this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
秋雨に濡れ
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
【雨に繋がれて】
窓にぶつかりぱたぱたと、止め処なく小さな音を立て。雫は尾を引きながらガラスを滑り落ち、他の雫と混ざり合って、窓枠の下へと流れ消えていきます。
窓際の誰かの席をちょっぴり借りて、
三宅 葉月
は、教室でひとりきり。
頬杖をついて、物憂げに外を眺める彼女の横顔には、薄く雲に遮られながら届く光がほのかな陰を落としていて、どこか神秘的。少しばかり気だるそうな表情が、どこか近づきがたい、声をかけがたい……そんな空気を醸し出していました。
放課後の雨宿り。灰色に、暗く沈んだ空。
けれど葉月は、そんな雨の日が、嫌いではありませんでした。
ふいに感じる人の気配に、葉月はゆっくりと振り向くと、
「傘忘れちゃって、帰れないのだ? 大変そうなのだ真央ちゃんも早く止んで欲しいのだ~」
どこか静謐にも思える空間へ、躊躇い無く足を踏み込んできた
後木 真央
。物怖じしない彼女は、室内練習の合間にふと葉月を見かけて興味を惹かれ、一休みがてらに声をかけてみたようです。
「校内ランニングはおネコさまに会えなくて寂しいのだ、イヤーな雨なのだ」
「……そうなの? 大変ね。でも、私は雨って、嫌いじゃないのよ」
ひとりの時間に割り入ってきた真央に、一瞬ぴくりと眉を震わせたものの。けれど葉月は、彼女を邪険にするでもなく、ただアンニュイな顔を浮かべて、
「雨って。何故、降るんだと思う?」
単なる時間つぶし。ふとそんな言葉を語ってみたくなったのも、きっとこの天気のせい。
きょとんと怪訝な顔で首を傾けた真央へ、葉月は続けます。
「私、雨は嫌いじゃないわ……何故って、一瞬だけ。この煤けた世界を洗い流して、綺麗にしてくれるから」
ふっと外へ、遠くの空へと視線を投げて。
人々が生きる街。山や川、海、あるいは空などの自然。この世界の全て。時を経るにつれ、それらは汚れたり、色を薄めたり……あるいは、強く濃くなりすぎて目に痛いほどの色彩を、一度まっさらに洗い流す。あるいは澱んだ空気を押し流して、澄んだ清々しいそれへと入れ替える。
そのために、雨は降るのだと。
彼女は、語るのです。
「そうしないと……世界は澱み、濁り、混ざり合い。重苦しく溜まった空気、どぎつく混ざり合った色彩に、みんな押し潰されてしまう」
「お、おお~なるほど……ちょっと分かる気もするのだ。雨が上がった後って、確かにすっきりするのだ気持ちがいいかもなのだ」
「でしょう?」
人と接することに積極的ではない、葉月。常に周囲へ一定の距離を置く彼女が、
「真っ白に洗われた真新しいキャンバスへ、再び色を乗せていく。そんな感覚も悪くない。だから……私は、雨が嫌いじゃないの」
ちらと見せた微笑。お喋りが大好きな真央も一瞬、その不思議な魅力に呑まれたように、言葉を噤みました。
やがて、練習に戻るという真央が、手を振りながら行ってしまった後。
葉月は、取り出したスケッチブックと色鉛筆で、真白いページへとさらさら。思うまま筆を走らせ、絵を描きます。
ずいぶんと煤けてしまったように思える、自分。その色彩、輪郭の全て。それらを改めて、新しいページへと描き出すかのように。
そうして彼女は、雨の放課後を過ごすのです。
今日もまた、
御巫 時子
は五十嵐先生へ、お弁当を差し入れ。
天気の良い日、お昼時に開け放したカーテンの向こう。窓から差し込む日の光に、ほんのりと照らされる先生の横顔を眺めているのが、時子は好きです。
天気の悪い日、さあさあという雨音に耳をくすぐられながら、少し暗い室内に灯る蛍光灯の光を浴びている先生の、ふとした時に浮かべる笑顔が、時子は好きです。
先生はあまり口数が多くありませんけれど、どんな日でも変わらず、いつも自分の作ったお弁当を食べてくれます。
だから時子は、
「雨の日だって風の日だって、私は元気元気っ! 時子ちゃんは? 雨って、好き?」
野々 ののこ
のそんな問いにも、先生の顔を思い浮かべながら、にっこり微笑んで。
「私は、晴れの日も、雨の日も……曇り空も、雪景色も。みんな、好きですよ」
そう答えるのです。
届けたお弁当箱を、放課後に取りに行った帰り。手には、すっかり軽くなった箱。先生の言ってくれたお礼の言葉に、じんわりとあたかかくなった、胸の奥の感触。
ちちち! と鳴いた二羽の小鳥たちは、理科室を出たところの、廊下の窓辺で出会いました。良かったら、一緒に帰りませんか? そんな風に話しかけてみたら、小鳥たちは喜んでぱたぱた、時子の肩の上へ。
玄関でばったり会ったののこに声をかけて、小鳥たちと一緒に、時子は帰る前に少しばかり、他愛の無いおしゃべりに花を咲かせています。
「そういえば、もうすぐ体育祭ですね……」
「うんー。雨は嫌いじゃないけど、当日に降っちゃったら、ちょっと困っちゃうよね」
「そうですね……晴れると良いですけれど……」
「グラウンドもびしょびしょだし。さっきも、真央ちゃん悲しそーな顔してたなぁ……うー、ぶるる。ちょっと、寒いね」
「あら……温かいお茶がありますよ。良かったら、いかがですか……?」
雨にしんと冷えた空気に、少しばかり身体を震わせたののこに、時子は取り出した水筒から湯気の立つお茶を注いで、手渡しました。
「わぁ、ありがとう! ……んー、あったまる♪」
「ふふ、良かったです……」
ふと肩の上を見れば、小鳥さんたちも羽を縮こませて、ぷるると震えています。降りしきる雨は冷たくて、あたりの空気も少しばかり、ひんやりとさせているようです。
時子がそっと手を添え撫でてやると、二羽は身を寄せ合いながら、あたたかい手のひらの中へと収まり、ぬくぬく。
ぽつりぽつりと、玄関の屋根から滴り落ちる雫。しっとりと優しい音は、しばらく止む気配はありません。
「……上がりそうにありませんね。ののこさん、良かったら、一緒に帰りましょうか……? 今日は、旧市街に用事がありますから……」
「あ、うーん。嬉しいけど……あはは、私、傘忘れちゃったんだー」
「そうだったんですか。それなら……」
取り出した折り畳み傘を、ぱ、と広げて。
「相合傘も、きっと楽しいですよ……?」
にこ、と笑えば、ののこの笑顔も輝きを増します。
時子の持ってきた傘は、少し小さいものでしたけれど。自分と、ののこと、二羽の小鳥さんが雨の中を歩くには、きっと十分。
教室の窓の外を眺めながら、さらさらと色鉛筆を走らせる葉月。
ふと見れば、仲の良さそうな女の子が二人、小さな傘の中に身を寄せ合って、しとしとと降る雨の中を下校していきます。
葉月はしばしその様子を、何とはなしに見つめてから……さらさら、さらり。
スケッチブックには、色鮮やかに描き出された、ののこの明るい笑い顔。肩の小鳥たちに頬を寄せ、柔らかく微笑む、時子の姿がありました。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
秋雨に濡れ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月26日
参加申し込みの期限
2014年12月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!