館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
ああ、ごめんね無銘。
無理しなくていいのよ?
無理してまで思い出そうとしなくていいの。
(不調を訴える様子に慌て
彼をどうにか落ち着かせようと小さな体を抱き寄せ、背を撫でる。
やはり過去の記憶を掘り起こす行為は、彼にとって大きな負担となるらしい。
しかし、「何一つとして思い出さなくてもいい」と言うのは違う気がした。)
…焦らなくていいの。ゆっくりで。
ほんの一歩ずつでも、一欠片ずつでも
取り戻していけるならそれでいいのだから。
(故に、そう言葉をかける。
それはともすれば、酷く甘い考えなのかもしれないけれど。)
そう、外の世界のお話。
こことは違う、別の世界のお話よ。
此方の世界では不思議なことが
あちらの世界では当たり前なの。
もしも彼方に行ける機会があれば
遊びにいってみたいものね。
(彼の意図を理解した上で
外国ではなく物語の世界の事を「外の世界」と表現する。
噛み合っている様で噛み合っていない会話。)
そうねぇ…。
誰も痛い思いをしないで済むというのが
本当なら一番いいのだけどね。
でも、それはとても難しいことなのよ。
それに、それが何時だって
誰にとっても悪いことかっていうと、そんなことはないのよ?
痛みは確かに色々な物を消してしまうけど
痛みを感じること以上に嫌なことを消してくれることもある。
痛みから学べることだって、山の様にあるのだから。
(言外に「自分はそれでいい」と仄めかし、静かに微笑む。