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海と歌とキャンプと
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――いま光を集めて この空に飛び出そう
ほら ほら
おひさまはいつだって私達を見ている
晴れやかな空に向け、未明せれねは歌声を伸ばす。白い手を空へと差し伸べる。
茶色の瞳に太陽の光を宿らせ、ステージの上から観客席を埋める人々を見つめ、歌うのは『サンライトステージ』。
眩しい陽の光が燦燦と降り注ぐこの場にぴったりな歌だと瑠奈は思う。
――Wake Up!とびおきて 明るさに目を細め
Stand Up!たちあがって 大きく手を伸ばす
ああ今日もいい天気 一緒に走ろう
私達はなにもかも 全てができるから
空に差し伸べた手を、今度は客席へと向ける。歌声を、歌う心を見ていてくれる人々へと届けたかった。たとえばあたたかいおひさまのように。
(おひさまが見守ってくれているから、頑張っていける)
これはそういう歌。どこまでも前向きであろうとする曲。
――いま光を集めて この空に飛び出そう
愛も夢も勇気も いっしょに込めて
いま光を集めて あなたにとどけよう
おひさまはいつだって私達を見ているから
パステルカラーの歌声を響かせながら、せれねは客席に向けてウインクをする。知らず発動したろっこんに合わせ、ふわり、海と太陽の香を纏った風が流れた。
せれねを中心にして広がった爽やかな風が、明るい光と共に会場を吹き渡る。
「おお」
太陽の日差しにも似た歌声と、小柄な身体を精一杯使った可憐なパフォーマンスに、
千歳飴 楓子
は長い黒髪を揺らして歓声を上げる。艶やかな黒髪がなびけば、髪の内側を染める水色がちらりと覗いた。
「未明ちゃーん!」
「せれねー!」
あちこちに響く男性女性入り混じったファンの声に比べ、その声は小さくはあるものの、間違いなくせれねのステージに心を動かされてのもの。
自分があげた歓声に驚いたように、楓子は水色の瞳をぱちぱちと眠たげに瞬かせた。知らず解いてしまった腕を元のように組み直し、元通りに落ち着いた、眠たげな瞳をステージへと向ける。
「うん」
可愛い女子はいい。
女の子が目を見張るようなパフォーマンスを見せてくれるのは、もっといい。
「あっ、女の子も出てるんだ! かわいいー!」
金髪の少年と二人連れの、亜麻色の髪の少女が可愛らしい歓声を上げている。小さな手で懸命に拍手をする少年少女からつかず離れずの位置に立つ赤毛の青年は、もしかすると彼らの保護者なのだろうか。ステージにも目を注ぎながら、時折ちらちらと熱を帯びた視線を二人に向けている。
少女とも少年とも見える
工藤 歩夢
の言葉にうんうんと頷きつつ、歩夢と連れの
タイラ・トラントゥール
に視線を奪われがちな
ロベルト・エメリヤノフ
を視界の端に入れつつ、楓子はぼんやりとしても見える顔つきのまま、しっかりとステージを楽しむ。
◇◇◇
初夏の太陽にロータスを象った硝子飾りが煌いている。
透明から薄紅に繊細に色を変える掌に収まるほどの可憐な硝子細工に、まず目を惹きつけられた。
五月晴れの空と同じ色した瞳に、けれど
イーリス・クライノート
は金色の睫毛の陰を落とす。手に取って飽きず眺めてしまいたいものの、あの硝子細工の屋台はどうにもキラキラしている。蓮や蓮華やアイリスや、花を模した硝子細工はどれもこれもが薄い翅のように細やかで色鮮やかで、
(あれも、これも可愛い!)
思わず口をついて出そうになる歓声を、イーリスはきゅっと唇を噛んで押し殺す。
だって近寄りがたい。
(私は)
落ちた視界に映るのは、己の纏う男物の服装。長身ということもあって、女子にしては声も低い。男子と勘違いされることも多い。こんな己があんなに可愛くてキラキラした場所になんて溶け込めるはずがない。
(でも……)
でもやっぱり、綺麗で可愛いものを手に取ってみたい。できるならいちばんのお気に入りを見つけて購入したい。
(……でも、……)
進もうとした足が怖じる。近寄れずに遠巻きに眺めてしまう。迷いに迷って歩き出せずにいたその時、
「こんにちは~」
不意に明るい声を掛けられた。ぎくりと声を呑んで振り返ると、立っていたのは艶やかな黒髪と優し気な夜色の瞳をした少女。
お姫さまみたい、と咄嗟に思ったのは、瞳を縁取る長い睫毛とその瞳の上で切り揃えられた前髪のためもあるだろうか。
(可愛い子だな)
誰かから声を掛けられるとは思っていなかったせいもあって、言葉をなくしたままのイーリスに、
回田 はつな
はふわりと笑みかける。
「すみません当然~」
さっきからずっと、硝子細工の屋台を遠巻きに眺めて気になる様子を見せながら、何故だか入れなさそうにしていたこのひとが気になっていた。
(探したい物があるけど入れないって感じ?)
知らない人に声を掛けるのは少し緊張するけれど、今日はお祭り。こんなに賑やかで、こんなに明るい空の下で、こんなにご機嫌な音楽に満ちている場所でなら、知らない人にだって明るく声を掛けられるというもの。
(よ~し!)
店に入れずに迷う長身の背中に声を掛けようと決めた時と同じように、はつなはもう一度心の中で拳を握る。
「私も探したい物があるんですけど、良かったら一緒に行きません~?」
いつも通りにふわふわとした口調で話しかけながら、はつなは視線を上げる。金髪碧眼、長身で細身のこのひとは、何だか王子様みたいだ。
「私一人なんですけど、誰かとお話しながら見たくて~」
話しかけるうちに、だんだんと迷い始める。勢いで話しかけたけれど、このひとは女の人なのだろうか。男の人なのだろうか。
(どっちだろ……?)
男の人にすると華奢な感じがする。女の人にすると凛々しすぎる気がする。
はつなが次の言葉に迷う間に、男装の麗人は甘やかに微笑んだ。
「えぇ、お誘いありがとうございます」
微笑みながら、イーリスは内心では緊張している。元々、初対面の人と話すのは得意ではない。
女の子のほわほわした話し方につられてうっかり自分もほんわか和んでしまったけれど、ここは気を引き締めて、
(格好良く!)
自分で自分に言い聞かせ、言葉を継ぐ。
「あなたのような素敵な方にお声がけいただけて光栄です」
落ち着いた声で話せているだろうか。
こんな自分に声を掛けてくれた可愛い女の子の素敵な勇気に応えられているだろうか。
穏やかに会釈するイーリスの胸の内はどきどきと高鳴っている。実のところ、上がってしまってまともに話せているのかも分からない。
「申し遅れました~」
王子様然とした様子にうっかり見惚れてしまってから、はつなはぺこりと頭を下げる。名を名乗り、寝子高校の二年女子であることを告げる。
「あぁ、こちらこそ」
イーリスの名を聞き、自分より一学年上があることも聞き、はつなは頷く。
(イーリス……)
それは確か、ギリシャ語で虹を現わす言葉。虹をかける女神の名。
(って事は女性だね!)
「改めてよろしく、はつなさん」
自然に差し出された手を反射的に握り返して、はつなはもう一度頷く。この優しい手と指は、確かに女の人の手だ。
うひ~、と思わず笑い声が零れる。
「よろしくお願いしますね、先輩~!」
先輩と呼ばれ、イーリスはくすぐったい笑みを溢れさせる。少女たちはふたり、笑い合いながら硝子細工の屋台に向かった。
(……うん)
はつなに手を引かれる勢いで屋台に向かいながら、イーリスは空色の瞳を細める。賑やかな所も好きだし、美味しいものも好きだし、可愛いものも、本当はとても好きだ。
(でも)
誰かと笑い合うことに勝るものは、きっとない。
「私、これから暑くなるし、涼しそうなアクセ探しに来たんです~」
「アクセサリー、色々あるんだなぁ」
硝子細工のイヤリングやピアス、ネックレスやブレスレットや指輪、屋台には置物以外にも様々な装飾品が品物として並んでいた。
(はつなさんが好みそうな、涼しげなもの……)
眼を輝かせて硝子細工を見つめるはつなの横顔を見、イーリスは考え込む。ふんわりとしたお姫さまのような女の子には、ここにあるどんなものだって似合いそうだ。
紫陽花の指輪に露草のイヤリング、向日葵のブレスレットに撫子のピアス。
素敵に可愛い女の子と並んで買い物をしていると、自分もほんの少し、同じような女の子になれているような気がした。
(あ、これ可愛い)
はつなのアクセサリー選びを手伝っているつもりが、ふと気づけば自分が気になる薄紅色した蓮の花びらを象ったブレスレットを手にしてしまっていた。
「それ、気になったら試しに着けてみません~?」
「え、試しに?」
イーリスはふわり、白い頬を淡い朱に染める。
小さな硝子細工を連ねた華奢なブレスレットは、とても女の子っぽい気がする。普段なら自分には似合うまいと絶対に選ばないデザインではあるけれど、
(こ、こんな機会でもなければ身に着けることもないし)
「アクセのサイズって結構大事なんですよ~」
決して無理強いするわけではなく、ふたりでの買い物を心底から楽しんでいる様子で勧めてくれるはつなに従い、イーリスは少し試すだけならと手首にブレスレットを通してみる。
「ぴったり~」
「そ、そうかな」
首を傾げるイーリスに、はつなは大きく頷いて見せる。イーリスの白くて細い手首に、花の色したブレスレットはとてもよく似合う。
「私これ買お!」
イーリスが意を決したようにブレスレットを買うのを嬉しいまなざしで眺めてから、はつなは淡いブルーのトップが付いたネックレスを手に取る。いつもはピンクのものを選びがちではあるけれど、今回は違う色に挑戦してみたかった。
「いい色だね」
そう言って微笑んでくれる先輩の瞳と、ちょっぴり似た色。
買ってしまったブレスレット入りの紙袋を大切にポケットに仕舞い、次の店に向かおうとして、
「……わ」
イーリスの足がふと止まった。
装飾品のその隣、小さな棚にずらりと並べれているのは、色とりどりのハーバリウム。
初夏の光にきらきらと輝くその色と煌きに目を奪われ、イーリスは知らず息を呑む。様々なかたちした小瓶に納められた、シロツメクサの翠やストロベリーキャンドルの紅、勿忘草の青。
「どれも素敵~」
素直な言葉を素直に口に出来るはつなこそとても素敵だと、イーリスは思う。
「ふふ。先輩、迷ったら~……買う!」
ハーバリウムを見つめるイーリスの瞳の輝きを見止め、はつなは力強く宣言する。
「次って大体、もうないですし~」
プレゼントか自分用かと問うた途端、イーリスの瞳が伏せられた。どうかしましたかとそっと問えば、中性的で素敵な先輩は、どうやらその魅力を逆にコンプレックスのように感じているらしい。
「私に、似合うとは思えなくて……」
「誰が何を好きだって、全然いい思います~」
俯く青い瞳を上げさせたくて、はつなはイーリスの手を取る。
「好きな気持ちは止められない。それでいいじゃないですか~」
ふわふわとした口調で強く背中を後押しされて、イーリスは淡く笑む。この可愛い後輩は、とても素敵な強さを持っている。
(まだ、今の私ではその強さは持たないけれど)
彼女の言葉を、いつか本当に信じたい。そうすれば、自分はこういう可愛いくてキラキラしたものが好きなのだと、いくら似合わなくても構わないと胸を張れるようになるのかもしれない。
そうだ、とイーリスは肯う。
「この出会いも一期一会、というもの」
「はい、心の赴くままに! 私は赴き過ぎ~、なんて、よく言われちゃいますけどね~」
うひ~、と照れくさそうに笑うはつなに、イーリスは改めて礼を言う。
「ありがとう、はつなさん。今日は君に出会えて、本当に良かった」
似合わないと買わないもりでいたハーバリウムの中から、イーリスは透き通った水色の花のハーバリウムを選んで購入する。どの色もキラキラして綺麗だけれど、今は何故か、その色から目が離せなかった。
店員に代金を支払っていると、傍らでぐぅぅ、とはつなのお腹が鳴った。
「なんか減っちゃってたみたいです、すみません~……」
恥ずかしそうに頬を掻くはつなからご飯のお誘いも受け、イーリスは嬉しくて笑う。
「っ、うん、ぜひご一緒させてください」
可愛い姫君にするように、虹の女神の名を持つ少女は手を差し伸べてみせる。
「お手をどうぞ、可愛らしいあなた!」
今は男性がするようにしか手を伸ばせないけれど、きっと、いつかは。
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阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月05日
参加申し込みの期限
2018年03月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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