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秋雨に濡れ
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【雨に疼く】
ぶるる、と震える身体。すっかり濡れネズミな
呉井 陽太
は、その辺の軒先で雨宿り。
学校帰りに降り出した頃、しっかりと持ってきた傘が、いざその時に壊れて開かなかったのは、悲しい誤算ではありましたけれど。
「すぐ近くだからサー。ほら、コイヨー!」
「……いいの? それは助かるよぅ」
「オッケー、陽太くん確保ー☆」
冷えた肌に、腹のあたりがずきりと痛み出した頃。
通りがかりの友人、
志波 武道
のお誘いの言葉は、大変にありがたいものでした。彼は近くのお米屋さんに下宿していて、雨が上がるまで、しばし自室に上げてくれると言うのです。
今もお手伝いとして、お米の配達に出ていた帰りだという武道は、大きな傘に陽太を招き入れ、さっそく歩き出しました。
いくらも行かないうち、到着した彼の下宿先は本当にすぐ側で、武道は勝手知ったる様子で入り口の扉を開くと、
「ただいま戻りましたー! さっ陽太くん、入ってハイッテー遠慮なくサ!」
「うん、じゃあ、上がらせてもらうよぅ……お邪魔しまーす」
声をかけると、程なく奥から、おかえりー、いらっしゃーい、なんていう声が届きます。
武道は濡れた靴、それに靴下を脱ぐと、
「そこの先が俺の部屋だからサ、先に行って待ってて、今タオルとかモッテクカラー!」
「はーい、ありがとねぃー」
足早に洗面所らしきところへ消えていく武道の言葉に、陽太は控えめに、彼の指差した部屋の扉を開きました。
陽太には少し、気になっていることがありました。
武道の世話焼き気質については、陽太ももちろん、彼を知る人間なら、大抵知っているところです。誰にでも優しく、面倒見が良くて。頼られ、信頼されていて。
今日だってこんな風に、傘が壊れて困っていた陽太を、躊躇いもなく自分の部屋へと上げてくれて。
だからこそ、なのでしょうか?
陽太には時に、彼がそうして人の為にと思うあまり……自分のことを、ひどく蔑ろにしているように見えることがあるのです。
「オッマタセー☆」
ぱたんと扉が開いて、入ってきた武道の手には、ふかふかのタオル。
「さーって、まずは身体拭いちゃおう。着替えは俺の服でいいかな、なーに後で返してくれればいいから」
「ありがとねぃ……っていうか、良く見たら武道君のほうがズブ濡れじゃん! そっちから先に拭きなってー」
「いやいや、俺のことはいいってイイッテー! ほらほらー☆」
「ちょ、ま……」
わしわしわし。少し強引に、武道は陽太の髪をわしわしと拭いてくれようとするのですけれど。確かに見れば、慌てて軒下へ駆け込んだ陽太に比べて、雨の下を走り通しだった武道の身体は、ぐっしょりと濡れています。
「早いトコ拭いちゃわないと、風邪引いちゃうゼーイ! ほれほれー……」
「……っ、だーーーっ!!」
「おおうっ!?」
唐突に、タオルと武道の手を振り払って叫んだ陽太に。武道は面食らった様子で、目を丸くしました。
陽太には、気になっていることがあったのです。
「まったくもう……何で武道君は、いつもそうなんだ!」
「ええっ、な、何がー!?」
「人のことばかりで、自分のことは何でも後回しで。自分のこと、軽く見すぎだよ……もっと自分にも、気を使いなよ!」
しん、と。
刹那の沈黙が、二人の間へと横たわります。聞こえるのはぽつぽつと、雨の音だけ。
もちろん、武道の他人を思いやることができる優しさは、彼の良さではあるでしょう。けれど陽太には、どうにも、そのために彼が自分をどこか軽く見ている節があることに、気付いていたのです。
そうすることで、まるで、自分を罰そうとでもしているような……。
「……そう、だな。確かに……そうかもしれない」
「あ……」
陽太がはっと我に返れば、武道の、いつに無く張り詰めた表情。
「う、うわ、言い過ぎたごめん!」
思わず苦し紛れに、陽太はタオルをひったくると、武道の濡れそぼった髪を、わしわしわし。
「……ピャー! 髪が、髪が逆立っちゃうぅぅぅ!?」
武道が沈んだ顔を見せたのは、ほんの一瞬でした。すぐにいつも調子を取り戻すと、
「イヤーッ、心配してくれてアリガトネー! んじゃお言葉に甘えて、洗面所で着替えさせてもらうカナー。ついでに温かい飲み物でも持ってくるからユックリシテテー、あっお部屋の家捜しとかしちゃダメよーハズカシイカラー!」
「しないってばー。替えの服ありがと、ありがたく借りるよぅ」
ぱたぱたと、武道が出て行ってから。
「はぁー……やっちゃったなぁ」
気になっていたことは確か、けれど少々、強く言い過ぎてしまったようです。
「……痛っ」
雨のせいでしょうか。濡れた上着を脱ぐと、再びじくりと、古傷が痛みました。
トレイに乗せた二つの湯呑み。温かいお茶から、ふわりと湯気がたなびきます。
(陽太くんに、あそこまで言わせるとは……だめだな、俺は)
時折、そんな風に言われることはありました。
武道にも、自覚はあるのです。おちゃらけた仮面で取り繕う自分の中に、確かに、隠し切れない弱さがあることを。
いくつかの出来事、あるいは事件の類で共に行動するたび、陽太はそんな武道を、心配してくれていたのでしょう。武道はそれに感謝しつつ……同時に、彼へ不安をかけている不甲斐ない自分を、改めて心の中で責めるのです。
(……っと、ダメだダメだ)
ぶんぶんと首を振り、武道は気持ちを無理やりに切り替えます。これ以上、友人に自分の自嘲癖を見られてしまうのは、どうにも格好が付きません。
に、といつもの笑顔を、頬に貼り付けて。武道は自室の扉を、あえて勢いをつけ、スパーン! と開けました。
「ヘーイお待たせー、モドッタドー! ……!?」
「……………………」
「……………………」
……ぴしゃり。扉を閉めて、すー、はー。深呼吸。
着替え中の陽太。半裸の上半身。目に付いたのは……。
再びするりと扉を開き、努めて明るく、気にしない風を装いながら、
「イヤーッごめんゴメンまだ着替え中だったかーゴメンヨー!」
「はは。見られちゃったね」
「……はい、バッチリ……」
誤魔化しは利かず。バツが悪そうな苦笑いを浮かべ、改めて着替えた陽太が言うと、武道も素直にうなずきました。
陽太のお腹、目立つ古傷。それは彼が、周囲にはずっと隠し続けていたもの。
「……それって。俺が聞いても、良いやつか?」
「んー……これは小学生の頃に、ちょっとね。話すと少し長いんだ。だから……」
見られたものは仕方が無い、なんて投げやりな風には、武道には見えませんでした。
ただ陽太は、しばしじっと彼を見た後に。少し笑って、言ったのです。
「今度、話すよ。聞いてもらえたら、少しはラク、かな」
「そっか。なら、陽太くんが話したくなった時に。いつでも」
武道も、にっと、いつもの軽い調子とは少し違った笑みを返して。
これでお互い、持ちつ持たれつ。心配したり、されてみたり。そんな、得がたい友人同士。
二人は湯呑みを取ると、湯気の立つ熱いお茶をずず、と一口飲んで、同時に。じんわりとあたたかい気持ちに、ほう、と息を吐きました。
「「……しみるねぇ」」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月26日
参加申し込みの期限
2014年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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