海と歌とキャンプと｜リアクション

海と歌とキャンプと

　盛大なお祭りの後には、もちろん後片付けが待っている。
　広げに広げた天幕やステージの撤収作業、あちこちに山積みになっているゴミの回収作業。
「楽しかった……」
　真っ青に晴れ渡った午後の空の下、八神修と共にゴミ拾いと回収作業に精を出しつつ恵御納夏朝は心から呟く。
「そうだな」
　黒いゴミ袋の内側に隠し、袋に入り切らなさそうな粗大ごみをこっそりろっこんで分解してしまいながら、修は祭りの後の会場を見渡す。
「誰も怪我がなくて良かった」
「そうだね……」
　安堵の笑みを浮かべる夏朝の後ろ、
「頑張ったのだ……」
　畳んだテントを撤収用トラックまで運ぶ後木真央がヨロヨロと歩いて行く。
「燃え尽きないけど普段の三～四真央ちゃんくらい頑張ったのだ……」

「三～四真央ちゃんっすか」
　抱えたテントの支柱の束を取り落としそうになる真央の横に立って支柱を支え、紗雪幽が謎な比喩を明るく笑った。
「大盛況で終わって良かったっすね～！」
「とっても大変でしたけど、楽しかったですっ！」　
「いちごちゃんもよう頑張ったねぇ」
　ふたりで会場のゴミ拾いをしていた春姫いちごとマリベル・ロイスも一緒になって笑い合う。
「打ち上げも楽しみやね」
　あらかた片付け終わった会場の端っこ、ひとつだけ残された大型テントの下ではイベントスタッフのみによる打ち上げBBQの準備が進められているらしい。
「ご飯いっぱい、食べられるでしょうか……？」
「真央ちゃんは全ての食材を味見するのだ！　そして気に入ったものは皿に大盛り！　真央ちゃんこのために生きてるのだっ」
　豚牛鶏はもちろん、じっくり焼いてしっかり甘い玉葱にキャベツ、ベーコンたっぷりジャーマンポテトに寝子牛焼きそば、魚介や林檎のホイル焼き、焼きマシュマロをチョコレートとグラハムクラッカーで挟んだスモア、焼きバナナとパイナップルには冷たいバニラアイスにチョコアイス。
「打ち上げごはん……なんて魅惑の響き……っ！」
　食べ物のことを想像した途端に元気になる食いしん坊真央に、幽といちごも乗っかる。
「いちごもお供します……！」
「俺も行きます行きます！　ところどころ見れてないんでどんなんあったか色んなひとに教えてもらおー！」
　最後の仕事に張り切る仲間たちの楽し気な声を耳に、夏朝は祈るように笑う。大変ではあったけれど、音楽もキャンプも、たくさんたくさん楽しめた。
「また、来年もみんなが楽しめますように！」

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あとがき

担当マスター：阿瀬春
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お待たせいたしました。
音楽とキャンプとそれから海のお話、お届けにあがりました。

みなさまのお話を書かせていただきながら、キャンプしたくなったりBBQしたくなったり屋台巡りしたくなったり、歌をうたいたくなったりしました。
少しでもお楽しみいただけましたら、あと、キャンプとかをした気持ちになって頂けましたら幸いです。

ご参加くださいまして、お読みくださいましてありがとうございました！
またいつかの機会にお会いできましたら嬉しいです。

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