛の心臓だけは溶けなかった。
その心臓は、ツバメと一緒にごみ溜めに捨てられた。
(言い終えると、少し怒ったように)
……僕は、この話が大嫌いだ。
二人は天使に拾われ天国で幸せに暮らすとか言うが、それがなんだ。死んだあとの魂の救済なんて。
町の連中は何にも知らない。表面的な美しさばかりにとらわれて……。
(だんだん激昂してきます)
……僕が一番嫌いなのは、王子だ。
ツバメは王子が好きになった。だから力になりたかった。幸せにしたかった。でも、王子は自分の幸せを望んではいないから、ツバメは王子の……王子の願いを叶えるために、命を燃やした。
……僕が言いたいのは……。
……ツバメの気持ちも考えてやれと言うことだ……。
(そして過呼吸ぎみに。相手が制しようとしても、振り払ってでも続けます)
君は全ての人を幸せにしたいと願っておきながら、君の身近な人を悲しませているんだ。
君の友人は、君の幸せを無視した上に自分の幸せを望むような、そんな軽薄な人間だと思っているのか……?
見くびるなよ……。
僕じゃない……。
君がさっき頭に思い浮かべた「誰か」だよ。
(と言いながら、ぼろぼろ泣いてしまいます)
(草葉の陰から覗き)
o0(根暗とナルシストはかく語りき…、これまた屁が出そうな絵面だねぇ)
ブリッ!
そういうことなら、お互い自由にやるしかないな
(最初から縛る気なんてなかったのでへらりと笑うが相変わらず睨まれる意味は分からないので首を傾げる)
あぁ、いやそうじゃなくてだな
貰い過ぎはよくないと思っただけだ。触られるのが嫌なわけじゃない、ほら握手
(勘違いさせたかなと慌てて手を差し出し、相手の手を握ってみせる)
ん、そうなのか?
俺も冴来のことは好きだ。童話の中から出てきたような綺麗さがあるし、話してて楽しいしな
(嫌いな自分に興味をもつということは冴来のことも好きという意味なのだろうと独自解釈してうんうんと頷く)
………人並みには
(そのお話には思うところがあるようで、なんともいえない表情をする)
(首を横に振る皇さんを見て、喋る代わりに「いるじゃないか」と睨むような眼差しを向けます)
僕が怒るのも性分だ。
止めろと言われてもやめる気はないよ。
……だから勘弁はしない。
(抱き止めるのを制され、迷子の犬みたいな顔を向けます。さっきよりかは落ち着いたみたいです)
君は僕を撫でておきながら、僕が触れるのは受け入れないのか。
いいけれど。
君は確実に僕に興味を持たれたね。
せいぜい後悔するといい。
(冴来と言う言葉に反応します)
冴来って……ああ、僕の嫌いな人間の名前を聞くなんて。
それは怒るだろう。
だが彼女も似たようなところはあると僕は思うが。
だから嫌いだ。
(溜め息をついて)
……君は『幸福な王子』という童話を知ってるかい……?
??うーん……まぁ、そんな奴はいないだろ。……多分
(自分を慕う相手と聞くと一人思い浮かんだが、まさかなぁと思い首を横に振る)
はは、怒られちまったな
これは性分なんでね、勘弁してくれ
……そういや前に冴来に同じことして怒られたっけな
またやっちまった
(これ以上は貰えない、今までで十分だとでも言いたげに相手の肩をぽんと軽く押して抱き寄せようとするのを止め。片目を指で軽く拭ってから苦笑いを浮かべる)
(首を傾げる皇さんを見て、自分が思わず本音を漏らしてしまったと気付いて、顔真っ赤にして狼狽えます)
……う、ち、違う……僕の話……じゃなくて君を慕う誰かの話だよっ……!
だからっ……僕が言いたいのは……君がそうやって……僕の気をまぎらわそうとして……そうやって人の事ばかり気遣うのが気に入らないと言っているんだ!
どうして僕がこんなこと説明しなくちゃならないんだ……。
自分は良いって……そんなの……。
(と言おうとした時、皇さんが何か呟くと、不思議と心の言い知れない感情がすっと抜けた。自分でも驚くぐらいに楽になったけれど、気が付いたら、皇さんから涙が流れるのを見てしまい)
……。
じゃあ……少しだけ……そばに……いる。
(そっと、皇さんを、自分の胸に抱き止めようと)
まぁ、そりゃそうだな
ん?好きに……?
(ずるいという言葉は分からないでもないが好きにさせておいてというのはよく分からないので首を傾げる)
いやほら、ずっと真面目だと疲れちまうだろ?
俺だって泣くときは普通に泣くさ。だからリラックスリラックス、な
(泣いたり怒ったりする相手を気遣ってのことだったらしく手を頭から肩に移してぽんぽんと叩く)
俺はいいんだよ。この手の届く範囲のものを守れれば。
「Heart of gold」
守れたら、少しだけ隣に居させてくれれば……それでいい
(肩に手を乗せたまま何事かを呟くと相手の心の中の泣き出しそうな激情が少しだけ薄れた気がし、自分の左目からだけ涙が流れる)
(撫でられながらぷりぷり怒ってます)
その通りだ。自分を嫌う人間が人に好かれるなんて……虫がいいというか……ずるい。
好きにさせておいて、何もさせてくれないなんて……ずるい。(膨れっ面)
玉ねぎとか、そういう事じゃなくて……。
また君は冗談で誤魔化す!(手を振っておこります)
そういうのなら僕だってくすぐられたら笑う……。
それと……君は間違ってる……。
間違ってないけど間違ってる……。
君のいう「みんな」の中には君は含まれていない。
君一人では、全てを守るのは限界がある。
君は身近な人間を大切にするべきだ。
そして最も身近な人間は……君自身だ。
(口調は怒ってはいますが、顔は泣くのを我慢する子供です)
気に入らないものは気に入らない、か……
自分の事を嫌う人間が人に好かれようなんて虫のいい話だが…ずいぶんと嫌われたもんだ
(言葉を額面通りに受け取ったわけではないが大人しく撫でられながら自分を嫌いだという相手に小さく笑ってしまう)
俺だって泣くぞ?…あー、玉ねぎ切った時とか
ん、そうだな
俺も笑っててほしい。お前にも、みんなにも。
その為ならなんだって差し出すさ
(赤くなった相手に穏やかな笑みを向けるがきっとそこに自分は含まれない)
(皇さんが困ったように笑ってると、納得いかない子供みたいな顔でぶつぶつ言います)
……少なくとも、僕は君を見てると、心がざわつく……。
(皇さんに頭を撫でられると、少し慌てて、でも、大人しく撫でられてます。ばつが悪そうに照れながらもふてくされて)
……これじゃあ僕が慰められてるだけじゃないか……。
……君が弱みを見せるのが苦手なのは知ってる。
でも僕は我が儘なんだ。
気に入らないものは気に入らない。
君が自分を嫌いだと言うのなら、僕が代わりに君を嫌ってやる。
だから君が君を嫌う必要もない。
泣けないのなら無理矢理泣かしてやる。
僕は……君に笑って欲しいんだ……。
(思わず声に出してしまうけれど、はっと気付いて)
……。あ、いや
そうじゃなくて……。
(顔を真っ赤にして目を逸らします)