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海と歌とキャンプと
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(可愛い女子の可愛いパフォーマンスは可愛い)
真顔のままに頷きつつ、
千歳飴 楓子
は観客席を離れて屋台の通りに向かう。開幕から観客席に陣取って、フェスも一通り楽しんだ感がある。そろそろお腹も減って来た。
(可愛いものを見た後は肉に限るな)
誰がなんと言おうと、楓子の中ではそう決まっている。串焼きにバラ焼き、肉の屋台は色々と出店されているけれど、
「……む?」
ステージから続く屋台の並びから少し離れた広場に、三角テントや日除けのターフが林立するキャンプサイトを目にして、楓子はちらりと首を傾げてしばらく考える。目を凝らせば、イベント本部らしい天幕には『キャンプ用品 貸し出します』の文字もある。焚き火台に炭に、BBQコンロに果てはテントまで。となれば、楓子がするべきことはただひとつ。
(よし。ここはひとつソロBBQといくか)
「たのもー」
気合いを入れて殴り込みの勢いで本部を訪ね、コンロと炭と着火剤を借り受ける。隣のお店に売っていたランクも値段もイベント価格なお肉を今日はイベントだからと奮発して買い込む。
「う……」
片手にコンロ一式の箱、もう片手にお肉の袋や炭と着火剤の袋、一人では重たすぎる荷物を抱え、呻きながらも何とか自分の陣地を確保する。そこまでで、あまり体力があるとは言い難い楓子の息は切れた。どさりと荷物を置き、四苦八苦しながらコンロを組み立て火をつける。炭を熾すまでも一苦労二苦労、気づけば楓子は満身創痍。
「……っ、」
ゼェハァと肩で息をする。
(一人で準備するのも、……)
「大変だな……」
とはいえ、どうにかこうにか火はついた。買い込んだお高めないい肉を乗せてしまえば、あとはひたすら焼いて食べるだけ。
(火が強いな)
炭をがんがん突っ込んだせいか、網の上にもめらめらと炎が上がっている。これでは折角乗せた肉が炭になってしまう。
一度水を掛けよう。ひょいと手に取ったペットボトル入りの水をコンロに注ごうと傾けたところで、気が付いた。
「……あ、これ油だ」
くるくるくるり、先日買ったばかりの日傘を頭上に回し、
天宮城 因
は行く。
蜂蜜色から桃色に色を変えるくるくるキラキラの豊かな髪を揺らし、纏ったロリータ服のスカートのフリルを揺らし、ニーハイソックスの細い脚で町を辿る。新しい傘は可愛い、スカートからひらひら覗く白いフリルも可愛い。散歩の足をご機嫌で延ばしてみたくもなるというもの。
自宅のあるシーサイドタウンを離れ、海の見える寝子ヶ浜海浜公園に向かう。時々足を向ける海浜公園の端の芝生広場は、だだっ広いこともあって、大抵人気が少ない。
(……あれ?)
そのはずだったのに、公園に近付くにつれて人通りが増えてくる。海風に乗って騒がしい音楽が聞こえてくる。
今日に限って妙にうるさい。
「今日はなんだかとっても賑やかですねぇ?」
明るい笑みを含んだ声の裏、日傘の影に隠して、因はほんの一瞬だけあからさまに不機嫌な顔する。
(人混みは嫌いだ)
低く胸に呟いて、けれど表には一切現わさず、日傘の端を上げる。ちらりと小首を傾げ、チェリーピンクに色付かせた唇を笑みのかたちにする。
「……そうですねぇ、」
細い首を巡らせ、騒がしい空気の中でも多少はましそうなキャンプサイトへと足を向ける。あちらならば、うるさい音楽ステージから少しは遠い。
うんざりした足取りを進めたところで、今いちばん見たくない顔を見かけてしまった。
初夏の日差しに雪白色の髪をさらさらとなびかせ、珊瑚色の瞳を眩し気に細めて颯爽と歩く長身細身の少年。耳を飾るいくつものピアスも、嫌味なほどに長い手足も、行き交う人々の目を否応にも惹きつける圧倒的美少年。
「うわ」
思わず低く吐き捨ててしまってから、その美少年と真正面から鉢合ってしまっていることに思い至った。いっそのことくるりと踵を返してしまいたいけれど、
「ああ、失敗した」
美少年に真正面からわざとらしく言われてしまえば、引き返すどころではない。売られた喧嘩は買わねばなるまい。特にこの男、
如月 蘇芳
からとあれば。
「……こんにちはぁ、奇遇ですねぇ?」
蘇芳に負けず劣らずわざとらしい笑みを浮かべ、因は臨戦態勢に入る。
「最近よく会いますけどぉ……もしかして因のストーカーだったりしませんよねぇ?」
「あはは、そんなブスな因君のストーカーな訳ないじゃないか」
朗らかな笑い声に毒の棘をたっぷり孕ませて、蘇芳は剣呑に瞳を細める。
本当は、外で演劇の練習をするために海浜公園まで出て来ただけだった。いつも静かな公園が、まさか音楽フェスのために使われているとは思ってもみなかった。仕方ないと帰路を辿りかけたところで、
(今日はきっと運のない日だね)
煩い音楽の中で煩い因と鉢合ってしまった。
「逆に因君が俺のストーカーだったりするんじゃない?」
笑顔のままに言葉の刃を突き付ける。因の頬が引き攣ったように見えて、蘇芳は唇を笑みに歪ませた。
「……ところで、ヘンな臭いしませんかぁ?」
こちらの言葉に難しい顔をしたのかと思いきや、因はふとよそに顔を逸らす。
「すおーさんの趣味の悪い香水じゃなくってぇ、焦げてるみたいな……」
言われて気が付いた。香水云々はともかく、確かに焦げ臭い。ぐるり、周囲に視線を巡らせて、立ち昇る火柱を見た。
「……いやいやいやいや」
頬を伝う冷や汗を感じつつ、蘇芳は思わず呟く。火柱の上がるコンロの前で右往左往している、長い黒髪の少女は、まさか、
「楓子ちゃんじゃないよね」
「わ、大変ですっ!」
蘇芳の視線を辿り、同じ火柱を見た因が歓声じみた悲鳴をあげる。
「ほらすおーさん、なんとかしてきて下さいよぉ!」
「ああ、もう……」
楽しそうに好き勝手言う因をちらりと見遣り、蘇芳は肩を落とす。現場にいるのが因であったなら華麗に無視して嗤っていられるかもしれないが、相手が楓子となれば話は別。
(面倒ごとは嫌いなんだけれどなあ)
内心に眉を顰めながらも、蘇芳は火災現場に大股に歩み寄る。
「……おお……これは……肉どころじゃないな……」
もたもたと水を探しおろおろとするばかりの楓子の肩を掴んで火元から引き離し、地面に落ちていたコンロの蓋を拾って素早く火柱を封じる。コンロの横に備え付けられた通風窓を火ばさみで挟んで閉じてしまえば、あとは鎮火を待つばかり。
「大丈夫? 一体どうしたらこんな事に……」
「こんにちはぁ、楓子さんっ」
蘇芳が火災の原因を問うよりも先、駆け寄って来た因が楓子に飛びつく。
「蘇芳氏と因氏ではないか。奇遇だな」
黒い煙を上げるばかりのコンロを呆然と眺めてから、楓子が初めてふたりに気づいた。火柱が消えたことを確認し、憮然と腕を組む。
「楓子はいま一人BBQと洒落込もうと思って火柱を上げたところだ」
「BBQ?」
それをどうすればあんな火柱が立てられるのかと蘇芳は首を捻る。
「よければ二人もどうだ?」
火柱を立てたことはなかったことにして、楓子は厚意しかない言葉を因と蘇芳に掛けた。一緒にいるところをよく見かけるふたりは、なんだかんだと言っても結局は仲の良い友達なのだろう。
「ごめんね、俺あまり肉は得意じゃないから……」
楓子の誘いをやんわり断ろうとした蘇芳の言葉は、
「折角のお誘いとーっても嬉しいんですけどぉ……すおーさんのせいでお肉が台無しですよぉ?」
楓子を気遣いつつ蘇芳をけなすという因の器用な言葉に割り込まれた。
「楓子さん、きっととっても楽しみにしてたはずなのに……ひどいですっ」
泣き出しそうな声で楓子に同情を示し、
「ほらぁ、すおーさん、なんとかしてあげないとヒドいですよぉ!」
頬を膨らませて蘇芳を責め立てる。
心なしか楽しそうに見えるのは気のせいではあるまい、と蘇芳は小さな息を吐いた。
「まあまあ因氏、蘇芳氏も悪気があって肉を台無しにしたわけではないんだ、そう責めてやるな」
火柱を立てた張本人が大人な顔をして因を宥める。
「たとえ楓子の数少ない財布から絞り出したなけなしの肉だったとしても。たとえちょっと奮発して買ったランクの高い肉だったとしても」
火柱が立った時点で黒焦げになっているのではないか、との言葉を、楓子より大人な蘇芳は呑みこむ。こうなってしまっては、どう言い繕ったところでふたりに詰め寄られるばかりだろう。それはそれでもう面倒くさい。
「……分かったよ。楓子ちゃんがかわいそうだからね」
決して因の言うことを聞いているわけではないと強調し、それでも釈然としない様子を隠し切れないまま、蘇芳は代わりの肉を奢ることを約束する。
「いやぁ悪いなぁ。どうもありがとう」
悪いとは思っていないようにも聞こえるのは、楓子の元々の口調からなのだろう。蘇芳はそう思おうとする。ともかくも、因と違って感謝の気持ちがあるのは間違いない。
「言っておくけど、俺が奢るのは楓子ちゃんであって、因君にじゃないからね」
そこだけは言っておかねばなるまい。
「まあ、因君がどうしてもって言うなら食べても構わないけど?」
「すおーさんからなんて貰わないので大丈夫ですっ」
楓子の腕を取り、因は蘇芳に向けて舌を出して見せる。
「楓子さん、楓子さんのお肉、くださいなっ」
ハートマークでもついていそうな甘い声でねだられ、可愛い女の子好きな楓子は無表情に頷いた。どうやらもう少しだけは炭になっていない肉があるらしい。
「……まあ、それでもいいけど」
蘇芳が買い物している間は、楓子がいつもやっているスマートフォンゲームを教えてもらうのだとはしゃぐ因を横目に、蘇芳は不機嫌に言い捨てる。
やっぱり今日は、運のない日なのだろう。何もかもが思い通りにいかない。
屋台の方へ歩き始めながら、蘇芳は瞳を細める。こうなれば、気晴らしに何か仕返しのひとつでもしなくては腹の虫がおさまらない。
「……ん」
巡らせた視線の先に目当てとなりそうな屋台を見つけて、蘇芳はほくそ笑んだ。
「……ふふ」
因への嫌がらせには、あれが抜群に効きそうだ。
「ただいま」
帰って来た蘇芳の手には、肉の袋ともうひとつ。
「二人とも甘いの好きだった気がしたから、お土産も買ってきたよ」
「蘇芳氏は流石、気が利くな」
「……わぁ、クレープですかぁ?」
楓子と一緒になって目を輝かせてはいるものの、因は実は甘いものが嫌いだ。
楓子とは違い、蘇芳はそれを知っている。知っていてわざと買ってきている。
「因君には特に甘そうなものを選んで来たよ」
蘇芳が差し出すクレープに、ごってり甘い生クリームと生チョコレート、その上蜂蜜の匂いまで嗅いで、因はそれだけで胸やけを起こしそうになる。
「……ふふふ、ありがとうございますっ」
それでも懸命に笑ってみせようとする因の様子に、ようやく意趣返しの叶った蘇芳は満足の笑みを浮かべた。
「ふふ、喜んでもらえてよかった」
火花どころか火柱が立ちそうな剣呑な空気を醸し出しながら、因と蘇芳は表向きは華やかな笑顔を交わし合う。
「それ食べ終わったら、BBQの準備を始めようか」
穏やかに言う蘇芳をこっそり睨もうとして、
「因氏、食べさせてあげよう。はい、あーん」
ふたりの不仲も因の甘いもの嫌いも知らぬ楓子から、楓子の分の蜂蜜カスタード入りクレープを口元に差し出され、因は目を白黒させた。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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