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海と歌とキャンプと
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青空と海の色を宿した風が駆け抜けて、――直後、音が爆ぜた。飛び跳ねては風に舞い上がり、五月晴れの空に明るいステップを刻む。
『お待たせいたしましたっ! ねこじまキャンプ1370、開幕ですっ!』
舞台の上に跳ねる音楽に合わせ明るく弾んだ少女の声が響き渡る、それよりほんの少し前――
「音楽祭……ってつまりフェスっすよね」
「なのだ」
ローズグレイの瞳を瞬かせ、軽い口調で囁く
紗雪 幽
に、寝子高学校ジャージ上下を裏方バイトの正装じみてビシッと着込んだ
後木 真央
が力いっぱい頷く。小柄な身体がせわしなく動く度にぴょこぴょこと跳ねる栗色の髪が、ますますぴょこぴょこと動いた。
「バイトのみなさーんっ、本日はお集まりいただきましてまずはありがとうございまーすっ! 短い間ですがどうぞよろしくお願いいたしまーすっ!」
鳥籠のような銀の額縁のような舞台のその裏、大きな天幕で覆われたスタッフルームでは、イベント開催のために集められた数十人にも及ぶバイトスタッフの面々への説明会が行われている。
「仕事の割り当てはこちらのホワイトボードに貼っておきましたので、各自ご参照くださーいっ」
イベントスタッフを示す腕章を留めつつ、紗雪は傍らで背伸びをしたり跳ねてみたりしている真央に人懐っこく話しかける。
「……見えるっすか」
「見えないのだ」
割り当てられた仕事を確認しようとする人垣に阻まれ、ホワイトボードの貼紙を確認出来ずにいる小柄な真央に代わり、真央より頭ひとつほど背の高い幽は視線を伸ばす。傍らに立つやたら元気そうな少女の名を聞き、割り当てを確認する。
「終わったらスタッフのみの打ち上げとかもあるんすね」
「うぉう、スタッフのみの打ち上げ……」
割り当て表の端についでのように書き込まれた文字を読み上げた途端、真央の瞳がきらきらと輝いた。
「そこはかとないトクベツ感が真央ちゃんをくすぐるのだ~」
イベント後のイベントに熱をあげる、体操服の色からして一学年先輩らしい小柄な少女の様子に幽は軽やかに笑う。彼女がバイト後の打ち上げを楽しみにしているのと同じように、自分はアルバイトを趣味としている。色んなひとと色んな仕事をするのが、今はいちばんに楽しい。
とはいえ、
「こんな大規模なフェスのスタッフとかはじめてですねー」
色んなバイトをこなしてきた上に持ち前の人懐っこさもあれど、初めての仕事は勝手の分からぬことも多い。それでもバイトに入ったからには、
(頑張って超動き回るんで!)
心の中でめいっぱい明るく宣言し、幽はわくわくと腕まくりをする。
割り当てられた仕事は、楽器の運搬・整理と会場の清掃。
「真央先輩は設営と買い出しっすね」
「下っ端は喜んで買い出しに行くのだラジャなのだ」
真央はジャージズボンの腹に挟んでいた会場案内パンフレットを取り出す。仕事の割り当ても記してはいるものの、よくよく見ればパンフレットの端々にはここに来るまでに見かけた屋台の食べ物の内容が事細かに書き込まれている。
「どれがオススメっすか」
「スイーツ好きなら『マジカルハロウィーン』なのだっ」
どこまでも楽しそうな笑顔で元気よく持ち場に駆けて行く真央を見送る。
「……うぷぷ、屋台の下見もできるのだっ」
食い意地の張っているらしい先輩が別れ際に見せたちょっぴり悪い笑顔は、とりあえずは見なかったことにしておこう。だって確かに、空き時間の買い物やその店ならではの賄いはバイトの楽しみのひとつでもある。食を楽しみに仕事がはかどるのなら、それだってきっと悪いことではない。
「開場前は舞台設営、公演中は会場案内とゴミ拾い……」
「同じ仕事の割り当てで良かったな」
仕事の割り当てが貼りだされたホワイトボードを確認していたバイトの面々がそれぞれの持ち場へと散って行く。仲の良さそうな友人同士らしい栗色の髪の少女と亜麻色の髪の少年――
恵御納 夏朝
と
八神 修
の姿を見かけ、幽はちらりと首を捻る。高校の行事か何かで見かけた気がする。何かの委員の委員長と、生徒会の役員だっただろうか。
「音響やライト・大道具管理も気になるけど……」
用意してきた白手袋を両手にはめつつ、夏朝は小柄な身体いっぱいに静かなやる気をみなぎらせる。できることは全部やりたいけれど、大きなものを扱う仕事をするのは、とある事件の後に受けてしまった後遺症の関係で少し怖い。
夏朝はそっと焦げ茶色の睫毛を伏せる。あの事件以来、まだ時折視界が乱れる。酷い耳鳴りに襲われる。大きな物の運搬時や高い場所での作業時に後遺症に襲われてしまえば、他の人に迷惑を掛けかねない。
「……設営とゴミ拾い担当で良かった」
夏朝の呟きを耳に拾い、修は労わるようなまなざしを夏朝に向けた。けれどそれについては何も口にせず、
「腕章、留めてあげるよ」
スタッフ全員に配られた腕章を示す。礼を言って素直に腕を差し出す夏朝の袖に、ポケットから取り出した猫の飾りがついたピンで腕章を留める。
「……八神君、これ」
猫が大好きで自分でも猫グッズを作って楽しむ夏朝は途端に目を輝かせた。
日常ではあまり表情を動かさない夏朝の笑みに、修は柔らかな笑みを返す。
「猫と一緒だよ」
「ありがとう」
友人の笑顔が嬉しかった。それだけでもこのイベントに参加して良かったと思えた。
元々、このイベントへの参加を決めたのは、
(色々な年代の人が大勢訪れるから)
それは見聞を広めるためにも人と人との繋がりを得るためにもなる。地域貢献ともなり、行く行くは将来のためにもなる。怜悧なまなざしで将来を見据えようとしている少年はそう考えている。とはいえ、
「バイトが終わったら、キャンプやBBQも楽しもうね」
「もちろん。がんばろう」
夏朝の言う通り、イベントを楽しみにもしている。
荷物運搬用の軍手をはめ、修は持ち場に足を向けた。まずは仕事を精一杯こなそう。
「うん、がんばろう」
お祭りの最終準備に賑わい始める舞台裏をぐるりと見回し、夏朝はこくりと頷いた。
イベントとキャンプのために、生活をしている桜花寮には事前に外泊許可を取っている。内緒で飼っている猫のためには、猫用の自動給餌機もちゃんとセットしてきた。
準備は万端、あとは初夏のこのお祭りをめいっぱい楽しむだけ。
「ん、よし!」
耳にはめた赤いピアスを五月の風にきらり光らせ、幽は持ち場の責任者らしい金髪の少女のもとへ足早に向かう。
「ビシバシ指示してくださーい!」
「はーい、みんなで頑張ろうなあ」
黒髪を海風に揺らして元気よく駆けてくる幽に、
マリベル・ロイス
は夏草色の瞳を柔らかく細める。
「これで全員かな。楽器置き場担当の
マリベル・ロイス
です。一応、班長てことになっとるけど、……ええと、ふつつかものですがよろしくお願いします」
「
春姫 いちご
です、よろしくお願いしますっ!」
おっとりとした言葉遣いで丁寧に頭を下げるマリベルの隣、ツインテールを苺の髪飾りで彩った少女が蜂蜜色の瞳を輝かせる。
本土の名士に代々仕える家系に連なる関係もあり、いちごは高校生でありながら普段は星ヶ丘寮のメイド達に混ざって仕事を学んでいる。今日も、休日ではありながらいつも通りにメイドの仕事に精を出そうとしていたところ、
――きっといい勉強になるから
先輩のメイドに『ねこじまキャンプ』のバイト募集チラシを渡された。
(お手伝いが必要なんですね……!)
もしかするとたまには外で遊んできなさいとの先輩の心遣いであったのかもしれないが、真面目なメイドは真面目に与えられた仕事として音楽祭バイトをすんなり受け入れた。真面目にスタッフ募集に応募し、今この場に立っている。
「力仕事でもなんでも頑張りますので、よろしくお願いしますっ!」
「よろしくー」
上げた視線の先、春の遠足で一緒にごはんを食べたことのある同学年の幽が手をひらひらとさせていて、いちごはふわりと嬉しい笑みを浮かべた。お仕事ではあるけれど、今日は同い年くらいのひとたちもたくさんいる。
「紗雪さん」
苺の髪飾りをぱたぱたと揺らしながら、いちごは同学年の男子の傍に歩み寄る。よろしくお願いしますともう一度ぺこり、頭を下げてから、
「ところで、……フェス、って何をするんでしょう……?」
大真面目な顔で首を傾げた。
「んー、……音楽祭? ジャンルは何でも、だって。どんな音楽聞けるのか楽しみだよなー」
「春姫ちゃん、紗雪君、こっち手伝ってー」
班長のマリベルに呼ばれ、幽といちごはふたりで元気な返事を返した。
音響機器や衣装の搬入で混雑し始める舞台裏の端に楽器置き場担当班のみんなで移動し、定められた場所にまずは大型のテントを設置する。
「季節も季節やけど、やっぱり場所が砂浜近いしなあ」
砂と潮風は楽器の大敵。演奏家の両親に持ち、その両親の海外遠征に幼い頃から同行していたマリベルはそれをよく知っている。
グランドシートを敷き、砂と乾いた風を塞ぐ天幕を張る。それだけでも多少は楽器の保護になる。
出演者より先に届いた楽器が搬入トラックの荷台から下ろされ、男性スタッフが主になって天幕内に運び込まれる。
「ええーっと……」
男性陣に混ざって自分の身長ほどの楽器ケースを懸命に抱え、いちごは楽器置き場に向かう。朝とは言え、初夏の日差しはもう十分に強い。海風が涼しいとはいえ、いちごの正装であるメイド服で動き回っていればすぐに汗がにじむ。
「これはどっちに運べばいいんでしょうか……?」
「大きい楽器はテントの右側じゃないかな」
右往左往しがちないちごに、同じトラックから音響機材を運び出していた修が声を掛ける。嵩張る箱の片方を支えていた夏朝がひょこりと顔を覗かせる。
「これを運び終えたら手伝うよ」
「いえっ、お手を煩わせるわけにはっ」
同じ高校の先輩ふたりから声を掛けられ、いちごは慌てた。上気した頬で首を横に振る。
「あちらですね! ありがとうございますっ!」
指示された場所へ足早に向かおうとして、砂混じりの芝生に足を取られた。
「……わわっ!?」
「っと、」
楽器を庇って転びそうになるいちごを、打楽器用のスティック袋を片手に運んでいた通りがかりの幽が楽器ごと支える。
「だいじょーぶー?」
「あっ、ありがとうございますっ!」
お礼を言った途端、幽が持っていたスティック袋と大きな楽器ケースをひょいひょいと取り替えられ、いちごは更に慌てる。
「それはわたしがっ」
「場所一緒だし、いいからいいからー」
鼻歌交じりで楽器ケースを担いで運ぶ幽の後を、いちごは代わりに渡された袋を大事に胸に抱えて追いかけた。
「すみません、ありがとうございます!」
楽器類で埋まり始めた天幕内を見回し、幽は息をひとつ吐く。額に滲む汗を拭い、天幕の出入り口で何かの資料に目を通しているマリベルに声を掛ける。
「こんなもんっすかね?」
「うん、こんなもん、……かな?」
幽に応じ、マリベルはつられたように息をひとつ吐く。
「開場したら色んなバンドが演奏したり歌ったりするんすよね~」
「もうそろそろアーティストさんとか集まって来てるみたいやなあ」
「うん、そう考えたらもっと綺麗にした方が良い気がしてきた!」
お祭りが始まる予感に、幽の声がわくわくうずうず弾む。
「もうちょい掃除して来まーす!」
テントの外へ元気よく飛び出して行く幽を目で追えば、晴れ渡る空の下、あからさまにスタッフではない服装と雰囲気を纏った人々が集まり始めている。
(うわ、ニャンスタ映えしそうやなあ……)
写真投稿用SNS、ニャンスタグニャムを愛好する女子高生はわくわくとそう思う。仕事の合間を縫って、舞台裏の写真を撮ってもいいかイベント責任者さんに聞いてみよう。舞台裏のアーティストの様子をニャンスタにアップロードすることが出来れば、このイベントのいい宣伝にもきっとなる。
(タグは♯ねこじまキャンプ1370で!)
そうと決まれば、と真面目に仕事に戻る。もう一度、イベント用資料に目を通す。
(大まかな出演順は決まっとるみたいやけど、これだと誰がいつ登場するかわからないし……)
ともかくも分かっているだけの参加者のリストを作成し、番号を振ろう。そうして番号順に使う楽器を並べれば、少しは分かりやすくなるかもしれない。
「春姫ちゃん、ちょっと手伝ってくれるかな?」
「はいっ!」
いちごの手を借り、マリベルは参加者リストと番号割り振りの作業に取り掛かった。
開演時間のあちらこちらに飛び入り参加を期待した枠が設けられている。主な飛び入り企画は深夜枠であることを確かめつつ、マリベルはテント内に並ぶ楽器を見遣る。出演者用のものはもちろん、飛び入り参加者に貸し出す用の楽器も相当数揃えられている。
その中に銀色に輝く南国はカリブの打楽器、スティールパンを見つけた途端、マリベルのエメラルドの瞳が丸くなった。
「って、あかん」
今回はスタッフとして参加している、と自分に言い聞かせながらも、マリベルの目はスティールパンから離れなくなる。
(せやかてなあ)
出演者の多寡によっては先に出た出演者が再度演奏することにもなるかもしれない。ことによっては演奏スケジュールに穴が開いてしまうかもしれない。
そう思ってしまうともう堪らなくなった。
「飛び入り参加歓迎ですー! 出演者は多ければ多いほど大歓迎ですー! サプライズ・キスへの出演及びご応募も、とてもとてもお待ちしておりまーすーっ!」
それに、イベントスタッフのひとりが声を枯らさんばかりにあちこちに向けて呼びかけ続けている。
「あっ、あの、あのな、進行を見て、空いた時間に、時間を埋めるって形で、」
思い切って声を掛けてみた瞬間、
「うおお、確保! 出演ですねっ、ありがとうございますっ!」
イベントスタッフは参加申し込み用紙を手に怒涛の勢いでマリベルのもとに走り寄って来た。
「さあっ、サインをっ! サインを今すぐここに! お隣のあなたもどうぞっ!」
どさくさに紛れて隣のいちごにも申し込み用紙を押し付ける。
「わたし、音楽は」
「でしたらこちらにマルを! そうそう、こちらの応募用紙! ご希望は? 誰でも? 箇所は? 唇以外にしておきましょうかっ」
目を白黒させながら、いちごはほとんど言うなりにサプライズ・キスの抽選応募用紙にそれと知らず記入を済ませた。
「ええの?」
ほくほく顔のスタッフが別の参加者を探して行ってしまった後、マリベルに心配げに問われ、いちごはちょっと不安になる。けれど、
「ええ、わたしがお役に立てるのでしたら」
真面目でポジティプなメイド見習はこくり、大きく頷いた。
「さあ、お仕事の続きをしましょう、ロイスさん!」
「マリベルでええでー」
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3人まで
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日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
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