柔らかな陽射しが差し込む穏やかな昼。
清んだ空気が周辺を満たしており
野生動物が時折、喉を潤しにやってくる。
ある少女は静かに語る。
「この泉には妖精達がすんでいるの。
貴方に姿が見えないだけで
ちゃんとここに存在しているのよ。」
*昼の雑談トピックです。
*独り言や探索にもどうぞ
(ふふ、と笑い)
まあ、それなりにね。
こんにちは。こんな山奥に何か御用でも?
(湖畔で人影を見つければクイッとその方向に頭を向けて)
「こんにちは。私がこんな所にいるのがそんなに珍しいかしら?」
(何て言葉をかける。少なくとも、今しがたここに来たばかりなので今までどんな内用の話をしていたかは解らずに)
(仮面の少女の姿を確認し、目を丸くする)
あらまあ…。
(何か物珍らしい生物を見たとでも言うような反応)
(ふらりと現れる白い仮面の少女)
シンプルなのが一番よね。
そうでないとこんがらがって抜け出せなくなるし。
まあ、問題はずっと幸せが続くほど
現実は甘くないってところなんだけど。
なんとも残酷なお話。
私は不完全なものも悪くないと思うけど、そうね…。
ピースが足りないパズルなんかは嫌いだわ。
推理させる気のない推理小説も嫌い。
過剰なものに関しては…。
ロリータ服を着ている身で言うのもなんだけど
装飾過多は良くないと思うのよね。
宝石のついた指輪を幾つも見に付けたりとか
そういうのって下品だと思うわ。
ハハハ、そうね。「おはなし」と現実を一緒にしちゃダメだよ。
「おはなし」は眺めて楽しむためのウソなんだから、その内容が面白ければ、いくら不幸になったって構わない。
現実は、過程なんてどうでもいいからハッピーが続く方がいい。
シンプルだね。
不完全なものがあったら、モノにもよるけど、完全な状態に近づけたくなるかな。
めんどくさいから実際に手を出すかはまた別問題として。
不必要だったり過剰だったりするのも、削りたくなる事がある。
それは分かっているのだけど、うーん…。
時間を拘束されるっていうのは確かにあるわよね。
ご都合主義はなんだか嘘くさく感じたり違和感があって
私もあまり好みではないかな。
一流のバッドエンドより三流のハッピーエンド
なんて言葉もあったりするけど
それならもういっそバッドエンドで終わる方が
ずっと収まりが良いじゃないって。
現実でならまあ、それぐらいの夢はあってもいいんじゃないかとも思うけれど。
機械仕掛けの神様が全部なんとかしてくれました(デウスエクス・マキナ)ってね。
完成された構造か…。
というと、不完全なものは余り好きじゃない?
えー? 化学式なんて結晶体の設計図みたいなもんだよ?
実物は目に見えないサイズだから化学式で表してるだけで。
あたし、テレビとか映画はあんまり見ないんだ。
本を読むのがけっこう早いから、時間を固定されちゃうのが、なんかタルくってね。
時間とか間も含めての表現技法だってのは、理屈では分かるんだけど。
ハッピーエンドでもバッドエンドでも、そこに至る流れが面白くて納得できれば、満足だわ。
ご都合主義なハッピーエンドはあんまり好きじゃない。
なんとなく「これは可愛いものなんだろうな」って認識はあるのよ。
ただ、なんていうかね、それがイマイチ魅力として感じられない。
あたしがきれいなものが好きなのは、それが完成された構造を持っているからなんだよね。
結晶は好きだけれど、式の美しさとなると…。
漫画もアニメも好きだけど、どちらかというと小説の方が好みね。
ハッピーエンドもバッドエンドも、どちらも好きよ。
可愛いものは色々あるけど、わかりやすいものだと
リボンだとかフリルだとか動物だとか…。
きれいなものはあたしも好きよ。
結晶とか化学式とか、ああいう構造がきれいなの大好き。
純粋数学の数式あたりになってくると、ちょっと守備範囲外だけど。
夢は必要よね。あたしは薬を作る事で、人の夢を叶えてきたつもりよ。
本も好き。資料だけじゃなくて、小説とかマンガも読むし。
んー、可愛いものは、正直よくわからないかな。
私が好きなものっていうと…。
可愛いものに綺麗なもの。
後は夢見る心に物語、かしらね。
パテントはいくつか持ってるよ。今みたいに薬局を開店するくらいの余裕はある。
ただ、興味があるかって言うと、あんまりないんだよね。
研究資金はある方がいいし、設備なんかも整っているに越した事はない。
でもそういうカネの話はあくまで手段であって、それ自体を目的にする気はないなぁ。
あたしが好きなのは、あくまでも薬だから。
ちなみに、あんたは何が好き?
まあ、それを受け取って口にする方からすると不意打ちだけどね。
有難い話ではあるけれどお気持ちだけで充分よ。
食べさせたいと思う相手もいないし
宝のもちぐされになってしまうわ。
需要は充分過ぎるほどあるでしょうし
特許を取ればお金持ちになれそうな気がするのだけど
そういうことには興味がないの?
今回の仕組みを使うなら、一番確実なのは、チョコに混ぜたりしないで薬だけを直接飲んでもらう形なんだけど、それじゃさすがに怪しすぎるからねえ。
何に混ぜても効果が出るようにするなら、何か別の仕組みを考えないと。
ただ、どんな仕組みにせよ最終的には相手に飲ませないと意味がないから、バレンタインみたいな食べ物をプレゼントするイベントってのは、ちょうどいい機会だと思うよ。食事に誘ったりするよりはハードルが低いでしょ。
ん? ほしいの? 送料込みで1500円で売ってたけど、シーズンも過ぎちゃったし、手渡しなら1000円でいいよ。
あんまり安いと信じてもらえないし、かと言って高すぎて売れないんじゃ意味がないから、そこそこの値段に抑えといたわ。
もともと趣味みたいなもんだから資金の回収は目的じゃなかったけど、結果としては充分な黒字ね。
物語なんかだと何に混ぜても効果がある様な
惚れ薬が登場したりするけど
そういったものを作ろうと思うと
匂いに関連づけるという仕組みは使えなくなるのでしょうね…。
因みに、一つ幾らで販売していたの?
そうね、ロマンよ。
原理は簡単に思いついたんだけど、それを実用可能な状態まで持っていくのは、それなりに手間がかかったね。
この惚れ薬チョコは匂いの記憶をトリガーにして脳内物質を分泌させるワケだけど、そのままだと相手の体臭よりもチョコの匂いの方がトリガーになっちゃうから、チョコの匂いを認識から除外させるのが一番厄介だったかな。
でも、チョコの匂いだけ除外させればよかったから、製品化可能だったんだと思う。
何に混ぜるかわからない状態で、ほかの匂いの可能性も考慮してたら、キリがないからね。
ロマンがある、というやつね。
作り出すのはやっぱり大変だった?
ん~、興味があったから、だね。
実際に自分が使いたいからとかじゃなくてさ、
大昔から人類が存在を夢見て憧れ続けてきたものが、自分の手で現実に作れたら、胸が躍らない?
メカニズムとしてはそんなに複雑なモノでもないしね。幸福感情を発生させる脳内物質の分泌と特定の体臭の記憶を連動させて……なんて言うと夢がないかな。
その方がいいのよ。
人の心を惑わすようなナニカなんて
夢の様なものである方がいい。
何故そんなものを作ろうと思ったの?
医療研究の一環?
ハハハ、ジョークグッズ扱いかぁ。そりゃ残念だ。本物なんだけどな。
まあ、真剣になりすぎちゃうよりはそのくらいの方がいいのかもね。