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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【宴席にて】
「弟子にしてほしいのだっ!」
後木 真央
が唐突に、ファシナラへ言いました。
「で、弟子? 僕のかい? 君が?」
「そうなのだ、護衛ついでに錬金術を習いたい街の子どもを身の回りの世話のために雇ったとかなんとか、とにかくそんな感じなら真央ちゃん横にいても不自然じゃないのだ。多分。だから、ファシナラ師!」
「ま、まぁ……そこまで言われちゃ、うん。悪くは無いかな、うん」
師、などと呼ばれてまんざらでも無さそうな彼の側へ、真央は張り付いていることを決めました。彼にもこうして旅人たちへ協力する理由はあるにしろ、押しかけて迷惑をかけているかも、という罪悪感が、真央にはあり……もし彼に、何かあったら? 自分たちのせいで、捕まってしまったりしたら? その時はせめて自分が最後まで、彼のために抵抗しよう。守ってあげよう。そんな風に、真央は考えたのです。
束の間の空の旅を経て、浮遊艇は無事、天上宮殿の船着き場へ、こっそりと到着。人目を忍びつつ、祝賀会とやらが行われているらしい、大ホールへと向かいます。
宮殿の内装は大変に美しく、白い壁はどこもかしこもきらきらと輝いて、金色の縁取りは目にまぶしいほど。あちこちにはローシルティウム灯がほんのりと茜色の光を放ち、周囲にはあたたかく良い香りのする空気が漂っています。
巡回の兵士の目を逃れ、大ホールへ近づくと、開け放たれた扉の向こうから、賑やかな喧噪と、それに、何やら名前を呼ぶ声が聞こえてきます。
「……え、続きまして、アレクト・ローシルテ王国のベンハモン卿とその奥方。ようこそいらっしゃいました。続きまして、エルト・モス・ローシルテ公国のカーラス卿とご息女ハンナ嬢。ようこそいらっしゃいました。え、続きましては、クアール・ローシルテ王国のドモン卿。ようこそいらっしゃいました。続きまして……」
「そうか……なるほど。あれはね、属国から呼び寄せた貴族たちの名前を読み上げてるんだ」
「属国、なのだ?」
「ローシルテの支配下にある国々の、あれは有力者たちの名さ。祝賀会か、読めたぞ……」
訳知り顔でつぶやいたファシナラ、きょとんとした真央、それに旅人たちは、廊下の柱の影にて手早く、用意しておいた宮殿用の衣装……美しいドレスやら、男性陣はいっそう裾の長いローブのようなものへと、着替え中。何だか別人のようなこんな格好なら、少なくとも見た目だけは、貴族たちの集まりへと溶け込むことができそうです。
「カエデー、Zip me up,please!」
「分かった分かった」
夜海霧 楓
がドレスの背中を閉じてやると、お転婆な
トワ・E・ライトフェロゥ
もあっという間に、淑女です。もっともその顔は、素敵な宮殿の雰囲気に負けじと、きらきら輝きっぱなしでしたけれど。
「よろしくね、お兄様♪」
鴇波 羽衣
と
八神 修
は、兄妹役。ファシナラの遠縁に当たる貴族、といった役どころで、
「ああ、任せろ。完璧にエスコートするよ」
社交界には馴染みのある修が、羽衣へ手を差し伸べたその仕草はなんとも優雅、様になっています。
着飾った旅人たちをひととおり、ぐるりと眺めて。ファシナラはひとつうなずき、太鼓判。やがて、
「さて、と……それじゃあ、行こうか? 入り口の応対は僕に任せてくれ……というか、上手くいくことを祈っててくれ」
彼らはきらびやかなホールへと、足を踏み入れました。
「おや、これは……お久しぶりですね、ファシナラ卿。お出でになられていたとは。どうも、リストにはお名前が無いようですが……?」
「やあ。急に呼ばれたものでね、入れ違いになってしまったかな? でも、僕の顔を覚えててくれる人がいて、助かった。今日は陛下もいらっしゃるんだろう? 大事な祝賀会だものね。ご挨拶を申し上げなければ……それにね、宮廷ではいつも、下働きが不足していただろう。良い人材を連れてきたんだ、紹介したくてね」
矢継ぎ早に告げると、リストを読み上げていた初老の男性は、しばし思案顔。さすがに顔パスですんなり、とはいかないようです。
と、そこへ。
「……ファシナラ卿!? あなたがお出でとは!」
着飾った貴族たちの群れの中から、急ぎ足で歩み寄ってきたのは、優しげな瞳をした、まだ若い男。その姿を認めるなり、ファシナラは懐かしそうに目を細めて、親しげに名を呼びました。
「セイル卿、君か! 久しぶりだなぁ、半年ぶりか。陛下にお呼び立ていただいてね、こうして足を運んだのだけど、どうやら僕の名前が、リストから抜け落ちているそうでね……」
「なんですって? 元宮廷魔導士をこのようなところに、立ち往生させるつもりですか? あなたは」
「は、はあ……よろしいので?」
初老の男は、困り顔。けれど、ファシナラの同僚だったという、セイル卿と呼ばれた若い男……どうやら相応の地位にあるらしい彼に押し切られて、やがて、
「え、それでは……魔導帝国ローシルテの、ファシナラ卿とその縁者の方々。ようこそ、いらっしゃいました」
彼らにとっては大いなるバクチではあったものの、ファシナラのかつての肩書きは、忘れられてはいなかったようです。彼らは、ホールの中へと入場を許されました……このあたりは協力者との接触を考えていた、修の思惑どおりといったところ。
「さあ、ファシナラ卿。こちらへ。お連れの方々も、どうぞ」
「うん、ありがとう。助かったよ。君とこの国の行く末について語り合ったあの頃が、懐かしいね」
「なんの。私の志は、今でも変わりはしませんよ」
敬愛の眼差しでファシナラを見つめ、ひとしきり会話を交わした後、男は深く一礼。居並ぶ貴族たちの中へ、颯爽と戻っていきました。
中央に、広大なダンスホール。多くの見目麗しい人々が、優雅にステップを踏んでいます。側面の一方には、落ち着いたゆるやかな楽曲を奏でる宮廷音楽家たちがずらりと並び、もう一方に並んだたくさんの丸テーブルの周囲では、貴族たちが立食形式で軽い食事をとったり、会話に花を咲かせたり。
奥には段差の上へ設けられた貴賓席があり、揃っていかめしい顔をした、恐らくは軍人か何かと思われる人々が椅子に深く腰掛けているものの、その真ん中。ひときわ大きな席は今のところ、空席であるようです。
「アルくん、大丈夫かな……?」
「大人しくしてくれていたらいいんですけど……」
恵御納 夏朝
と
綾辻 綾花
は、可愛らしいメイド服姿。ファシナラが優秀な使用人を紹介するという体で、この場へと招き入れられました。
ふたりの目線は、ドレスを纏ってしゃなりしゃなり、兄役である修の隣を歩く羽衣が手に提げた、大きな籠へ……どうにも目立ってしまう白黒毛並みを隠すため、『皇帝への献上品』と称して詰めたお菓子の下に、アルクが潜んでいるのです。ただでさえ今日は落ち着きがない彼のこと、きゅうくつに耐えかねてどかんと飛び出してはしまわないかと、ことこと籠の蓋が動くたび、ふたりははらはらとしてしまいます。
と、そんな風に見守っていたところへ、
「あら、あなたたち! 新しく来た使用人かしら? ちょうど良かったわ、さっそく手伝ってちょうだい!」
「えっ?」
ホール内を忙しく動き回っているメイドさんのひとりに声をかけられて、夏朝は目をぱちくり。
「お料理が足りないの、すぐに持ってきて! 厨房へ行けば用意してあるはずだから!」
隣の綾花も、一瞬戸惑ったような顔を浮かべたものの……彼女はすぐにも、ふんわり。笑みを浮かべて、
「はいっ、かしこまりました♪」
彼女の経験してきた多彩なアルバイト遍歴が、ここに活きたようです。
「それじゃ、行きましょうか」
「う、うんっ……!」
夏朝と目くばせ、ふたりはひとまずお仕事をこなして機を伺うべく、ホールを抜け出していきました。
もちろん全員が全員、同じ役割というわけにもいきませんもので。旅人たちが演ずる肩書きは、これがいろいろなのです。
「これは、素敵なお嬢さんだ。お初にお目にかかります、私は遠方、シャハル・ローシルテ司教国の……」
いつもはぱたぱた、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、アクティブで元気いっぱいなトワですけれど。事前にみっちりと仕込まれていた、楓の保護者っぷり、いえ指導が役に立ちました。そんな風にどこかの貴族なおじさまから声をかけられたなら、ふわふわのスカートを両手でついとつまんで、
「お初にお目にかかります。私めは、トワと申します」
「此度はお招きの光栄に預かり、末端に席をいただいております。どうぞよしなに、お見知りおきを……ところで、身分不相応なれど、皇帝陛下に一目ご挨拶を、と思っております。陛下は、どちらにいらっしゃいますでしょうか?」
「いやはや、そのお年にして素晴らしい礼節をお持ちだ。陛下はまだ、お出でにはならないご様子。後ほどお目にかかることもできましょうな。ほら、そちらにあるお菓子でも食べながら待たれると良い。どれ、私が取り分けて差し上げよう」
「まあ。ご親切に、ありがとうございます」
なんて、実際にセレブでお嬢様なトワのこと。いずれは社交界のパーティーなどにも顔を出すことになるとあって、いくらか勉強もしていたおかげで、少なからずの違和感も抱かれることなく、対応はバッチリです。
一方、普段の身なりや立ち居振る舞いも紳士な
オーデン・ソル・キャドー
の役どころは、なんと、ダンスの指南役。
「凛々しく威厳ある紳士様、花も霞むほどに美しいご婦人方。
余興に、異国のダンスはいかがですか?」
かつてはヨーロッパ中を旅していたという彼、たしなみとして身に着けたワルツのステップは、これがなかなかのもの。興味を抱いたらしい貴族たちに、オーデンはすぐにも取り囲まれて、
「ほほう? なるほど、これは優美なものだ。ではひとつ、余興に、ご指南願おうかな」
「わたくしにも、教えてくださいませ。素敵な紳士様!」
「ええ、もちろん。見返りに、と申しては、いささか不作法と存じますが……よろしければ、皆さまのお国に伝わる素晴らしいステップなど、私にお教えいただけるならば、光栄の至りです」
まだ皇帝陛下はホールへ顔を見せず、しばしの歓談の時間。暇を持て余していたらしい貴族の紳士淑女たちに、何だか大人気です。
「……みんなすごいのだ、何だかんだで溶け込んじゃってるのだ真央ちゃんびっくりなのだ~」
そんな彼らを見つめて、慣れない服に慣れない場所、決して居心地が良いとは言えない真央は、つぶやきます。
ファシナラは、不肖の弟子へと教え聞かせるように……そして、どこか懐かしそうに、まぶしそうに目を細めながら、ホールに集う人々を眺めて。
「ローシルテの歴史はまさしく、侵略国家のそれに他ならない、苛烈なものだ。しかし皮肉にも、国土の併合や技術の簒奪はそのまま、民族間の統合をも意味する。良きにしろ悪しきにしろ、我が国は他民族国家なんだ……人種や文化の些末な違いなど、誰も気にしやしないのさ」
「なんか……それって、フクザツなのだ」
眉をひそめた真央にはお構いなしに、貴族たちは踊ります。
「ファシナラさんは、音楽や踊りはお好きですか?」
ふと横合いから尋ねたのは、
薄野 五月
。
「僕かい? まぁ、それなりに、かな」
「では、私と踊ってはもらえませんかー? いえ、その。以前にお会いした、ファシナラさんと踊ったのを思い出しまして……」
五月の脳裏に、いまだ鮮明に焼き付く光景。
たき火を囲み、音楽と踊りを楽しんだ
、あの夜の思い出は、決して色褪せません。
「……僕と同じ名を持つ、その男のように、か。そうだね……では一曲、ご一緒願おうかな? お嬢さん」
ゆるやかに流れる宮廷音楽に乗せて、紳士淑女はステップを踏み、歓談に興じ、豪勢な食事をつまんで小腹を満たし。
宴はしばし、続きます。
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シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
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20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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