これは、ある日のわたしの日記です。
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【ジャンル】日常
【形態】完結
【分量】11レス+α、約10100字(レス番号13→3)
【登場キャラクター】小島 海美、ほか(レス番号2参照)
【登場コミュニティ】(レス番号2参照)
きょうは土よう日だったので、お昼のあと、学校でみんなとあそぼうとおもいました。でも、学校へ行くと中、しらないおじさんに声をかけられました。おじさんはちょっとはげてて、でもやさしそうでした。
おじさんはわたしに、寝子島神社はこっちでいいのかってききました。おじさんは川崎の人で(これはあとでしりました)、会社にきた外国の人とシーサイドタウンでお昼をたべてから寝子島をかんこうしようとおもっていたそうです。
外国の人は、おじさんから少しはなれたとこにいました。あんまりきれいな金ぱつじゃない、短いけどもじゃもじゃのかみのけのおにいさんと、外国人なのにかみのけが黒い、美人なおねえさんでした。
おにいさんは、わたしが見てたら手の指をわたしにむけて、わしゃわしゃって動かしました。わたしが小さく手をふったら、2りでたのしそうにわらいました。
わたしはおじさんたちに、もっとたくさん寝子島のことをしってもらいたかったので、おじさんたちに寝子島をあんないすることにしました。学校にはほかの人もたくさんいるし、行かなくてもあそぶ人ずうはたりるとおもいます。
まずわたしは、わたしが卒園したこども園『うれしの』にいきました。ここはみこちゃんやさっきゅんの家で、土よう日でもみんながいます。外からでも、中でだれかがあそんでさわいでる声がきこえてきます。おねえさんはすごく中が気になってたみたいだけど、おじさんとおにいさんはあまり入りたくなさそうだったので、おねえさんもあきらめたみたいです。おじさんたちが入りたくなかったのはきっと、こども園の中に入ると、おじさんたちが会社で赤ちゃんってからかわれるからだとおもいます。それに先生もいそがしいとおもいます。
でもおじさんたちも、外から古い家をかいぞうしたこども園を見てかんしんしてました。
つぎにわたしは、おとうふやさんに行くことにしました。おとうふだけじゃなくて、豆乳プリンとかおからクッキーとかのおかしもあります。
外国の2りはおとうふをしらなかったので、おじさんが英語(だとおもう!)でどんなのかせつめいしてました。しらないから見たいって言ってたので、わたしはあんないすることにしました。
と中、大きなおやしきがあるので、外国の2りがこうふんしていました。たぶん「すごい大きい!」って言ったんだとおもいます。
この家は『神無組』って人たちのお家です。しゃていの人たちは顔にきずとかあったりしてこわいけど、ときどき飴とかくれてやさしいです。
でも、近所の人の中には、いやがってる人もいます。「何で?」ってかんなのおにいさん(ほんとはおじさんだけど、おじさんってよぶと頭をぐりぐりされるのでおにいさんです)にむかしきいたら、「仕方ねえさ」って言ってさびしそうでした。かわいそうです。
おじさん(これは川崎のおじさんのことね)のまえを、しゃていの人がとおりました。それを見たらおじさんはきゅうにそわそわしはじめて、はやく先に行こうって言いだしました。外国の2りはもうちょっと写真をとりたかったみたいですが、おじさんが何か耳うちしたら同じようにそわそわして、先に行くことになりました。
やっと『西野町とうふ店』につきました。おじさんたちはたくさん歩いてつかれてるだろうから、ここでおやつにしてもらおうとおもいます。
おとうふやさんのおじさんが、一生けんめいおじさんにせつめいして、おじさんが英語でつうやくします。けんこうとびようにいいって話のとき、おねえさんがものすごくよろこんだのが、言葉がわからなくてもわかりました。4人でもりあがっていて、わたしはかやの外でした。でも豆乳アイス買ってくれたのでゆるします!
おとうふやさんで少し休んだら、また歩いて参道商店街につきました。参道商店街にはもっと色んなお店があります。
たとえば『神野文房具店』です。きょうはわたしは用じはないけど、わたしの小学校の入学いわいの72色いろえんぴつは、じつはここで買ってもらったものです。でもとってもきれいなので、もったいなくってまだ全ぜんつかっていません。
中には、もうやってないお店もあったりします。でも『浅葱眼鏡店』のように、じみで一しゅんやってるのかやってないのかわからないだけのお店もまざっています。おとうさんは、めがねがこわれるとよくこのお店でなおしてもらうらしいです。わたしもつれてってもらったことがあったけれど、ちょっと店の人はくらいかんじでした。でもおとうさんは、うでのいい、いいお店だって言ってます。
あと、おみやげはこのあたりでかうといいとおもいます。ロープウェーのとこはちょっと高いです。
参道商店街を歩きながら、わたしたちは寝子島神社に行きました。神社にいくには坂とかいだんがあります。あと、おまつりじゃないときも屋台があります。おまつりのときはふえます。
おじさんは、外国の2りに何か話をしてました。何の話してたの、ってきいたら、神社の道のまん中は神様がとおるから、人間はまん中をあるいちゃダメだっておしえてたみたいです。わたしはよく神社であそんでるけど、今までずっとしりませんでした。バチがあたったらどうしよう!
じつはわたしは、神社のおまいりのし方もずっとしりませんでした。はつもうでのときは人がおおくてそれどころじゃないし、3才のときの七五三はおぼえてないからです。でももしかしたら、たんにわたしがわすれてるだけかもしれません。もしそうだったら神様、ごめんなさい!
だからおじさんに、お水での手のあらい方をおしえてもらいました。ひしゃくで手をあらわないといけないのがちょっとめんどくさいです。
手をあらったら、ようやくおさいせんです。
わたしは学校であそぶつもりだったので、お小づかいはもってませんでした。そしたらおじさんが、外国の2りのぶんのほかに、わたしのぶんの5円玉もくれました。これでおさいせんができます。
おねえさんはさいしょ、ちょっといやがってたみたいでした。でもおじさんとおにいさんが何か言って、OKになりました。話してるさい中わたしのほうを見たので、おじさんに「どうしたの?」ってきいたら、寝子島神社の神様はおねえさんをまもってくれてる神様とはちがう神様だからおねえさんはいやがってたけど、どっちの神様もそのせいでだれかをかなしませるなんてのぞんでないって言ったらなっとくしてくれたって言ってました。
おじさんがやるのと同じようにやればいいって言われたので、外国の2りと一しょにおじさんのまねをして、ちょっとだけおじぎして、がらがらして、おさいせんばこに5円玉をいれて、2回ぺこっておじぎして、2回手をたたいて、さいごにもう1回おじぎをしました。きゅうに道をあんないすることになったので、おねがいを全ぜんかんがえていなかったけど、おじさんたちによろこんでもらえますように、っておねがいをしました。
神社におまいりしたあとは、九夜山にのぼります。
ここからだと4つののぼりかたがあって、1つは神社のとなりから山をのぼる道、2つめは橋から下におりて、車のとおる道路をとおって寝子島温泉まで行ってから山道をのぼる道、3つめは橋をそのまますすんで、千年杉の近くをとおる道、さいごはロープウェーです。でもさいしょの道はあんまり何もないです。
じつはおじさんたちは、きょうは九夜山にのぼったら寝子島温泉で1ぱくするよていだったみたいでした。あしたは森繁美術館とか映画村に行って、それからあまりおそくならないうちに川崎にかえるらしいです。
寝子島駅のちかくにお昼のおいしいお店があったらおしえてくれって言われたので、『おにざき』をしょうかいしました。メニューはあるけど、メニューにないものもおねがいすると作ってくれます。でもときどき、メニューにあるのにざいりょうがなくて作れないばあいもあります。へんなお店です。でも、たばこがちょっとくさいときもあるけど、おいしいです。あと、かってに大もりになって出てくることもあります。へんです。
だから、もしおじさんたちが大もりにされておなかがいたくなったときのために、近くに『アネモネ』っておくすりやさんがあるよっておしえておきました。
ちょっと話がそれたけど、おじさんたちはさいごに寝子島温泉に行かなければならないので、わたしたちはおじさんがもってたちずも見ながら、まず千年杉まで行って、そのまま九夜山頂上展望台まで歩いて、かえりはロープウェーで砂掛谷でおりて、寝子島温泉までまた歩くことにしました。
寝子島神社のさい初のとりいを出たら左にいくと(出るときにも神社におじぎするのをわすれずに!)、耳福池っていう池があります。あひるが泳いでいたので、おねえさんが写真にとっていました。
そして、耳福池をすぎると、下を道路がとおっている橋があります。歩く人はかいだんをおりると下の道路に行けます。橋をわたってからだと、ロープウェーの駅の駐車場をとおって道路のはんたいがわにおりれます。でも今回はどっちにも行かずにまっすぐすすみます。
道は、さい初はちょっと下がってから、またちょっと上がります。それからもう1回ちょっと下がると、橋があります。でも橋はけっこう高いので、左がわの2つの川が合わさるとこも、右がわの海の波がせまいとこにおしよせてくるとこもきれいだけど、下を見ることになってこわいです。
わたしはこわいから橋のまん中しかとおれなかったけど、おねえさんがおそるおそる、下をのぞきこみました。するとおにいさんが、うしろから「わーっ!」っておどかしました!
おねえさんは「きゃーっ!」ってひめいを上げて、それから何か早口でおにいさんにおこってました。するとおにいさんは、またとつぜん「わーっ!」ってさけんでおねえさんをおどかしました。おねえさんはまた「きゃーっ!」っておどろいて、おにいさんをつきとばして先のほうへにげていきました。おにいさんはそのあと、しばらくおねえさんに話しかけてて、たぶんごきげんをとろうとしていたんだとおもいますが、口をきいてもらえてませんでした。
この先は、いっきに山道がきつくなります。
ぐねぐねした道をしばらく行くと、まん中に木のはえた広場にたどりつきます。ここをまっすぐ行くとロープウェーの駅のほうへ行って、右に行くと千年杉のとこへ行きます。でも千年杉は、ここからだいぶ下がったとこにあります。せっかくのぼったのにまたおりなきゃならないので、ちょっともったいないです。
千年杉は太いです。おねえさんがそのそばによって、わたしに何か言いました。わたしは言葉はわからなかったけど、おねえさんが手まねきしていたので、こっちきてって言ったのがわかりました。
それから、おにいさんとおねえさんとわたしで手をのばして、木をかこもうとしました。でも、せの高さのせいでわたしの手がななめになったせいで、ちょっとたりません。
おにいさんがおもいついて、ちょっとしゃがみました。それでおねえさんにもたぶんしゃがむように言いました。おねえさんもしゃがんで手をのばして、「きゃーっ!」って言いました。わたしの見えないとこで、2りの手がさわったみたいです。そういえば2り、もうなかなおりしてたみたいです。
おじさんもまぜればもっとかんたんだったけど、おじさんは木かげで休んでいました。けっして、なかま外れにしたんじゃありません。
つかれたのですこし休んだら、またきた道をのぼります。そろそろわたしも入れてみんなつかれてて、ときどき休みながらです。
わかれ道の広場につきました。ここももうかなり高いけど、九夜山はもっと高いので、くじけそうです。のみものがたりなくなったのも、けいさん外でした。
しかたないので、この先は、行きとかえりを逆にすることにしました。
かいだんをおりると砂掛谷のロープウェーの駅があるので、自どうはんばいきでジュースをのみました。展望台前駅には自どうはんばいきはないので、ここでかわないといけません。ジュースのお金もおじさんが出してくれました。
それから、展望台前駅までのきっぷをかいます。またお金をはらうのはおじさんの仕ごとで、きっぷのボタンをおすのはわたしの仕ごとです。
きっぷをかったら、ロープウェーにのります。ゴンドラが大きいので、わたしたち以外の人ものるので、あんまりさわいじゃいけません。
なのに外国の2りは、ロープから外れてたゴンドラがロープにのって、ぐんとかそくしたしゅんかん、大きな声でかんせいを上げました。しかも、駅のたてものから出て下に森が広がったしゅんかん、また大きなかんせいを上げました。ちょっとはずかしかったです。
右のうしろのほうを見ると、さっきの広場がとおざかっていくのが見えました。そこからぐねぐねとした道がのびていて、と中、森の中にかくれたりもするけれど、ゴンドラが行く先まで道がつづいているのがわかります。外国の2りはそれに気づいてまたさわぎ出しました。
まえをみると展望台前の駅のたてものが見えるけれど、それは展望台ではありません。ここからは展望台は見えません。
森の上をしばらく行くと、こんどは左にも道があったのがちょっとだけ見えます。これが、さい初に言った、寝子島神社のとなりから山をのぼる道です。やっぱり外国の2りは大さわぎしてます。
そういうけしきを見ていると、ゴンドラは駅に入りました。ゴンドラがロープから外れて、ドアがひらきます。
おりてからしばらくして、ようやく外国の2りはしずかになりました。
ここからはまた上りになります。でもみんな、ロープウェーの中でしばらく休めたので、すこし元気になりました。
駅の名まえは展望台前なのに、駅から展望台まではものすごくとおいです。ロープウェーを作った人は、名まえを「展望台ずっと前」にすべきだったとおもいます。
そんな話をして、「だよねー?」っておねえさんに言ったら、おねえさんはおじさんに英語で何かききました。おねえさんが日本語できないのを、すっかりわすれてました! でもおじさんが言うには、おねえさんは英語で「そうだねー」って言ってたみたいです。
この先はかなりきついです。さい初、おじさんがちょっと太っていたので1ばんおくれて、外国の2りはまん中で、わたしだけ先に行って「はやくー!」ってみんなに手をふっていました。あと、山ではすれちがった人にあいさつしなきゃいけないので、みんなにも「こんにちは!」って元気にあいさつしてました。
でもと中から、さすがにわたしもつかれてきました。すこし休んでたら外国の2りにおいつかれました。あわてて走ったらまたつかれて、けっきょくおいぬかされてしまいました。くやしいです。
もうおいつくのはむりだったので、ゆっくり歩きました。そしたらいつのまにか、おじさんまですぐうしろにいました!
ゴールまではあとちょっとだったので、がんばってまた走りました。そのおかげで、おじさんよりは10びょうくらい先に展望台の入口までつきました! でもちょっとくるしくて気もちわるかったです。
九夜山展望台からは、寝子島がほとんど見えます。あと、三夜湖も上のほうから見えます。でももうかなり夕方になっていたので、三夜湖は半分くらいが九夜山のかげになっていて、くらくてよく見えません。もっとはやくに来ればよかったです。おじさんたちもざんねんがっていました。あしたの朝、もう1ど来ればいいとおもいます。
三夜湖は見えにくかったけど、シーサイドタウンのほうはよく見えました。たてもののコンクリートが白く光ってて、そのむこうには波がきらきら光っています。さらにその先に、小さく船が見えました。でもほんとは大きな、かもつ船かタンカーだとおもいます。
旧市街のほうを見てわたしの家をさがそうとおもいましたが、ちょっと小さくてわかりませんでした。おじさんたちにも見せたかったのに、ざんねんです。
ほかにも、色んなものをさがしました。
大観覧車や寝子島モールはすぐに見つかります。星ヶ丘のヨットも目立ちます。
まえに、わたしはねこでん用の絵をかいたのですが、そのときも大観覧車とヨットはかきました。おじさんにその話をしたら、ぐうぜんそのねこでんにのったって言われました! きゃーはずかしい! いろいろかきわすれてたのに!
でもおじさんは、ほんとにぜんぶかいちゃったら、じっさいに見るたのしみがなくなっちゃうって言ってました。だから、あれくらいでちょうどいいんだそうです。なるほど!
色んなのをさがしていたら、いつのまにかかなり夕方になってきました。気づいたら、三夜湖がかんぜんにかげにかくれていました。
そろそろちょっとさむくなってきたので、かえることにします。でも、うごいてればさむくはならないので、よていどおり歩いて寝子島温泉まで行きます。そこまで行けば、あとは道なりにおりて、寝子島神社にもどって、そこから家までかえるだけなので、おじさんたちとわかれてわたし1りでも大じょぶです。
まずは、のぼってきた、駅までの道をもどります。夕方なのでおりる人ばかりで、もう、だれともすれちがいません。
さい初はさむくてゆっくりでしたが、だんだんあったまってくるのでかけおりられるようになります。でも、おじさんたちが走らないので、1りで走ってもあんまり意味はありませんでした。下りのほうがあぶないからだそうです。でもわたしは、のぼるほうがつかれるのであぶないとおもいます。
駅までのはん分くらいのとこにわかれ道があって、そこを左にいくと寝子島温泉に行けます。わたしがそのすこし先でおじさんたちに「はやくー!」って言ってるのに、おじさんたちは駅へのわかれ道のとこで立ちどまって何か話をしてました。
いそがないと夜になっちゃうので、立ちどまってるひまはありません。なのにおじさんは、わたしにもどってこいって手まねきしています。これ以上じかんがすぎるといけないので、わたしは「はやくしないとおいてっちゃうよー!」って言って下にむかってかけ出しました。わたしも1りだとさびしいけど、こうしてむりやりにでもおいかけてもらわないとぜったいに夜になるので、がまんします。
ちょっと先に行っただけだとおじさんたちがあん心して、またゆっくりになっちゃうので、わたしはだれもいない道をいそいでかけおりました。それから道ばたの石を見つけて、そこにすわっておじさんたちをまちました。
しばらくすわっていると、石のつめたさがおしりにつたわってきます。でも、わたしはどうやら先に行きすぎちゃったらしくて、おじさんたちは全ぜんきません。
わたしはとても不あんだったので、山のほうにむかって「はやく来ないと行っちゃうよー!」ってまたさけびました。それから、こんどは走らずに、ふつうに歩いて下にむかいました。でもいそがないとっておもうと、だんだん足がはやくなっちゃいます。
空はまだあかるいけれど、山のかげになった山道は、だいぶくらくなってきました。わたしはもう1ど、山にむかって「はやくー!」ってよびかけました。でも、へんじはありません。まるで、おじさんたちが山からいなくなっちゃったみたいでした。
このままだとおばけがでてきてわたしをつれさってく気がしたので、わたしはこわくてまた走りだしました。風がふいて、はっぱががさがさ音をたてて、びくってなりました。
それが、走ってるさい中だったので、バランスをくずしてころんじゃいました!
大きめの石がひざにぶつかって、じゃりが手のひらにくいこんで、とてもいたいです。さい初は、ひざのお皿がわれたんじゃないかってくらい、いたかったです。でも、わるいのは走ったわたしだし、それにわたしはもう1年生のおねえさんなので、なかずにがまんします。おじさんが、下りのほうがあぶないって言ったのが、ちょっとわかりました。
でもいたくて、このまま歩けなくなるんじゃないかっておもいました。おそるおそるひざにさわったら、お皿はわれてなさそうだったので大じょぶそうだったけど、それでも2どと歩けなくなって、おじさんたちも来なくて、ずっとここで1りぼっちになったらどうしようって不あんになりました。
もしそんなことになったら、わたしはもう、おかあさんのおりょうりもたべられないし、学校のみんなともあえないし、それにここは夜になると、きっととてもさむいです。わたしはそんなのはいやなので、まだひざはいたいけど、がんばって立ちあがりました。
1ど立ちあがると、何だかちゃんと歩けるような気がしてきました。さっきよりはゆっくりだけど、わたしはまた歩きだしました。
気づいたら、わたしは、千年杉とのわかれ道についていました。
しまった! こっちの道はまちがいです。と中で右にいかないといけません。
ひざはもうあんまりいたくなかったけど、まだ走るといたかったので、すこしいそぎめに歩いて、来た道をひきかえしました。いそぐとすこしだけいたいけど、しかたないのでがまんします。
わかれ道にきました。でもわたしは1つ、じゅう大なことをわすれてました。
それは、おじさんたちがもうこの道をとおったのかどうか、わからないことです。
わからなかったので、ちょっとだけ下のほうをのぞいて見たり、ぎゃくにしばらく上のほうを見にいったりしました。でも、おじさんたちは見つかりません。
もし、おじさんたちがまいごになってたらどうしよう、っておもったとき、わたしはきゅうにおもい出しました。
そういえばおじさんたちは、ちずをもっていました! だからおじさんたちはゆっくりかもしれないけど、道をまちがったりはしないはずです!
だからわたしは、1ど砂掛谷の駅に行くことにしました。外国の2りがめだつので、駅員さんにきけばとおったかどうかわかるはずです!
そうときまったので、わたしはひざがいたいのもわすれて、駅まで走りました。と中の石のかいだんのとこだけはゆっくりになったけど、それからはまた走ります。
すると、駅のたてもののとこに、おじさんと外国の2りがいました!
おーい、って手をふりながらおじさんたちのとこへ行ったら、おじさんたちも手をふりかえしてくれました! でもそのあと、かってに先に行って、あぶない目にあったらどうするんだっておこられました。だから、ころんでひざをぶつけて手をすりむいたことはひみつにしました。
おにいさんに、かみのけをわしゃわしゃなでられました。そのとき、すごく力づよかったので、きっとものすごく心ぱいさせてしまったんだと思います。おじさん、おにいさん、おねえさん、ごめんなさい! でもみんなぶじでよかった!
じつはおじさんたちも、わたしとおなじようなことをかんがえて、駅員さんにわたしを見なかったかきいてたらしいです。駅員さんにもめいわくをかけてしまったので、わたしは駅員さんにもあやまりました。
道はもうすっかりくらくなっていたけど、ここまでくればあとは寝子島温泉まではすぐです。さい初ちょっとだけ、あかりがすくなくてくらい道がつづくけど、すぐに宿のあかりが見えてきます。
もうかなりおそくなったので、おじさんが宿で1どわたしの家にでんわして、おとうさんに車でむかえに来てもらったほうがいいってことになりました。わたしは1りでも大じょぶだとおもったけど、おじさんがそうしろって言うのでそうします。
だから、4人で宿にむかおうとしたら、おじさんがおまわりさんによびとめられました。何かじけんがあったのかな、っておもっておまわりさんにきいてみたら、わたしが学校に行かなかったのでみんながわたしの家にでんわしたので、わたしが家にもいないことがわかってゆくえふめいじけんになっていたらしいです。だからおまわりさんはおじさんのことを、ゆうかい犯だとおもったみたいでした。
わたしはおじさんたちを寝子島あんないしてただけってことを一生けんめいせつめいして、ごかいはとけました。でもわたしはおまわりさんに、「そういう時はちゃんとご家族に連絡しなさい」っておこられました。
そしてわたしは、パトカーにのって家までおくってもらえることになりました。パトカーにのるのは初めてなのでわくわくしていたら、「ちょっとは反省しなさい」ってまたおこられました!
おまわりさんがおとうさんとおかあさんにはでんわしてくれたので、2りとも家のまえでまっててくれるみたいです。
家についたら、わたしはきっと、おとうさんとおかあさんにものすごくおこられるとおもいます。でも、みんなにめいわくをかけてしまったので、しかたないとおもいます。
でも、おじさんたちには寝子島をたのしんでもらえたとおもいます。
なのでわたしはいまから、じしんをもっておこられてきます!
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・浅葱眼鏡店
・神無組
・こどもの家 うれしの
・神野文房具店
・定食屋 おにざき
・西野町とうふ店
・薬局 アネモネ