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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【邂逅】
「さ、踊ろ? おさ……じゃなくて、お兄様!」
「いいとも。さあ、手を」
爽やかに微笑む
八神 修
に手のひらを預け、
鴇波 羽衣
は、ちょっぴり緊張。こんなにもたくさんの人々の前で、慣れないダンスを披露するとあっては、少々腰が引けてしまいます……けれど修の心配りが、それを解きほぐしてくれました。
「えっと……こう、かな?」
「そう、その調子だ。流れに身を任せればいいのさ」
社交界デビューを飾る妹を、優しい兄が手ほどき……周囲には、そんな微笑ましい光景に映ったかもしれません。ともに踊る人々の目はあたかかく、宮廷楽団の奏でる調べに乗せて、羽衣は修と手を繋ぎ合わせ、たん、たたん。軽快にステップ。
「うん、うん。ちょっと分かってきたかも♪」
「ああ、上手いぞ鴇波」
頼もしい彼のリードもあって、多少の余裕も出てきた羽衣。ふと、くるりとあたりを見回して、浮かんだ疑問を口にします。
「そういえば……これって、なんのお祝いなのかな?」
「ああ……あそこを見てみろ」
修は問いに対して、すでに何らかの答えを見出しているようです。彼が目線で示した先は、大ホールの奥。ひとつ段差になった高いところに並ぶ席には、いかつい顔の男たち……礼服らしき服装を身に纏い、窮屈そうに椅子へ腰かけている彼らは、恐らくは軍人であるのだろうと分かりました。
「ファシナラさんが言っていたろう。他世界渡航実験……いや、他世界侵略と言い換えて良い。半年前は失敗に終わったそうだが……この祝賀会は、恐らくは……」
綾辻 綾花
が手をかざすと、横開きの扉は音も無く、するりと開きました。
「失礼いたします……お飲み物をお持ちしました」
ホールの奥にある小部屋は、どうやら軍人たちが控室として使っているようです。メイド服姿の綾花と、それに
恵御納 夏朝
はかしこまって、ぺこりと一礼。
「おう、そこに置いておけ。それで、この後の段取りですが……」
「うむ。陛下がいらしたら、すぐにでも発表を……」
丸テーブルを囲む男たちは、ふたりのメイドさんへは目もくれず、広げた資料か何かに視線を落としたまま、熱心に会議の真っ最中。あまり居心地が良い空間とは言えず、ここへお酒を届けるように、と言われるままにワインを運んできた夏朝は、緊張気味に背筋を正します。
「……失礼いたしました」
ことりとトレイを置くと、ふたりはお辞儀もそこそこに、そそくさと小部屋を退室。
扉がしまったところで、ほっと息を吐いた夏朝へ、綾花は言いました。
「見ましたか?」
「えっ……何を?」
いつのまにやら、綾花はちゃきりと眼鏡を装着していて、
「私、あの人たちが見ていた、資料のようなものを覗いてみたんです。ちらっとですけど……」
言語翻訳の頼みの綱、アルクは相変わらず籠の中。踊る羽衣の手からは離れて、今はファシナラたちの側にありましたけれど、どうにか範囲内、紙切れに書かれていた文字を読み取ることができたのだそうです。
「あれを覗くなんて、無茶するね……それで、何が書いてあったの……?」
綾花のろっこんは、彼女に高い読解能力を与えます。
「異世界に攻め込むための、魔導技術。もう一度その実験をする目途が立った、って……この祝賀会で、そのことを発表するみたいなんです」
テーブルに用意された料理は軽いものではありましたけれど、色とりどり、趣向を凝らしたそれらは実に、
「美味い!」
楢木 春彦
は、見たことも無い果物をぱくりと口に入れ、もぐもぐ。不思議な甘みと香りが広がって、何とも良いお味です。もうひとつ、春彦はぱくりと口にしながら、
「あの
森で食った木の実
も美味かったけど、こいつもなかなか、イケるぜ。志波先輩と、あいつらにも食わせてやりてぇな……」
囮となって捕まった、
志波 武道
に
鈴原 天音
、
雨寺 凛
がどうなったのか、まだ彼らの動向は伝わってきません。春彦の言葉には、傍らの
呉井 陽太
も心配そうに、細い目をますます細めて、
「みんな、ちゃんとご飯とか食べさせてもらえてるかねぃ……叩かれたりしてなきゃいいけど」
「……鈴原……」
幼馴染の安否を想うと、すっかり上の空。
毒島 林檎
も、肩を落としてつぶやきます。
『ううっ、心配だよ~……天音ちゃんたち、無事でいてね……!』
「まぁ、そう心配は無いと思うけどね」
ダンスタイムは小休止、少し息を弾ませたファシナラがやってきて、
「軍部のやり口は強引ではあるけど、民衆や兵士は勇ましい皇帝を望んでも、残忍さを求めはしない。特に今日などは、いたずらに血を流すことは避けたいはずさ」
「ふーん。他世界渡航実験の再開……その発表、でしたっけ? このパーティー」
綾花や夏朝と似たような、使用人服を身に着けた
屋敷野 梢
の役どころは、どこぞの貴族の従者といったところ。給仕を手伝いながらも、彼女は周りへ目を配ることは怠りません。今は少し手が空いたのか、アルクの入った籠をぽむぽむっと軽く叩いて、
「それって、皇帝君が望んでることなんですかねー?」
「それは……僕にも分からない。しかし、いかに陛下が聡明なお子だとしても、まだ8歳だ。お考えはどうあれ、軍の連中の要求を常に突っぱねられるとは……」
梢の問いかけは、旅人たちも疑問を抱いていたところです。
空に浮かんだ、茜色のホログラフ。国民へと呼びかけた少年皇帝、その真意は、どこにあるのか?
「確かに……皇帝が何を望むのかは、まだ良く分からないな。でも」
鴻上 彰尋
は、ホールの壇上、まだ空いたままの大きな椅子を見つめて、仲間たちへと告げました。
「俺は、演技が好きだ。まだ勉強中だけど……でもだからなのか、俺には何となく、分かった気がするんだ」
「分かった? 何がだ?」
春彦が尋ねると、彰尋は大きくうなずいて。
「演説の時、皇帝は、きっと……演技をしていたと思う」
穏やかな音楽が、ぴたり。止まった瞬間に、あたりを満たしていた貴族たちの声は一斉に、すっかり消え失せて。
やがて……ホールを余すことなく満たすほどに、鳴り響くのは壮麗な、ファンファーレ。
金管の音色がひとしきり轟き、止んだ頃合いを見計らって、リストを読み上げていたあの初老の男性が胸を反らし、声を張り上げました。
「……魔導帝国ローシルテ、第十四代皇帝。ベルベット・ル・グリエス・ローシルテXIV世陛下。ご出御!」
貴族たちの纏うそれよりも、ひときわぞろりとして長く、それにきらきらと艶やかに輝く、真紅の衣装。同じ色の大きな帽子には、茜色を含む色とりどりの宝石が散りばめられて、金縁を施したひらひらとした白い布がいくつも垂れ下がり、その下に覗くのは……丁寧に切り揃えられた、紫色のおかっぱ頭。くりっとして大きな、紫色の瞳。幼くも凛として、空に見た、あの顔。
少年皇帝は小さく手を上げて、膝をついた貴族たち……それを見た旅人たちも、慌てて膝をついて……彼らを能面のような無表情で見据えてから、大きく派手な皇族のための椅子へと、少し勢いをつけて、ちょこん。腰を下ろしました。
皇帝は何を話すでもなく、しばしの沈黙が続いた後に。近くにいた軍人が、何やら耳打ち……少年はぴくりと眉を動かして、
「…………頭を上げよ。みな、楽に」
澄んだ響き。声変わりもしていない、高く軽やかな、良く通る声がホールを通り抜けた、その途端に。
ごとん。ごととん。
「っ! アルクちゃん、今はダメだよ……!」
籠のフタが、いっぱいに詰めたお菓子を押し上げるように、ごとごと。ごとん。羽衣がとっさに手で押さえるものの、ごとごとごとん、籠の揺れは収まりません。
壇上にて、少年は続けます。
「今日は、忠臣たるそなたたちに伝えるべきことがあり、こうして集まってもらった。半年前の無念は、みなも記憶に新しいことだろう……他世界侵攻の悲願は志半ばで断たれ、ローシルテ中が失意に沈んだ。あの実験の折、親しき者を失くした者もあるだろう……余もまた、父を失った。想いはそなたらと、同じだ」
彰尋の感じたように、この演説が演技であるとするのなら、少年は大した役者だと言えるでしょう。貴族たちに訴えかける彼の佇まいは確かに、カリスマと呼ぶべきものではありました。
幼くとも確かに、彼はこの国を統べる、皇帝であるようです。
ごとん、ごとごと……籠は揺れて。
「……行かせてあげましょーよ」
「あっ、梢ちゃん?」
ぱか、と、梢はおもむろに、籠の蓋を取り上げます……ざらざらと滑り落ちたお菓子の中から、ひょっこり! 顔を覗かせた、白黒猫。
「ここまで来たんです。あとは、会わせてあげれば、きっと何とかなりますって! だって、どんな人でも、アルクちゃんの飼い主さんなんですよ?」
「ああ、その通りだ」
修もまた、うなずいて。
「アルク。今こそ……主人の元へと、走れ!」
少年は努めて抑えた声で、静かな調子で語ります。その言葉のひとつひとつ、響きのひとつひとつが通り過ぎていくたび……アルクの耳は、ぴくり。ぴくぴく。
やがて、青い瞳が……その姿を。捉えます。赤い服を着た、紫色のおかっぱ頭の、小さな少年を。
「……みなの願いは、次なる実験にこそ成就することだろう。そう、他世界渡航の可能性を見極める魔導実験が再び、実行可能な段階へ至ったことを、改めてこの場のみなに伝え……」
にゃあん! にゃあ、みゃあ! にゃおう!
ホールを切り裂くように、少年の語りを遮りながら、響いた鳴き声。あるいは、呼び声。
瞳は、今。交錯しました。
「………………………………………………アル、ク?」
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墨谷幽
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さまよいアルク 第四章~朽ち果てゆく知識を抱く国立書庫
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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