this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
海と歌とキャンプと
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
24
つぎへ >>
「……キャンプ、行くか」
有事の際には各々が思う『フツウ』の為に団結する、かもしれないもれいびたちの寄り合い、――『ライデンシャフト』。
そのライデンシャフトの構成員たちがたまり場としている欧風料理店『Mahlzeit』に踏み込むなり、リーダーである
如月 庚
は開口一番そう言った。
「ここ最近暇だったし……」
『フツウ』を乱す最大の敵と見なしていたクローネを倒してからというもの、寝子島に大きな異変は見られない。神魂の関わる事件は相変わらず起こっているとは言え、それは『フツウ』の根幹を揺るがすようなものには幸いにして育っていない。
つまりは平和。
平和と暇を持て余したメンバーは、『Mahlzeit』を訪れては何をするでもなくだらだら過ごしたりのんびり飲み食いしたりしている。それはそれで悪くはない。悪くはないが、
「暇だ」
となれば、
「たまにはつるんでなんかやるのも悪くない」
言いつつ庚がポケットから出したのは、『ねこじまキャンプ』のチラシ。
キャンプの言葉にまず食いついたのは、『Mahlzeit』の店主だった。目を輝かせ、あれを持って行けこれも持って行けと良い肉や燻製を店奥の冷蔵庫から出してきて並べ始める。当日は店もありキャンプへの参加はできないまでも、『ライデンシャフト』の面々に楽しんでもらいたいと店主は笑う。
「キャンプはねっ、小学生の頃に家族で行ったことがあるんだよー」
キャンプへの参加に真っ先に手を挙げたのは、旧市街商店街にある蕎麦屋『すすきの』の看板娘、今年の春高校一年生になったばかりの
薄野 九月
だった。
「でも友達とか、先輩達と行くのは初めてかも! 楽しみだなー楽しみだなー!」
座っていた椅子から立ち上がり、諸手を掲げて喜ぶ九月を眺めつつ、店の端の席で黙々とパフェを食べていた
新田 亮
がちらりと目をあげる。
「俺も行こう。久しぶりのキャンプだ」
幼い頃からアウトドアに慣れ親しんできた亮は、キャンプ経験も豊富だ。
(思い切り楽しまないとな)
生クリームのついた苺を頬張りつつ、亮は早速頭の中で持ち物を数え上げる。
まずはお米。育ち盛りで代謝の良い亮にとって、動力源とも言える米は何よりも大切だ。米を炊ける鍋も用意しておこう。
それから葉物野菜。これは先に手頃な大きさに切り分けてプラスチック容器に詰めておこう。
(あとは)
そうだ、と普段は不愛想な頬に笑みを零す。クーラーボックスにビールとビールジョッキを入れて行こう。もちろん、『こども用』と書かれた方のノンアルコール飲料だ。
家にキャンプ用品があるにはあるが、ひとりで、その上徒歩で会場まで持って行ける荷物は限られている。リーダーの持って来たチラシを見れば、運営本部では焚き火台やテントの貸し出しも行っているらしい。大荷物になりそうなキャンプ用品はいっそのこと借りた方が楽だろう。
「はいはーい、じゃあ私はバーベキューの食材持って行きまーす!」
副リーダーの
屋敷野 梢
がひらひらと手を振る。
「わあい、こずこず先輩ー、りょー先輩ー」
大喜びで駆け寄ってくる九月と、梢はにこにこしながら手を取り合う。
「俺も、いいかな」
店に偶然顔を覗かせた
鴻上 彰尋
が庚の持つチラシをしばらく眺めて後、遠慮がちに申告する。
「参加の確定は家族の許可を貰えてからになるけど……」
母子家庭に育つ彰尋は、忙しく働く母と兄に代わって幼い弟妹の面倒を見つつ家事をこなさなくてはならない。とはいえ、友達とキャンプができる折角の機会。
(高校で初めてかも)
伺いを立てて見なければわからないけれど、叶うなら行ってみたい。
そんなこんなで、暇を持て余したリーダーの言葉に賛同したノリのいい『ライデンシャフト』、通称『情熱』のメンバーは四人。
「よし集合ー」
キャンプエリアにほぼ時間通りに揃った『情熱』の面々を見渡し、リーダー庚は宣言する。
「よく聞け、いいか。ここをキャンプ地とする」
「やだー、先にご飯にしましょうよー」
無闇に胸を張りつつ言うリーダー庚にツッコミとも取れないツッコミを入れ、梢は細い肩に担いできた保冷バッグを芝生に下ろした。
「私はテントの立て方とかわからないので、バーベキューの準備してまーす!」
「まずは宿の確保が先決だ」
「でも火起こしは大変らしいのでお任せしますねー、私は食材とか道具の準備と管理しときまーす」
リーダーの言葉を無視してBBQの準備に取り掛かる梢と、とりあえず言うだけ言って満足したらしい庚とに、九月は父親から借りて来たデジタルカメラを向ける。
「キャンプ経験も火起こし経験もないくせに言い出しっぺなリーダーもこっちでバーベキューの支度しましょー」
「一言多い」
今日はこれで、みんなでわいわい遊ぶ思い出をたくさんたくさん撮ろう。いっぱい撮れたら、
(おねえちゃんにも見せてあげよう)
着替えの入った鞄を置き、みんなの後輩はカメラを首から提げる。
「わたしはテントを張るお手伝いをしますー! キャンプ用品は借りるんですよね、らぎらぎ先輩っ」
「おう」
副リーダーに命じられるまま、手際よく食材の準備に取り掛かっていたリーダーの返事を受け、九月は張り切って駆けだす。
「借りてきます!」
「重たいよ、俺も手伝う」
「ああ、俺も行こう」
元気いっぱいにイベント本部へ走って行く後輩のあとを追うのは、友達とのキャンプを家族に快諾してもらえた彰尋と、準備万端のクーラーボックスを食材管理のリーダーと副リーダーに託した亮。
追いかけて来てくれるふたりを振り返り、九月はにこにこ顔でカメラのシャッターを切る。
「あっきー先輩、りょー先輩、テントの組み立て方は分かりますかっ?」
「前に組み立てたことはあるから、……形は違っても一応基本は同じはずだし」
たぶん、と頷く彰尋と、
「大丈夫だろう」
手慣れた風に言う亮に、九月は素直な感嘆のまなざしを向ける。
「わたしも小さい頃にやった覚えはあるんですけど、組み立て方はうろ覚えで。借りたテントに説明書とかあるのかな?」
先輩たちのお役に立てるかな、と少しだけ心配げな顔をしながら、九月は本部に詰めているスタッフに人懐っこく声を掛ける。借りるテントは二張。
「男性陣は三四名用、女性陣は二三名用のがいいかな?」
荷物もあるしゆとりがあった方がいい、と考え考え言う彰尋の言葉に従い、レンタルしたテントは『情熱』のキャンプ人数より定員数が多く設定されているもの。
「あっ、テントの袋に説明がありますっ」
はしゃいだ声をあげてテントの入った袋を小さな体で持ち抱えようとする九月を制し、男ふたりが一張ずつテント一式を持つ。
「BBQってのはこう……なんだろうな……」
「やっぱり外で食べるとおいしいですよねー」
しみじみと呟きながら細々とした調理を手早くこなすリーダーと副リーダーの元に戻り、三人はまず宿の確保に取り掛かる。
「力がいるところは新田さんと俺がするから、九月さんはペグの打ち込みをお願いできるかな」
「よーし、頑張って組み立てるよー!」
柱の固定や天幕を張る力仕事は彰尋と亮が請け負い、グランドシートを敷いたりテントを固定するための杭を地面に打ち込む仕事は九月が引き受ける。
楽しそうにくるくると働く小柄な後輩を見守りつつ、彰尋は記憶を辿る。
(釘を打つのとかは子供でも楽しんで出来た部分だったよな)
つつがなくテントを張り終える間に、BBQの用意も粗方出来上がる。
「米を炊いておこう」
亮が鍋にペットボトルの水と無洗米を入れ、焚き火台とBBQコンロにそれぞれ火を熾す。
「オガ備長か」
本部で焚き火台と共に用意されていた着火しやすい炭を確かめ、亮は手慣れた仕草で炭と着火剤を並べて火を入れる。見る間に熾る火に、九月が歓声をあげた。
「あっ、みんなの荷物、テントの中に運び込みますねー」
九月がメンバーに声を掛け、彰尋と共にそれぞれの荷物をふたつのテントに入れて行く。
出来上がったテントの中は、周りを不透明のシートで覆われているというそれだけで、まるで秘密基地のよう。
「夜はどうなるのかな? 空とか眺めたら星が見えるかな?」
シートの色に透ける陽の光を眺め、彰尋はわくわくと笑う。星は海岸から見るのが一番好きだけれど、芝生広場から見える景色はどんな感じだろう。ステージの灯りが地上の月のように煌々と照るのだろうか、だとすれば、あちこちのテントに灯るランプは星のように見えるのだろうか。
「夜は少し冷えるかな」
「焚き火があります」
首を捻る彰尋に九月が笑う。
そうだね、と笑った途端にカメラのシャッターを切られ、彰尋は照れくさいように目を細めた。
「みんなで火を囲んでお話しとかも楽しいかもね」
「はい! お話もたくさんしましょう!」
「お肉ー! バーベキュー! みんなで楽しみましょー!」
梢の呼びかけに応え、『情熱』の面々は炭がいい具合に熾ったBBQコンロの周りに集まる。じゅわじゅわと炊飯の泡が蓋の間から吹きだしている鍋の様子を見、亮が炊き上がりの近いことを告げれば、宴の幕開け。
「大人気分も楽しもうぜ」
クーラーボックスから人数分のジョッキを取り出し、亮はビール風炭酸飲料を注ぐ。各々の手に行き渡らせ、粛々と網に肉を並べる庚を見る。
「リーダー」
「ほらー、さっさと乾杯の音頭取ってくださいよー、リーダー」
「……柄じゃねえ。新田」
亮と梢に促されても首を横に振る庚に代わり、亮がジョッキを掲げた。
「乾杯だ!」
「焼くといえば、ブラートヴルスト!」
「スペアリブだスペアリブ!」
欧風料理店『Mahlzeit』でのバイト経験を活かすべく、梢が店主から分けて貰ったソーセージを並べれば、その隣で庚が同じく店主から分けて貰ったスペアリブを焼き始める。
「ごっはんー! ごっはんー! みんなで食べるごっはんー!」
「はい、九月ちゃん、紙皿どうぞー」
わくわくとみんなに箸を配る九月を隣に立たせ、梢は優しく紙皿を渡す。もう働かなくていいのよとばかり、そのお皿に焼き立てブラートヴルストを次々乗せる。あーんと口元に差し出さんばかりに後輩女子を甘やかす。
先輩からこれでもかと甘やかされ、九月は照れくさいような恥ずかしいような、でもやっぱり嬉しいような笑い声をえへへと零した。
「たくさん食べるよー!」
お腹がある程度いっぱいになったら、みんながBBQを楽しむ様子も写真に撮ろう。あとで皆揃っての写真も撮ろう。
「……野性味溢れてるよな……」
スペアリブやソーセージから美味しい脂が垂れる度にじゅうじゅうと上がる煙を眺め、庚はしみじみ呟く。呟きながらも手は止まらない。肉の焼き加減を正確に見極めて裏返し、食べ頃の肉をメンバーの皿に配る。
「ちゃんと食ってるか、鴻上」
「うん、ありがとう」
「そうそう、どんどん食べてくださいねー」
庚が美味しく焼いた肉の上、梢が更に乗せるのはちょっぴり焦げ気味になってしまったブラートヴルスト。これは九月に食べさせるわけにはいかない。端っこで焦げ始めた野菜は我らがリーダーの庚と頑丈な亮と世話好きな彰尋に食べさせよう。
「っておい待て屋敷野」
焦げ肉と焦げ野菜を男性陣に配る梢の皿の上、ほど良く焼けたスベアリブを目敏く見つけ、庚は鋭い声を上げた。
「それは俺が丹精込めて育てたスペアリブだぞ」
「そうなんですかー、でも取ったからには私のスペアリブですー」
梢は白々と言い放つ。取り返されない間に美味しく焼けたスペアリブを口に運ぶ。
「本当ですね、いい育ち具合です」
「こっの……!」
もぐもぐごくん、スペアリブを美味しく完食して後、梢は太々しく笑う。
「さあ、どちらが肉にふさわしいか、決着をつけねばなりませんねー!」
「望むところだ……!」
コンロを挟んで勃発し始める弱肉強食の焼肉戦争を肴に、亮はジョッキをあおる。
「……そういえばこの前」
ぎゃあぎゃあと肉を巡って喧嘩するリーダーと副リーダーのある意味いい相棒っぷりを見て、思い出したのは先に起こった神魂事件。
「寝子島の命運を掛けて焼肉対決をしたんだよな」
「ねこじまのめいうん……?」
庚との焼肉戦争の合間にも梢が素早く取って寄越したスペアリブをありがたくいただきつつ、九月が不思議そうに首を傾げる。
「負けたら食べ物が全て焼肉になっていたそうだ」
「野菜も?」
「ああ」
「お蕎麦も?」
「……ああ」
悲しい顔で訪ねてくる蕎麦屋の看板娘に、亮は重々しく頷く。
「マジでバカバカしい戦いだったよ」
とはいえ、手を抜くわけにもいかなかった。全力で挑み、勝利した。
いい焼き加減の肉を選んで皿に取り、口に入れる。含んだ途端に熱くて旨い肉汁がじゅわじゅわと溢れ出る、流石『Mahlzeit』店主選りすぐりの肉だ。
肉を食う。同じくらいいい焼き加減に甘い玉葱やキャベツやキノコを食う。炊き立てのご飯も食う。他の食材があるからこそ、肉の味もより引き立つというもの。
「焼肉バトルに勝てて良かったよ」
「ということで変わり種! アヒージョしましょー!」
肉とソーセージがある程度減って来たところでリーダーとの闘争に一区切りをつけ、梢は網の上にアルミ皿を二枚置く。
片方の皿にはニンニクとアンチョビで味をつけたオリーブオイルを入れ、烏賊や海老の魚介類にプチトマトにブロッコリーをことこと煮立てる。
「トマト煮込みとかもしましょー!」
もう片方の皿にはオリーブオイルで玉葱とニンニク、一口大に切った鶏肉を炒め、ついでにブラートヴルストも突っ込んで、最後にトマトジュースを入れる。じっくり煮込めば野外特製スープの出来上がり。
「アルミトレーも持ってきました。焼きそばもしましょー!」
相棒とは肉を巡る戦いをしつつも、美味しく食べてもらえるとやっぱり嬉しい。楽しい。きちんと料理番の役割もこなしながら、それでも梢は照れ隠しじみてそっぽを向いた。
「私も鬼じゃないですしねー」
でもやっぱり、焦げたものを男性陣の皿に容赦なく放り込むのは忘れない。
<< もどる
1
…
5
6
7
8
9
…
24
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
海と歌とキャンプと
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!