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【かまくらとセンパイと男心と】
ごうごうと吹きすさぶ風。巻き上げられた雪が、幾重にも折り重なって、波のように押し寄せては過ぎ去っていきます。
「……それにしても。まったく……何を考えてるんだ、あの人は」
「とか言いつつ、こうやって、雪山登って。遭難までしかけとるんやからなー」
「うるさいな……」
こしらえた狭い雪洞の中、並んで座る
浅沼 柳司
と
弓弦原 譲
は、持ってきた温かいコーヒーで暖を取っています。
彼らがこんなことになっているのは、ひとえに、二人の共通の先輩のため。日頃から仲の良い
十文字 若菜
から届いたメールは、この夏の盛りに、雪山で遭難してしまったという、ちょっと信じがたいSOSではあったのですが……居ても立ってもいられなくなった二人は、自らも雪山へと乗り込み、こうして先輩を捜索中というわけなのです。
ちょっぴり手違いで、自分たちまで雪で方向を見失ってしまうという、ハプニングに襲われていたりもするわけなのですけれど。
「けど、心配やなー若菜先輩……この寒さに、視界の悪さ。俺が飛んで探せたら良かったんやけど、この風じゃあな……」
柳司の持つろっこんは、鳥の足と翼を身体に生やすというもので、空から探すことが出来れば、捜索に大いに役立ったことでしょう。しかし、太陽が出ていることがその発動条件とあっては、この強風の中、満足に日の光を拝むこともできない状況で、残念ながら力を発揮するのは難しそうです。
「仕方が無いさ。先輩のメールでは、ひとまず、身を守る手段はあるということだった。しばらくは大丈夫だろう……心配では、あるが……」
そう言って、譲は眉を寄せます。若菜のメールによれば、身動きが取れなくなってはいるものの、とりあえず命に別状は無いので、安心して欲しい……とありました。
もちろん彼らとしては、すぐにでも駆けだし、迎えに行ってやりたいところではあります。けれど、二次遭難してしまっては、元も子もありません。仕方なく、まずはこうして身体を暖めつつ、いくらかでも風の収まるのを待っているのです。
その間。絶え間なく吹き付ける風の音の中、二人は何気ない会話を交わしていましたら、
「俺は、清潔感があって真面目で、礼儀も正しい女性が良い。願わくば、同年代か年上で……年下は、妹を思い出して、どうもな」
「そやな、俺は明るい子がええなー。ちょっとしたことでも、すごく幸せそうな顔してたりするような……そういうのって、たまらんよなー」
いつの間にやら、二人の話は、異性の好みについてへシフトしておりました。
性格は正反対、容姿も、趣味や嗜好も、随分と違っている二人。けれどお互い、心を許せる友人同士。不思議と気の合う二人は、時に、そんな話もする間柄だったりするのです。
しばし、そんな他愛の無い話に、花を咲かせた後。
「はは。しっかし、何で俺ら、雪山でこんな話してるんやろうなー」
「……浅沼」
この状況が、彼を一時、少しばかり素直にさせたのでしょうか。ふいに譲は、隣の柳司へ、真剣な顔で問いかけました。
「お前は、先輩を……異性として、意識してるのか?」
「へっ?」
柳司は思わず、譲のメガネの奥を、じっと覗き込みます。常に理知的な光を宿す黒い瞳が、今は、少しだけ。揺れているように見えました。
仲の良い先輩。明るくて、社交的だけど、実は気が強くて。しっかり者のようで、時折おちゃめでうっかりなところもある、年上の女の子。
「俺は……正直まだ、良くわからない。だが……ふふ。こうして振り回されて、こんな目に会っても、それが先輩のためならと思うと、不思議と、不愉快じゃないんだ。それどころか、一度走り出したら止まらない、あの真っ直ぐな一途さを、俺は好ましく思ってさえいる。俺は……」
「……譲」
独白のような友人の言葉を、柳司はしばし、じっと聞き入っていました。
「浅沼。お前は、どうなんだ? 先輩を、どう思っている?」
静かな問い。真っ直ぐに向けられる視線。
柳司はやがて、そっと口を開き、
「俺は……」
びょう! と。一陣、ひときわ強い風が吹き抜けると。
彼の答えは、白い風の中に紛れて、溶けて消えて行きました。
「さっさっさっ、寒かったのだ死ぬかと思ったのだー……!」
外は真っ白、雪模様。内はぽかぽか、快適空間……とまでは、行かないものの。
後木 真央
を迎え入れてくれた、この不思議な小さな空間は、ひとまず雪と風をある程度遮断して、一息つけるだけの暖気を取り込んでいます。
「もー、びっくりしたよ、真央ちゃん。あんなところで倒れてるんだもの……一人で来たの?」
「ありがとうなのだ、助かったのだー若菜ちゃんセンパイ。刀ちゃんと天野ちゃんと登ってたんだけど、はぐれちゃったのだ」
見れば、周囲にちらばっている、割れた鏡の破片たち。
十文字 若菜
は、連れの二人の姿を見失い、行き倒れかけていた真央を、ろっこんで作り出した防御結界の中へと迎え入れたのでした。
とはいえ若菜自身、強まる吹雪に、ここで立ち往生しながら救助を待つ身だったりします。少々心細くなってきたところで、現れてくれた元気な真央の明るい笑顔に、随分と心が軽くなったのも確かです。
「若菜ちゃんセンパイも、この雪のしんそーを確かめに来たのだ? これはゼッタイNMRなのだ特ダネなのだ!」
「あはは、私は練習のために山を走ってたら、急に雪が降り出しちゃって……原因を確かめようと思ったんだけどね」
学校では、陸上部の部長を務める若菜。ランニングのために山道を駆け上がっていたところで、今回の異変に遭遇してしまった彼女は、この8月に堂々と降りしきる雪に、真っ先にろっこんや神魂の影響を考えたと言います。このままでは、何らかの被害が出てしまうかもしれない、と考えた末、原因を探るため、登り始めたまでは良かったものの……防寒用になりそうなものといえば、リュックに入っていた、薄手の上着ひとつきり。
「もー限界! って思ったところで、後輩にメールして。こうしてここで、来てくれるのを待ってるの」
そう語る、若菜の脳裏に思い浮かぶのは、二人の男の子の姿。
いつも冷静で、どっしりと落ち着いた態度のしっかり者、譲君。クールな彼が一緒にいてくれれば、きっと、心から安心できることでしょう。
明るくて、まるで太陽みたいな笑い顔の、柳司君。凍えそうに吹き付けるこの雪景色も、彼が一緒なら、何だか全て吹き飛ばしてくれそうな気がしてきます。
どちらも頼りになる、若菜の大事な後輩たちです。きっとここまで迎えに来てくれると、彼女は信じているのです。
「でも、若菜ちゃんセンパイ寒そうなのだ。あっ、これ飲むと良いのだ~」
と、にっこり笑顔で真央が差し出したのは、保温の利く水筒に入った、あまーいココア。カップの中からゆらゆらと立ち昇る湯気に、
「あ、ありがと~! 急に降ってきちゃったから、何の用意もしてなくて……」
口をつけると、温かいココアは、するりと若菜のお腹へ落ちていき、じんわりぽかぽかと身体を暖めてくれました。
その後。
「……あっ。若菜ちゃんセンパイ、あれ見るのだ誰か来たのだ!」
鳴り出した携帯電話の向こうとのやり取り、大体の位置を伝え合ってから、しばらくのこと。
白い風雪のカーテンの向こう、真央が指差す、その先に。
「っ、若菜先輩、無事ですかー!? ああ、無事みたいやな、良かったぁ……」
「……全く。心配をかけて……」
目の前には、若菜の思い浮かべた通りの二人の顔が、ちゃあんとやってきたのでした。
コートを羽織らせ、マフラーを巻いてくれる譲。心配顔から一転、まぶしい笑顔で微笑んでくれる柳司。
若菜はお返しに、二人へ、心からの感謝の言葉と、とびっきりの笑顔をプレゼントするのです。
「二人とも……来てくれて、ありがとう!」
そして、嬉しそうにはにかむ若菜に、譲は。
心の中、やっぱりな、と。そんな風に、思っているのでした。
やっぱり、俺は、きっと……この人のことが、好きなんだろうな。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年05月28日
参加申し込みの期限
2014年06月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年06月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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