朝凪の波音を背にして立つ。
背中に吹き寄せる海風を受け止めるように、
オルカ・ヴィヴァルディは両腕を広げた。乱れる黒髪にも構わず、鮮やかな青の瞳を細める。
銀の鉄塔を組み合わせた特設舞台は、まるで鳥籠のようでもあり、背後に広がる海を飾る額縁のようでもあり――
――オルカが片翼を担う歌唱ユニット【Re】も出演する野外音楽イベント『ねこじまキャンプ 1370』が迫っている。
場所は寝子ヶ浜海浜公園、海を望んだ広場。
舞台から見渡せば、広場のあちこち、イベントに向けたブースが様々に準備されている。
アウトドアグッズ用品に始まり、各自で行うことも出来るBBQ用食材や用具、果ては楽器や古本古着、当日ともなれば様々な露店が軒を連ねることとなる。
音楽と食とキャンプを存分に楽しむことが出来るお祭り騒ぎは、五月の暖かな昼下がりから始まり、深夜を経て早朝、翌日の昼過ぎまでの長時間に及ぶ。その間、ジャンルを問わぬ音楽が広場に響き続ける。
風を受けて舞い上がる鳥じみて、オルカは舞台に軽やかなステップを踏む。鼻歌まじりに口ずさみ始めた歌は、『運命』だと信じて口説いた相手、
獅子目 悠月と初めて声を重ねたもの。
甘く低く、夜空の色に似て伸びるオルカの声に、瞬く星のように高く澄んだ声が寄り添う。
赤銅の髪を皐月の風になびかせ、高らかに凛々しい少年の声を心地よさげに放つ相棒の悠月を見、オルカは息を合わせた。
ふたつの声が合わさり、ひとつとなる。
舞台の上、ふたつの翼が力強く羽ばたき始める。
少年たちの歌に惹かれ、祭りの準備に追われる幾人ものスタッフたちが思わず手を止めた。
広場に面した舞台の上、【Re】のふたりはまなざしを交差させて微笑みあう。五月の海風と賑やかな祭りの最中に響かせる歌は、どんなものが良いだろう。相棒と共、どんな歌を皆に届けよう――
下見を兼ねた舞台の上、オルカは甘やかに微笑む。
「ヴィヴァルディさん、獅子目さん」
舞台の下から声を掛けられて顔を向ければ、そこには今回のイベントスタッフのひとりが少し困った顔で立っていた。その手には、スポンサーが急遽提案したというイベントの企画書が握られている。
「キス……?」
『サプライズ・キス』と称されたその企画は、抽選で選ばれたファンに出演者がキスを贈るというもの。時間は午後九時、メインイベントのひとつと言ってもいい時間帯に行われる。
企画書の中に【Re】の文字も見つけ、オルカは凛々しい眉を微かに寄せた。
「ファンにキスを贈る企画か」
悠月が僅かに困惑したように声を低くする。
「もッ、申し訳ありません! 大手スポンサーからの突然の企画で、断れなくて、……どうも、企画立案者に【Re】さんの大ファンが居るみたいで……あ、もちろん抽選は厳正です、申し込みされたファンの中から選ばせて頂きますっ」
芝生に頭さえ打ち付けそうな勢いで頭を下げながら、スタッフは続ける。
「あの、キスする場所はどこでもいいんです。頬でも額でも、何なら手でも指でも! ……『サプライズ・キス』、ご出演いただけ、ますか……?」
「キス、ね」
低頭平身の態で頼みこまれ、オルカはハスキーな声で短く笑った。傍らに立つ悠月を横目に見、笑みを深くする。髪にならば思慕、額にならば友情、瞼にならば憧憬、キスは場所によって意味するところが違うという。
たとえば、もしも相手が悠月だったならば、身体のどの箇所にキスを贈ろう――?
こんにちは。阿瀬 春と申します。
今回は、『こんなのはじめて♡キャンペーン』でご当選されましたオルカ・ヴィヴァルディさんからご指名いただきまして、プレゼントシナリオをご用意いたしました!
ガイドにはキャンペーン当選者のオルカ・ヴィヴァルディさんと獅子目 悠月さんにご登場頂きました。ありがとうございますー!
舞台や内容、いろいろと考えてみましたが、こんな感じで如何でしょう……?
もちろん、ガイドに関わらず、ご自由にアクションをお書きくださいー!
音楽祭。音楽祭と言えばキャンプ! だったりすることもあるそうです。
音楽溢れるキャンプとか、とても楽しそうです。BBQしたり、キャンプご飯作ってみたり、テントの中でうつらうつらしながら音楽に耳を傾けたり。
屋台も色々出ているので、ふらふらっとしてみるのもいいかもしれません。
夜の舞台から見れば、テントの中や外のランプの光が星みたいに見えたりするのかもしれません。
出演者さんの誰かがファンでしたら、サプライズ・キス企画の抽選にぜひ申し込んでみてください。運が良ければ憧れのあのひとからキスをもらえる、かも……?
ということでー、ねこじまキャンプ、出演者さまも屋台ブースご希望者さまもお客様も、大募集中ですー! ひとももれいびもほしびとさんも! みなさまお越しくださーいっ!
(※主な行動や場所を1~2つに絞ってアクションを投稿してください。選択肢が多岐に渡るとひとつひとつのリアクションがとても薄味になってしまいます。)
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■■1■■出演者として舞台に立つ!
昼過ぎから翌昼前まで延々続く音楽フェス、出演者は多ければ多いほど大歓迎! です。
ご出演くださいます場合は、
【出演者氏名(グループ名なども)】
【出演希望時間(夕方、深夜、などのざっくりしたものでオッケーです)】
【サプライズ・キス参加の可不可(ファンに対してキスを贈る箇所も)】
このみっつを忘れずお書込みください。
それから、コメントページにも「出演するよー」とひとことお書きいただけましたら、サプライズ・キスのお相手が見つかったりする、かも。
※サプライズ・キス企画参加のお相手の参加者が居られる場合は、その方とGAをお組みください。
もちろん、NPCな熱烈ファンもおります。いそいそと申込用紙を書いております。
「深夜には飛び入り参加企画もございますー! 参加登録をしていなくとも舞台に立てるチャンスですー!」(ねこじまキャンプスタッフ)
■■2■■スタッフや関係者として働く!
公園の一角を借り切っての大規模イベントですので、スタッフさんも多ければ多いほどありがたいです。裏方さん大事!
開場前の舞台やブースの設置に始まりまして、公演中の音響やライトの管理や大道具さん的なお仕事、会場のゴミ拾い、閉演後の撤収作業などなど。
「イベント終了後にはスタッフのみの打ち上げ会もございますー!」(ねこじまキャンプスタッフ)
■■3■■屋台を出す!
屋台の種類は問いません。食べ物でもお酒などの飲み物でも手作りアクセサリー作品でも、なんでも!
広場南側に設営された舞台を半円で囲うようにして屋台ブースが用意されています。その範囲であれば基本的にどこでも屋台を構えることができます。
一昼夜に及ぶ長丁場ですが、深夜等は一時閉店しても構いません。で、その合間を縫って舞台に飛び入り参加したり、他のお店を回ってみたりもできます。
コメントページに「お店だすよー」と書き込みましたら、どなたかお客さんが来られる、かも!
「一緒に! 一緒に盛り上げましょう! それから一緒にたのしみましょうー!」(ねこじまキャンプスタッフ)
■■4■■屋台で食べ歩いたり買い物したりする!
屋台ブースをふらふらするのもこういうイベントの楽しみのひとつ! だと思うのです。
「串焼き地ビール地酒にカクテル! 季節の鉢植えにプリザーブドフラワーにハーバリウム、この時期植え付けの種に寝子島産の新鮮野菜! 古本古書にハンドメイドアクセサリー、楽器に絵画! 割となんでも揃いますー! 欲しいと思った時がお買い物時ー!」(ねこじまキャンプスタッフ)
■■5■■ライブの観客として楽しむ!
舞台付近にはライブを楽しむためのスペースも用意されています。
固定の椅子はありませんが、折りたたみの椅子の持ち込みが可能です。
当日は日中も夜間も五月晴れです。空の下、大好きなあのひとやあのひとたちの楽曲を思う存分お楽しみください!
「サプライズ・キス企画、よろしければぜひ! ぜひ抽選お申込みくださいー! お申込みの方は【ご希望の出演者】【ご希望のキスの場所】を申し込み用紙(アクション)にお書込みくださーいっ! あっ、でもご希望の場所にキスがもらえるかどうかは保証いたしかねます。すみませんすみません!」(ねこじまキャンプスタッフ)
※サプライズ・キスのお相手な出演者が居られる場合は、GAをお組みください。
NPC出演者と! 舞台出演者の誰とでもいいからキスがしたい! な博打的アクションも歓迎です。(その方が抽選で当選した場合のキスのお相手は『誰でもいいからキスをするとアクションに記載のある出演者』か『NPC出演者』となります)
■■6■■キャンプを楽しむ!
キャンプサイトにテントを設置したり、そこでBBQやキャンプを楽しめます。広場の端にはキャンピングカーを駐車できる場所もあります。
芝生広場ですので、直火の焚き火は禁止となっておりますが、屋台ブース端にある運営本部に申し出れば、焚き火台を貸し出してくれたりもします。
有料な上に数も限られていますが、テント等のキャンプ用品貸し出しもあります。
もちろん、ご自身で色々と用意されても! というかいっそのことキャンプ用品ブースで一式揃えてみたりも!
ひとりキャンプも、仲間とわいわいキャンプも、どちらでも。どうぞめいっぱいお楽しみください。
コメントページに「ソロキャンプします」とか書きこまれましたら、他のソロキャンパーと友達になれたりBBQに混ざれたりするかも?
「テントやコンロやランプの貸し出しもございます、BBQ用の炭も食材も屋台で揃います! ふらっと手ぶらでお越しくださいましても大丈夫! ぜひぜひご参加くださーいっ!」(ねこじまキャンプスタッフ)
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ではではっ、ご参加、広場の端っこでマシュマロ焼きながらお待ちしておりますー!