館の扉を開き、目と足とを外界へ向ける。
穏やかな風吹く春の午後。
退屈と眠気を持て余した一人と一人の気ままな散歩。
*花風冴来(RKM002612)
大和無銘(RKM003437)
両名のお散歩RPトピックです。
何か御座いましたらキャラクターメール等でご連絡下さいませ。
拾ってきちゃうのぜ?
今の場所に落ち着くまで、俺も外を歩くと色々な所にお泊まりしてたのぜ。
お泊まりした時は、たまに良い物も拾うのぜ。日記を付けると色々な事を思い出し易い気がするのぜ。
呑まれる…のぜ?
んー、どんな感じか気になるのぜ。
(話を聞いて声に導かれるままに放浪を続けていた時を思い出す。
また、色々な所に行って見ようか。
そんな事を考えながら小さくアホ毛を揺らして)
んっ!
ちょっぴり、暑くなって来たのぜ。
まだまだやれるのぜー、
帰りもなんとかなるのぜ。
姉さんも、遅れちゃダメなのぜ?
(首を横に振って纒わり付く様な眠気を飛ばそうとしては、
更に数歩進んだ後に少女の隣に戻って行く。
1人で進む事は慣れているが、
独りに慣れるのは当分先の様で)
少しでも早く姉さんの手を借りなくても大丈夫な様に頑張るのぜ。
今はまず、海なのぜー
(ポツリと小さく呟いては
真似する様に大きく伸びをして
身体の中の空気を入れ替える。
気合いの現れなのか、
アホ毛もピンと立っていて)
その辺りは多分、例え寝泊まりしなくても
こうして外を出歩くだけで自然と拾ってきてるでしょうし
体質として諦めてるわ。
忘れないように交換日記をつけるのもいいかもしれないわねー…。
聞いていなければいけない時もあるけど
余り相手に心を寄せすぎると自分が呑まれてしまうって
前に言われた気がするのよね。
それは余り喜ばしいこととは言えないから。
(町並みを瞳に映すうち、身を焼き焦がす様な灼熱を内側に感じ
長い睫毛を震わせ、ゆるりと目を伏せる。
例えるならばそれは、現実を頑なに拒む拒絶の炎。
それが鎮火することは一生やってはこないだろうけれど、それでも)
……!
(自らの力で身体を支え、小さな歩幅で
けれど確実に前へと進み、笑って見せる少年に
目を見開いては息を飲み)
…そう。うん、そうよね。
折角ここまで自分の足で頑張って歩いてきたんだものね。
(後から追いかけてきた安堵と共に微笑みかける。
…心配性と構いたがりは以前から自覚していたが
これは本当にどうにかするべきかもしれない。
過ぎたる薬は毒になる。
彼の苦しみを軽減するだけならいざしらず
自立心までも奪ってしまうのでは全くもって話にならない。)
ええ、貴方が自分の力では如何にもならない時が来たら
その時は必ず私が支えるわ。
海はすぐ近くだし、もう一踏ん張りしましょうか。
(そう言ってグッと背伸びをし、自分自身の身体にも活を入れる。
フリルとレースで飾られた少女趣味の服装には
余り似つかわしくない所作ではあるが
元来お淑やかな性質ではないのだ。
これぐらいは見逃して頂きたい。)
悪い物も寄って来やすいそうなのぜ。
善処するなら安心なのぜ。
忘れない様にメモしなきゃ、日記を付けるのも良さそうなのぜ。
長い間一緒だった気もするのぜ?
かんじゅせい…なのぜ?
うん、確かに大変な時もあるのぜ。
でも忘れない様に、ちゃんと聞いてないとダメな気もするのぜ。
(ほぅ、と小さく息を吐いては、
確かに流れる時間の影響を受ける風景を楽しんで
あるいは、
今はまだ出来なくても何時か忘却を受け入れられる日が来るのかもしれない)
ん、んー…!
まだまだ、なのぜ。
せっかくここまで来たのぜ。
ちゃんと帰るのぜ…。
(目を服の袖で擦っては、ふるふると首を横に振る。
今にも崩れ落ちそうな身体に力を込めては、1歩、2歩と前に歩みを進めて、
少女の方を振り返っては、ここまで歩いて来た道を振り返る形になって、
少しずつでも、亀の歩みでも進んでいる事に少し胸の痛みが和らいだ気すらした。)
大丈夫なのぜ。
ダメな時はちゃんと姉さんにお願いするのぜ。
外で寝ると体調を崩しやすいしねぇ…。
まあ、それなりに善処はするわ。
貴方と初めて会ったのは随分昔だったような、最近だったような…。
どうにも記憶が曖昧でいけないわ。
貴方も私と同じで感受性が強そうだし、それなりに苦労していそう。
聞こえてくる声全部に気を回してるとどうしても辛くなるし
全部無理して聞こうとする必要も…なんて
それが上手く出来れば苦労なんてないわよね。
(苦笑しつつ、自然な動作で周囲を見渡し、目を細める。
ここの島に来た当初、どこか現実味の無い
永遠に続く悪夢の一部分の様に映った風景も
今は確かな現実のものとして捉えることが出来ている。
少し気を抜けばたちまち希薄になっていく
不安定な感覚ではあるけれど、今は確かに。)
うーん…。
大丈夫というなら、そういう事にしておくけれど
無理をしてはだめよ?
ああそうだ。おんぶしてあげましょうか。
なんならそのまま私の背中で
お昼寝してくれても構わないし。
ね、そうしましょう?
(彼は大丈夫と口にしたが
痛みを堪えてそう言っている様に見えて。
彼が何に胸を痛めているのかまではわからないが
自分が何かをする事でその痛みを軽減できるなら。
そんな思いから先ほど店内でも話に出た
ささやかな提案を今一度持ちかける。
冬も夏も、外で寝ちゃダメなのぜ?
診療所のお姉さんが行ってたのぜ。
ん、んー…冬だったと思うのぜ?
ちょっと寒かった気もするのぜ。
ちょっとだけ、分かる気がするのぜ…
ウロウロしてた時に沢山の声を聞いて、
なんだか頭が痛かったのぜ。
(アホ毛がゆっくりと揺れて、喜びを表しては
何かを考えるように小さく唸る
そういえば、探し物に夢中で季節という物には無頓着だった様にも感じては
改めて首を左右に傾ける)
…大丈夫、大丈夫なのぜ
(身体に力を入れなおしながら
首を横に振って、当たり前の事を再認識する
彼女と自分は、いや
世界中の人間はなんらか違う部分を持つという事
何時か、この日々すら「その括り」に入ってしまう事に
少しだけ悲しい気分になった)
んっ、ご招待なのぜ。
姉さんの友達なのぜ?
まだまだ、大丈夫なのぜ。
でも、ちょっと眠たくなって来たのぜ…
冬もそうだけど、夏も辛いわねー…。
暑さで身体がだるぅくなって動きたくなくなるのだわ。
貴方とあったのはいつだっけ。
冬だった?
騒がしい場所は…そうね。
頭痛が酷くなって私の中の何かが
嫌な音を立てて崩れていくような感覚が強くなる。
昔に比べると大分マシにはなったけど
それでもやっぱり、苦手だわ。
(彼に微笑みかけ、繋ぎあった手を揺らす。
彼の事を猫のようだと喩えたのは自分だが
適切な喩えではなかったかもしれない。
それよりも更に適切な表現があるとするならば警戒心の強い子犬だろう。
主人と定めた者には何処までも深く心を許し
無類の好意と信頼を寄せる、小さな子犬。)
そう、私にとっては…無銘?
(何か様子のおかしな彼を慌てて支え、顔を覗き込む。
何か良くないことを口にしてしまっただろうか…。)
招待してもらえる方が有難いかも。
その時は別の人も連れて貴方の故郷へ遊びに行くわ。
それよりも大丈夫?
歩き過ぎて疲れちゃった?
冬は寒いから余計になのぜ…
そういえば、俺がこの島で起きたのも冬くらいだった気がするのぜ
人が多い所…
沢山の声が聞こえたら、頭痛くなっちゃうのぜ?
(握り返してくる力に嬉しげに微笑んでは
少し、あるいは随分前
初めて出会った時、少女から感じた印象
何時の間にか消えてしまいそうな、何処かボンヤリとした印象
そう考えれば、今手を繋いでる少女はとても猫に似ている気がした
自分の探している、何処か不思議な猫に)
なのぜ?
重要な事柄じゃない…
姉さんにとっては…
だから良い…
(何処か他人事の様にすら聞こえた言葉を聞き
ゆっくりと繰り返しては
何かを考えるように俯いてしまう
少しして、大きな溜息をついては
脱力してへたり込みそうになって)
海なのぜ。
(その場に立ち止まって、何かを確認するように言っては
続いた言葉に小さく首を傾げて)
その時はその時なのぜー
んー、なら、ご招待なのぜ?
それに良く似てるわねー…。
学校は…楽しくないってことはないけれど
余り得意な場所ではないわ。
人が多いところは苦手なの。
(彼の不安を察して小さく柔らかな手を痛めない程度に
こちらも力を少し強める。
望んでくれる限り傍にいる、と彼に約束をしたものの
それを守りきる自信の方はというと
正直なところ、余りない。
守りたいと、そう思ってはいるがはたして。)
…いや、私はいいわ。
忘れてしまったってことは
そう大して重要な事柄でもなかったってことだろうから。
貴方の場合は私とは違うでしょうけど、私の場合はそうよ。
だからいい。
(「また思い出せばいい」と明るく笑っていう彼に
曖昧な笑みでそう返す。
どうでもいい事柄であったかと言えば
そうではなかった、とは思う。
胸中に渦巻くのはそれを喪失してしまった自分への
落胆と、失望と、少しの安堵。
なんとも言えぬ心地の悪い気分ではあるが
少なくとも今はまた思い出したいとは思えなかった。)
っとと…あら。
(少々彼に引き摺られる様な形で歩を進め、前方を見れば
穏やかに波打ち、陽光に煌く青が視界に映り)
貴方の故郷ねぇ…。
行ってみたくはあるのだけど、拉致っていうのは少し困るわ。
私はまだ、この島から離れるわけにはいかないし。
んー、
布団から出たく無い、みたいな感じなのぜ?
最近は日差しも暖かくなって来て良い感じなのぜ。
朝帰りはダメなのぜー
学校、楽しくないのぜ?
(少しだけ、嫌な予感がして
つい手を握る力を強めてしまう
手を離してしまえば、
風船の様に何処かに消えてしまう様な
そんな予感)
日本の外…?
とっても遠くて、思い出せなくて…
なら、姉さんも思い出せば良いのぜ
海を見たら、何か思い出すかもなのぜ?
(楽観的にすら思える口調
姉と慕う少女が自分と同じ、
記憶の迷子と知っては、何故か嬉しくすら感じる
「おそろい」なんて言葉が過ぎるが、口には出さずに)
姉さんも、怪我しちゃ嫌なのぜ?
悪い事が起きたら、悲しくなるのぜ
もしかしたら…
(言葉を途切らせるては、手を繋いだまま少し前に
手を引く様な形になれば視界に海が見えて)
そこに帰る事になったら、姉さんも連れて行っちゃうかもだぜ?
んー、拉致ってやつなのぜ
そう。
「此処から動きたくないなあ。ずっと此処にいたいなあ。」
ってね。
でも学校もあるし、朝にはちゃんと帰らなきゃって。
余り褒められた行為じゃないし、貴方は真似をしないように。
…なんて、過ぎた心配か。(小さく苦笑
ええ。
海をずっとずうっと超えた、日本の外の国が私の故郷。
まあ、そこに居たのは小さい頃の話だし
もう殆ど、覚えては…。
(ずっとずっと小さな頃。
生まれ故郷での想い出を振り返ろうとして
一瞬言葉を詰まらせる。
…いつの間にか、思い出せなくなっていた。
街の情景はおろか、両親の名前も声すらも。
……そうか。そうか……。)
空の上と言うと星幽塔かしらねぇ…。
色々厄介事があって、最近解決したとは聞いたけど…。
そうよね。
帰りたいかどうかなんて、思い出してからじゃないと決められない。
ごめんなさい、変なことを聞いて。
…知らなきゃいけない、か…。
…?
面倒、なのぜ?
んー、朝帰りなのぜ?
海の向こうの国…
そこが姉さんの故郷なのぜ?
最近は空からまで嫌な匂いがする時があるのぜ
気をつけなきゃ、なのぜ。
…分かんないのぜ。
でも、知らなきゃいけない気がするのぜ
「帰らなくちゃ」って気持ちはあっても
面倒に感じることがたまにあってね。
朝にはちゃんと帰っているから大丈夫よ。
ん…。
私はね、この島からずうっと離れた
海の向こうの国から来たの。
この島はのんびりした場所だけれど
それなりに物騒な部分もあるし
嫌な感じがする場所も結構あるわよねー…。
…生まれ育った場所を思い出したら、貴方はそこへ帰りたい?
んっ、約束が増えたのぜ。
でも道が分かるなら、ちゃんと帰らなきゃダメなのぜ?
姉さんなら大丈夫なのぜ
姉さんは、何処から来たのぜ?
山なのぜ?海なのぜ?
この島を歩いてる時、すっごく嫌な感じがする場所もあったのぜ。
俺も何処で生まれ育ったのか思い出したいのぜ
ええ、約束。
一人になったら帰り道がわかっていても
帰れなくなってしまうかもしれないし
そうならない為にも私と一緒にいて頂戴。
そう。貴方もそうなのね。
懐かしいといえば、この辺りの風景も
何処となく懐かしい様な感覚がするわね。
ここの生まれというわけでもないのに不思議だわ。
約束、なのぜ?
手を繋いだら帰り道もちゃんと教えれるのぜ。
(手を繋いでは小さく息を吐く
迷子にならない様に、1人にならない様に
帰り道が分からず泣いてしまう気持ちが分かるからこそ
繋いだ手を嬉しそうに見て)
なんとなく懐かしい感じがするのぜ
上手く言えないのぜー
お望みのままに、愛しい子。
絶対離したりしないと約束するから
どうか安心して頂戴な。
(伸ばされた小さな手を取り、歩幅を合わせる。
一歩、また一歩と歩を進めるうち
緩やかに濃さを増す潮の香りに
想いを馳せるように目を細め)
無銘は海のなにが好き?
波の音かしら。それとも色?
光り物も持って無いのぜ…
暗いのは嫌なのぜ。
手を離しちゃ嫌なのぜ?
(視線を前に戻しては横に居る少女に手を伸ばす
何かを思い出すように目を伏せては少し歩幅を広げようとする。
微かに風に乗って潮の香りがすれば
アホ毛がブンブンと揺れて)
貴方は髪も服装も、全体的に黒いしね…。
陽が落ちたら闇に紛れてわからなくなりそう。
貴方を見失うのはとっても困るわ。
きっと帰り道もわからなくなって
迷子の子みたいに泣いちゃうわね。
だから、かえるが鳴く前に。
妖精さん…そうかも知れないのぜ。
(コチラに向かって来る少女の言葉に少し考え、
小さく首を傾けては同意する。
深い考え等がある訳でも無く
ただ言われた言葉に納得した様に)
ん、んー、分かったのぜ。
しっかりといただくのぜ。
暗くなったら
姉さんも俺を見失っちゃうかもだぜ?
それはまた。妖精さんでも見つけたの?
(彼の見た「綺麗なもの」が陽の光を受けて煌めき
風と共にそよぐ金の髪であるという事に少女は思い至らない。
少女にとってそれは日常的に見慣れたもので
尚且つ、自分自身を醜いものと認識することは数あれど
見栄と強がりから口にする事はあれど
綺麗だなどとと本心からそう思ったことは
これ迄の人生の内、一度もないのだ。
故に、悪意なく
「自身の瞳には映らない特別な何かが見えたのだろう」
と解釈し、先を行く彼に歩を並べる)
貴方の気持ちは嬉しいけど、それは貴方が貰ったものだから
私が貰うわけにはいかないわ。
でも、ありがとう。
暗くなる前に行かないとね…。
夕方の海も綺麗だけど、帰りが遅くなるのは良くないし。