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第３５回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！
青い水平線からもくもくと立ち上がる入道雲に向けて、ぽん！ ポップコーンの弾ける音した昼花火が打ち上げられる。
ぽんぽん、ぱん！ 号砲の真下には、夏も終わりに近づいたとは言えまだまだ暑い寝子ヶ浜海岸と、それから――
『第三十五回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト、本日開催でーす！ みなさまどうぞこぞってご参加くださーいっ！ というかご指名いたしまーすっ！ もちろんっ、応援も屋台巡りも大・大歓迎ですー！』
朝から絶好調なおひさまに照らされた海岸の砂よりも熱いコンテスト会場。
特設ステージの袖、真っ白な天幕でぐるりと覆い隠された舞台裏の一角、綴 柚枝は真夏の太陽じみてキラキラ光るエメラルドの瞳に堪えきれない笑みを滲ませる。身体中に湧きだす熱をそれだけでは発散するに足りず、ビーチサンダルの足でぴょんぴょん跳ねる。
(夏って超好き！)
夏の浜辺でのコンテストと聞いて飛び付いた少年は半袖パーカーの裾からおへそが覗くのも構わず、片手ずつに持ったエレキヴァイオリンとその弓と一緒に大きく飛び跳ねる。
(だってパッションに溢れてるじゃん)
大好きな夏と大好きな音楽を合わせれば、きっと無敵だ。お誂え向きに、今回のコンテストのテーマは『愛』。柚枝のステージでのパフォーマンスはだから最初から決まっている。
(俺の夏と音楽に対する愛を表現してみせるぜ！)
砂浜を踏みしめて誓うと同時、ステージ脇に立つ水着姿のスタッフに名を呼ばれた。黒ブーメラン水着にスタッフTシャツに腕章姿、ととても気合いの入った装備のスタッフは、
「あ、生徒会長」
「ハーイ、ある時は寝子高生徒会長、去年はコンテスト出場者。去年のコンテストがとっても楽しかったから、今年はそのコンテストの楽しみの一つに俺はなりたい……ならばそう！」
目を丸くする柚枝に向け、寝子島高校生徒会長でもある志波 武道は決めポーズとばかりにTシャツを脱ぎ捨てた。
「今日の俺は！ スタッフ！」
「夏のバイトといったらこういうとこっすよねー！」
「アンプの設置、入るよー」
「すみません、通ります」
ブーメラン水着にスタッフ腕章姿でビシッとステージを指し示す武道の脇、同じくスタッフTシャツを着た紗雪 幽と佐藤 英二と楡宮 遠海が音響機器を抱えて通り過ぎる。
「ありがと、頼んだ！」
柚枝は三人へ朗らかに手を振る。任せて、とそれぞれに笑んでステージ準備に急ぐ幽と英二と遠海を見送り、柚枝は深呼吸をひとつ。今日のために用意した衣装を確かめる。
(まずは水着をお披露目しなきゃか)
一見黒にも見えるディープグリーンのサーフパンツには、大人な色味に対してポップな星柄が散りばめられているのがポイント。上に羽織るは爽やかな白系のパーカー、それと同色のリストバンド。サンバイザーとビーチサンダルの配色はヴァイオリンと一緒の黒と緑。
テーマな『愛』に合わせてハートのフェイスペイントを施した頬をぺちんと軽く叩き、愛用のメタリックグリーンのエレキヴァイオリンを戦友のように胸に抱く。
「いやぁ、やっぱりお祭り騒ぎの空気って俺ダイスキっ☆」
「うん、俺も！」
脱ぎ捨てたはずのTシャツをいつの間にか着こんでいた武道に軽やかに笑いかける。
「ってことで」
「うん、ってことで！」
ステージの準備は万端、駆け足で戻って来た幽と英二と遠海と、それから武道と景気づけにハイタッチを交わす。
「グットラック☆」
「サンキュ！」
サムズアップととても良い笑顔を向ける武道に負けず劣らず鮮やかな笑顔を返し、柚枝は表へと飛び出した。太陽の光眩しい特設ステージ前に集まったたくさんの観客が、階段を駆け上るトップバッターの登場を賑やかな歓声で迎える。
太陽のスポットライトを全身に浴びつつ、柚枝は愛用のエレキヴァイオリンを片手に観客に怖じぬ軽い足取りで進む。中央まで進んだところでパーカーの裾を翻してくるりとターン、弓を持つ手でパーカーを開く。
「どもどもー、寝子高芸術科二年の綴柚枝でーす！」
ウインクしながら場慣れした軽妙な口調で自己紹介。
「皆ー、夏楽しんでるかなー？」
夏にぴったりなお兄さんの登場に、観客のおねえさま方からたくさんの拍手が湧く。水着姿のこどもたちが歓声じみた返事を返す。耳に手を当てる仕草をしてから、柚枝は太陽より賑やかに笑った。
「せっかくここに立たせて貰ったんで、皆がもっと楽しめるような曲をプレゼントしたいと思いまーす」
さぁ、とヴァイオリンを顎と肩に挟み弓を構える。挑発するように笑う。
「いっくぜー！！」
奏でるは最初から全力全開でアップテンポ、夏の浜辺をもっと熱くもっと熱狂させる明るく激しい一曲。全身に溢れ返る情熱を爆発させる音楽に、ステージ上部に設置されたハート型大型ランプ『ラブ・インジケータ』が夏の海のような鮮烈な青の光にキラキラと輝いた。
短い一曲のうちに全身を汗に濡らし、柚枝は飛び跳ねて笑う。
「はー、楽しかったー！ やっぱり夏も音楽も最っ高ー！」
観客にも同じように笑いかける。
「皆聴いてくれてありがとー！」
俺の音楽と夏への愛が伝わったかな？、という悪戯っ子じみた問いかけに応じるは、青空へ高々と突き上げられるたくさんの拳や掌、それから歓声と拍手。
「今の演奏が皆の夏を彩って、より夏を楽しんでくれたら嬉しいなー♪」
ぽんぽん、ぱん！ 号砲の真下には、夏も終わりに近づいたとは言えまだまだ暑い寝子ヶ浜海岸と、それから――
『第三十五回寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト、本日開催でーす！ みなさまどうぞこぞってご参加くださーいっ！ というかご指名いたしまーすっ！ もちろんっ、応援も屋台巡りも大・大歓迎ですー！』
朝から絶好調なおひさまに照らされた海岸の砂よりも熱いコンテスト会場。
特設ステージの袖、真っ白な天幕でぐるりと覆い隠された舞台裏の一角、綴 柚枝は真夏の太陽じみてキラキラ光るエメラルドの瞳に堪えきれない笑みを滲ませる。身体中に湧きだす熱をそれだけでは発散するに足りず、ビーチサンダルの足でぴょんぴょん跳ねる。
(夏って超好き！)
夏の浜辺でのコンテストと聞いて飛び付いた少年は半袖パーカーの裾からおへそが覗くのも構わず、片手ずつに持ったエレキヴァイオリンとその弓と一緒に大きく飛び跳ねる。
(だってパッションに溢れてるじゃん)
大好きな夏と大好きな音楽を合わせれば、きっと無敵だ。お誂え向きに、今回のコンテストのテーマは『愛』。柚枝のステージでのパフォーマンスはだから最初から決まっている。
(俺の夏と音楽に対する愛を表現してみせるぜ！)
砂浜を踏みしめて誓うと同時、ステージ脇に立つ水着姿のスタッフに名を呼ばれた。黒ブーメラン水着にスタッフTシャツに腕章姿、ととても気合いの入った装備のスタッフは、
「あ、生徒会長」
「ハーイ、ある時は寝子高生徒会長、去年はコンテスト出場者。去年のコンテストがとっても楽しかったから、今年はそのコンテストの楽しみの一つに俺はなりたい……ならばそう！」
目を丸くする柚枝に向け、寝子島高校生徒会長でもある志波 武道は決めポーズとばかりにTシャツを脱ぎ捨てた。
「今日の俺は！ スタッフ！」
「夏のバイトといったらこういうとこっすよねー！」
「アンプの設置、入るよー」
「すみません、通ります」
ブーメラン水着にスタッフ腕章姿でビシッとステージを指し示す武道の脇、同じくスタッフTシャツを着た紗雪 幽と佐藤 英二と楡宮 遠海が音響機器を抱えて通り過ぎる。
「ありがと、頼んだ！」
柚枝は三人へ朗らかに手を振る。任せて、とそれぞれに笑んでステージ準備に急ぐ幽と英二と遠海を見送り、柚枝は深呼吸をひとつ。今日のために用意した衣装を確かめる。
(まずは水着をお披露目しなきゃか)
一見黒にも見えるディープグリーンのサーフパンツには、大人な色味に対してポップな星柄が散りばめられているのがポイント。上に羽織るは爽やかな白系のパーカー、それと同色のリストバンド。サンバイザーとビーチサンダルの配色はヴァイオリンと一緒の黒と緑。
テーマな『愛』に合わせてハートのフェイスペイントを施した頬をぺちんと軽く叩き、愛用のメタリックグリーンのエレキヴァイオリンを戦友のように胸に抱く。
「いやぁ、やっぱりお祭り騒ぎの空気って俺ダイスキっ☆」
「うん、俺も！」
脱ぎ捨てたはずのTシャツをいつの間にか着こんでいた武道に軽やかに笑いかける。
「ってことで」
「うん、ってことで！」
ステージの準備は万端、駆け足で戻って来た幽と英二と遠海と、それから武道と景気づけにハイタッチを交わす。
「グットラック☆」
「サンキュ！」
サムズアップととても良い笑顔を向ける武道に負けず劣らず鮮やかな笑顔を返し、柚枝は表へと飛び出した。太陽の光眩しい特設ステージ前に集まったたくさんの観客が、階段を駆け上るトップバッターの登場を賑やかな歓声で迎える。
太陽のスポットライトを全身に浴びつつ、柚枝は愛用のエレキヴァイオリンを片手に観客に怖じぬ軽い足取りで進む。中央まで進んだところでパーカーの裾を翻してくるりとターン、弓を持つ手でパーカーを開く。
「どもどもー、寝子高芸術科二年の綴柚枝でーす！」
ウインクしながら場慣れした軽妙な口調で自己紹介。
「皆ー、夏楽しんでるかなー？」
夏にぴったりなお兄さんの登場に、観客のおねえさま方からたくさんの拍手が湧く。水着姿のこどもたちが歓声じみた返事を返す。耳に手を当てる仕草をしてから、柚枝は太陽より賑やかに笑った。
「せっかくここに立たせて貰ったんで、皆がもっと楽しめるような曲をプレゼントしたいと思いまーす」
さぁ、とヴァイオリンを顎と肩に挟み弓を構える。挑発するように笑う。
「いっくぜー！！」
奏でるは最初から全力全開でアップテンポ、夏の浜辺をもっと熱くもっと熱狂させる明るく激しい一曲。全身に溢れ返る情熱を爆発させる音楽に、ステージ上部に設置されたハート型大型ランプ『ラブ・インジケータ』が夏の海のような鮮烈な青の光にキラキラと輝いた。
短い一曲のうちに全身を汗に濡らし、柚枝は飛び跳ねて笑う。
「はー、楽しかったー！ やっぱり夏も音楽も最っ高ー！」
観客にも同じように笑いかける。
「皆聴いてくれてありがとー！」
俺の音楽と夏への愛が伝わったかな？、という悪戯っ子じみた問いかけに応じるは、青空へ高々と突き上げられるたくさんの拳や掌、それから歓声と拍手。
「今の演奏が皆の夏を彩って、より夏を楽しんでくれたら嬉しいなー♪」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年05月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年06月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年06月01日 11時00分
