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パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~
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翼獣カイの背から、
卯木 衛
は僅かの躊躇もなしにとび降りた。
誰が止める間もない、一瞬の出来事。
落ちて、落ちて、落ちて――しかし、何でもないふうで地に足を付ける衛。
「卯木、君……?」
津止 孝道
先生を庇うようにして立つ
勅使河原 悠
の唇から、震える声が零れる。
尋常ではない行動もさることながら、温室の植物達が衛の着地を支えたように見えて。
身体を固くする悠を一瞥した衛の肩で、植物がギチギチと鳴いている。成長している。
人形のように虚ろな表情をそのかんばせに湛えて、衛はゆっくりと歩き出した。
こちらへと向かってくる衛の様子に、
恵御納 夏朝
はぞっとする。
口元だけが笑みの形に歪んで見えるけれど、
(あれは……笑ってるんじゃない。何かが、おかしい……)
戦慄する夏朝の前に、刃引き刀をすらりと光らせて
御剣 刀
が立った。
「――来るなら来いよ、止めてやる」
衛の足が、刀の声に応じるようにして地を蹴ろうとした、その瞬間。
相棒の元へと急ぎ舞い降りたカイが、衛の服の裾をぐい! と引っ張った。
緩慢な動作で、衛が振り返る。カイが、衛を呼んで「くぅ」と鳴く。
肩の植物が相変わらず不気味な音を立てる中で、それでも衛は、寸の間動きを止めた。
その瞳に何かしらの色が揺れたのが、彼女の位置から見えたのではない。
けれど
椿 美咲紀
は、衛の隙を見留めるや彼の元へと一直線に走った。
邪魔をするなとばかりに群がる蔓達を、火かき棒で薙ぎ払う。
ならばと火かき棒に巻きついた蔓の1本を、美咲紀は武器を捻って千切り落とした。
(植物は種が怖いのです。だから、あの種を止めなくっちゃ!)
衛をおかしくしているのはあの気味の悪い植物に違いないと、衛との距離を詰める美咲紀。
「ガーデナーは、予定外植物の繁殖を許さないのです!」
花や野菜を常から育てている美咲紀らしい言葉。
言い放つや、火かき棒を投げ捨てるようにして、美咲紀は衛の肩の植物を両手で握った。
そのままそれを、思い切りよく引き抜こうとした美咲紀だったが、
「っ……!」
植物は、美咲紀が考えていた以上にしかと衛の肩に根を伸ばしていて。
仲間の苦悶の声が、美咲紀の手をどうしようもなく緩ませる。
美咲紀の躊躇いを、衛は――否、衛を支配する植物は、見逃さなかった。
その腕が、思いもよらない速さで美咲紀の首を捉える。
「く、あ……!」
植物は、衛の手を道具にして、美咲紀の首を渾身の力を以って絞めんと決めたようだった。
「くそっ、美咲紀!」
棒状の武器を手に、
八神 修
が美咲紀達の元へと駆ける。
その姿を見留めて、衛は美咲紀の首からパッと手を離した。
膝を折り、むせ返る美咲紀。
彼女と衛の間に、修は頬に冷たいものを伝わせながらも毅然として立ち塞がった。
(あの種が原因なのはまず間違いない。引き抜くことができないなら――)
美咲紀を背に守りながら、修は思案する。
その双眸に、黒い大きな影が衛の背中側から迫るのが映った。瞳に走る閃光。
「っ、そうだ! もしかすると、千切ってしまえば!」
元より影は――カイと呼ばれる翼獣は、そうするつもりだったのだろう。
寸分の迷いもなしに、大切な友を害する植物を、カイはその鋭い牙で噛み切った。
真っ二つに分断されたその箇所から、植物は見る間に色を失い枯れていく。
そのまま崩れ落ちた衛の身体に、カイは優しく頭を寄せた。
あたたかな舌が、衛の頬を舐める。
くぅ、くぅ、と自分を呼ぶ声に、衛はぼんやりと目を開いた。
「カイくん……カイくんの声、聞こえた、から……」
緩く伸ばされた手が、カイの頬に触れる。
その様子に安堵の息を吐いて、修は美咲紀の背を優しく撫でた。
衛のことは、カイが守ってくれるだろう。
「大丈夫か、美咲紀。……頑張ったな」
「……ほっとけない、もん。皆で無事に帰る……そうでしょ、シュー君」
ああ、と確かめるようにしっかりと頷く修。
目にはまだ涙が溜まっているが、美咲紀の前向きさも、笑顔も、ちゃんと健在だ。
「誰の生命も大切だもの。仲間同士で戦うなんて、全然本意じゃないのです!」
修に支えられながらも、美咲紀はしゃんとして立ち上がった。
翼獣ルークが、そっと美咲紀に肩を寄せる。
「ルーク、ありがとう」
美咲紀の顔を、花綻ぶような笑みが彩った。
一部始終を見守っていた
仙藤 紫
が、事態の一旦の収束に深い息を吐く。
「何とかなったようね。厄介なものだわ……パターンを、見極めないと」
「大事ですよね、そういうの。――さあ、皆! 種を食らったら、噛み千切っちゃってくださいね!」
紫の言葉に応じてみせて、
屋敷野 梢
は、翼獣達へと情報をてきぱきと伝達した。
(卯木君達が無事で一安心ですが……まだ、戦いは続いてますから)
梢の足元では、翼獣の子供、ぷーちゃんが、ぷるぷるとしている。
けれどぷーちゃんは、その震えを隠すように真っ直ぐ前を向いているのだ。
ぷーちゃんもまた、ぷーちゃんなりに戦っている。
梢は、ぎゅっと拳を握った。
(私は、絶対に倒れません。この子達のためにも、この戦い、負けはないですよ!)
背筋を凍らせるような笑い声を、寄生クローネが温室中に響かせている。
視線で射殺さんとでもするように、梢は巨大樹に埋まった彼女のことを睨み据えた。
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巴めろ
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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月15日
参加申し込みの期限
2016年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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