this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
29
つぎへ >>
蒼穹から視線下ろせば、遥かな水平線から真白に湧き立つ入道雲。
「今日の寝子島はよいお天気ですね」
金茶から白へと色合いを変えて優しく波打つ髪を夏の海風になびかせ、
スハイル・アルムーリフ
は柔らかく微笑む。
眩しい日差しに黄金の瞳を細め、ステージ開催を知らせて打ち上げられる昼花火の音にまた唇を笑ませる。
「よっしゃ、設営終わりー!」
背後で力いっぱい声を上げる
イダス・アグリオス
を振り返る。ステージにほど近い、種々さまざまな屋台が並ぶ屋台ゾーンの一角、星幽塔に生きるスハイルやイダスが所属している盗賊団『十二支団』で設営した屋台が出来上がっている。
簡易な天幕、運営側に伝えて用意してもらった調理器具、今回寝子島に飛ばされて来た団員たちで手分けして仕入れて来た食材の詰まったクーラーボックス。
「お疲れ様です」
スハイルは手にしていたメニュー表を屋台の屋根に貼り付ける。
「何時もはいきなり飛ばされて、なんだかんだ言いつつ楽しむばかりだったからな」
周囲に用意した休憩用のテーブルにもメニュー表を並べながら、『十二支団』団長の
ティクス・ソル
が静かに笑う。
「今日はこっちで商売だ」
祭りのような催しがあると聞き、それならば今回はと運営に掛け合い、屋台の準備をした。
「それもまた楽しいですよね」
ふわりと柔和に笑うスハイルに、ティクスはくすりと笑み返す。
「完成? 完成だよな! よっしゃやるぜ! 団長もやろうぜ!」
大張り切りで設営し、大張り切りで調理の下準備に取り掛かろうと屋台の内側に入り込もうとしたイダスは、
「お前に出番はないぞ」
屋台の裏で食材の下準備をしていた
コル・ティグリス
によってぽいと外へ放り出された。
「ティクス、お前もだ」
イダスに続いて屋台に入ろうとして、虎の獣人であるコルに仔猫じみて襟首を掴まれ端に避けられた鼠の獣人である団長ティクスはムッと眉を寄せる。
「おいコル、切るくらいなら出来るぞ」
言い放ちながらも素直に端の椅子にちょこんと掛ける。声から段々自信がなくなる。
「……たぶん」
「なんだよこっからが本番じゃねーのかよ」
普段は食事の準備など手伝わない癖、祭りの雰囲気に張り切っていたイダスもむくれる。こちらは大人しく座りなどせず、屋台の周りをうろちょろする。
「なぁなぁ、手伝うって!」
「大人しくしてろ」
頭にタオルを巻いたコルの一喝を受けてもイダスは懲りない。キャベツに玉葱人参、手早く切って容器に分けてゆくコルとそれを黙々と手伝うスハイルの前に陣取り、何か手伝えまいか虎視眈々と機会をうかがう。
「待ってろ、最高の飯を作ってやるから」
野菜に続けて大振りの海老や烏賊の下処理を行いつつ、コルは大らかに笑う。海辺で売るとなればと考えたのは、たっぷりの野菜と魚介類を塩ダレでまとめた海鮮塩焼きそば。塩ダレには魚介の出汁も使い、旨味を凝縮させている。ふんだんに具材を使う分安売りは出来ないが、食べ応えは充分にあるものを作ってみせよう。
「こちらはこの箱に詰めておきますね」
「おう、助かる」
卒なく調理助手を務めていたスハイルが、ふと優雅な仕草で首を傾げた。
「そう言えばペコラの姿が見えませんね」
星幽塔から寝子島へ飛ばされて来た団員は、今回は五人。そのうちのひとり、
ペコラ・ペコリ
の姿がさっきから見えない。
「ああ、さっき買い物を頼んだ」
「それならば安心です」
この人込みに迷子になってはいまいかとひそめていた柳眉を緩め、スハイルは微笑んだ。
「ってことで、っと」
腕捲りをし、コルは鉄板に火を入れる。ツヤツヤの烏賊やプリプリの海老をざっと炒めたあとに刻んだ野菜を投入する。
「せっかくですから、少し工夫をしたいところですね」
隣で追加の野菜を刻んでいたスハイルが取り出したのは、星のかたちの抜型。人参の切れ端を星型に抜いてゆくスハイルの手元を覗き込み、面白いことを考えるな、とコルは豪快に笑った。
「可愛らしくてよろしいかと」
「混ぜる時に形が崩れないようにしよう」
屋台用の大きな鉄板の上、繊細に大胆に鉄ヘラを動かし海鮮と野菜を混ぜるコルにスハイルは瞳を細める。星幽塔での戦闘時、虎の獣人であるこの男は凶暴なほどの力と技でもって敵を打ち砕く。その戦闘時からは想像し難いほどに、コルは包丁の使い方も調味の仕方も調理器具の扱いも堅実で丁寧だ。
スハイルの感心をよそに、コルは具材を一旦端に寄せて麺を焼きにかかる。薄く広げて軽く焼き、海鮮出汁を掛けて混ぜたところに塩胡椒で味を調える。水分を飛ばし、具材と混ぜ合わせ、とっておきの塩ダレで最後の仕上げ。味にばらつきがないよう、満遍なくしっかりと混ぜて、
「スハイル、盛り付けは頼む」
「お任せください」
その後の一切をスハイルに手渡し、コルは二枚目の鉄板で追加の焼きそばの調理にかかる。
ひたすら鉄板に向かうコルを一眺めして、ティクスは足を投げ出してぷらぷらさせていた椅子から立ち上がった。調理の手伝いが出来ないとなれば、
(うちの連中が魂込めて作る飯を売る方に力を入れようか)
そうと決まれば団長の行動は早い。
「スハイル、一つ持って行くぞ」
「はい、どうぞ」
鉄板脇の長卓にスハイルが並べていた盛り付け済の焼きそばを一皿拝借し、出来立て熱々のそれを若干退屈そうなイダスに渡す。
「イダス、食べていいぞ」
「え!? これ食っていいのか!? マジで!?」
翡翠の瞳を輝かせて大騒ぎするイダスにティクスはにこやかに頷いて見せる。
「よっしゃー! やったぜ!」
宝物を手に入れたかの如く焼きそばを両手で掲げ、イダスは手近なテーブルにどかんと腰を据える。バチン!、と周囲に響かせ両手を打ち鳴らし、団の料理番特製の海鮮塩焼きそばをひとくち。
「すっげーうめぇ!」
もぐもぐしてから、イダスは熱い鉄板前で調理に励む料理番コルに感嘆の声を掛ける。
「海鮮がごろっごろはいってるし、麺の焼き加減とかマジ兄さん天才だな!」
てらいも何もないイダスの歓声に、コルは明るい声で笑った。
「あ!? なんだこれ星じゃん!」
いやヒトデか? と星型人参を突っつき、イダスは盛り付けに精を出すスハイルを見遣る。
「星です」
「器用だな! 何個あるか探したくなるっつーか」
スハイルにも頑是ない子供のように屈託なく笑いかけ、イダスはおいしいおいしいと大きな声で繰り返しては焼きそばを食べる。
「お、ペコラ」
「ただいま~」
大きな袋を提げてお使いから帰って来たペコラは、袋の中からペットボトル飲料を取り出してイダスに渡す。他の団員にも飲み物を手渡して、ペコラはふわふわと笑った。
「頑張って焼きそば売るぞ~!」
お~、と歌うように声を弾ませて、はちみつ色した瞳に青い空と海を映す。
「寝子島のビーチも綺麗だねぇ~」
白い浜辺に穏やかに寄せる透明な波と涼しい潮風。
(団のプライベートビーチもゆっくり遊べて楽しいけど)
団員のみんなと時々遊ぶ、星幽塔の浜辺を思い浮かべる。
あの浜辺はいつも団員しかいないけれど、この海はたくさんのひとが賑やかに行き交っている。美味しいものを扱う屋台だってたくさんある、色んなひとが楽しそうに水着姿を競うステージまである。
「いや~マジでこの麺の味がたまんねぇな~、ただ塩かけて焼くだけじゃねえの? すっげーな!」
兄貴分たちやペコラに話しかけながらも、イダスは興味を惹かれて近寄って来た客の姿を見逃さない。
「お、こっち来いこっち! うめーぞ匂いかぐか!? 食ってけよ!」
ひらひらと手招きするのは、スタッフTシャツ姿の男三人組。買い出し係でも請け負ったのか、それぞれの手には持ち切れないくらいの食べ物が提げられたり抱えられたりしている。
「本当だ、いい匂い!」
ロシアンルーレットたこ焼き十舟分とペットボトル飲料の入った大袋を手にした
佐藤 英二
が目を輝かせ、
「焼きそばもいいっすねー!」
寝子島丼のパックを十何杯分も大袋に詰めて両手に提げた
紗雪 幽
が鼻をひくつかせる。
「うーん、屋台色々あるから悩むよなぁ」
寝子まんま丼十杯を袋に入れて片手に抱え、もう片手で買い出しメモを握りしめつつ、
志波 武道
が首を捻る。指定されたものは揃えたが、それ以外にも食べ物は必要らしい。『あとはテキトーに! いっぱい!』とのメモにムムムと眉を寄せる武道に、
「悩むくらいならこれ買ってけって! うーまいぞー!」
イダスがちょっぴり強引に、とてもフレンドリーに海鮮焼きそばを推す。
「おすすめですか」
「うん、おすすめだよぉ~」
フランクなイダスの隣でふんわり笑うなんだかふわふわした雰囲気のペコラの言葉も受けて、それじゃあ、と買い出し男子三人組は顔を見合わせる。
「いかがですか」
屋台の中で焼きそばを盛り付けていたスハイルの柔らかな声と愛嬌のある笑顔が最後の一押し。
「十パックください」
「よっしゃ、ありがとな!」
「わあ、ありがと~」
武道の言葉にイダスとペコラは顔中で笑った。
(味は保証できるのですから)
注文を受けた十パックを袋に詰めつつ、スハイルは心中に頷く。美味しさで確定している売り上げをそれ以上に伸ばすには、売り子の力が必要不可欠。団長やイダスやペコラががんばってくれているのであれば、
(よい成果が期待できるでしょう)
売り上げに貢献して胸を張るイダスを見遣り、ティクスはそっと瞳を笑ませる。漂ういい匂いとイダスの直截な物言いは宣伝にちょうどいい。
(あとは……)
昼時が近くなってきたからか、人の増えて来た屋台ゾーンを見回す。
(地道に声をかけるか?)
狙いを定めるは、何を食べるか悩んでいそうな人に、それからイダスの時にストレート過ぎる物言いでは釣れなさそうな女性。
あちらこちらと視線を迷わせる、スタッフTシャツ姿の黒髪の若い女性に目を向け、ティクスは小柄な身体で近づく。
「お姉さん」
五世紀近く生きて来てはいても少年の姿な見た目を存分に活かし、ティクスは十六歳の
楡宮 遠海
へ無邪気に話しかける。この島には小さい種族は見たところ居なさそうだ。年下に見られる点を、この際存分に活かして客引きしてやろう。
「あっちにおいしい海鮮焼きそばの屋台がありますよ」
「えっ、あ、……そうね」
運営スタッフバイトの合間を縫って屋台食べ歩きに出ていた遠海は自分より頭ひとつ以上背の低い少年からの呼び込みにぱちぱちと黒い瞳を瞬かせた。寝子まんま丼にロシアンルーレットたこ焼き、お子様ランチは『こどものものだから』とお断りされてしまったが、次はマタタビロイヤルパフェでも食べようかと考えていたところにこの魅力的なお誘い。
細身の体に似合わぬ規格外な大食い少女は屋台から流れて来る海鮮の美味しそうな匂いにふらふらと引き寄せられる。
「悩んでるならどうですか?」
「うん、それじゃひとつください!」
「はい、ありがとうございます」
愛想よく微笑むスハイルにあとを任せ、次の獲物を狙いにかかろうとして、こちらをキョトンと見るイダスと目があった。
「ふはっ」
目が合った途端に噴き出され、ティクスはムッと眉を寄せる。
「おい笑うな」
「だって団長、にあわね~」
ティクスとイダスが掛け合う声に、スハイルの歌うような呼び込みの声、行き交う人々の楽し気な笑い声、ステージから流れて来る熱い思いの籠った声とそれに応じるような拍手と歓声。
(今日の城は)
守るべき城と定めた厨房で調理に集中しながら、コルはふと笑みを零す。
(賑やかな声がよく聞こえていいな)
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
29
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!