館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
んー、暖かいのぜ。
(何時もと同じボンヤリとしたトーン
それでも何処か安心する様な響きを含ませては脱力する。
熱を確かめ、愛すべき存在がそこにいるのを確かめる様にゆっくりと頬擦りをして)
ビックリしたのぜー。
姉さんに春画の話をした時の顔位ビックリしたのぜ。
(完全に落ち着きを取り戻したらしくアホ毛が緩やかに揺れて
注文を取りに来た店員が「春画」という単語に動揺しているのを不思議そうに横目で見つつ
メニューのオムライスを指差して「くださいなー」と)
(子犬の尻尾のようにわかりやすく喜びに揺れる一房を眺めるうちに
頭の奥で燻っていた痛みは自然と治まっていった。
何事か考え込む様子に、何も言わずただ静かに言葉を待つ。)
…ん、そうだったの。
(話を聞けば軽く彼を抱き寄せ、小さな背をぽんぽんと叩いた。
察するに、涙を浮かべていた理由はそれだけではなさそうだが
無理に聞き出す必要もないだろう。
目の中から出てきた何かというのは少し気になるが
それも後で確かめれば良いことだ。)
そうね。
じゃあ改めてご飯を頼みましょうか。
どれにする?
んむんむ・・・ただいまなのぜ。
(ハンカチで涙が拭われてはクリアになる視界でしっかり姿を確認して、
心のモヤの様な物が薄れる感覚にアホ毛がブンブンと揺れる、まるで飼い主を見付けた仔犬の様な姿)
あんなー、あんなー?
(先程の洗面所で起きた事を話そうとしては一瞬ポケッとした顔をして、
どれから話そう、何を話そう、考え事が頭の中をグルグルとしては小さく首を傾げた。
質問されて思い出すのは言い知れぬ名前の知らない感覚)
・・・・・目を沢山擦ったら目の中から小さいのが出て来たのぜ。
そうしたら痒く無くなったけど、いっぱい擦ったから目がヒリヒリするのぜー
(咄嗟に口を出たのはそんな何気ない話
「それ」を口に出してはいけない、そんな気がしてはアホ毛がピンっと立つ。
改めて椅子に座るも少しだけ貴女に近付き気味で服の袖を摘んで「おなかすいたー」と一言)
(彼が席を立ってから幾らかの時間が過ぎ、聞こえてくる足音。
普段マイペースな彼にしては珍しく感じる急ぎ足。)
お帰りなさ…。
(お帰りなさい、と声を掛けようとするも
彼の目の端に滲む涙に気がつき、一瞬息を詰まらせた。
…弟が。小さな子供が。泣いている。
頭の奥が僅かに痛みを訴え出すが、それには見て見ぬ振りをする。
過ぎ去った過去の痛みに気を回すほど、今の自分は暇ではない。)
お帰りなさい。どうしたの?
一人になったのが怖かった?
(努めて穏やかに微笑み、語りかけ
取り出したハンカチで彼の涙を拭おうと)
植物の心は難しいのぜ。
だから、ちょっとだけ我慢なのぜー
(目が伏せられては不思議そうに首を傾げる
おそらく目の前のテーブルが無ければ正面まで行って目を覗きこむ事だろう。
しかし痒みが強くなって来たのか目をギュッと瞑ればジワリと涙が浮かんで、
知識が乏しい故に瞼の上から指でグニグニと押しながらお手洗いの方へ移動を開始して、
目を瞑ったままで器用に人や物を避けている辺り「何か」は友好的な類いらしい)
分かったのぜー
(後ろから聞こえた声に答えては洗面所に到着
春先とはいえ未だに冷水は冷たく、グシグシと多少乱暴に目を水で洗う
痒みが収まるまで何度も洗っていれば、
ふと1人きりになるのは久々だと思い出して言い知れぬ感覚に襲われる。
1度感じてしまえば指先に力が入ってしまい瞳に痛みが走ると同時にコロンと何かが洗面台に転がった
じわっと涙が浮かぶも痒みが無くなった事に気付けばトイレにも行かず姉の元に戻って行って)
そうねー…。
植物もきっと人間と同じで、色々と苦労しているのだわ。
(彼の煌めいた視線を受けて、僅かに目を伏せる。
別段不快ではないし、嬉しくはあるのだが
好意を向けられることには未だ慣れない。
つられるように窓の外で咲く桜へ視線をやる。
人畜無害である事を主張する様に、淡く儚く咲いた桃色の花。
桜はあれでいて、他の植物の芽吹きを阻害する成分を
葉から放出しているというが…。)
はい、行ってらっしゃい。
ついでにトイレも済ませておいで。
(席を立つ彼を見送り
入れ違いにやってきた店員が置いていった冷水で喉を潤し
少々熱い温度のおしぼりで手を浄める。
彼と会話していた「何か」の声が聞こえないかと
よくよく耳を澄ましてみるも
それらしき声を聞くことは叶わなかった。
…少々寂しい。
廃墟や廃屋といったうら寂しげな場所であるなら
姿無きものの声が耳に届くこともあるのだが
どうも勝手が違うらしい。)
植物の花粉・・・それなら仕方無いのぜ!
植物さんも大変なのぜー
(なんとなく、といったレベルで理解したらしい。
また新しい知識を教えて貰ったからか姉を見る目に尊敬の念が増えた。
同時に近くの窓から見える桜の木をボンヤリと見ては何やら思う所があるらしく両手を合わせて応援を送っていた)
それは美味しそうなのぜー。
(何時の間にかヘッドホンを耳に充てては会話を開始して
どうやらオムライスの美味しさについて聞いているらしい)
お手洗いなのぜ?分かったのぜー
・・・お手洗いはあっち?ありがとうございますのぜ。
行って来るのぜー
花粉症は風邪とはまた違う病気ね。
花粉症は植物の花粉が原因でかかる病気だから。
(とはいえ、自分も詳しい知識を有している訳ではない。
彼に説明する為にも今度詳しく調べておく必要があるだろう。
…植物は基本的に好きだが、身内に害を及ぼすとなると
僅かながら憎らしさを覚えないこともない。)
…お爺さん?
(目を凝らすも自身の瞳に彼の言うような人物は映らず。
つまり、「そういった存在」なのだろう。
指差しに従い、メニューを見る。)
じゃあ、ご飯はオムライスにしましょうか。
…と、その前にお手洗いに行って目を洗っていらっしゃい?
そうすれば少しは痒みが治まるはずよ。
あやー、病気なのぜ?
風邪に似てるけど違うのぜ?
今はまだ目がムズムズするだけなのぜ。
む、む、・・・むぅ
(更に擦ろうとするも止められてはピタッと動きが止まり
しかし我慢するのも大変なのかアホ毛が忙しなく動いて)
冷たい手を暖かくだぜ?
姉さんの手が冷たくなっちゃったら暖めてあげるのぜ。
お手を拝借で暖めますかなのぜー。
姉さん、姉さん・・・
おじいちゃんなのぜ。オムライスが美味しいみたいなのぜ。
(どうやら何かを感じたらしい
周りに聞こえない様にコショコショと内緒話
メニューを指差して)
私はまだかかったことがないけど
花粉症になるとくしゃみと鼻水が酷くなって
目が痒くなったりするって聞くわねー…。
ああ、目はこすらない様に。
傷がついたら大変だわ。
まあ、世の中には初めから暖かい手を取るより
冷たい手を取って自分自身でその手を
暖かい手に変えたいって人もいるってことよ。
…ん?
(彼の向かい側の席に自分も腰を下ろし
彼が何かに手を振るのを見れば其方に視線を。
さて、一体何があるのか。)
むむぅ・・・
反省も後悔もしてるのぜ。
自制心を鍛えるのぜー
花粉症はムズムズするのぜ?
(撫でられながら小さく首を傾げる。
目元を擦りながら身体を揺らしてはぽーっと
何やら思案に耽る姉の顔を見詰めて)
痛いのが好きな人も居るのぜ?
張り合いってのはイマイチ分からないのぜ。
冷たい手より暖かい手の方が良いのぜ。
(示されるままに椅子に座っては足をぷらぷら
何時の間にか視線が宙をフラフラと彷徨っていて。
メニューより何かが気になるらしく
一点に視線が止まれば手をフリフリ)
あらら…。
責めているわけじゃないからいいのよ、落ち込まないで?
反省しているならそれでいいの。
あら…花粉症?
(よしよしと彼の頭を撫で、くしゃみをする様子を見て小さく呟く。
春になり暖かい気候になったとはいえ、まだ風邪の時期だ。
その予兆ということも充分にあり得る。
上着を羽織らせてくるべきだったかと内心反省。)
痛いのは大抵の人が嫌がるでしょうね。
中にはそういった刺激がない方が
張り合いがなくて嫌だっていう
奇特な人もいたりするけど。
(弟よりも一足早く席を見つけ、そちらへ近づく。
自然の温もりを感じる木製家具。
そのテーブルの上にはメニューの書かれた
手作り冊子が置かれている。
静かに椅子の一つを引き、彼をそこへ座らせようと。)
お腹が空くと悲しくなるのぜー。
焼いたら大丈夫かなーと思ったのぜ。
反省してるのぜ・・・。
(思い出す様に目を細める。
なにやら妙な視線を感じれば、その時のお腹の痛みを思い出した。
しゅんとアホ毛が垂れて)
お魚を焼いて塩を掛けたら出来上がり...は料理になるのぜ?
練習頑張るのぜ。姉さんにご馳走するのぜー
・・・へ、へ、へっぷち!
(どうやら本人はやる気満々の様だ。
それでも本人の中では姉と離れる未来は考えては居ないらしい
話してる途中で大きなクシャミをしてはグシグシと目を擦って)
寺子屋に行くのぜー?
でも食べた後は少し運動しなきゃなのぜ。
痛いのも豚さんも嫌なのぜ・・・
のんびりが一番なのぜ。
(伝わる体温に嬉しそうに表情を緩めた。
フリフリと手を振って店員に挨拶を返して
周りから微笑まし気な視線を感じる。
アホ毛がゆらゆら揺れては空席を探しているのか周りを見て)
ん…。
確かに空腹は紛れるでしょうけど
腐ったものは出来る限り食べないようにね?
(根本的に悲観主義者であり、かつ人間不信の身としては
純粋に感謝を口にできる彼の無邪気さが少々眩しく、羨ましい。
多少危なっかしい気もするが、まあ、それはそれ。)
沢山と言う程ではないけど、多少はね。
貴方もきっと、練習すれば直ぐに出来るようになるわ。
切ったり焼いたり以外も、色々ね。
(…そう。今直ぐにではないにしろ
簡単な料理程度は一人で出来るようにしてやる必要はあるだろう。
いつまでもこうして傍にいることが出来るのであればいいが
決してそうとは限らないのだから。)
お勉強といえばそうかも。
ご飯の後は私もお昼寝がいいわ。
喧嘩は嫌いよ。
傷付けるのも傷付けられるのも、どちらも痛いもの。
(抱きつく彼に腕を任せ、頷く。
楽しみで堪らないといった様子の彼に微笑みを返し
カフェの中へと足を進めれば
「いらっしゃいませ。」という暖かな声が出迎えてくれた。
店内は昼時ということもあり、何組か他の客の姿が見えるが
人の声で騒がしいといったことはない。
独特の何処か懐かしく落ち着きのある空気がゆったりと流れており
親切そうな女性店員に、「どうぞ空いた席へ。」と促される。)
でもお腹は埋まったのぜ、
感謝感謝なのぜー
(どうやら腐った魚も食べたらしい。
本人が雑食なのか、単純に古い話なのか
特に怒ってはいないのかアホ毛も静かに揺れていて)
甘いのも塩っぽいのも好きなのぜ。
姉さんは沢山料理が出来るのぜ?
俺も斬ったり焼いたりは出来るのぜ。
電気がバチッとするのぜ・・・
お勉強なのぜ?
暖かいご飯が待ってるのぜー
お腹いっぱいになったら喧嘩よりお昼寝なのぜ。
(思う所があるのか腕に抱き着く様な形になって、
歩いた先に見えた建物から良い匂いがするのかアホ毛が左右に大きく揺れた。
ウズウズとしながら改めて姉の顔を見上げて)
あー、成る程…。
魚って基本的に足が早いしね…。
(小さな男の子にわざと腐った魚を押し付ける
悪質な輩は早々いないだろう、とは思いたいが。
もしそんな外道が近くにいるのであれば
全力をもってして抗議せねばなるまい。)
好みにもよるけど甘い味付けが嫌いでなければ
口に合うと思うわ。
塩っぱいものが食べたければ
また別のものを作りましょうね。
苦手でも生きていけるでしょうけど
多少慣れておいた方が後々役に立つでしょうね。
なんにせよ、先ずはご飯が先だわ。
腹が減っては戦は出来ぬ、ってね。
(先程見た地図の案内通り、直進した先の角を右に曲がる。
そうするとすぐ先の方、左側に
「営業中」と書かれた古民家カフェの看板が見えてくる。
目的地はそこ。
昔貰ったお魚がくさってたのぜ。
あれは大変だったのぜ・・・
確かに美味しくは無いのぜ。
でも、ちょっと安心するのぜ?
美味しいお魚だったら嬉しいのぜ。
(どうやら気に入ったらしく指が気に入ったらしい
咎められもしなかった為か指を離す様子はなく
指を口に含んだまま言っては嬉しそうに微笑んで)
んー、地図を見れるカラクリなのぜ?
他にも色々・・・カラクリは苦手なのぜ。
よく分かんないけど、後でなのぜ?
ご飯屋さんに行くのぜ?
(しまわれたスマートフォンに興味が移ったのかアホ毛が左右に揺れて
不思議そうな視線に気付くも告げられた言葉に思い出した様にお腹が鳴いて)
あらまあ。
私が貴方に腐った物なんて食べさせる訳ないじゃない。
私は見ての通り魚じゃないし
食材にもあまり向かないでしょうから
変わりにカレイの煮付けでも作ってあげるわ。
(こちらを見上げる彼に優しくそう返し。
空腹紛らわしに少女の指を舐める少年…。
第三者から見ると全くもって異様な光景であるだろうが
舐められている当人は欠片も気にした様子がなく
また、止めようとする気配もない。
気が済むまで好きにさせるつもりのようだ。)
確かにこれは食べられないわね。
でも、今私達がいる場所と
食べ物を出してくれるお店の場所を見つけることは出来るの。
他にも色々と出来るのだけど…。
興味があるなら後で触らせてあげる。
(…どうにも彼は現代の事に関して少々疎い様で。
前々から不思議な子だと感じてはいたが
まるで古い時代からタイムスリップでもしてきたかの様だ。
そう考えつつも口には出さず、スマートフォンをしまい込み
行きましょう、と彼を促す。)
腐って無いお魚が良いのぜー。
栄養って、パン屋のおばちゃんにも言われたのぜ。
今日のご飯は姉さんなのぜ?
んっ、んぐんぐ・・・
(話しながら口の中で指を転がしては何かを考える素振り、
人特有のしょっぱい様な味を感じるも空腹は紛れない。
チロチロと指先を舐めながら顔を見上げては不思議そうな表情)
・・・?
すまーとふぉん?
電話は食べれないのぜ。
それに薄いのぜ?
(何故かスマホの匂いを嗅ぎながら小さく首を傾げて、
じっと地図を見てもイマイチ理解していない様だ。
暫くしてペチペチと画面をアホ毛でつついて)
ん、そっか。
木の実もいいけれど、育ち盛りの男の子だし
これからは他にも栄養のあるものを食べないとね。
今晩の夕食はどうしましょうねー…。
(とはいえ、それを考えるよりまず先に
昼食を取れる場所を早急に見つけるべきである。
空腹を鳴かせながら指を食む彼を見て苦笑した。
悪い心地ではないが、少し擽ったい。)
あら、初めて見る?
これはスマートフォンっていうの。
色んな事が出来て持ち運びできる
便利な電話みたいなものね。
(少し屈んで彼の前にスマートフォンを差し出し
彼にも画面が見えるようにする。
画面に映る周辺地図では
現在地が星のマークで示され
次の角を右に曲がり少し先に進んだ箇所に
喫茶店が存在することが表示されている。)