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パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~
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迫り来る枝や蔓を鉈で切り落としながら、
新田 亮
は駆けた。
動き回るものは特に狙われやすい、僅かの油断でも命取りになりかねない状況。
しかし、空中戦を繰り広げる仲間達のお陰で、何とか前進することができる。
じきに、亮は既知の仲である
サキリ・デイジーカッター
との合流を果たした。
「っ、流石に、息が上がるな……360度、見渡す限り敵のエリアと来てる」
疲れのせいというよりは絶えず続く緊張に息を荒くしながらも、亮はサキリへとあるものを差し出す。
それは、亮と共に現実世界からやってきた多目的ライター。
「新田、これは……」
「お前なら、あの化け物に近付けるだろ? さっきのも、走りながら見た」
鈍く光るライターの先端と亮の言葉に、サキリは全てを察してそっと笑った。
――火を放って燃やすのだ。あの、忌まわしい樹を。
「そうだね。僕のろっこんなら、奴にも何とか近づける。危険だが確実な方法だ」
「だろうな。頼んだ、サキリ。ああ、燃やすものは……」
「それなら、丁度いいものがあるよ」
のたくる蔓をまた切り捨てた後で、サキリは一旦ナイフを仕舞う。
亮が鉈を手に前に立つ中で、サキリが取り出したのは1冊の古めかしい本だった。
「まさかこんな形で役に立つとは思わなかったけど、まあいいさ」
振るわれた鉈が、ぶんと枝を切り落とす。
振り返った亮の視線が、先に足元に落とした買い物袋を示してみせた。
「中に、食用油が入ってる」
言葉は、それだけで充分だった。
ごく手早く本に火を付け、本を抱くのと同じ腕に食用油のボトルを抱えて。
サキリは、多目的ライターを地に落とすと、空いた方の手で滑らかな動作を以ってナイフを1本抜き放った。
イメージの世界で空間を切り裂けば、彼の世界は姿を変える。
枝を、蔓を避けながら、瞬間移動を繰り返して、サキリは巨大樹へと迫った。
じわじわと炎を燻らせ始めた本を樹の根元に放ち、そこに油を掛けてまたすぐに瞬間移動。
閉じてしまった扉の傍へと戻ったサキリの背後に、細く、けれど確かに煙が昇る。
「一つ、頼み事を」
背に迫る枝をナイフの糧にした後で、サキリは亮へと声を投げた。
「その袋の中の赤い実、少し譲ってもらえないかな?」
念の為にね、と、サキリはその双眸を紅玉の実よりもなお爛々と煌めかせるのだった。
炎は、見る間に勢いを増していく。
その様子を茶色の瞳に映して、
恵御納 夏朝
は口元を引き締めた。
「燃えてる……きっと、効果は抜群だけど……」
「こっちも、気を付けないといけないな。それに、決着を急ぐ必要が出てきた」
動きを封じられぬよう制止することなく戦場に舞う
御剣 刀
が、身を翻しながら応じる。
警戒が必要な範囲を絞る為に、また、加えて今は煙の影響を受けない為に。
姿勢を低く重心を落とす刀の言葉に、夏朝は固い面持ちで頷いた。
(何があっても、一閃さんは守り切ってみせる。身体を張ってでも、絶対に)
胸の内に己の想いを確かめて、翠玉の葉と盾代わりの荷物を持つ手に益々力を込める夏朝。
翼獣達の元で、
屋敷野 梢
もまた、その表情を険しくしていた。
タイムリミットが生まれた上でもなお、戦場に向かえない身の歯痒さときたら。
(戦わないことがこんなに辛いなんて……だけど、私はこの子達を守るってきめたんです)
誓って皆で帰るのだと、梢は翼獣達へと冷静に指示を出す。
「もしあの樹の枝に巻かれたらすぐに救出を! 枝を破壊するのでも構いません!」
実際に枝の餌食になった
来島 アカリ
が、ダメージを負いながらも声を張ってくれた。
そのお陰で、あの枝に捕まることがどれほど危険かを、地上の梢達も認識できている。
空中で戦う仲間達の姿を、梢は半ばは祈るような、もう半分は焦がれるような思いで仰ぎ見た。
「来島! 大丈夫かい!?」
消耗しているアカリを庇うようにして、翼獣ミーシャに乗った
ロベルト・エメリヤノフ
が言う。
強がり混じりに平気だと応じて、アカリは翼獣ライへと音を零した。
「ライ、こっから先、益々危ないかもしんねーけど……頼むな」
言われるまでもないとばかりに逞しい翼が風を生めば、アカリの目元も仄か和らぐ。
地上から立ち昇る煙のどんどんと勢いを増しているのに、緑の目を眇めるは
楢木 春彦
だ。
「目指せ早期決着、って感じか?」
「みたいだねぃ。オレ達も、ちょっと激しく行こうか」
頷いて、
呉井 陽太
は翼獣ムクに、翼で風を起こすよう指示を出した。
巨大樹の方向へと、湧き出る煙を追い払う。
身動きできない寄生クローネが、それを顔へとまともに受けて耳障りな悲鳴を上げた。そこに、
「危ないから、皆は避けてねぃ!」
と、陽太はすかさず紅玉の実を投げつける。
実はコントロールを失うことなく目標へととび、完璧なタイミングで爆発した。
「っは、さっすが呉井!」
表情を明るくして、春彦も陽太に倣う。春彦の手から放たれて、弾ける宝石の如き赤。
本体にダメージを受けて、枝が、蔓が、益々以って荒れ狂った。
「わっ、と……!」
ビュン! と迫った枝に、ロベルトも赤い実を投げてぶつける。
爆発をまともに食らってだらりと落ちる枝を前に、ロベルトは息を吐いた。
「全く、危ないったら……でも、それだけ相手も追い詰められてるってことだよね」
その言葉の意味を頭に確かに据えながらも、
卯木 衛
は胸の内を熱く焦がした。
(ロベルトさんの言う通りだけど、キリがねえな。皆を守る為にアイツを倒したいのに……そうだ!)
空中に舞う仲間達へと、思いつきに、幾らか晴れた声を投げる衛。
「なあ、数が多いなら纏めちまえばいいんじゃねーかな?」
言うや、衛は迫る蔓の群れの中へと、春彦から先に受け取っている紅玉の実を放り込む。
寸の間怯んで、けれどその蔓達は、衛を明確にターゲットと定めたようだった。
衛の意を察して、成る程と、アカリが宝石のような瞳に煌めきを走らせる。
「俺も手伝うぜ、卯木」
地下迷宮にて
勅使河原 悠
から託された実には、まだストックがある。
アカリもまた、その赤い実を用いてこちらはのたくる枝々の注意を引いた。
2人を乗せた翼獣が、一見でたらめにとび回る。
「アカリくん!」
「卯木!」
パートナーの想いを乗せて、以心伝心、翼を擦らせるギリギリのところで交差するカイとライ。
2頭がすれ違った後に残されたのは――滅茶苦茶にこんがらがった、枝や蔓の塊だ。
「どうだ! 枝のかた結びのできあがりってな!」
えへん! とばかりに胸を張る衛。
絡まり切った植物達は、他の枝や蔓の動きすら阻害し、その攻撃の範囲を狭める。
動きの鈍くなった枝を、陽太がまた1本誘導して蠢く塊の中に仲間入りさせた。と、その時。
「うーちゃん、危ない!」
翼獣ミケの上、植物を切り落とすことに専念していた
壬生 由貴奈
が鋭く叫んだ。
巨大樹を彩る、睡蓮に似た薄桃色の花。
これ見よがしに咲いているそれを、ずっと気に掛けていたからこそ。
由貴奈は、その首がギュルと衛の方へと向けられるのに真っ先に気付いたのだった。
呼ばれて、衛がハッとして樹へと眼差しを遣る。
けれどその時にはもう、花の中央から、弾丸のように『何か』がとび出していた。
(っ、避けきれないか!?)
その刹那、衛の脳裏に過ぎったのは、この世界での相棒たるカイの温もり。
(ああ、くそっ! カイくんに当たるくらいなら……)
自分に当たった方がマシだと、衛はカイの背から身体を半分乗り出した。
その肩に『何か』――巨大樹の種は直撃し、そして、
「な、んだいあれ……種が、発芽してるのか……?」
ロベルトが渇いた声を漏らす前で、衛の肩から、しゅるり、若々しい植物が首をもたげる。
(あ、れ……?)
卯木! と我に返ったロベルトが叫ぶ声が、衛の耳にはどこか遠くから聞こえた。
頭が芯から痺れて、意識が波に攫われるように引いていく。
次の瞬間には、衛の目からも顔からも、およそ感情と名の付く色は消え失せていた。
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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月15日
参加申し込みの期限
2016年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月22日 11時00分
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