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さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
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【少年と猫】
「これは……」
少年皇帝、ベルベット陛下の案内で、旅人たちとファシナラが通された部屋は、そこらじゅうに良く分からない機械やら資料やらが所狭しと置かれて、壁には無数の書籍が並び、それに屋根に開いた大きな天窓から差し込む茜色の陽光で明るく輝く、何かの実験場のようなところです。
「懐かしいだろう、ファシナラ? そなたの研究所だ。今では、余がこの宮殿内で、唯一心の安らぐ場所……といったところかな。ひとりの時間は、ここでそなたの残したものを使って、研究に没頭するのが楽しみなのだ」
「……僕のことを、覚えてくださっていたとは……それに陛下は、魔導はお嫌いなものだとばかり」
「穏健派のそなたを、余は近しく思っていたのだぞ? もちろん魔導は嫌いだが、それでも、余は皇帝だからな……いつまでも、ワガママばかり言ってはいられないのだ」
と、皇帝が腕に抱いたアルクを愛おしげに撫でつつ、いくらか少年らしい、砕けた表情を見せたところで。
「……あ! 良かったぁ、みんな無事だったんだねー!」
部屋へやってきたのは、笑顔の
雨寺 凛
。それに
鈴原 天音
、
志波 武道
……囮として旅人たちを先へと送り出した、彼らです。
仲間たちはすぐにも駆け寄って、無事を確かめ合います。
「! 鈴原、それにふたりも……怪我してる(『い、今治すねっ!』)」
「大したことないんだよ~! でも、ありがと、林檎ちゃんっ」
毒島 林檎
がぱくりと飴をくわえて、兵士たちに小突かれでもしたのか、小さいながらも三人が負った傷を治療し始めると、
「兵たちの無礼については、余が詫びよう。すまなかった……できることなら、彼らを許してやってくれ。ローシルテは巨大で、国家は自ら、その成長を止めることはできないものだ……民を餓えさせないため、軍の者たちも必死なのだ」
「あー、エーット。アルクが元の飼い主と会えて、良かったデッス☆ な、良かったなーアルク……本当に、さ」
目を細めた武道が、少年の腕にすっぽりと収まったアルクの頭をくりくりとしてやると、白黒猫はご機嫌、ふにゃん。蕩けるような声を上げました。
皇帝は、そんなアルクと旅人たちを見比べて。
「ふふ。アルクの、この白黒毛並みはな? 余が誤って、髪染め用の魔導薬を振りかけてしまったものでな。アルクはもともと、白猫なのだ。まだらになってしまった白黒を繕うのに、ずいぶんと苦労をしたものだ。そう、この愛おしい毛並みを、もう二度と見ることはないものと、余は…………改めて、アルクを余のもとへ連れ帰ってくれて、礼を言う。ありがとう……」
ぺこりと、小さく頭を下げました。
椅子にちょこんと腰かけた少年は、くりくりとアルクの喉を撫でてやりつつ、切り出します。
「さて。そなたらは……別の世界から来た、と言ったな。ネコジマ? だったか」
「そーなのデス。寝子島よいトコ、一度はオイデー! なのデス!」
元気いっぱい、
トワ・E・ライトフェロゥ
。傍らの
夜海霧 楓
は、仲間たちを振り返り、
「ま、俺とトワはともかく……こいつらはその猫を届けるのに、相当な苦労をしてきたみたいだぜ」
相手がこの国を統べる皇帝であろうと、いつもブレない彼は、きっぱりと告げます。
「色々と、聞きたいはずだ。話してやることが、あるんじゃねーか?」
「……うん。その通りだ」
ぎゅう、と。アルクを抱き締めて。
「別の世界からきたという、そなたら。そして……アルク。その姿を見て、余はおそらく、事の次第を悟ることができた。これから語ることは、余の推測混じりではあるが……そなたらの疑念にいくらか、答えることもできるだろう」
少年は、どこか表情に悲壮を覗かせながらに、話し始めました。
やはり、半年前。全ての始まりは、そこにありました。
「ファシナラ。魔導事故のことは、この者らに話したのだな?」
「ええ、陛下。お父上のことも……僕の息子のことも」
「……そうか。そう、半年前……時空を飛び越え、軍船を他世界へと送り出し、侵略する……そのための実験だった。極めて大規模な、国の威信を賭けた試みだった」
腕の中の白黒、その境目へ指を添えて、少年は、半ば独白のように。
「アルクは、それに巻き込まれた…………」
実験の、当日。少年はアルクを抱きかかえながら、その様子を見守っていたそうです。父親、先帝が勇ましく先陣を切り、旅立つところを。
「物珍しかったのだろうな。アルクは余の腕をすり抜け、怖がることもなく、何気なくそこへと駆け寄った……止めなかった余自身を、幾度責めたか。巨大な閃光と爆縮が起こったのは、その直後だった……余が腰を抜かし、目をつぶり、再び開いた次の瞬間にはもう、あれほどの威容を誇った『偉大なる夜明け号』も……アルクの姿も。どこにも、見えなくなっていた」
「……良く、分からないな」
疑問を差し挟んだのは、
鴻上 彰尋
。
「俺たちは、アルクには2つの力が備わっていると考えていた。ひとつは、周囲の異なる言語同士を翻訳して、伝えること……」
「ああ、うむ。それは近年になって入ってきた、比較的新しい魔導でな。軍部の試作品を、余が父に頼んで、アルクの首輪へ迷子札代わりに仕込んでもらったのだ。役に立ったようだな」
思えば、ローシルティウムはどの世界においても、ローシルティウム。その呼び名は常に、変わることはありませんでした。あるいはそんな技術が、どこかで影響を及ぼしていたのかもしれません。
「……そして、もうひとつは」
彰尋は、複雑な色を表情に浮かべ、アルクを示します。
「異なる世界を、渡り歩く能力。『さまよい歩く』……と、言ったほうが良いかもな」
「確かに、そうですね」
オーデン・ソル・キャドー
もまた、旅人たちにも共通するであろう問いを、少年皇帝へと投げかけます。
「魔導というものには、馴染みがありませんが。他世界渡航実験とは、それに巻き込まれたアルクへも、同様の力を与えるようなものだったのですか?」
「…………ローシルティウムだ」
苦々しげに。この世界にも、いいえ、この世界にこそ深く息づいている茜色の宝石、その名を口にする少年の表情は、歪なものに見えました。
「アルク自身が、そのような力を得たわけではない。多くの偶然が重なった結果に、アルクは翻弄されていただけ……全てはアルクの首輪にはめた、このローシルティウムがあったからこそなのだ」
アルクの首元。旅人たちがこれまでに見てきた中でも、ひときわ美しく、ひときわ高純度の、茜色の宝石。
「そういえば。あの
旅芸人
の人たちが、仰っておりましたねー」
薄野 五月
が思い浮かべたのは、空と海の世界。一緒に歌い、踊り、そして談笑した、陽気な彼らの言葉です。
「王様か何かじゃないと、まずお目にかかれないものだと。貴重なものだから、誰かに渡したり、失くしたりしてはいけないよー、と」
「その通り、その石は特別なものだ。それは、初めて実用化にこぎつけられた、最初のローシルティウムなのだ。他の石とは比べ物にならないほど、極めて高純度な代物なのだ……あまりにも純度が高すぎると、精製するのに時間やコストがかかりすぎるのでな。一般に出回っている石は全て、扱いやすいよう、程よく純度を落としている。このローシルティウムの純結晶は、誰もが扱いきれず、しまい込まれたままになっていたのを、余が無理を言って、アルクの首輪に仕立てさせた」
「じゃあ……僕たちがこれまで、別の世界で見てきたローシルティウムは?」
サキリ・デイジーカッター
も、最初に訪れた有翼船が空を泳ぐ世界から、アルクに付き合ってきた旅人たちのひとりです。訪れたいずれの世界にも、あの茜色の石は、様々に形を変えながらに、存在していました。
「あの石たちは、どこから生まれてきたんだ? 今まで僕たちが旅してきた、あの世界たちは一体……」
「……『偉大なる夜明け号』にも、な。ローシルティウムは、搭載されていた……それも、少なからずに」
皇帝は、うつむいて。
「他世界渡航実験は概ね失敗ではあったが、ある側面から見れば、成功した部分もあったのだ。皮肉にも……時空の壁を飛び越えた船は、その衝撃に耐えきれず、船体をバラバラに引き裂かれながら……
多くの異世界へと、無作為に、ローシルティウムをバラ撒いた
のだろう」
「そうして、飛び散った石たちが……ツチボタルたちが、それぞれの世界で、石を育てて。そして世界を、蝕んでいった……?」
屋敷野 梢
ももちろん、真実を知ることを望んではいます。飄々とした顔を浮かべつつも、ここまでに、様々な考察を巡らせてきました。けれど、それを語る少年の表情は、ひどく重苦しくて……梢もまた眉を寄せて、細い肩へそっと優しく、手を添えます。
少年は顔を上げ、梢を見上げて。旅人たちを、ぐるりと見回して。
「そなたたち。アルクとの旅は……どうだった? 楽しいものだったか? それとも、辛いものであったか?」
「そりゃあ……まぁ、コワーイ思いもしたけどねぃ」
呉井 陽太
は肩をすくめて、
「みんなと一緒だったし、何とかやってこれたし。それなりに、楽しかったかなぁ?」
「そーだな。ここまで来てみりゃ、悪くはなかったよな!」
楢木 春彦
も、うなずいて。
アルクと旅した時間を、彼らはきっと大切な記憶として、胸へとしまいこんだことでしょう。危険な目にも、幾度も会いました。そしてそれ以上に、素敵な出会いがありました。決して、悪い思い出ばかりでは無いはずです。
だからこそ、と。少年は……皇帝は、身を震わせて。
「そうか。ならば……ならば。余はこれから、そなたらに……辛いことを、告げねばならないな……」
「えっと、どういうこと? 辛いこと、って……?」
鴇波 羽衣
の心配顔は、少年の表情こそが辛そうなものであったがためでしょう。
けれど。
「改めて言う、これは余の推測だ。だが、半ば確信でもある…………魔導事故が引き起こした巨大な爆縮は、『時空震』となり……おそらくは時間と空間を飛び越えて、そのはるか先へも響き渡ったことだろう。まるで深い海の中、イルカが音の波を放ち、遠くの仲間と意思疎通を図り、進むべき地形を把握してみせるように……寄せては返す『時空の波』を、アルクのローシルティウムは、『記憶』したのだ」
彼の語る言葉は、きっと旅人たちの胸へと深く、突き刺さったことでしょう。
「かつてある魔導士が、こんな仮説を述べた。極めて高純度のローシルティウムには、いずれ『世界そのものを記憶する』ことすら可能になるかもしれない、と…………アルクの石は、遥か彼方の時を越えて響いた、時空の波を記憶した。異世界へと散ったローシルティウムがもたらす滅びと、世界たちの断末魔の音を……ローシルテが滅ぼした、数々の世界の嘆きを…………そなたらが巡ってきたのは、『遥か昔に滅びた世界の記憶』。その、残響に過ぎないのだ」
そして。
「……そなたらが今見ている、余も……この、魔導帝国ローシルテも。たとえ軍部がローシルティウムによる滅びの可能性を知ったとしても、自らを止められるとは思えぬ。傀儡にして矮小な子どもである余に、止める力があったとも…………きっと、全ては遠い昔に消え失せた、ただの幻…………」
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3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月21日
参加申し込みの期限
2016年02月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月28日 11時00分
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