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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【アルクの疾走】
「…………その……毛並み。白黒の……まさか…………」
「陛下? どうぞ、続きを。皆が待ちわびております。さあ、宣言を」
少年の傍らに立つ男は威風堂々として、いかにも厳つい軍人で、どうやら彼が、軍部のトップか何かのように見えました。
気負わず凛とした態度から一転、茫然とした様子の皇帝を男が促している、その間に。
「さあ、行きますよー! 人呼んで、アルク号!
発進ーーーっ!!」
屋敷野 梢
はひらり、一羽の美しい蝶へと姿を変えると、白黒毛並みの首元へはたはたと羽を動かして降り立ち……あとはアルク号の、船長任せ。
テーブルの上、籠の中からひょいと飛び出して、大ジャンプ! ててててて……のんびり屋な彼、いつもふにゃふにゃと、旅人たちへ甘えたように抱きかかえられるままだったアルク。八方美人な白黒猫。それが今や、必死に四つ足で地面を蹴り、猛然と駆け出します。
目指す先は、一直線。壇上、呆けたように見つめるばかりの、少年皇帝のもとへ!
「な……何だ、あの猫は!? 陛下、お気を確かに、陛下……くそ! 止めろ! その猫を止めろ、テロリストの魔導攻撃かもしれん……」
「……控えよッ!!」
意外にも、つんざくような声量で叫んだのは、
八神 修
でした。片手を振り上げ、驚きに目を剥いた貴族や軍人たちへと、
「陛下の愛猫である! 問題はない、控えよ!」
「そーだ、そーだー! アルクちゃん、頑張ってー!」
ついでに
鴇波 羽衣
も、腕を振り上げて応援。
「陛下の猫だと? 何をバカな……兵よ、捕らえよ!」
壇上のいかつい男が号令を下すと、即座にホールの脇へ控えていた、黒い甲冑と赤いマントの騎士めいた兵士たちが、駆けるアルクを捕まえようと突進してきます。
瞬く間に、混乱の中へと落とし込まれた大ホール。兵士たちの怒声、貴族たちの悲鳴が入り混じる中で、
「ああ……こいつは。なあ、デイジーカッター?」
「うん、そうだとも、御剣。これは、僕たちの出番だね!」
アルクはいつだって、頼りになる友人たちに囲まれているのです。
御剣 刀
は、がちり、脳裏に撃鉄を落とし高速移動。白黒毛並みの道行きを阻む兵士たちの眼前へと、刃引き刀を振るい、突き付けて。
サキリ・デイジーカッター
は瞬間転移、両の手に刃を構えて、刀と背中合わせ。
「アルクは、僕が初めて友だちになることができた動物なんだ。大切な友だちなんだ……だから!」
「アルクの邪魔は、させないッ!!」
裂帛の気合を放ち、追っ手を押し止めます。
ふたりの足元を潜り抜け、はふ、はひ、はひ、と運動不足なアルクは早くも息が上がり始めながらも、止まりません。首元にはひらひら、一羽の蝶がナビゲート……目の前に立ち塞がる、ふたりの兵士。
「ああ! 避けてくださーい!!」
「ご、ごめんなさぁぁぁいっ!!」
なみなみと注がれたワイングラスが満載のトレイを手にした、
綾辻 綾花
と
恵御納 夏朝
。ちょっぴり躊躇しながらも、踏ん切りをつけて、思い切り……がしゃーん! 兵士たちへぶちまけながらに、メイドさんコンビは甲冑へどしんとぶつかって、隙を作りました。
「……ファシナラ卿? これは一体……」
心配顔でやってきたのは、先ほどホールへと招き入れてくれた、セイル卿という男。ファシナラは彼へとウィンクひとつ、兵士に囲まれ銃を突きつけられてもなお、涼しい顔。
「逃げるばかりも、飽き飽きでね。前へ進むことにしたのさ……僕も、妻も」
「ファシナラ師に指一本でも触れたら弟子として真央ちゃんタダじゃおかないのだ! にゃにゃにゃがおーっ!」
ぼわん!
後木 真央
は、頭の上に乗っかった召喚デブ猫、がおーとともにきっちりと護衛役を果たすべく、ファシナラの前へと仁王立ち。隣では武術の心得がある
毒島 林檎
もまた、身構えて兵士たちを睨みます。
楢木 春彦
は、ぐいと腕まくり。
「おっし! やるぜー、呉井!」
「まーっかせて、春彦君♪」
左耳のピアスを二度、ちょちょいと撫でたら、アルクの行く先へ、階段状に空気の足場をセッティング。もちろんその上には、
呉井 陽太
の粘土人形がちょこんと乗っかって、こっちこっち! と手招き。
兵士の手を逃れて、アルクは足場をひょいひょい、軽快に駆け上がり、
「ここが、旅の終着駅ですか。もふもふさせていただくのも、あと少しで終わりなのかもしれませんが……」
薄野 五月
が、ぱちりと両手を合わせたなら、
「アルクさん。良い旅を、ありがとうございますー」
どどん! 空気の足場のちょうど向こうに、自動販売機。足場からその天板へと飛び乗って、白黒猫は再び、大ジャンプ! 兵士たちの塊を難なく飛び越えて、しゅたっと床へ着地するなり、猛ダッシュ。
オーデン・ソル・キャドー
は、片手でついと帽子を上げ、その背中を見送ります。
「行ってください、アルク。あなたのくわえた糸が、今まさに、皇帝陛下の指へと結ばれる……私たちの旅と、ひとつに繋がるのですから」
この瞬間のために、旅人たちは、幾つもの世界を巡ってきたのでしょう。時に穏やかな、時に危険な、楽しくて切なくて、思い出いっぱいのこの旅を、ここまで続けてきたのでしょう。
アルクは、一生懸命に走ります。瞳を潤ませて、信じられないといった面持ちで、ゆるゆると両手を広げた、少年の腕の中を目指して。
「行くデス、アルクー! Go ahead!」
淑女の仮面は早くも脱ぎ捨てて、
トワ・E・ライトフェロゥ
が両腕を振り上げれば、その保護者たる
夜海霧 楓
も、金色の頭にぽむっと片手を乗せて、
「お膳立ては十分ってもんだろ。走れ。走れ!」
「ああ……走れ。アルク……」
鴻上 彰尋
の胸は今でも、疑問でいっぱいです。結局のところ、この旅が示す意味とは、何だったのか? アルクはなぜ、自分たちをここまで連れてきたのか? 皇帝の意図するところとは?
それでも、今は、とにかく。
「走れ。行け……行け! アルク……っ!」
そうして、祈るばかり。
群がる兵士たち。するりするり、伸びる手を潜り抜けて、ひとたびも足を止めずに走り抜けて。
差し出された少年の両腕は、いくらか高い段差の上、壇上へと白黒猫が駆け上がるには少々、骨が折れそうです。
(駆け抜けて……アルク!!)
駆け込んだ
小山内 海
のペンが迸り、かかる虹色の橋……真っ直ぐに。脇目もふらず、アルクはそこへと飛び乗って。加速して。
橋の降り口には、涙に濡れた、紫色の瞳。
「…………アルクぅッッッ!!」
わななく唇で、せいいっぱいに彼を呼んだ、白黒猫の帰るべき場所へと……今、この時に。
飛び込みました。
彼は、あたたかな、その胸の中へと。
ひらひら、ひらり。白黒毛並みの首輪にとまっていた、一羽の美しい蝶が飛び立って、
「はいはーい、こんにちはー皇帝陛下! はるばる日本は寝子島から、迷い猫一匹、お届けにあがりましたよー!」
姿を現した梢と、ぎゅっと固く抱き締めた、腕の中のアルクを呆けたように見比べた、少年。演説に見せたカリスマ性は、もはやその顔のどこにも無く……震える肩、ぼろぼろと止めどなく瞳からこぼれた雫と鼻水で、ぐしゃぐしゃです。
ぺろり、涙を舐め上げた白黒猫へ、
「……本当に……そなたか? アルク……そなたなのか? こんなにも、大きく……ああ、しかしこの、白黒は…………これは、間違いようもなく……!」
「陛下ッ! これは、どういうことです!」
うずくまり、アルクを抱き締めるばかりの小さな肩へ、いかめしい軍人たち、その中でも地位が高いと思われる男たちが並んで、厳しい声を浴びせます。
「陛下、その猫をお渡しください!」
「どこぞの属国の者がまた、クーデターなぞ企てているのやもしれません」
「そのおかしな猫は、連中の魔導兵器かも……さあ、お渡しください、陛下!」
さあ、さあ! さあ! 迫る軍人たちに、少年皇帝への畏敬の念は見出せません。
旅人たちも、ファシナラも今や、兵士たちの銃口ににらまれ身動き取れず、ただただ両手を掲げるばかり。
「陛下ッ! お早く! さあ……」
「…………やめよ」
ぽつり。独白のように小さな声は、けれどぴりりと空気を震わせ、軍人たちをも突き通すかのよう。
「アルクは、余の猫だ。そしてその者らは、余の客だ。どうやら長旅を経て、アルクをここまで届けてくれた……そなたらが手を触れること、一切を許さぬ」
「……陛下。僭越ながら、申し上げます……あなたは、皇帝なのです。私情に流されてはなりません。いつまでも子どもではいられますまい、そのようにワガママを申されては……」
「余は……誰ぞ………………?」
今度ははっきりと。びりびりと、軍人たちは稲妻に貫かれたかのように、身を震わせました。
すっくと立ち上がり、涙も鼻水もぴたり、いつの間にやら拭われて。小さな身体からこんこんと放たれる威圧感はまさしく、皇帝そのもの。腕の中で、白黒猫がしきりにその顔を舐め上げていたとしても、幼くとも……彼は紛れも無くこの国を統べる、皇帝なのです。
「答えよ。余は、誰ぞ?」
「っ……は、はっ……ベルベット、ル・グリエス……」
「下がれ。二度は言わぬ」
軍人たちはすっかり縮こまり、皇帝は彼らへとくるり、背を向け……そして、傍らで手持無沙汰になっていた梢へ、こっそりと。
「そなた。客人よ」
「はいっ? 私ですかー?」
ざわめき始めた貴族たちの声に紛れて、ホールの中の誰にも、ぱちくりと目をしばたかせた梢以外には、皇帝の言葉は聞こえなかったことでしょう。
「手間をかけるが、そなたの仲間らと、あそこにいるファシナラ卿をな、連れてきてもらいたい。邪魔の入らぬ、良い場所がある……そこでそなたらと、話がしたいのだ。頼めるか?」
「はー、分かりました。あ! それなら、三人ほどですねー、仲間が兵隊さんに捕まっちゃってるんですよね。その人たちを釈放してくれるように、お願いできません?」
「そうか、客人へ働いた無礼は、改めて余が詫びよう……誰か! 誰か、港へ伝令を届けよ。今すぐに!」
軍人のひとりをあごで使いつつも、少年はようやくにして、白黒毛並みへ顔を埋めて。
「…………おかえり、アルク…………」
ふにゃあ。やっぱり気の抜けた声に、梢はほっこり。微笑みました。
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シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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