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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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海岸へ、浜辺へ、たくさんのひとたちが歩いて行っている。
大人にこどもに、お兄さんにお姉さん。みんな大体水着姿で、みんなとても楽しそうだ。
「欠る」
寝子ヶ浜海岸へと流れて行く人波に流されそうになって、
月影 満る
は双子の兄である
月影 欠る
の名を呼んだ。太陽の光を帯びて金色に輝く瞳を周囲へ巡らせる。自分と同じにくすんだ焦茶色の頭を探す。
「うみはひろいなでっかいなー」
少し離れたところで人波にも怖じず、のんびりと適当な鼻歌まじりでぼんやりと海を眺める兄を見つけ、妹はスクール水着の上に羽織ったパーカーの裾を揺らしてぱたぱたと駆けよった。
「一緒じゃなきゃだめって言われたよ」
海に臨む駐車場まで送って来てくれた親の言いつけを口にして、マイペースな兄がこれ以上ふらりとどこかへ行ってしまわないようにと手を繋ぐ。
「夕方まで遊んでいていいんだよね」
「夕方にはさっきの駐車場まで戻らなくちゃ」
手を繋いで海岸沿いの道を歩きながら、双子は顔を見合わせ帰る時間を確かめ合う。
「人いっぱいいるなあ」
夜更けの空の紺色した瞳をおっとりと巡らせのんびり呟く兄の横顔を見遣り、満るは小さく頷く。そう言えば、今日はどうしてこんなに人がたくさん来ているのだろう。
いつもより多い人の姿に戸惑いつつ視線を巡らせていて、満るが見つけたのは、海岸へと降りる階段の前にある海の家の入り口に貼られていた見るからに賑やかなポスター。
(第三十五回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト)
へえ、と満るは目を瞬かせる。
(今日はコンテストがあるんだ……)
人の多さに納得していて、もうひとつ、ポスターに書き込まれた文字に気が付いた。
『出場者は実行委員の指名による強制参加!』
「えっ」
思わず声に出してしまってから、満るは慌てて口を押える。
「満る?」
首を傾げる欠るに何でもないと首を横に振り、恥ずかしがり屋で内気な満るは今日寝子ヶ浜を訪れたことを後悔する。強制参加なコンテストがあると知っていたら、絶対に来なかった。
(……絶対やだ、)
白い海岸の向こうに実行委員であるサンマさんの姿を見つけ、満るは焦る。
(絶対に出ない……)
ジリジリと照り付ける太陽の下にあって、冷たい汗が背中を伝う。万が一にでも指名されることは避けなくては、と固く誓って、
(これ、欠るが知ったらどうするかな)
隣の兄をそっと窺う。気分屋で怖いもの知らずな兄は、強制参加なコンテストについてどう思うだろう。
――行ってみよう、満る
そう言ってサンマさんに近づこうとするだろうか。それとも、
――強制参加かあ
そう言って会場から離れようとするだろうか。
(……どうしよう……)
兄の行動が全く読めず、満るはちょっと途方に暮れる。まかり間違って出場者に指名されてしまえば、ひとに注目される恥ずかしさできっと熱を出してしまう。逃げるに逃げられずうずくまって動けなくなってしまう。
想像しただけで顔から火を噴きそうなくらいどきどきしてきて、満るはぎゅっと目を瞑る。
とにかく、サンマさんやお揃いのスタッフTシャツを着た人達には近づかないようにしよう。欠るはステージから遠ざけることにしよう。そうすれば、
(きっと大丈夫……だよね……?)
方針を定め、満るは人並みに流されがちな欠るの手を引いて一旦足を止めさせた。
「あの……お兄ちゃん」
えっとね、と必死に思考を巡らせる。自然な風を装うにはどうしたらいいだろう。
「ここは人が多くてはぐれそうだから、あっちの方で遊ばない?」
「え、あっちに行くの?」
紺の瞳をおっとりと瞬かせ、欠るは妹にも感情を読み切れない表情で周囲の人波を見回した。兄の様子を見つめて内心どきどきしている妹に気づいているのかいないのか、何でもないようにこくりと頷く。
「いいけど」
何にも考えていないような兄の言葉に、満るは思わず安堵する。たぶんこれで、コンテストへの出場は免れた、
(はず、だよね……?)
「ぼく砂のお城作りたい」
声を弾ませ人波とは反対方向へと足早に向かう妹に手を引かれるまま、兄はまたこくりと頷いた。
「砂でトンネル作ろう」
皆が向かっている方向はいつもよりとっても賑やかだし、人の集まっているところでは何か催し物が行われている気配がするけれど、
(でも満るがいつもより相手してくれるし)
まあ別にいいか、と欠るは先を歩く妹のパーカーの背中を見遣る。
「あっ欠る見て、カニさん!」
「あーカニがいる」
楽しそうな妹につられ、欠るもふうわりと笑う。笑っているつもりなのに、他のひとから見れば笑っていないように見えるらしいけれど、
(まあ、別にいいか)
のんびりマイペースに思い、欠るは砂浜を走るカニを追いかける。
「どこ行くのかなあ」
追いついて突っついて、カニが砂に潜るのを飽きずに眺めて。そうやって遊んだ次は、波打ち際で砂の山を作る。大きな砂山が出来たら、上の方には満るが望む通りのお城を作ろう。下の方には秘密の通路なトンネルを作ろう。
欠る的にはとっても張り切って、けれど傍目には楽しいのかも分からないくらいに無表情で黙々と、少年は作業をする。
ある程度山が大きくなったところで、欠るはふと思い出した。そういえば、母から帽子の入ったバッグを渡されていた。
バッグから取り出した帽子を見て、欠るは瞬く。猫の耳のような飾りのついた麦藁帽子を手に、砂山を一生懸命作っている妹に視線を向ける。こんなに目立ちそうなデザインの帽子、あの恥ずかしがり屋な妹は被ってくれるだろうか。
「満る」
それでもとにかく渡すだけは渡してみようと呼びかけたところで、欠るはぼんやり瞬く。妹が、何かを確認するようにキョロキョロしている。
「満る?」
「……何?」
ぎくりと顔を上げる満るに帽子を手渡す。いつもならきちんと確認するのに、確認した上でこんなの被りたくないと困った顔をするのに、
「……うん、ありがと」
今日の満るは帽子を見もしなかった。どこか遠くへ不安そうな眼を向けたまま、
(あ、被った)
心ここに在らずな顔で猫耳帽子を被る。少し意外ではあったけれど、
(わあ)
お兄ちゃんは猫耳麦藁帽子の妹の姿に嬉しくなる。
(似合うなあ)
お揃いの帽子を被ればもっと嬉しくなって、欠るは満るの傍に立った。ふたりでトンネルつきの砂のお城を作りながら、欠るはふわふわと心を弾ませる。猫耳帽子な可愛い妹をたくさんのひとに見せてあげたいけれど、それはきっと妹はとっても嫌がる。恥ずかしがって頭を抱えてうずくまってしまうかもしれない。
(せめて帰るまでは気づかないといいなあ)
父母が見れば自分と同じように喜ぶかもしれない。猫耳帽子に気づいて脱いでしまうのが帰宅後であってくれますようにと、お兄ちゃんはちょっとだけ夏空に祈った。
大きなお城を作り上げ、地下に秘密のトンネルを両向いからお互いに掘り進めて、
「あっ」
「わあ」
トンネルの真ん中で手を繋いで楽しい声を上げる頃にはもう、陽が傾き始めている。
「そろそろ迎えの時間!」
砂まみれの手を波に洗わせ、満るが道路を振り返る。
「え、そろそろ帰る時間?」
ちょっぴり不満げなお兄ちゃんの手を引き、妹は砂浜から引き上げようとする。相変わらずステージの方角は大盛り上がりではあるけれど、
(ああ良かった)
実行委員には指名を受けずにおうちに帰ることが出来そうだ。そう思っていたのに、
「満る、あっちに売店いっぱいあるね」
自由な兄は今になってステージの方向を指し示した。
「帰る前にかき氷食べたい」
目的はステージではなく周辺に設けられた屋台のかき氷にあるらしいものの、いつだって無表情で気まぐれな兄が次にどんな行動をとるのか、妹にはやっぱりさっぱり読み取れない。
それでも断る理由を見つけられず、満るは欠るに手を引かれるまま砂浜を辿る。ステージから一番遠い屋台でかき氷をふたつ買う。
欠るはメロン、満るはイチゴ。
「かき氷、おいしいな」
「満る、ちょっとあげるから一口ちょうだい」
仲睦まじくかき氷を食べるお揃いの可愛い猫耳帽子な双子の小学生に、実行委員サンマさんが目を付けなかったわけがない。が、――
「邪魔しちゃ悪いぜ」
楽しそうなふたりの様子にほんのちょっぴり遠慮して、サンマさんは指名の魔の手を緩めたのだった。
「海、たのしいな」
茫洋とした表情で海を眺め、かき氷を口に含み、欠るはそれでも心の底からそう言う。
「たのしかったね。また来ようね」
「うん、また来ようね」
兄の言葉に頷き返しつつ、妹はそっと安堵の息を吐く。コンテストがあるとは知らずに海に来てしまって、それはそれでとっても大変だったけど、
(なんだかんだで楽しかったかも……?)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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