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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【日はまた昇る】
「もう、とっくに……滅びた、世界……?」
ぽつりと漏らした
雨寺 凛
の額には、ちょっとした打ち傷。その痛みがすっかりと消え失せているのは、
毒島 林檎
が治療を施してくれたため、そればかりでは無いのでしょう。
(……有翼船で、空を飛んだのも。動物たちと浸かった、あったかい薬草湯も……Mr.ブルックスも……?)
小山内 海
が、ふいに足元がぐらりと揺らいだように感じたのも、決して、気のせいでは無かったことでしょう。
(荒野の、ファシナラさんも……ニヴィエさんも? 赤ちゃんも……? もう、全部、全部…………とっくに?)
「…………すまない。すまない……謝罪したとて、償い切れるものではないが。そなたらにも、辛い思いをさせた……でも、余は感謝している。こうしてアルクにひと目、再び会うことができたことに」
ぺろぺろと、相も変わらずのんびりと、主の鼻先を舐める白黒猫。その呑気さには、うっすらと瞳を潤ませた少年も、苦く笑って。
「たとえ余が、お前のローシルティウムに残された、記憶の残滓に過ぎないとしても。余は、嬉しい……もう一度、お前に会えて……アルク……」
にゃあん。白黒猫は、鳴き声を上げます。いつもと変わらず、お気楽な調子で。
そう、まるで……旅がこうして、暗く沈んだ空気の中で終わりを迎えるのを、良しとはしないかのように。
「……いいや!」
志波 武道
。唐突に声を上げたのは、彼でした。
懐からするりと抜き出したのは、茜色。艶やかに輝く、一枚の円盤。ローシルティウム・ディスク。
「それは……?」
「皇帝陛下。君ってば小さいのにスンゴク頭が良いみたいだし、きっとその考えだって、合ってる部分もあると思うよ。けど……俺たち、アルクと一緒に、そりゃあもう色んな世界を回ってきたんだゼイ!」
「あ……そっか!」
武道に呼応するように、
恵御納 夏朝
もまた、気付きます。カバンから取り出したのは、
丈夫な花びらで作ったポーチに入った、木の実たち
。旅の中で、貴重な食料としてみんなで食べるうち、ずいぶんと減ってしまってはいたものの、夏朝はその中に残ったひとつを取り上げて、少年の口の中へと、ひょい! 入れてあげました。
「……甘い。美味しい……?」
「僕たち……色んな世界で、何かに触れたり、おしゃべりしたり。こうやって、食べ物を食べたりしてきたよ」
「たとえ、ここが石の中なんだとしても。これが『単なる記憶』で幻だっていうなら、外から来た生身の俺たちが、どうして飲み食いしたり、話しかけて触れることができたんだ? どうしてこんな風に、別の世界の物を、持ち込んだりできたんだ? 綾花ちゃん、オネガイ!」
「はいっ、任せてください♪」
武道の掲げたRDへ、
綾辻 綾花
が銀皿に乗せた茜色の粉末へと火を灯し、かざします。先ほどファシナラに教わった、ごく基礎的な錬金術、その手順のままに。
ぼう、と浮かび上がった映像は、未来世界で武道らが調べた、ローシルティウムに関する研究記録。
「こ……これは!?」
「なあ。お前はきっと、頭が良すぎるのさ。小難しく考えすぎなんだ」
御剣 刀
は親しげに、皇帝陛下の頭をぽむ、ぽむ。
「子どもはもっと外に出て、色々なことを見聞きして、体験するべきだ。皇帝ならなおさらな……責任ある決断ってやつを、これからもしていかなきゃいけないんだろう?」
「むうー……余は皇帝だぞ、子ども扱いするな! とはいえ、しかしこれは…………そうか。そういうことなのか」
旅人たちの持ち寄ったRDは、人数分。そこには実に様々な情報が記録されていて、彼にも大いに興味をそそるものだったことでしょう。
「ローシルティウムを得た世界の住人たちが、こぞってこれを使うようになれば、滅びは免れない。しかし、時間の流れとは何も、全てにおいて画一的ではない……そなたらが巡ってきたという世界も、確かな滅びに向かいながら、その進行段階は様々であったはずだ。ゆるやかな滅びへ向かって歩む世界。間際に滅びの迫る世界、未だ石による繁栄を享受する世界。アルク、お前のローシルティウムは、世界を途上の姿で記憶したのだな。いわば滅びに対する防御機能として、石の中に留めたのだな……」
少年は。ぎゅう……と力強く。もう何度もそうしたように、白黒猫を抱き締めて。
「
滅びゆく世界は、アルクのローシルティウムの中に、保護されている
……」
「…………
Ark
。まるで、
箱舟
のようですねー」
つぶやいた
屋敷野 梢
の言葉に、小さくうなずきながらも。
少し、彼は、震えて。
「そして、その代償として…………お前は、時を失ったのか」
「? どーいう意味です?」
梢が首をひねり、問うと。
笑みとともに、ぽろりと頬を伝った、ひとしずく。
「……事故に巻き込まれたアルクは、まだ小さな、ほんの子猫だった。一年ほど前にな、父上が余のもとへ連れてきたのだ。大国を継ぐ者としての重圧に押し潰されそうな、脆弱で哀れな息子のために。以来、余とアルクはまるで、良き兄弟のようになった。それが…………こんなにも。お前は、大きく…………どれほどの長い時間を、石の中の世界たちを巡り、お前は……さまよい歩いてきたのだ? 余を探して…………。余はお前を、小さな弟のように思っていたというのに。ふふ……今ではすっかり、お前のほうが、お兄さんではないか……? なあ……アルク…………」
にゃお、と。白黒猫は、ただ……愛おしい家族のために。ただのひと声、機嫌良く鳴きました。
頃合いを見計らい、
八神 修
が口を開きます。
彼にはどうしても、伝えておかなければならないことがありました……ファシナラへと。
「ずっと考えていたんだ。あの荒野で、あなたと同じ名前の男と出会ったことには、きっと意味がある。あなたにも、きっと何か、成すべき役割があるはずだ……と」
「……僕に、かい? 何だい、それは?」
少年皇帝へ目くばせすると、彼はどうやら、修の意図を悟ったようです。修へとアルクを渡して託すと、彼は部屋の中央にある、巨大な顕微鏡のような、何やら奇妙な機械を動かし始めます。
修は、にこり。笑みを浮かべて。
「世界を、救うのさ」
修は機械の側へと歩み寄り、指でついと、宝石を押し上げます。アルクの首輪にはまった、純粋なるローシルティウムを。
「あなたの名前、ファシナラという名は、古くから代々受け継がれてきたものだとあなたは言った。そして、実験の失敗で失ったというあなたの息子、その名前もまた、おそらくは……ファシナラだ。そうでしょう?」
「あ、ああ……その通りだよ。そう……そうなんだ。あの子は、ファシナラというんだ……まさか……」
少年が手元を忙しく動かし、機械を操作します。
アルクの石から何かの映像を取り出そうという試みは、旅人たちも、これまでに幾度か試したことがありました。けれど、それは決して上手くいきませんでした……今にしてみれば、これが他に類を見ない、極めて特殊なものであったが故に。
けれど、茜色の宝石を生み出したのは他でもない、この国の魔導技術です。
「荒野に生きる部族に、ローシルティウムは伝わっていた。ファシナラは言っていたよ……彼の先祖に当たる古代の錬金術師が、偶然にもこれを土くれの中から見つけ、以来何百年もの間、部族の家宝として大切に受け継がれてきたのだと。しかし、そうした伝承は得てして、時を経るうち、少しずつ形を変えていくものだ。もし、真実が少しだけ、違っていたとしたら? たとえば……どこか遠くの世界から、時を越えて飛ばされてきた錬金術師が、あの世界へと持ち込んだものだったとしたら?」
「ああ……まさか。まさか……!」
茜色の映像が、目の前へ。少年皇帝の、旅人たちの、ファシナラの眼前、いっぱいに広がります。
そこには……みっつの、泣き顔。
ファシナラと、ベッドに寝転ぶニヴィエと、その腕に抱かれた赤ん坊の、くしゃくしゃに崩れた、みっつの幸せな泣き顔がありました。
「………………ああ……息子は、ファシナラは……お前は、あの事故を生き延び…………ああ!! 僕の、父の名を、繋いだんだな……!! お前は、立派に…………ああ……ゥ、あああ…………ッ!!」
その場にくずおれた、彼へ。
修は、もはや懐かしい夫婦の顔と、赤ん坊の姿を、まぶしそうに見つめながら。
「全ての世界がまだ、滅んだわけじゃない。救える世界もあるはずだ……それにはまず、ベルベット陛下が、この国を正す必要がある。魔導を侵略のための力ではなく、この国や隣人を救うための、希望に変えるんだ。そしてそのためには、何より、ファシナラさん。あなたの力が必要なんだ。穏健派の宮廷魔導士で、陛下の理解者である、あなたの力が……陛下をこの宮殿の中で、孤独にしてはならない」
「そう、そうなのだ! ファシナラ師!」
後木 真央
。彼女が引き受けたのは何も、ファシナラの護衛だけではありません。弟子、なんて響きが建前だったとしても、真央はちゃあんと、考えたのです。
「ベルベットちゃんが大人になって、ちゃんと皇帝として、自分の意志で動けるようになるまでには、まだまだ時間がかかるって思うのだ。だからそれまで、絶対的に支えてくれる誰かが必要なのだ。きっとそれって、ファシナラ師、貴方しかいないと思うのだ」
アルクを、くりくりと撫でてやりながら。ふわあ、と眠そうな顔に、真央はちょっぴり、切ない笑みを浮かべて。
「アルクは、ずっとずっと……斜陽の世界を歩いてきたのだ。この世界も、同じような斜陽に沈めちゃダメなのだ。闇を希望に変えるには、その世界の人の力が絶対的に必要なのだ。それがきっと、ファシナラ師の役目ってやつなのだ!」
「うん……うん。そう……その通りだ。僕は……」
膝をついた錬金術師……宮廷魔導士へ、少年皇帝は、手を差し伸べます。
「……やるぞ。ファシナラ卿。余は未だ幼く、矮小だ。つまらぬ子供だ、だが魔導帝国ローシルテの、ベルベット・ル・グリエス・ローシルテXIVだ。変えよう。この国を……そのためには、そなたの助力が必要だ。余を、支えてくれるな?」
「は……はっ!」
斜陽は、必ずしも陰るばかりではありません。少なくともここには、茜色の空を晴らそうとする意思を持つ、ふたりがいます。
簡単では無いでしょう。困難は多く、険しい道であるのは間違いのないことでしょう、けれど。
「余は、やり遂げてみせる。そして、余にそう思わせ、奮い立たせてくれたのは……そなたらだ。礼を言う!」
日はまた必ず、昇るでしょう。
旅人たちの目的は、果たされました。
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冒険
SF・ファンタジー
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20人
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20人
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シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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