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こびとになっちゃった! ~隠れ里に遺された落神伝説~
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●冬の崖2
サオラ――シダが崖を駆けおりる。
義経の鵯越もかくや、という勢いに、響也は歯を食いしばってしがみつく。
柊斗も<天を地に>で、壁を垂直に歩きはじめる。
「フッ、フッ……」
源一の筋肉も燃えている。
柳霞が支える蔦を伝って下りてゆく景貴は下を見て苦笑した。
たかが10メートル、されど今のサイズでは地獄の底並みに遙か下方だ。しかも強風で煽られるのが怖い。
こういう時に役立つろっこんが羨ましい、と思っていると、
「お先」
煙草を咥えたジニーが、<蜘蛛の糸(スパイダー・チェイン)>を駆使し、まるでワイヤーアクションのスタントのようにひゅんっと風を切って横切ってゆく。
洋美はジニーが細い鋼糸のみで軽々と崖を下りてゆく姿に嘆息した。
「それに比べて、私なんてよく分からないタイミングで浮かぶろっこんで、持ってる道具も料理で使ってた万能包丁だし……この状況じゃ何一つ万能じゃないよ……って、きゃー!」
悲鳴を上げたのは、うっかり<エアーウェイト>が発動して、身体がふわりと浮いたから。
「あっ!」
慌てて引き留めようとした途端、美弥子は鼻がむずむずして、大きなくしゃみをひとつ。
「はっくしょん!」
美弥子の<春一番>のせいで、ぶわっと大風が吹き、洋美の身体は糸の切れた風船みたいに煽られる!
「あわわわ……って劉さん?」
そんな洋美を救ったのはいつの間にか腰に巻きついていたジニーの鋼糸だった。
「そのまま降りて来い!」
洋美は鋼糸を手繰りながら高度を下げる。ジニーは洋美を引き寄せながらいった。
「ここからは共同作業と行こうぜ。怖いなら目つぶっとけ」
「こ、怖くなんかありませんよ」
洋美は岩棚を目指して浮き、ジニーは鋼糸で洋美がどこかに行ってしまわないよう繋ぎ留める。
真っ先に岩棚に辿り着いたのはシダと響也だった。続いて洋美が蝶のようにふわりと降り立つ。洋美の無事に安堵したジニーが。強靭な肉体のみで下りてきた源一が。景貴は柊斗の手を借りて到着する。その柊斗は、エリューシアが心配だからと崖の中ほどまで戻った。
待雪草は白い花びらを天使の羽根のように広げ、静かに佇んでいた。
景貴が柳霞から借りた折りたたみ式の鋸で花を切り取る。洋美も万能包丁で。
問題は帰り道だった。
なぜなら、黒いカラスが三羽、こちらを偵察するかのように遠巻きに旋回しはじめたからだ。
実際、偵察なのだろう。クローネがいれば、もう誰かのろっこんが暴走させられていてもおかしくない。
花が欲しいのか――否、もしかしたら彼らは知らないのではないだろうか、自分たちが探す宝の在り処を。
小さき者たちが先に宝を見つけてはいないか、それを確認するためだろうか、カラスたちはふいに呼吸を合わせ急降下してきた。
しかしこちらには飛行部隊がいる!
「こらぁっ! あたしの友達たちに何するべさ!」
真っ先に立ち向かったのは、魔女みたいに棒にまたがった澄佳!
<空飛ぶ散歩のお時間です。>は歩く程度の速度で空を飛べるろっこん。飛ぶ速度こそカラスには敵わないが、それでもカラスをけん制して飛びつつ、隙あらばぺしぺしと棒のお尻で叩いて回る。
「JET!」
マリナも<JETブースター>を発動。しっかりとしたつくりの登山靴の踵にスラスター――ロボットアニメにでてくるようなメカメカしい推進装置――を召喚し、噴射してカラスに突っ込んでゆく。
レースのショールを羽衣のようにはためかせた羽衣の額にはCDが括りつけられていた。
「カラスは光の乱反射が苦手なんだよね。これで光を拡散できれば……!」
これに応えたのは懐中電灯を持っていた柊斗だ。
「目を閉じて!」
羽衣は言われた通り、目を傷めないようきつく瞑った。
柊斗が羽衣に光を向けると、額のCDはそれを反射してキラキラと輝く。
その姿はまるで天の岩戸から現れ出でたアマテラスのように神々しい!
目が眩んだカラスはカァカァと鳴きながら距離を取ると、崖上の女子たちに標的を変えた。
「こっちに来たわ!」
モニカがカラスたちに強力な緑色の光を照射する。カラス撃退用に役所で買ったレーザーポインタで、光を見ると危ないのは周知済み。みんな充分気をつけている。
これで一羽は遠のいたが、しかし残りの二羽が躊躇わず突っ込んでくる。
エリューシアが必死に痴漢撃退用の催涙スプレーを吹き付ける!
柳霞も美弥子を守りながら、向かってくるカラスに向かってシナモンを撒いた。
景貴が持たせてくれたのだ。「危なくなったら、これを撒いて追っ払って下さい」といって。
カラスはシナモンの粉塵の中でバタバタと暴れた。
それが、美弥子の鼻にも入ったのだろう。
「は、は、はーっくしょん!!!」
またもや美弥子の<春一番>! カラスたちは大風に煽られくるくると墜ちる!
待ち構えていたのは飛行部隊!
「JET!」マリナは叫んでスラスターを肘に切り替え、拳を繰りだしたかと思うと、
「JET!」身を翻し、足に切り替えたスラスターの力を借りて蹴りを入れ、
「JET!」スラスターを踵に戻し、ジェット噴射を直にカラスに叩きつける。
翼を狙わないのはマリナの気遣いだ。
源一が家伝の飛礫術で、響也も<瞬間加速>でカラスたちに石を投げる。
礫の隙を縫って近づいたとしても、シダの激しい蹴りがカラスたちを襲う。
澄佳も棒の先で壁を蹴って勢いをつける。
「怖いけど、でも、あたしだって頑張らないとっ……!」
傷つけるんじゃなくて、邪魔する。飛行部隊の少女たちは勇敢で、優しい。
そのとき冬の崖に、妙なる歌声が響き渡った。
外国語の歌だ。
歌っているのはエリューシア。
(後で倒れてもいい……私に出来る精一杯を……!)
伸びやかに、美しい声が響き渡るように。
エリューシアは事前にみんなに説明していた。自らの<硝子のアリア>が、数秒間だけ、歌声の届く範囲にいる人物の意識を自分に向けさせるものであることを。残念ながらこのろっこんで『人物』でないカラスたちの気を引くことはできなかったのだが、しかし、その歌は狼煙の役目を充分に果たした。
(歌が聞こえても抵抗しろ、だったな。今がチャンスか!)
ジニーが鋼糸を操り空中へと飛び出す。
「俺が囮になるから先に行け!」
「そ、そんな……! な、何か私にできることは……そうだ!」
洋美が、がむしゃらに投げた包丁は当たらない。
しかしその隙を突いてジニーはカラスの足に鋼糸を巻きつけ、景貴に合図を送った。
「みなさん! カラスから離れて!」
景貴が「3!」といって指を鳴らす。
動きの鈍った3羽のカラスそれぞれの頭上に、伏せた向きで<魔法のボウル>が現れた。
かと思うと、それらは重力に従って真下に落ちる。
ジニーは鋼糸を繰って大きく跳躍し、寸でのところでそれを避ける。
「グギャッ!」
憐れな鳴き声だった。散々やられて弱っていたカラスたちは、ボウルの檻から抜け出すことが叶わず、そのまま地上まで落下していったのだ。
「わあっ……!」
崖上で柳霞が感嘆の声をあげた。ボウルを召喚する、景貴の姿に見惚れて。
◇
景貴の<魔法のボウル>は三分で消える。崖を上るのだ。カラスたちが再び襲ってくる前に、早く。
「エリューシアさん!」
真っ先に戻った柊斗はエリューシアに駆け寄った。
その顔を見た途端、緊張が解けたエリューシアは彼の腕の中に崩れ落ちる。
「柊斗様と一緒でよかった……です」
微笑むエリューシアに柊斗は思う――俺こそ、君と一緒でよかった、と。
ろっこんの切れた洋美を抱いたジニーに続いて、澄佳とマリナに手助けしてもらったシダが引き上げられ、響也と景貴も飛行部隊の助けを借りて蔦を上ってくる。源一は修行だといって手助けを断り、また己の肉体のみでここまで上ってくるつもりらしい。
花は、両手を空けておいた羽衣が抱えて飛んで来た。
「上手くいったみたいで良かったよー」
岩陰からシダがみんなを呼んだ。
「みんな 隠れろ! この岩陰で カラス やり過ごす」
――三分よりもっと時間がたったころ。
カラスたちがよろよろとどこか遠くへ去って行くのが見えた。
岩陰に隠れ息を詰めていた一同は、ほっと気が抜ける思いだった。
モニカのろっこん強化も効いたのだろう、この場はこちらの完全勝利だ!
「きょうや バイオリン 弾いてくれ」
シダがいった。
「きょうやの 音 聴けば きっと みんな 元気でる」
響也は頷いてバイオリンを奏でる。美しい旋律が紡がれる。
そういえばシダと出会ったのもバイオリンがきっかけだったな、と思い出しながら。
音楽はいいものだ。仲間たちの心は癒え、身体の疲れも取れてゆく気がした。
~ Mission Completed ! ~
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担当ゲームマスター
笈地 行
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ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
174人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月16日
参加申し込みの期限
2014年06月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月23日 11時00分
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