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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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ステージ方面からどよめきにも似た男共の雄叫びが聞こえた。道沿いの海の家の前で立っていた
卯木 衛
は、犬が耳を立てる仕草に似て顔をもたげる。人波に背伸びして、ついでにジャンプして、遠いステージに立つセーラー服風水着の女子と水兵風水着な男子がちらっと見えた。遠い上に一瞬しか見えなかったけれど、
(なんか、……)
とんでもないハプニングを目撃してしまった気がする。
(いやまあ、そんなことより!)
道行く派手な水着姿のお姉さま方には目もくれず、衛は忠実で一途なわんこじみて海の家の前に立つ。お座りしきれず尻を浮かせる犬の仕草でそわそわする。
(だって水着)
海の家の裏手には海水浴客用の更衣室がある。
(水着だぞ!? 水着デートだぞ!?)
男子高校生としてはそわそわするなというのが無理というもの。
向日葵色した瞳が知らずキラキラ輝く。もうすぐ水着姿で出て来るはずの彼女を探して背伸びする。背伸びだけでは足りなくなってぴょんと跳ねたところで、
「あっ」
海の家の影から出て来る彼女の紅茶色の髪を目敏く見つけた。千切れんばかりに尻尾を振って駆け寄る犬の仕草で顔を輝かせ近寄ろうとして、衛はちょっと踏み止まる。たぶんきっと自分のために選んできてくれたビキニ水着姿の彼女、
壬生 由貴奈
の隣に、同学年の女子
屋敷野 梢
がくっついている。
「うーちゃん、お待たせー」
躊躇いなくひらりと手を振ってくれる水着姿の由貴奈の隣、梢はなんだか小悪魔のような表情を浮かべた。由貴奈の腕に腕を絡ませ、耳元に唇を寄せて何事か囁きかける。黒い瞳を瞠ってからくすぐったそうにくすくす笑う由貴奈から離れて軽やかに手を振ったかと思えば、梢は衛が声を掛けるより早く海岸の人波に消えてしまった。
梢の背中におっとりと手を振り返す由貴奈のもと、衛は今度こそダッシュで近づく。由貴奈しか見えない瞳をきらきら輝かせる。
「すっっっごい似合ってます!!」
見えないはずの尻尾がぶんぶん全力で振り回されている気がして、由貴奈は衛に笑いかける。
「それだけ喜んでくれると悩んだ甲斐もあるねぇ」
水着でデートすることになったときには、ちょっと悩んだ。せっかくだから衛に喜んでもらえるような格好がしたい。そう思ってから、そう思う自分に照れくさくなって、それでも悩みに悩んで明るい色合いのビキニを選んだ。
(由貴奈さんが! 俺のために!)
悩んで選んで着てくれたというだけで、衛は幸せではちきれそうになる。飛び上がってしまいそうになる。
(由貴奈さんだったらどんな水着でも似合うと思うけど)
でも、今目の前に立っている由貴奈を見てしまえば、
(由貴奈さんが着ているのであれば! どんな水着でも今着てるのが一番!)
好きで好きで堪らないひとでいっぱいになった胸をどきどきさせつつ、水着姿の由貴奈をまっすぐ見つめる。
「由貴奈さんは水着コンテスト出たりしないんですか?」
賑わうステージからの歓声や拍手を背景に口にする。
「こんだけ綺麗だったら俺的には優勝間違いなしかなって思うんですけど!」
まっすぐ純粋過ぎる眼差しをしたかと思えば、
(ああ、でもそんな由貴奈さんを色んな人に見せたくない!)
難しい顔で首を横に振る。かと思えばまたきらきら光る目で由貴奈を熱く見つめる。
(綺麗すぎて自慢したいけど! 見せたくねえ!)
警戒して毛を逆立てる犬じみて周囲を行き交う男たちを見遣る。挙句壮絶なジレンマに押し潰されて頭を抱える。
「くっ……」
なにごとか考えて一人で百面相して呻く衛を楽しそうに見つめてから、由貴奈は衛の手をそっと取った。我に返ってぱちぱち瞬く衛に笑いかける。
「水着コンテストは参加しないよぉ」
観るだけー、とのんびり言いつつ衛の手を引いて海岸へ歩き始める。
「うーちゃんといっしょにすごすもーん」
「っ……はい!」
繋いだ手をぎゅっと握り返して来る衛の手の熱に、由貴奈は目を細めた。それに、と小さく付け加える。
「……うち、あんまり自慢できるほどスタイルよくないしね」
悩んで選んだビキニの上に、ふくらはぎまである長くて薄い上着を羽織ったのは、それが理由でもある。
「そんなこと、っ……!」
言いかけて由貴奈の水着姿を見た途端、衛は顔を真っ赤にした。水着だ。柔らかそうな胸元もしなやかなお腹もおへそも、ふわふわしてそうな太腿だって剥き出しなのだ。鼻血を噴きそうになって慌てて口元を掌で押さえる。
「そうやって面白い顔してるうーちゃんを見れなくなるのはもったいないからねぇ」
由貴奈は笑う。笑顔のままに衛を見つめる。
コンテストに時間を費やして、衛と一緒にいる時間を減らしてしまいたくはない。
「それじゃあ屋台でも見て回ろっかぁ」
「屋台も色々ありますね! 由貴奈さん何食べます!?」
屋台がズラリと並ぶスペースに踏み入った途端、衛は食欲全開になる。寝子島丼は学食でも食べられるからスペシャルラーメンかな、それとも向こうからいい匂いを漂わせてくる海鮮塩やきそばにしようかな。
「んー……」
色んな屋台と人波の中、由貴奈は首を捻る。ジリジリと照り付ける日差しの強さに然程食欲は湧いてこない。
「うちはマタタビロイヤルパフェかなぁ」
最近はアイスに自作のクッキーをさして食べるのがお気に入りでもある。
衛に倣って屋台を見回していて、ふと衛の視線が一点に集中していることに気がついた。
その屋台にはカップルがたくさん並んでいる。屋台の前のテーブル席にもカップルがたくさん座っている。妙に熱々イチャイチャな空間の中心には、一つのグラスにストローが二本、というアレ。
ハートマークが躍る屋台を見つめていた衛の視線がチラリと由貴奈を見、また屋台に戻る。
――の、飲みたい……
頬を赤らめた衛の心の奥からの叫びを聞いた気がして、由貴奈は瞬いた。
(あぁ、カップル用のドリンクかぁ)
(由貴奈さんああいうのどうかな……)
いつもと同じにどこか眠たそうにも見える由貴奈の横顔をチラリと見、衛は迷う。由貴奈が恥ずかしがるとはあんまり思えないけれど、もしかしたらお断りされるかもしれない。衛だって照れ臭い。でも、
(いや、なんかこう……)
なんだか今日は特に、
(由貴奈さんと飲みたい!!)
ステージの真ん中で叫ばれる愛のせいか、ステージ上部でキラキラ輝くラブ・インジケータがあまりにも眩しいせいか、衛の心は昂る。
(イチャイチャしたい!!)
ええい、と衛は腹をくくる。こういうのは思い切りが大事。
「由貴奈さん! 一緒にアレ飲みませんか!?」
「いいよぉ、一緒に飲もっか」
「買ってきます!」
顔を輝かせた衛は高速で列に並び、そわそわと待ち、カップルなドリンクを一つ手にしてダッシュで戻って来た。光の速さで白いテーブルを確保し、由貴奈と隣同士に座る。真ん中にドリンクを据えて、由貴奈と目が合って、衛は固まった。
「……ふふー、こういうの飲むの照れ臭かったりするの?」
真っ赤になってうろたえる動作が何よりの答え。
「かわいいねぇうーちゃん」
その照れる顔を見ながら、由貴奈はストローのひとつに唇を近付ける。いただきます、と呟き、甘くて冷たいドリンクを飲みながら衛を目に映す。途端、衛はオーバーヒートした機械のようにテーブルに突っ伏した。
「コンテスト盛り上がってるねぇ」
太陽よりも熱を帯びた衛の背中をぱたぱた叩き、由貴奈はステージへと視線を向ける。
「うちは登壇してもあんまり気が利いたことできないから、ああいうのを見るとすごいなーって思うよぉ」
のんびりステージを眺めていて、ふと気づけば、一緒にステージを眺めていたはずの衛がいつのまにか自分だけを見つめている。
――卯木君、壬生先輩しか見えてませんねー
海の家で出会った梢が囁いてきた言葉を思い出し、由貴奈は今更ながらちょっとだけ照れた。それ以上に胸がふわりと熱を帯びた。
(いやパフォーマンスとかみんなすごいし、水着もイイのいっぱいあるんだけど)
由貴奈の瞳を覗き込みながら、衛はちらりと唇を尖らせる。由貴奈と同じグラスに入ったドリンクを一口含み、甘くなった口を楽し気に笑ませる。由貴奈の耳元に唇を寄せ、
「やっぱ俺の中の優勝は由貴奈さんです」
ひっそりと耳打ちする。言ってから猛烈に照れて、それ以上に楽しくなって笑うばかりの衛の頬に、
「……ありがとぉ、うーちゃん」
由貴奈は唇を寄せた。
「コンテストで一番もいいかもだけど、うーちゃんにとっての一番ならそれもいいねぇ」
「っ……」
不意打ちに甘くて冷たい唇のキスを貰い、耳もうなじも真っ赤に染める衛に由貴奈は笑みかける。ふたつのストローのひとつを唇に挟んで誘えば、衛は真っ赤な顔のまま、もうひとつのストローに口をつけた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
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