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パーフェクトワールドⅢ ~迷い仔達は異界の城に踊る~
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寄生クローネが根を張る『傲慢の温室』の中。
「何かしら……攻撃の手が、ほんの僅かにだけど緩んだような……」
巨大樹の動きは、
仙藤 紫
が気付いた通り、俄かに幾らか緩慢になっていた。
混沌の中に生まれ出でる、微かな変化、微妙な違和感。
冷静にフィールドを見渡していた紫だからこその発見である。
枝の唸りを瞬間移動で綺麗に避けた
サキリ・デイジーカッター
が、
「そう言われてみると、一撃の精度が落ちてる……流石、仙藤先輩」
と、自分もその事実を己の身に確かめて、少し笑った。
気休めだとは思いながらも鞄を振り回して枝を追い払いながら、ごく軽く嘆息する紫。
「ただ、観察に回らざるを得ないってだけよ」
そんな紫へと、死角から別の枝が襲い掛かる。
頭の中に空間を切り裂いて、赤く輝く刃でその枝を切り払うサキリ。
鮮やかなその手際に、紫は先ほどとは乗せる色の異なる息を吐いた。
「流石はサキリ君の方ね。餅は餅屋、といったところかしら」
「それは光栄だな」
応じながらも、サキリは破壊の刃を樹の幹に埋め込まれたクローネの上半身へと投げ放つ。
クローネを傷付けさせまいとでも言うように動いた枝が、その威力に幾らともなく千切れて地に落ちた。
「見境なく攻撃してる……」
胸の前で自身の手を固く握る
勅使河原 悠
へと、翼獣レオが頭を寄せる。
ハッと我に返って、悠が想うのは自分ではなく
津止 孝道
先生とレオのこと。
(このままじゃ、先生が危ない……だけど、レオに全部の攻撃を防いでもらうのも……)
難しい、というだけではない。
悠は、レオにだって怪我なんてしてほしくないのだ。
きゅっと唇を噛み締めて、悠は津止先生の手を取った。
「先生、屋敷野さんのところに行きましょう……!」
「勅使河原、しかし……」
「辿り着くまでは、私がフォローします……だから……!」
どこまでも真摯に津止先生の目を見つめる悠の服の裾を、レオが引っ張る。
自分を忘れるなと言っているのだ。そして恐らくは、もっと頼ってくれていいと。
ありがとう、と半分泣きそうになりながらレオへと淡く笑み掛ける悠。
逡巡の後に頷いた津止先生の手を引いて、悠は温室の中を走り出した。
「待って、私も行くわ」
紫が、2人と1頭の後に続く。
のたくる枝を、悠達を庇うように駆けるレオが大きな前足で捕えて引き千切った。
息は切らせながらも、誰が欠けることもなく
屋敷野 梢
の元へと辿り着く一行。
「っ、先生、を……!」
「わかってます、勅使河原さん。仙藤先輩も。……一緒に、守りましょう。大切なものを」
自衛のために翠玉の葉を構えた梢が、悠へと、紫へと緑の眼差しを向ける。
悠達を守り切ったレオのことを、防衛に徹する翼獣達がどこか誇らしげに迎え入れた。
ちゃっかり安全地帯に位置している
骨削 瓢
が、その様子をちらと見遣る。
「怒れ怒れ……なんて、高みの見物と洒落込みたかったんだがねぇ」
ぼやいた声は、温室の喧騒の中に入り混じって消えた。
空中でも、戦いは止むことなく繰り広げられていた。
工具に括り付けられた翠玉の葉が、ギュルギュルと回転しながら蠢く枝を切りとばす。
その操り手――
壬生 由貴奈
は、口元についたクッキーの欠片を指で拭った。
気だるげに見える眼差しに、油断の色は微塵もない。
翼獣ミケが、由貴奈を乗せたまま、迫る枝をするりと避けた。
「ミケ、ありがとねぇ。……さあ、どんどん行こうか」
ミケが回避に専念してくれているお陰で、由貴奈は攻撃の方へとかなり意識を割ける。
「壬生先輩、カッコいいな……俺達も負けてられない、よな」
感心しきりで
来島 アカリ
が言えば、翼獣ライが喉を鳴らして応じた。
伸びた枝を、ライが鋭い爪で薙ぎ払う。
「むー、数が多すぎるんだよな……とにかく、なんとかしねーと……!」
「コレでも顔にぶっかけてみるか?」
焦れるアカリへと、翼獣リブの上、
楢木 春彦
がペットボトルを翳してみせた。
透明のボトルの中にとぷりと揺れるのは、苺ミルク色の液体だ。
「成る程。その水だったら、アレにも効果があるかもしれないね」
翼獣ミーシャの背中から、
ロベルト・エメリヤノフ
が晴れた声を投げた。
ロベルトも、勿論、発案者の春彦も、見た目だけは甘い水の効果をよくよく知っている。
けれど、水を掛けるとなれば、敵にかなり近づく必要があるだろう。
春彦は、リブの背をわしゃと撫でた。
「また危ねぇコトになっちまって悪ぃ……まだ協力頼めるか?」
当然だとばかりにリブが一声鳴く。ありがとな、と春彦は音を紡いだ。
「だけど、オマエに怪我させたくねぇからヤバい時は逃げてくれよ」
今度は、不服げに鼻を鳴らすリブ。思わず、春彦は少し笑ってしまった。
「っはは、悪ぃ。なら……一緒に行こうぜ、リブ!」
近づく侵入者を前に猛る枝の群れを避けながら、リブはギュン! と加速する。
そびえ立つ巨大樹、その幹に埋まる女へと最も近づいたその瞬間。
春彦は、苺ミルクを思わせる色の水をその顔へと思いきりぶちまけた。
「――ああアあアアああア!!!」
その口が、かっぽりと開く。耳をつんざくような狂った悲鳴が辺りに響き渡る。
枝達が一瞬勢いを失い――けれど次の瞬間、温室中に異変が生じた。
「春彦君!」
翼獣ムクの背の上、
呉井 陽太
が鋭く叫ぶ。
陽太の意のまま、春彦の肩の上の粘土細工、犬のパド君が、茶色の髪を食んで引っ張った。
のたくる『蔓』を、春彦はギリギリで避けることに成功する。
頬に、ピュッ! と鮮血が散った。だが、それだけだ。
「サンキュな呉井、助かった!」
「皆、気を付けて! もうこの樹だけじゃない、温室中の蔓が、植物が動き出してる!」
ロベルトが、切羽詰まった声で把握した状況を一行に告げた。
しゅるしゅると蛇のように伸びる蔓を、アカリを乗せたライがすんでのところで避ける。
「ってうわ、枝だけじゃねーのかよ……!? ダメだ、一旦……」
退くぞ、と紡ぎ掛けた言葉は声になること叶わなかった。
生まれてしまった隙を突くようにして、枝がアカリを捕えたのだ。
「う、く……ッ……!」
しなやかな枝にぐるぐる巻きにされたアカリの身体から、くたりと力が抜けていく。
「ライ、俺はいいから、早く逃げ、ろ……!」
絞り出すようにして、アカリは掠れる声で音を紡いだ。
けれど、ライはアカリの傍から離れようとしない。
常の生意気な態度が嘘のように懸命に、アカリを救い出そうと牙や爪を光らせるライ。
「っ、アカリくん! ライくんも危ねえ!」
カイくんと呼ぶ翼獣の背で、
卯木 衛
が声を張る。
枝が、蔓が、1人と1頭へと仲間達が近づくのを阻んだ。
「ハ、アは、あハハはハは!」
焦る一行を嘲笑うかのように、寄生クローネが声を上げる。と、その時だ。
「ライ! あかりんのこと、しっかり受け止めてねぇ!」
哄笑をかき消すように叫んだのは由貴奈だ。
3種のクッキーを、今ばかりは味わう間も惜しいとばかりに口に放る。
切っ先鋭い手製の武器が、行く手を阻む全ての枝や蔓を切り刻みながら進んでいった。
由貴奈の意をしかと察して、うねる植物を避けながらアカリの下方に待ち構えるライ。
エメラルド色の刃が、アカリをとらまえる枝をヒュン! と切り落とした。
朦朧とする意識の中、自身の身体が地面へと引っ張られるのを感じるアカリだったが、
「ライ……」
落下するアカリの身体を、ライの広く大きな背中は確かに受け止めて。
くるる、らしくなく気遣わしげな声でライが鳴くものだから、
「……悪い、俺は大丈夫だ」
と、アカリは可能な限り気丈な声でそう言ってみせた。
まだ上手く力が入らない身体で、しっかりとライの太い首にしがみつく。
「よくもやってくれたねぃ。……これ以上は許さない、ってね」
氷点下の灰の眼差しで、陽太が巨大樹を睨み据えた。
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巴めろ
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パーフェクトワールドⅡ ~苺の宮殿に堕天の鴉は嗤う~
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月15日
参加申し込みの期限
2016年10月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月22日 11時00分
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