館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
………。
(得体のしれないナニカに怯え、拒絶するかの様に震える身体を
しっかりと胸に抱き留める。
一片たりとも取りこぼしてしまわぬ様
言葉を飲み込み、耳を澄まし、静かに心を傾けた。)
ん…。お疲れ様、よく頑張ったわね。
辛い思いをさせてごめんね。
(彼が言葉を吐き出し終えれば、小さく息を吐き労いの言葉を。
彼が「旅人」と表現した人物がどんな人物であるかは気になるが
彼へかかる負担を考えれば深追いするべきではないだろう。
少なくとも、今はまだ。)
ええ。
この島だと特に、そういった事が起きても不思議じゃないわ。
どんなと言われると、そうねー…。
…強いて言うなら、静かで、穏やかで、ずっと夜が続くような。
そんな不思議な世界がいいわ。
(彼の言葉を受け、夢想を語る。
脳裏に浮かぶは薔薇の花園。
大きなティーテーブルに無数の茶器と茶菓子が並び
地を覆う芝生には書物が山のように積み上がる。
頭上には満天の星空が広がり、柔らかな月明かりが世界を照らす。
何処までも静かで、穏やかで、ほんの少し寂しい世界。)
…そうね。そんな世界があればいい。
でも、その道中は荊道。
それを望めば望むほど、とても痛くて苦しい思いを
何度もすることになるでしょう。
それでも貴方は、それが見たい?
(予言の様なそれは、彼女の経験から培われた
暗い人生哲学による、ある種の忠告。
…本来は、それがフツウであるべきなのた。
けれど、この世界はもう既に
自分達が生まれ落ちる遥か昔から
苦い毒に満たされて、もう手の付けようがない程にすっかり狂ってしまっている。
その狂ったフツウに順応できない者を気にかける人間など
この世にはごく僅かしか存在しない。)
…全く、そんな言葉何処で覚えてきたの。
まあそれはそれとして、私は痛いのは嫌いだわ。
でもね、痛みを知らず、知ろうともしない人間に
他人の痛みに寄り添うことなんて出来ないの。
だからよ。
(彼の口から飛び出た衝撃的な単語に苦笑しつつ、質問には丁寧に答える。
…もしかするとこの幼く無邪気な弟は
路上に打ち捨てられた如何わしい本を
拾い読みするような事をしているのだろうか。
そうであるなら少し、問題である。
俺は・・・僕は・・・
ダメなのぜ、これはダメなのぜ
大丈夫、大丈夫なのぜ。
あの人が、旅人さんが・・・はふぅ
(ふるふると小さく身体を震わせ
うわ言の様に呟き続ける。
まるで思い出してはイケナイ事を思い出そうとする様に
何かに抗う様に徐々に小さな手のひらをキツく握りしめ
絞り出す様に呟いた言葉の途中で糸の切れた人形の様に身体から力が抜ける)
外の世界は不思議がいっぱいなのぜ。
ウサギさんを追い掛けたら、
何か不思議な事が起きるかもしれないのぜ?
兎追いしかの山、なのぜー
姉さんは、どんな不思議な事が見たいのぜ?
(自由な発想の賜物か
微かな違和感に気付く事も無く夢想を続ける。
書物以上の知識は無く、
場合によっては書物の中の事象を普通の事と捉える事もあるらしく)
難しいからこそ、現実にしたいのぜ。
誰も痛いのを感じなくて済む場所
そんな場所があれば・・・?
痛いのが悪い事じゃない時もあって
痛いので何かを学べる事もあるのぜ?
むむむむ、
姉さんは痛いのが好きな人なのぜ?
(何やら思う所があるのか目を伏せて考え込んでしまう
しかし続いた言葉に何処かで聞いた知識に引っかかる部分があるらしく
「どえむ」って人なのぜ?
と心底不思議そうな表情を向けて)
ああ、ごめんね無銘。
無理しなくていいのよ?
無理してまで思い出そうとしなくていいの。
(不調を訴える様子に慌て
彼をどうにか落ち着かせようと小さな体を抱き寄せ、背を撫でる。
やはり過去の記憶を掘り起こす行為は、彼にとって大きな負担となるらしい。
しかし、「何一つとして思い出さなくてもいい」と言うのは違う気がした。)
…焦らなくていいの。ゆっくりで。
ほんの一歩ずつでも、一欠片ずつでも
取り戻していけるならそれでいいのだから。
(故に、そう言葉をかける。
それはともすれば、酷く甘い考えなのかもしれないけれど。)
そう、外の世界のお話。
こことは違う、別の世界のお話よ。
此方の世界では不思議なことが
あちらの世界では当たり前なの。
もしも彼方に行ける機会があれば
遊びにいってみたいものね。
(彼の意図を理解した上で
外国ではなく物語の世界の事を「外の世界」と表現する。
噛み合っている様で噛み合っていない会話。)
そうねぇ…。
誰も痛い思いをしないで済むというのが
本当なら一番いいのだけどね。
でも、それはとても難しいことなのよ。
それに、それが何時だって
誰にとっても悪いことかっていうと、そんなことはないのよ?
痛みは確かに色々な物を消してしまうけど
痛みを感じること以上に嫌なことを消してくれることもある。
痛みから学べることだって、山の様にあるのだから。
(言外に「自分はそれでいい」と仄めかし、静かに微笑む。
んと・・・
ん、んー?
あれ?確か起きた時は・・・時は?
なんかグルグルするのぜ
気持ち悪いのぜ・・・
(尋ねられるままに島で目覚めた時の事を話そうとする
島で目覚めた時からの記憶はハッキリしている筈なのに
何故か靄が掛かったように所々の記憶が思い出せなくなっていた
アホ毛も力なく萎れ、本人も小さく呻く)
外の世界のお話なのぜ?
んと、、そう、きっとそれなのぜ
でもお菓子を食べたら大きくなれるなんて
少し羨ましいのぜー
(外国の事を「外の世界」と表現しては
その物語の一節に興味をもって自分の手を眺める
頭を撫でられては撫でやすいようにと言わんばかりにアホ毛が横に逸れていて)
ダメなのぜ。
誰も痛い思いしちゃダメなのぜ。
痛いのは色々な物を消しちゃうのぜ
(何時ものボンヤリした声とは違う芯の通った声
まるで言い聞かせる様に言っては
服の裾を握って)
ふふ、本当にね。
貴方の猫は何処をお散歩してるのかしら。
もしかしたら猫の方も貴方を探していて
今頃同じことを思っているかも。
…その子、貴方がこの島に来たはじめの頃は一緒にいたの?
(翡翠の目を持つ黒猫と言っても
その特徴を持つ猫はこの島に何匹もいるだろう。
そもそも前提としてその猫は、この島の中にいるのだろうか。
可愛らしく小首を傾げ此方の様子を伺う彼に
「大丈夫、何でもない」と、再び強がりの言葉を並べる。
私はまだ大丈夫。それが例え嘘だとしても
こうして強がっていられる内は。)
そう、不思議の国のアリス。
外国のお伽話よ。
うさぎを追いかける内に
不思議な世界に迷い込んでしまう女の子のお話。
小瓶に入った飲み物を飲んで小さくなったり
お菓子を食べて大きくなったりするの。
貴方が知っていそうなお話で
背丈がかわる内容というと、一寸法師とかその辺りかしら。
(童話の代表作とも言えるほど有名な作品であるが
彼の知識にはないらしい。
簡単な説明と共に日本のお伽話を並べ
楽しげに触れてくる彼の頭を撫でる。)
貴方が痛い思いをするのは嫌だけど
私が痛いだけならまあいいかな、と。
貴方もちゃんと此処にいるわね。
(ふと、彼が席に戻ってきた際に語った内容を思い出す。
彼の瞳から溢れ落ちたという何かは
まだそこに残っているのだろうか)
進んだり止まったり
お散歩と同じなのぜ。
猫も思い出の中でじっとしててくれたら
すぐ見つかるのにだぜー。
大丈夫なのぜ?
(話ながら思い出すは記憶の断片ですら何時も居る猫の事
その猫を見付ける事が出来れば先に進めると、
そう信じている。
自分より少し低い気もする体温に触れては
小さく首を傾げて)
不思議の国のアリス・・・?
大きくなったり小さくなったりするのぜ?
まだまだ知らない事が沢山なのぜー
(ペタペタと触れながら知らない単語にアホ毛が?を象る
それと同時に「触れられる」事が嬉しいのか触れる位置を変えてみながら目を細める)
痛いのは嫌なのぜー
姉さんはちゃんと、此処に居るのぜ
ええ。
いい思い出だけ覚えていられたら
過ぎ去ってしまったことに囚われて
胸を痛めることもないし。
過去の事なんて考えず
今だけ見て生きていくって選択肢もないわけじゃあないけど…。
……心配してくれてる?
有難う、大丈夫よ。
(脳裏に浮かぶのは自らの犯した取り返しのつかない罪の数々。
忘れてしまうという選択肢もあるが
忘れるわけにはいかないと、そう思う。
それは自分の生きた証で、なにより
当時の自分を取り巻いていた全てのものが
確かな色と形を持ってそこに存在していたという証なのだから。
彼の小さな手に触れられ
自分とは違う体温に少し、表情を緩める)
まさか。
不思議の国のアリスじゃあるまいし。
いや、あっちは大きくなったり小さくなったりだからまた別ね。
(純粋な子供らしいメルヘンチックな想像を
おかしそうに笑いながら否定する。
疑いの視線に動じることはなく
恐る恐るといった様子で触れてくる彼を穏やかに受け入れる)
不安なら多少痛くしたって構わないから
好きなだけ触れて確かめるといいわ。
遠慮なんて、少しもしなくていいからね。
きっと、まだまだ思い出があるのぜー
後悔も大切な思い出なのぜ。
でも・・・ちょっとだけ思うのぜ?
良い思い出だけ思い出せたらって
(アホ毛がクルクルと回って「んー」と短く声を漏らす
断片的な記憶は上手く繋がらずちょっと苦い顔をし
ふと、翳りが見える彼女の顔に小さな手を伸ばしてみる)
姉さんは力持ちなのぜー?
ペチャンコになって、小さくなったり・・・
(笑みを浮かべる様子に首を傾げては
想像していた被害を口に出す。
想像上では随分ファンシーな姿になっているようで
視線には身を案じる気持ちと少しの疑いが)
・・・・・・えいっ
(改めて見てみるも触れては折れてしまいそうな印象を持っては
身近かつ無防備な脇腹をチョンッと軽くつつこうとしてみて)
それはいい思い出ね。
私も一度だけおんぶして貰った事があるけれど
その時は心地いいだとか感じる余裕がなくて。
この歳になると誰かにおんぶしてもらう機会だなんて中々無いし
そう思うとちょっと勿体なかったわ。
(当時の記憶を振り返って苦笑する。
胸の奥が甘く痛むのは、気のせいでは無いだろう。
何ヶ月も前の話ではあるが、未だ後悔と自責の念が濃く
「今となってはいい思い出だ」と口にするのはまだ難しい。)
…………。
………………。
(口を噤み、何事か考え込む彼の様子に
何も言わずただ静かに言葉を待って。
潰れてしまわないかと問われれば呆気にとられ
キョトンとした表情を浮かべる)
………っ、ふふふっ。
(しかしそれも束の間、口元に手を当て
気まぐれに吹くそよ風の様に、少女は笑った)
何を悩んでいるのかと思えばそんなこと。
大丈夫、貴方を背負ったぐらいで潰れたりはしないわ。
一つ年下の妹を背負うことだってあるし心配無用よ?
私はこれでも、其れなりに力持ちなんですからね。
力持ちは良い事なのぜ。
ずっと前に誰かにおんぶしてもらった気がするのぜ。
あんまり覚えてないけど、とっても居心地が良かったのぜ。
(フラッシュバックの様に様々な情景が頭に浮かび
それに反応する様にアホ毛がピンと立つ。
浮かんだ情景のうち1つが誰かに背負われ何処かに移動の最中だったらしく
緩く微笑みを浮かべた)
食べ過ぎ無い様にするのぜ
お腹痛くなったら嫌なのぜー。
………
(返事をしながら提案を聞いて少し黙り込む
片目でじっと確認する様に見詰めては
小さく首を傾け恐る恐るといった様子で確認を)
姉さん姉さん、大丈夫なのぜ?
潰れちゃったりしないのぜ?
肩車におんぶ、か。
そういえば貴方に肩車やおんぶをしたことは
まだなかった気がするわねー…。
……………。
(一瞬、彼の瞳に奇妙な光が写り込んだ様に思えたが
確かめる前に瞼は降りていて。
桜、梅、殿に閣下…。
それらは彼の出自や過去に関連するものかもしれない。
そう考えるも、口には出さない。
……口にしてはいけないような、予感がした)
ふふ、そうそう。
強くなる為には食べられる時にしっかり食べて
眠れる時にしっかり眠っておくのが正解よ。
(大いなる力、という言葉を少し可笑しく感じたのか
小さな笑い声を溢す。
くったりとした様子を見ればなにか思いついた顔をして)
よく出来ました。
いい機会だし、お店をでたらおんぶしてあげる。
私の背中でゆっくりお昼寝するといいわ。
それとも抱っこの方がいい?
なのぜー?
姉さんよりおっきくなったら肩車もおんぶも出来るのぜ
楽しみにしてて欲しいのぜー。
閣下なのかもしれないのぜ。
どっちも綺麗で・・・とっても長生きな花なのぜ
(何かを思い出そうとかする様に目が細まる
アホ毛がペタンと萎れては
一瞬冷たい光が細められた瞳に宿り、目を閉じた)
守る為に人は強くなるのぜ?
俺も沢山強くなるのぜ。
えと、大いなる力を求めてーなのぜ?
(小さく首を傾げては何やら影響されたらしく
少し大きく口を開けてオムライスを食べ進めていく。
やっとの事で食べ終わる頃には満腹感と眠気でアホ毛が逆向きに倒れて)
そうねぇ…。
今の貴方から見ると大きくみえるかもしれないけれど、私もまだまだ小さいの。
将来はきっと、貴方の方が私よりもずうっと大きくなるわ。
殿様とも少し違う気がするけど…まあいいか。
殿様には確かに桜が似合いそう。
他の花だと、梅かしら。
(彼の言葉に同意して、更に桜とは別の花の名を挙げる。
和歌で「花」というと主に桜を意味するらしい。
彼の連想もそこから来ているものなのかもしれない。)
それも良く聞くわね。
私としては「大切なものが増えるとそれを守る為に自然と強くなっていく」
という方が正しいと思っているけど。
(指折り数える彼を見て、自分意外にも彼を支える存在が在ることに少し安堵する。
食事を急かすようなことはなく
テーブルの端に立てられた小さな手書きポップに視線を移した。
そこに書かれた文面曰く、今月のお勧めデザートは桜のシフォンケーキらしい。
…?
だって姉さんはおっきいのぜ。
君主…殿様なのぜ?
花みたいな殿様なら、きっと桜なのぜー
(1つだけ思い当たったらしくアホ毛が回る
君主からどういう経路で思い付いたのか、
また窓の方をじっと見て)
大切な物が増えれば、人は強くなれるって聞いたのぜ。
自分より大事な人なのぜー?
んと、パン屋のオバチャンとか先生とか姉さんとか…いっぱいなのぜ。
(指折りながら数えれば浮かぶ様々な人たち、
ちょこちょこと食べていても1口が小さいのかまだ少し残っていて)
咲いているように見えるなら嬉しいわ。
女王には聞き覚えがないか…。
他の言葉だと女帝、女皇、君主…。
いや、どれもちょっとニュアンスが違うわね…。
女王は…強いと言えば強いのでしょうね。
でも、同時に脆くて儚いの。
それこそ、花のようにね。
知らないことがあるのも、好きなものが増えるのもいいことね。
その方が人生は楽しいもの。
のんびり好きなものを探して生活している内に
自分以上に大切に思える人に出会ったり、とか…。
(会話を楽しみながら食事を進め、最後のひと匙を食べ終える。
静かにスプーンを置き、「ごちそうさまでした」と手をあわせた。
人を花に喩えた詩も沢山あるのぜ。
姉さんはきっともう咲いてるのぜ。
薔薇は花のジョーオーなのぜ?
ジョーオー・・・
強そうなのぜ?
(ボンヤリとした空気の中、
懐から花札を取り出して口元を隠す。
アホ毛がチョンチョンとグラスをつついては先っぽに水滴が付く。
ふと覚えの無い単語が挟まったらしく.んー?.と唸って)
照れ臭いのぜー?
感謝は沢山たくさん伝えたいのぜ。
(ゆるゆると首を動かせば、
ふにゃっと脱力する様な笑顔を浮かべて)
パンじゃなくてお米なのぜ?
んー、白そうなのぜ。
知らない事が沢山なのぜー。
きっと、大好きになれるのぜ。
私も同じ。
花の蕾を見ると「どうか綺麗に花開きますように」って祈るような気持ちになるの。
薔薇は好きよ?
薔薇は花の女王だもの。
美しい外見に、魅惑的な甘い香り。
鋭い棘も持っているけど、それも魅力のひとつだわ。
(ゆったりとした口調で彼の質問に答える。
最後の言葉はどこか、それを発する彼女自身に言い聞かせているように聞こえるかもしれない。
食事をとった影響か、穏やかな春の陽気のせいか。
いずれにせよ、彼女も彼と同じように緩い眠気を感じている様子で
それを誤魔化す様にアイスティーで冷やされた冷たいグラスに口を付ける)
ん…。
なんというか、こういうのって面と向かって言われると照れ臭いわね。
(彼の言葉を正面から受け止め、気恥ずかしそうに笑う。
頬をほんのりと赤らめ、ありがとう、と。)
ドリアはパンではなくてお米を使った料理よ。
熱に強い器にご飯を入れて
その上にホワイトソースやミートソース、チーズなんかをかけて焼いたもの。
オムライスが気に入ったのならきっとそれも気にいるわ。
この世界には貴方が好きになれそうなものが沢山ね。
蕾を見付けると、応援したくなるのぜ。
姉さんは薔薇が好きなのぜー?
ちょっぴり驚きなのぜ。
(少し眠たくなってしまったらしく瞼も少し落ち気味で小さく首を傾げた。
クシクシと目を擦ってはモソモソと口を動かして質問を)
・・・♪
姉さんには沢山お世話になってるのぜ。
だから、嬉しいのぜ。
(短く淡々と気持ちを伝える。
珍しく少し真面目な顔をする少年の変わりとばかりに
アホ毛が激しく揺れるのは、ある種の愛嬌なのかもしれない)
どりあ?ん、んー・・・?
パンの仲間なのぜ?
花はいいわよねー…。
綺麗だし、見ていると癒される。
薔薇は…まだ時期じゃないか。
(彼の寛いだ様子を見て穏やかに目を細め)
本当よ。
役に立つもなにも、こうして傍にいてくれるだけで
私にとっては充分過ぎるぐらいだわ。
(それは嘘偽りのない、彼女の本心。)
オムライスが不思議な味だとすると
ドリアなんかもまだ食べたことがないのかしら。
・・・ほぁぁ、ぁぁ・・・
花が、咲いたのぜー。
(外を眺め続けていれば大きく口を開けて欠伸を漏らす
陽気に当てられたのか脱力してしまえば、
しっかりと伸びていた背中がくにゃんと垂れて身体が傾く
窓から視線が外れて口から漏れた言葉を嬉しそうな響きで)
なのぜー?
本当なら嬉しいのぜ。
俺でも姉さんのお役に立てるのぜー。
(彼女に甘え呑気な猫の様な少年も、実は疑り深い部分もあるらしく
今回の件も半信半疑だったらしい。
それでも口に含み嬉しげに肯定する様子にアホ毛がピンと立てば
お返しにと向けられたオムライスをパクリッ)
んくんく、不思議な味なのぜ。
これは、良い物なのぜー。