館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
ええ。
寒さに凍える冬はもうお終い、ってね。
(つられて窓の外を見る。
この島に来たのは確か、去年の5月か6月辺りだっただろうか。
当時は心が荒みきっていて
今の様な穏やかな心持ちで春を迎えられるとは
全く思いもしていなかった。
…人というのは、変わるものだ。)
それはそうよ。
一緒に食事をして、美味しいって笑ってくれる人がいれば
喜びも倍になるというもの。
あらあら。貴方って子は、本当に…。
(再びスプーンを向けられれば楽しげに笑い
いただきます、と口に含んだ。
そうして同じ様に手にしたスプーンで食事を掬い
彼の方へと差し向ける。)
貴方にも。あーん?
さっきの約束、料理のお手伝いにもなるのぜ。
もうすっかり春なのぜー
(窓の外をチラリと眺めてボンヤリ呟く
日差しが徐々に暖かくなり始めれば
時々見掛けるベンチに日がな一日座って見るのも良いかもしれない)
一緒にご飯を食べると美味しく感じると聞いたのぜ。
ぁ、忘れてたのぜ・・・姉さん、姉さん。
(食べる様子を見ていれば何処かで聞いた知識を話す
1人で食べるより家族や友人と食べると良いと聞いたが
自分は1人で食べるのが当然と思って居たので、初めて聞いた時には首を傾げたのを思い出す。
更にその時に聞いた話を思い出せばスプーンで自分のオムライスをもう1度掬って向ける
「はい、あーん。なのぜー」と言葉を付け足して)
ええ、合うでしょうね。
キノコを採ってきたら入れてみましょうか。
(スプーンを向けらればあらまあと
少しの驚きと喜びが混じった声を溢し)
ええ、わたしもいただくわ。
ありがとう。
(そう言って差し向けられたスプーンを口に含む。
…そういえば、誰かに食べ物を食べさせてもらうのは随分と久しぶりだ。
強制する目的もなく、こうして食事をとらせて貰えるのは愛されている証。
年下の少年に食べさせてもらうというのは少し格好がつかないが、まあ偶には良いだろう。)
失せ物とは、ちょっぴり違うのぜー。
んぐんぐ、このおむらいす?にもキノコが合いそうな気がするのぜ。
(完全に意識は食事に移ったらしく、もぐもぐと咀嚼して飲み込む
楽しげに色々な方向にブレる考えを纏めながら
スプーンを持って真似する様に自分のオムライスを切り分けて掬う
そのままスプーンを姉に向けて動きを止め)
美味しいのぜー。
ほらほら、姉さんも食べてみると良いのぜ。
(躊躇いもなく食べたと思えば
今度は食べさせる気らしい
なんの考えも無さそうな表情でアホ毛を揺らし)
(けれど、それも一瞬のこと。
自分のオムライスを食べられたということに関しては
然程気にしていないらしく
ふふっと小さな笑い声を溢し、微笑んだ。)
お味は如何?美味しい?
そうねぇ…。
もしも、あったらね。
(彼の様子を見ながらそう答え。
とはいえ、そんな「もしもの日」は訪れないかもしれない。
他人に救いを求めることに関しては余り得意ではない性分なのだ。
それに加え、相手はまだ幼い少年だ。
そう言ってくれるなら、と簡単に甘えるわけにもいくまい。)
あ。
(スプーンを咥えられれば驚きから目を丸くし
少々間の抜けた声を漏らす。
食べさせてあげようかと考えてはいたが、
その前に行動に移されるとは思っていなかったらしい。)
美味しいキノコを探すのぜー。
大きいのはまだ少ないけど、小さいのなら沢山あるかもだぜ。
(撫でられては心地良さげに目を細める。
眠ってしまいそうな顔でクルクルと喉を鳴らす辺
特に深い考えを持っている訳でも無いようだ)
何か困ったら話して欲しいのぜ。
俺も頑張るのぜ?
(小さく首を傾げるながら、オムライスを箸でつついてみる。
ツンツン、良い玉子を使っている様な気がした)
んっ、いただきま・・・?
・・・あむっ
(貴女を見ては1度箸を置いて両手を合わせる
直後に不思議そうにオムライスの乗ったスプーンを眺めて
少し体を伸ばして1口、スプーンごと口に含んだ)
うん、それもいいかもしれないわ。
全く、食いしん坊さんね。
(くすくすと笑いながら彼の頭をよしよしと撫でる。
秋ほどではないが春にも食に適したキノコが
何種か生えると聞いたことがある。
出自の手掛かりを求めるついでに
それらを探すのもまた楽しいだろう。)
私としてはその方が苦労しないし楽だけどね。
(頂きますと手を合わせ、スプーンを手に取り)
お箸で食べるの?
オムライスだとこっちの方が食べやすいわよ?
(スプーンを使ってオムライスを切り分け掬って見せる)
古いのぜ?
んー、確かに周りの人はハイカラなのぜ!
美味しいキノコを探すのぜー
(少し目的がすり替わる
やはりお腹が空いているらしく
ぺちゃんとテーブルに顔をつける)
髪の毛はよくクシャクシャになるのぜ?
残念だけど尻尾はついてないのぜ。
んー、まだまだ修行が足りないのぜ?
ほぁ、ありがとうございますなのぜ。
(本人は気付いて無いらしいがアホ毛も不思議そうに?の形に
運ばれて来た料理にクゥクゥと身体が主張する。
ペコリと頭を下げては箸を手に持って)
貴方の服装は日本の今より古い時代…。
大正時代の学生服によく似ているから。
今度山の方にも遊びに行ってみましょうか。
それにしても、貴方のその頭の毛は便利ね。
まるで子犬の尻尾のよう。
わかりやすくていいわ。
と、ありがとうございます。
(そうこうする内に店員が注文品を届けにやってくる。
ふっくらと焼き上げた卵で包まれたオムライス。
その上にはたっぷりのデミグラスソースがかけられている。
立ち上る暖かな湯気は出来たてである事の象徴。
年相応の幼さで表情を綻ばせ、店員に頭を下げた)
ほぁ、この格好・・・なのぜ?
なるほどなのぜー。
山の向こう、もしかしたら、そこに答えがあるかもしれないのぜ?
・・・むぅ
(自分の服を改めて眺めてみる、自分のお気に入りの服で実は他にも数枚屋敷にあったりする。
ボンヤリとした記憶を掘り返そうとするも失敗したらしく小さく首を傾げた。)
褒められたのぜー。
んー?不思議な匂いが混じってるのぜ?
お利口にしてるのぜ。
(ゆらゆらと揺れるアホ毛がピンと立って感情を表して
スンスンと鼻を鳴らしては不思議そうに首を傾げる。
クゥクゥと小さくお腹から音がする辺り、コチラも空腹を感じているのは確かで)
貴方の容姿や知識からみてなんとなくそんな気がしてね。
西洋の出身ならフォークやスプーンの知識もあるでしょうから。
海の向こうから来たのではなくて
山の向こうから来たから海を見て驚いたのかもしれないわ。
よしよし、いいこ。
きっともうすぐご飯を持ってきて貰えるわ。
後少しの辛抱、ね。
(彼の視線を追って厨房へと視線をやる。
ふわりと漂ってくるほんのりと甘い香りを嗅ぐ内に
軽い空腹感を覚え、僅かに苦笑する。
彼へ後少しの辛抱とは言ったものの
実際に料理の完成を待ちきれずにいるのは
彼ではなく自分自身の方なのかもしれない、と。)
楽しみなのぜー。
んー、何となく、そんな気がするのぜ。
だって、海を見た時にすっごい驚いたのぜー
う?日本の産まれなのぜ?
(ふと目を覚まして島を歩き回っていた時の事を思い出す。
海を見て眩しさに目を細めたり、舐めてみてしょっぱかったり
単純に海を知らなかった事も含めて旅人は皆海路で来たと思っているらしい)
発想次第・・・カラクリ遣いさんたちが頑張ってるのぜ。
はーい、分かったのぜ。・・・ごめんな?痛かったのぜ?
ん?良い匂いがして来たのぜ、卵焼きの匂いなのぜ?
(小さく息を吐いて目を閉じてはスプーンとフォークを元にあった場所に置いて
ポツリと謝罪の言葉を伝える。勿論返答は無いが満足そうで
そのタイミングで匂って来る料理の匂いに反応しては厨房の方をじっと見て)
きっと楽しい話も聞けるわ。
ん?海外から?
私てっきり貴方は日本の産まれだと思っていたのだけど…。
(ふと自身の表情が硬くなっている事に気がつき
これではいけないと先程までの考えを
頭の中から追い払う。
いずれ来る未来だとしても、それは今ではない。
…今ではない筈だ。)
スプーンとフォークだけじゃなくて他のものも
発想次第で色んな使い方ができるものよ。
お店のものだからあまり乱暴には扱わないようにね。
(食器と戯れる愛らしい姿を微笑ましく見つめ、軽く注意をする。
素直で優しいこの子のことだ。
厳しく叱らずともきっと分かってくれるだろう。)
もし楽しい話しなら俺も聞きたいのぜ。
そういえば、俺もあの人も海の向こうから来たのかもしれないのぜ。
(なにやら思い詰めた様な顔をする姉に気付かず、
改めて周りを見渡す。
それなりに古い建物とはいえ、やはり所々に新しい部分がある
この島には変わった人物が多く、自分の異常を気にする人物も少ない
ただし、一度気にしてしまえば何となく気になるらしく、アホ毛がゆらゆらと揺れる)
これでご飯食べるのぜ?
んー?んー・・・すぷーんと、ふぉーくなのぜ?
どっちにも使えるなんて便利な奴なのぜ!
(二つをカチカチと合わせて音を鳴らして遊び出す
しっかりと磨かれているスプーンには自分の顔が映るのを嬉しげに見詰めて)
そうなの?
次話すことがあれば旅のお話を聞いてみたいものね。
(まだ幼い彼はこの世界と自分自身の間に立つ不可視の壁を
はっきりと認識してはいないだろう。
けれど、それは今の話。
この先の未来、きっとどう拒んだとしても、彼はそれを知ることになる。
それを思うと少し、胸が痛んだ。
例えそれがこの世界で生きていくために必要な痛みだとしても
出来ることなら、彼の傷付く姿を見たくはない。)
ああ、それは武器じゃなくて食器よ。
スプーンとフォーク。ご飯を食べる時に使うもの。
まあ、場合によっては武器として使えないこともないでしょうけれど。
なんだか不思議な気分なのぜ。
頑張ってくださいなのぜー
(注文した物を店員が作ると思っているらしく、
給仕と料理を同時にやるんだなぁ、と微妙にズレた思考。
手をゆるゆると振ればアホ毛も同じ様に揺れる。)
んー、あの人の事はあんまり分からないのぜ。
なんだが、元々は旅人さんだったって聞いたのぜ。
(自身とはあまり会話しようとしない女性
どうやら彼女は何かを話したらしく、その後も何やら考える様な素振りが増えた気がする。
遥か昔に「何らかの理由」で没してから、未だ残る館は自分の世界の認識と「ズレは無い」
あの館と自分、そして世界の致命的なズレを感じるには彼はまだ幼く、
スプーンやフォークを見ながら首を傾げて『武器なのぜ?』と呟く姿が幼さを助長する)
ん、じゃあ緑茶もお願いします。
ええ、はい。それで大丈夫です。
(暖かい緑茶を追加で注文し、「以上で宜しいですか?」と問う店員に頷いた。
離れていく店員に軽く頭を下げ。)
私には見えないけれど、沢山住んでいるって言っていたものね。
あの人…くろも何か隠していたりするのかしら。
(…確かに存在しているのに気がついて貰えず
無いものとして扱われる。
それは、どれだけ寂しいことだろう。
そうでなくとも、他人と同じ世界を
心を共有することが出来ない孤独の痛みは
それはもう嫌という程知っている。
『こえもかげもうしなうまえに』
館を出る前、くろと名乗った彼女が指し示した言葉を
一人、脳裏に思い浮かべた。)
姉さんが来てすぐだったのぜ。
皆が色々な所に色々な物を隠してるから宝探しみたいなものなのぜ?
(実は姉と慕う彼女の表情すら、あまり見る機会が無く記憶に残りやすい
自分の元々の保護者たちの姿や声は彼女には伝わらないらしく
それどころか、大半の人間にとって先程の老人すら見えていないらしい)
暖かいお茶が欲しいのぜ。
(なんとなく、といった曖昧な感覚で体感とは違う寒さを感じれば
店員の方に向き直ってペコリと頭を下げて)
あー…。確かそんなこともあったわね。
(動揺する店員に苦笑を返してごまかし。
…あの屋敷には自分には存在を感じられない住民が
コレクションと称した春画を何枚も隠しているらしい。
その際に全て見つけ出してやるとは言ったものの
未だ探し出せていないのが現状である。)
私も同じものを…後、アイスミルクティーを。
無銘は何か飲む?